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2011-06-21

〔フクシマ・NEWS〕 AP通信が調査報道でスクープ アメリカの原発の4分の3から放射性トリチウムが漏れている 地下水にも漏れ出す 少なくとも37サイトで飲用水の基準超え

 米国のAP通信が1年がかりの調査の中でNRC(米原子力規制委員会)の記録を調べた結果、全米65の原発サイト(原子炉総計104機)のうち、すくなくとも48の原発サイトから、放射性トリチウムが漏出ししていることが分かった。
 このうち、少なくとも37の原発サイトから出た放射性トリチウムは米連邦政府の飲用基準を超える濃度に達している。
 ⇒ http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5jMJtwENmAbVuvg0IYHCgltaPQ7Sw?docId=98900916dccc4da49c5275700921980a

 イリノリ州の2つの原発サイトとミネソタ州の1つの原発サイトでは、基準を下回ったものの、周辺の一般家庭の飲用井戸水を汚染していることが分かった。

 またニュージャージー州の原発の漏出トリチウムは帯水層と排水運河を汚染していることが分かった。

 トリチウムは土壌も通過しやすく、トリチウムが発見された同じ地点で、より強力な放射性同位元素が検出されがちだという。

 目下、水没の危機に瀕するオマハ近郊の「フォート・キャルフーン原発」でも2007年、セシウム137とともに放射性トリチウムが検出されている。

 このトリチウムの漏洩問題はまた、原発の安全性(非常事態対策)にも疑問を投げかけるものだ。冷却用の地下パイプからの漏出が考えられるからである。

 地下パイプからの(冷却水の)漏洩は2000年から2009年までの間に、全米の原発の地下パイプで38件のも漏洩が起きている。2008年にはイリノイ西部の「クアド・シティーズ原発」で米国環境保護庁の「基準」を375倍、上回るトリチウム汚染が起きている。

 トリチウムの最大のリスクは飲用水を汚染することだ。米国環境保護庁は1リットルあたり2万ピコキューリーを超えてはならない、とする基準を設けている。これは数十年にわたって飲用した場合、20万人に7人が癌を発症するリスク確率だ。

 こうした地下パイプの漏洩は場合によって、何年もの間、気付かれずに放置されていることも、AP通信は確認した。

 「憂慮する科学者たち」が昨年9月に発表したところによると、米国原発史上、(トリチウムを含む)400件以上の放射性物質の漏洩が明らかになっている。

 トリチウム漏洩は中西部の原発にかぎらず、東部の原発でも起きている。ニュージャージー州南部の「オイスタークリーク原発」は全米で最も老朽化した原発(41年)だが、2009年4月、作業員が偶然に漏出を発見した。

 米国最大の原発オペレーターは「エクセロン」社(17機)だが、同社のプレゼン資料にはなんと、「100%の漏出防止は実際的ではない」と記されている。AP通信は、プレゼン資料の
コピーを入手した。
 同社は昨年、イリノイ州の基準違反(地下水汚染)を認め、120万ドルの解決金を支払った。

 こうした放射性物質の漏洩を続けておきながら、米国の原子力業界は公衆の健康ではなく、公衆への世論工作(PR)にかまけている、と厳しく批判している。

 大沼 AP通信の記事は全世界はもちろん、全米隅々の地方紙、放送局に配信されており、その影響力は測り知れない。

 「フクシマ」に続く、ネブラスカの原発の洪水災害の危機――そしてこの、放射性トリチウム漏洩問題……。

 アメリカでもまた「脱原発」に動かざるを得ない状況が生まれつつある。

 この原発からの放射性トリチウム漏洩問題、日本ではどうなっているのだろう? 

 なお、原子力資料情報室(CNIC)によると、トリチウム(水素-3)は、人工的には、リチウム-6(6Li、同位体存在比7.5%)と中性子の反応でつくられる。1954年3月1日にビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験では、2.0京ベクレル (2.0×1016Bq)以上が大気中に放出された――そうだ。

 ⇒ http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php?cat_id=1 

Posted by 大沼安史 at 07:04 午後 |

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