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2011-06-02

〔フクシマ・ノート〕 直接原因(?)とされる「津波」は原発本体ではなく岸壁際の非常発電用燃料タンクを破壊していた……!? 

 「津波を直接原因」としたIAEAの暫定報告で気になることが2点、あるので書いておく。

 ① ひとつは、これまで「一台だけ生き残っていた」とされていた非常用のディーゼル発電機が、「6B」(おそらく6号機のB。フクシマ・ダイイチには各号機に2台ずつ非常用のディーゼル発電機が設備されていた)というもので、これが「5、6号機間で共有される形で非常電源を供給する状況になっ」ていたことだ。つまり1~4号機の計8台の非常用ディーゼル発電機は「全停止」状態になっことが確認されたわけだ。

 ② ふたつ目は、「津波及びそれに伴う大きながれき」で「タンク」もまた「破壊」されたと明記されていることだ。
 (この2点目の「タンク」については政府(緊急災害対策本部)の資料にも「15時=午後3時45分 オイルタンク流出」と記録されており、IAEAが初めて確認したものではない)

 さて、問題は①の1~4号機の非常用ディーゼル発電機は何が原因で全停止したか、だが、これについて「IAEA暫定報告」は、こう書いている。

 「津波は、これらのユニット奥深くに到達し、緊急ディーゼル発電機の1台(6B)を除くすべての電源の喪失を引き起こし……」

 「IAEA暫定報告」は非常用ディーゼル発電機は「6B」を除き、津波をかぶって停止したような書き方をしている。8台とも全部が津波で止まったような書き方をしている。

 ほんとうだろうか?

 なぜ疑うか?

 「IAEA暫定報告」にはこう書かれている。「大規模な津波の第一波は、東京電力福島第一のサイトに地震発生から約46分後に到達した」

 地震発生は午後2時46分だから、大津波の第一波は午後3時32分ごろに到達したわけだ。(第一波は午後3時01分ごろ、だという説もある)

 ところで、東電の報告によると、「ディーゼル発電機が故障停止」したのは「午後3時41分」。これによって「1、2、および3号機のすべての交流電源が失われた」と明記されている。

 大津波の第一波が来たのが午後3時32分ごろで、ディーゼル発電機が故障停止したのが3時41分。

 この間、つまり10分間近くは、ディーゼル発電機は動いていたことになる。大津波をかぶっても(そのあと次々に押し寄せたとみられる津波をかぶったとしても)動いていたことになる。

 ここからディーゼル発電機は津波をかぶったかも知れないが、がんばってちゃんと動いていたのではないか?――という可能性(あくまでの可能性だが)が生まれる。津波の直撃(これもあったとしての話だが)にもめげず、ちゃんと発電を続けていた可能性が生まれる。

 では、何がディーゼル発電機を全停止させたか?

 東電が発表した津波襲来時の写真を見ていただきたい――以下に掲げる2枚を、見ていただきたい。

110519_2_3

110519_2_4

 上の写真では、タンクが3つ並んでおり、そこに津波が押し寄せている。下の写真は、タンク3つのうち(水没しながらも流されなかったとみられる)「大型のタンク」1基のみが写っている。
 上の写真の3基のタンクのうち、小型の「重油タンク」2基は、下の写真では画面の枠に入っておらず、写されていない。

 上の写真が撮られた、ということは、このアングルの写真はほかにもあるはずである。にもかかわらず、津波が押し寄せた後、同じアングルで撮影された(はずの)写真は、なにゆえ発表されていないのか?

 その写真を公開すると、(1~4号機の非常用ディーゼル発電機に燃料を供給していた)小型の重油タンクが2基とも、そっくり津波でさらわれていたことが、バレてしまうからだ。(このタンク2基が津波でさらわれたことは、航空写真でも確認されている)

 津波の直撃を受けやすい岸壁の際に、最後の命綱のディーゼル発電機の燃料タンクを置いていた重大な「過失」がバレてしまうからだ。

 上記の②に指摘したように、「IAEAの暫定報告」も、「タンク」が「破壊」されたことを明言している。(1~4号機と離れた地点にある5、6号機のディーゼル発電機用の燃料タンクはおそらく、津波による破壊を免れたのであろう……)

 つまり、「フクシマ」の最終的な全電源喪失は、非常用ディーゼル発電機が津波をかぶって停止したからではなく、ディーゼル発電機に燃料を供給するタンクが2基とも津波でさらわれたことにより起きたのではないか?

 「IAEAの暫定報告」は、そんなシナリオの「可能性」を物語っているような気がする。

 ★ 以下は「暫定報告」の関係部分。
 
 津波は、最大5.7メートルの津波に持ち応えるよう設計されたに過ぎなかった東京電力福島第一の防御施設を圧倒した。同日、この施設に衝撃を与えた波のうち大きなものは14メートル以上と推定された。津波は、これらのユニット奥深くに到達し、緊急ディーゼル発電機の1台(6B)を除くすべての電源の喪失を引き起こし,施設内外に利用可能な電力源がなくまた外部からの支援の希望が殆どない状態をもたらした。

 東京電力福島第一における全交流電源喪失と、津波の衝撃は、1~4号機のすべての機器とコントロール・システムの喪失をもたらし、緊急ディーゼル発電機6Bは、5、6号機間で共有される形で非常電源を供給する状況になった。津波及びそれに伴う大きながれきは、東京電力福島第一において、ヒートシンクの喪失も含め、広範囲にわたり多くの建物、戸口、道路、タンクその他のサイトのインフラの破壊を引き起こした。

 The station blackout at TEPCO`s Fukushima Dai-ichi and impact of the tsunami rendered the loss of all instrumentation and control systems at reactors 1-4, with emergency diesel 6B providing emergency power to be shared between Units 5 and 6. The tsunami and associated large debris caused widespread destruction of many buildings, doors, roads, tanks and other site infrastructure at TEPCO`s Fukushima Dai-ichi, including loss of heat sinks.

 These tsunami waves overwhelmed the defences of TEPCO`s Fukushima Dai-ichi facility, which were only designed to withstand tsunami waves of a maximum of 5.7 meters high. The larger waves that impacted this facility on that day were estimated to be larger than 14 meters high. The tsunami waves reached areas deep within the units causing the loss of all power sources except for one emergency diesel generator (6B), with no other significant power source available on or off the site, and little hope of outside assistance.

Posted by 大沼安史 at 05:54 午後 |

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