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2011-06-02

〔新刊・発売中〕 世界が見た福島原発災害――海外メディアが報じる真実――

 上記タイトルの拙著が、緑風出版(⇒ http://www.ryokufu.com/top.html )から発売されました。(46版 本文276頁、1700円+税)

 以下は、書き出し、「プロローグ」の、最初と終わりの部分です。
 こういう問題意識で書いた本です。

 「沈黙の春」または悲劇のプロローグ
 
 福島の原発被災地を通過した桜前線の後を追うように――そしてさらには、「フクシマ・ダイイチ」から噴出が続く「放射能雲」をかいくぐって、ヒラリー・クリントン米国務長官が来日したのは、四月十七日のことだった。韓国に十七時間滞在したあとの来日。東京での滞在時間は、わずか五時間だった。
 例によって、日本のマスコミは歌い上げた。

 「原発事故終息へ、ゆるぎなき支援」「復旧・復興に向け、日米の官民協力」「同盟関係の深化を協議」…………
 
 これに対して、ニューヨーク・タイムズはクリントン長官の来日をどう伝えたか?

 …………

 (中略)

 米紙、ボストン・グローブのコラムニストでもある作家のジェームズ・キャロル氏は、「核廃絶」を願って、『戦争の家(House of  War)』というノンフィクションの大著を書いた人だ。

 事故発生十日後の三月二十一日付の同紙に、「私たちの沈黙の春(Our silent spring)」というコラムを書いた。

 「フクシマ」を、レイチェル・カーソン女史の『沈黙の春』の視点でとらえ返したコラムだった。

 アメリカに最初の商用原発が建設されたのは、女史がDDTなど農薬による環境破壊を告発する『沈黙の春』の原稿を書いていた一九五八年のこと。以来、半世紀以上に及ぶ原発大増設の果てに「フクシマ」は起きた。

 「人間による自然に対する攻撃はここ数十年にわたってエスカレートするばかりだった。そして先週、ついに日本で破局が起きたのである。これは私たちに対する最も新しい警報である」

 キャロル氏もまた「フクシマ」の事故を聞いて言葉を失った一人だ。「人間の致命的な過ちの結果に」声を失し、しばし沈黙せざるを得なかったそうだ。「私たちの沈黙は、レイチェル・カーソン女史の『沈黙の春』と響き合うものである」

 ここでキャロル氏のいう「沈黙」とはもちろん、告発の言葉が生まれる源を指す言葉だ。カーソン女史が告発の本を書いたように、私たちもまた沈黙の後、言葉を発しなければならない。

 「アメリカの真ん中に町がありました。そこでは全ての命が環境と調和して生きていたのです。しかし、ある時、奇妙な影が忍び寄り、その瞬間、すべてが変わり始めたのです。悪しきものがそのコミュニティーに降り立っていたのです……」

 キャロル氏がコラムに書き写した、『沈黙の春』のこの書き出しは、「悪しきもの=死の灰」を放出し続ける「フクシマ」の描写にもなり得るものだ。

 私たちはいま、悪しきものが強いる「沈黙の強制」に抗し、告発の言葉を語り始めなければならない。

  # # # #

 章立ては以下の通りです。

 世界が見た福島原発災害――海外メディアが報じる真実――

                 大沼安史著 緑風出版
  (46版 本文276頁、予価 1700円+税)

 「沈黙の春」、または悲劇のプロローグ

 第1章 放射能雲

 第2章 飯舘村

 第3章 NRC秘密報告

 第4章 爆弾発言

 第5章 「料理されちゃうからね」

 第6章 再臨界
 
 第7章 「安全コード」

 第8章 アトミック・アンヌ

 第9章 死の灰・コトバ・桜

 第10章 ウィキリークス 

 第11章 原子力村

 第12章 サムライ

 第13章 カク・ミチオ教授の警告

 第14章 ミステリー

 第15章 校庭に原発が来た!

 終わりのないエピローグ

Posted by 大沼安史 at 08:42 午後 |

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