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2011-05-15

〔フクシマ・ノート〕 心臓を止め、髪を脱落させるもの

 14日、60代の作業員が死亡した。「集中廃棄物処理施設」で作業をしていて「体調不良」を訴えそうだ。
 ⇒ http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110515ddm041040193000c.html

 「死因は心筋梗塞」と聞いて、「チェルノブイリ」の少女のリエシャさんのお父さんのことを思い出した。

 リエシャさんは、フォトジャーナリストの広河隆一さんが書いた『チェルノブイリから広島へ』(岩波ジュニア新書)に出て来る。

 リエシャさんのお父さんはチェルノブイリの事故後、除染作業にあたっていた。1990年3月、仕事に出ようとした朝、心臓麻痺に襲われて亡くなった。39歳だった。

 「フクシマ」の作業員と同じ死因……。2人に共通するのは被曝労働を続けていたことだ。
 60代の男性作業員が働いていた「集中廃棄物処理施設」にはおそらく、放射性がれきが大量に運び込まれていたのだろう。核燃料の破片すらあったかも知れない。

 広河隆一さんの本に、リエシャさんの写真が載っていた。白っぽい毛糸の帽子をかぶって、強い目でこちらを見ている写真だ。
 髪の毛が抜けていたのだ。

 「フクシマ」と「チェルノブイリ」。同じ「レベル7」の核災害。
 死んだ人の苦しみも、生きる人の苦しみも、「フクシマ」と「チェルノブイリ」は変わらない。

 お父さんが亡くなった時、リエシャさんは9歳だったから、いま30歳になっているはずだ。
 帽子はもう、かぶらずにすんでいるだろうか?

 「フクシマ」を知った今、彼女はきっと「フクシマ」の子どもたちのことを心配しているに違いない。

 「死因は心臓麻痺・心筋梗塞」――リエシャさんのお父さんも、福島の60代の男性も、そう診断されたけれど、ほんとうの死因は違う。

 「チェルノブイリ」と「フクシマ」で生きている人の心臓をとめるのは「被曝」であり、少女の大切な髪を脱落させるのは「被曝」である。

Posted by 大沼安史 at 08:09 午前 |

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