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2011-06-02

〔フクシマ・For the Record〕 IAEA調査団 暫定要旨

 日本語(仮訳) ⇒ http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20110601_211954.html
 英文 ⇒ http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu_img/20110601_01.pdf

 〔フクシマ・ノート〕 IAEA 「チェルノブイリ」に続き、「フクシマ」でまたも真相隠蔽報告 

  これは「IAEA」というものの本性を自ら曝け出した、恐るべき暫定報告である。これは記録に残しておかねばならない。

 今月下旬に出る「IAEAフクシマ(最終)報告書」は、あの悪名高い、IAEAの「チェルノブイリ報告」(重松逸造委員長)とともに、「原発事故の恐ろしさ」を隠蔽する、犯罪的な文書として記憶され、断罪されることになるだろう。

 広島の放射線影響研究所の重松逸造理事長が委員長を務めたIAEAの報告書(1991年5月発表)は「住民には……放射線被曝に直接原因があると見られる健康障害はなかった」と結論付けて批判を浴びたが、今回の「フクシマ報告書(暫定)」も、たとえば

 「避難を含め,公衆を保護するための日本政府の長期的な対応は見事であり、非常に良く組織されている」
  The Japanese Government’s longer term response to protect the public,
including evacuation, has been impressive and extremely well organized.

 ――と評価している。

 福島の子どもたちに「20MSv」も長期間にわたって強制被曝させ、これからも無期限に被曝させてゆく日本政府の「長期的な対応」のどこが「見事」だというのか?

 飯舘村に代表されるあの大混乱のどこが、「非常に良く組織された避難」なのか?

 原因についても、IAEAの暫定報告書要旨は、以下のように「津波」が原因だと言い張り、原発システムは「設計どおり作動」したとして、何の問題もなかったような書き方をしている。

 「しかし、大きな津波は、程度の差はあれ、これらの施設すべてに影響を与えた。その最も重大な結果が、東京電力福島第一で発生した」
  However, the large tsunami waves affected all these facilities to varying degrees, with the most serious consequences occurring at TEPCO`s Fukushima Dai-ichi.

 何ども繰り返すが、ニューヨーク・タイムズが報じた、「ベント」システムが(手動でも)作動しなかったことについては一切触れられていないし、地震時に起きたとみられる配管などの損傷についての言及もない。

 事故を起こした張本人(の仲間)が現場で検証するからこういうことになる。

 こうしたIAEAの姿勢について、小出裕章さんは「もちろん地震そのものも悪かったのだが、IAEAは津波が悪かったということにして、日本で原発を作りたいということ」「地震国の日本で原発が動いていること自体が問題なのだが、IAEAはそのことを問題にしたくない。津波のせいだけだということに押し込めたいと思っている」と指摘しているが、まったくもってその通りである。

 IAEAはしょせん、「原子力の(権益を守る)番犬」に過ぎない。今回の暫定報告で、独立性も客観性もない、その正体があらためて確認された。

 評論家の柳田邦男さんも加わった日本政府の事故調査委員会の調査活動に期待する。

Posted by 大沼安史 at 11:54 午前 |

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