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2011-06-24

〔フクシマ・ノート〕 「カルカー」と「もんじゅ」 メルケル首相・皇太子さま 架空会談 

 日独交流150周年で訪独した皇太子さまとメルケル首相の会談が23日、ベルリンの首相公邸で行われた。

 「フクシマ」で「原発」に別れを告げたメルケル首相と、「フクシマ」の悲劇が進行中の日本からやって来た皇太子さまの会談は、「原発災害」をめぐるものにもなったという。

 2人の話し合いの詳細は明らかにされてはいないが、ドイツ政府筋によると、日独両国の今度の協力の可能性が話し合われたそうだ。

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 「脱原発」を決めたメルケル首相のドイツは、原発災害で悲惨のどん底に突き落とされた日本に対して、どんな協力をしようとしているのだろう。
 
 ひとつハッキリしているのは、ドイツは間違っても、日本の「原発再推進」に対し協力することはないということだ。

 「脱原発」を決めたドイツへの皇太子さまのご訪問は、「3・11」以前に決まっていたこととはいえ、2人の会談は世界に対し、「フクシマ」後の世界のあり方を示すものになった。

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 メルケル首相と皇太子さまの間で、「原発災害」問題をめぐって、どんなやりとりがあったか?

 メルケルさんはもともと理論物理学者だから、「フクシマ」の悲惨は百も承知のはずだが、外交の礼儀で、日本が直面する悲劇の元凶を、あれこれ具体的にあげつらうことはなかったろう。

 メルケルさんはもちろん、皇太子さまが英国留学時代、「テムズ川の水運」を研究し、留学中の1985年に初めてドイツを訪れ、「ライン下り」を楽しんだことを知っていたはずだから(ドイツ外務省が事前ブリーフィングをしたはずだ。皇太子さまは、訪独前の記者会見で、このドイツ旅行のことをお話になっている。東京のドイツ大使館から当然、報告が上がっていたはずだ)、ごく自然な流れとして、会談の最初の話題は、この「ライン下り」になったことだろう……

 もちろんこれは私の勝手な想像だが、もしも仮に、「1985年のライン下り」が話題になったとすれば、お2人の話は、以下のように展開したはずだ。

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 メルケル首相 ドイツを初めて旅行された時、ライン下りを楽しまれたそうですね。

 皇太子さま オックスフォードに留学中の、1985年(昭和60年)の夏のことでした。

 首相 1985年の夏に……ライン川を下られた……まさか、あの「カルカー(Kalkar)」まで?

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 メルケル首相はここでなぜ、「カルカー」を思い起こさなければならなかったか?

 それはもちろん、この会談の途中、メルケル首相を含む世界の為政者は――原子力関係者は、あの「もんじゅ」の引き抜き作業決行をハラハラドキドキしながら、見守っていたからである。

 あまりにも危険で、あまりにも意味のない高速増殖炉「もんじゅ」が引き抜き作業の失敗で、下手したら爆発事故を起こしかねないと、全世界が固唾をのんで見守り続ける、その最中での、皇太子さまとの会談だった。

 風向き次第では京都をはじめ西日本をイッパツで即破局に追い込む「もんじゅ」の危険性がクローズアップされる中で行われた会談での「1985年のライン下り」だった。

 「カルカー」とは、オランダ国境に近いライン川下流・カルカー河畔に建設された高速増殖炉である。日本の「もんじゅ」のモデルとなった高速増殖炉である。

 その「カルカー」が1985年の7月、前年の11月に続き、2回目のナトリウム漏れ火災事故を起こしていた。そしてその年の12月には3回目のナトリウム火災を起こしている。そして今、「もんじゅ」で危険な抜き取り作業が……

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 皇太子さま いえ私は、「カルカ」ーまで下(くだ)りはしませんでした。

 メルケル首相 ああ、そうでしたか……。

 皇太子さま たしか、カルカーの高速増殖炉SNR300はナトリウム火災のあと、貴国政府のご英断で、廃炉になったのですね。

 首相 ええ、ちょうど20年前、1991年のことでした。 

 皇太子さま で、SNR300は今はどうなっているのですか?

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 そんな皇太子さまの質問に、メルケル首相はふだん見せない慈母のような微笑を浮かべながら、皇太子さまにこう語りかけた。

 メルケル首相 皇太子殿下、実は「カルカー」はいま、なんと遊園地に変身しているのです。巨大な冷却塔も、発電所の建屋もそっくり残し、転用してアミューズメント・パークの「不思議の国・カルカー」に変身を遂げているのです。

 皇太子さま な、なんて素晴らしい!

 首相 冷却塔の外側には、アルプスの壁画を描いたりしてね。ジェットコースターもあるし、メルヘンのような汽車ポッポも走っている……カルカーの高速増殖炉は「安全で安心できる楽園」に変身したのです。

 皇太子さま 昔、地元の人たちが「カルカーの悪魔」と言っていた高速増殖炉が、家族が楽しめるワンダーランドに変わっていただなんて、ほんとにすごいことですね。

 首相 ホテルもありますから、こんどドイツにいらしゃる時は、家族そろって――愛子さまもお連れになって、カルカーまでお出ましになってください。雅子さまもお喜びになると思いますよ……

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 以上は私の想像上での会話の流れだが、もしも、この通り、話が弾んだとすると、メルケル首相と皇太子さまが約束した両国間の協力の中には、高速増殖炉「もんじゅ」廃炉に関する技術支援も盛り込まれたはずだ。

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 「脱原発(軽水炉)」を最終決定する20年前に、「高速増殖炉」を廃炉とする決断を下したドイツ。

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 IAEA「フクシマ閣僚会議」に出席したで海江田経産大臣は20日、ウィーンでの記者会見で、「もんじゅは稼動させるわけにはいかない」と明言したが、なぜこんな国際公約をしたか(せざるを得なかったか)というと、ドイツをはじめ世界各国が手をひいた高速増殖炉の開発を続けることは、正気の沙汰ではないからだ。

 「フクシマ」に続き、「モンジュ」が起きたら、日本が壊滅するばかりか、全世界が危機に瀕することになる。

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 「もんじゅ」の場合は「カルカー」と違って臨界に達しているから、遊園地化は困難だが、廃炉にして取り壊せば、若狭の海は自然を取り戻すことができる。

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 日本は高速増殖炉「カルカー」の廃炉に踏み切ったドイツの人々に勇気にも学ばなければならない。

 ☆ カルカー遊園地(⇒ http://www.wunderlandkalkar.eu/nl/beleving/familiepark/5/familiepark )の写真は、以下の頁に。

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Posted by 大沼安史 at 04:36 午後 |

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