〔フクシマ・For the Record〕 西日本新聞 8・9 ナガサキ 社説 「平和宣言を原発論議の契機に」
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1948年に始まった宣言文で原発のあり方に言及するのは初めてだ。原発の安全神話が崩れたいま、放射能汚染の恐怖を知るナガサキからの呼びかけを重く受け止めねばならない。
被爆地として、原発にどう向き合うのか。かつてない課題に直面し、長崎平和宣言は起草委員会での取りまとめが難航した。しかし、事実上の脱原発を訴えることで、軍事利用だけでなく平和利用も含めた「非核」の立場へと一歩踏み出す形になった。
委員会では将来の脱原発を求める意見が大勢を占め、最終的には田上市長も決断する。「二度とヒバクシャをつくらないのが長崎の思いだとすれば、行き着くところは原発ゼロということになる」(7月28日の会見)。「ノーモア・ヒバクシャ」を訴える被爆地の市長の主張は明快になった。
ナガサキを最後のヒバクチに-という願いが裏切られた現実に真正面から向き合い、たどり着いた一つの結論が長崎平和宣言だ。今度は私たちが、それをエネルギー政策の国民的な見直し論議の契機として生かす番である。
Posted by 大沼安史 at 05:39 午後 | Permalink