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2011-07-24

〔☆ フクシマ・重要NEWS〕 経産省所管の独立行政法人 「原子力安全基盤機構」が「フクシマ」事故前、同じ型の原子炉(沸騰水・マークⅠ型)での「配管破断による溶融貫通」想定シミュレーション(アニメ動画)を制作 ◇ 核燃料 30分後に溶融開始 ⇒ 事故発生1時間後に溶融燃料が圧力容器下部へ到達⇒ 事故発生3時間後に圧力容器を貫通 ⇒ ペデスタル下部のコンクリート床面に落下 ⇒ ガスが発生し格納容器に充満し、建屋内に漏洩 ⇒ 環境に放出 この間の所要時間は「20数時間」 ビデオとナレーション全文・書き起こし

 次のサイト(⇒ http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/blog-post_22.html)の情報をもとに確認したところ、ユーチューブに7月22日、「独立行政法人・原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成していた、炉心溶融のシミュレーション画像」のコメントでつきで、以下のビデオがアップされていた。

 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=wwYk62WpV_s&feature=player_embedded

 「防災用事故シナリオ理解のための教材(BWRマークⅠ型)」と題する研修用のビデオ(4分59秒)。

 以下に、この視聴覚教材のナレーションを大沼が書き起こしたものを紹介するが、まずもって注目すべきはこのビデオが「フクシマ」と同型の炉でのシビア・アクシデントを――それも、今回の「フクシマ」の事故で地震により起きたとみられている「配管の破断」を想定していることである。

 次に注目すべきは、事故の展開の速さである。

 核燃料 30分後に溶融開始 ⇒ 事故発生1時間後に溶融燃料が圧力容器下部へ到達⇒ 事故発生3時間後に圧力容器を貫通 ⇒ ペデスタル下部のコンクリート床面に落下 ⇒ ガスが発生し格納容器に充満し、建屋内に漏洩 ⇒ 環境に放出 この間の所要時間は「20数時間」

 「フクシマ」でも、こうしたテンポ、あるいは勢いで事故が進んで行ったのだろう。

 冷却停止から、たった3時間で核燃料、圧力容器を貫通 !放射性ガスの環境放出まで「わずか20数時間」!

 原子炉防災専門官向けの研修ビデオとあって、(「防災」の域を超えた)圧力容器を貫通した溶融核燃料が基部のコンクリートをさらに突き抜ける「メルトスルー」や、「水素爆発」の事態までは描いていないが、これは「フクシマ」で実際に起きたか、起きかけていることである。

 日本政府は「原発は絶対安全」と言いながら、その陰で、メルトダウン事故まで(コンピューター)解析(モデル)により「想定」していのだ。

 (「原子力安全基盤機構」はいわゆる「安全コード」と言われる「コンピューター解析モデル」を持っていたのだ! 「フクシマ」の事故発生時からすでに、その「安全コード」を使って、事故の実相を把握していたものと見られる。この点については、拙著、『世界が見た福島原発災害――海外メディアが報じる真実――』(緑風出版)の「第7章」を参照)

 想定していながら、対策を怠っていたのだ。

 研修ビデオの「結び」のコトバが笑わせる。「万一、こうした事態に至った場合でも住民の方々に安全・安心していただけるように……」

 シビア・アクシデントが起きたとき、周辺住民はどうして安全・安心していられよう。

 以下は、教材のナレーションの全文・書き起こし。

 ◇ 教材ビデオ 書き起こし(全文)

 いまからご覧いただく映像は沸騰水型原子炉の設計基準事故を超えるような、いわゆるシビア・アクシデントを想定し、視覚的に説明したものです。この例では20数時間に及ぶ事故の経過を、およそ5分の映像にまとめています。

 事故事例

 原子力圧力容器に繋がる大きな配管が破断し、大量の放射性物質が環境に放出される事故

 それではマークⅠ型圧力容器を例に、原子力圧力容器に繋がる大きな配管が破断し、大量の放射性物質が環境に放出されるようすをご覧いただきます。

 (画面に以下の表示 事故シーケンス
  事故発生後に制御棒が完全に挿入され、原子炉が停止した後、炉心を冷却するための全ての注水に失敗するケース

 これは事故発生後に、制御棒が完全に挿入されたことにより原子炉が停止し、その後、炉心を冷却するための全ての注水に失敗するケースです。

 配管破断事故が発生すると、冷却剤が流失し、原子炉圧力容器内の水位が低下します。

 制御棒は挿入されますが注水に失敗するため炉心が露出します。

 炉心が露出すると燃料の冷却ができないため残留熱により燃料温度が上昇します。そして最も温度の高くなる炉心中央部の燃料が溶融します(画面表示 事故発生から約30分後

 ⇒ 溶融した燃料はやがて圧力容器下部に到達します。解析により、事故発生からおよそ1時間で、この状態になると予測されます。

 ⇒ 圧力容器は厚さおよそ12から15セイチの鋼鉄製ですが、溶融した燃料は非常に高温であるため、ついには原子炉圧力容器を貫通します。解析により、事故発生からおよそ3時間でこの状態になると予測されます。

 ⇒ 貫通した溶融燃料は原子炉圧力容器を支えるペデスタルの中間床面に落下します。そしてコンクリートの床を侵食しながらガスを放出し、格納容器の温度および圧力を上昇させます。マークⅠ型格納容器では、その溶融燃料がコンクリートで形成されたペデスタルの中間床面を貫通し、さらにその下部にあるコンクリート床面上に落下します。

 ⇒ ペデスタル下部のコンクリート床面に落下した溶融燃料によりガスが発生します。このガスが格納容器に充満して、温度及び圧力が徐々に高くなります。そして圧力が格納容器の限界を越えたときに格納容器のフランジ部から原子炉建屋内に大量の漏洩が起こると想定し、防災策を講じます。

 ⇒ 漏洩したガスには希ガスやヨウ素などの放射性物質が含まれており、原子炉の建屋を経由して排気塔から環境に放出されます。今回は防災用事故シナリオ理解のために配管破断に起因する最悪の事例をご覧いただきました。

 ⇒ 万一、こうした事態に至った場合でも住民の方々に安全・安心していただけるように、日ごろから防災担当者への訓練を通して原子力災害時の対応能力の習熟に努めております。

Posted by 大沼安史 at 11:39 午前 |

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