〔★★★ 原発NEWS〕 東電経営陣 「海水注入遅れ」に批判 GE(ゼネラル・エレクトリック)の事故対応手続きに従わず?
ニューヨーク・タイムズは、東電の経営陣(役員)が海水注入の決断を先送りし、事態を悪化させたのではないか、と疑問を投げかける記事を掲載した。
それによると、東電経営陣が「海水注入」をしたのは、事故発生の翌日、それも水素爆発が起きてから「4時間以上」経ったあと。
「使用済み燃料」についても同様で、その気なら、もっと早く対応できていたはずだという指摘だ。
「フクシマ」と同じGE社の原子炉を操作して経験のある米国の専門家によると、GEの緊急事態操作手続きには、こうした場合、炉を水浸しにする方法が「非常に明確」に書かれているし、オペレーターは年に何度も、海水注入の訓練をしているはずだと語った。
このGE社の操作手続きには「炉内の温度や圧力」に応じて採るべき対応措置が記されている。
ニューヨーク・タイムズによると、東電はこうした「炉内温度や圧力」のデータを開示していない。
日本の専門家もまた、「東電の役員たちは、金曜日(11日)の午後になっても、まだ必死に動かなかった。原子炉のことばかりが彼らの頭にあった。そして炉は自動停止していた。使用済み燃料の問題に対し、もっと早く準備できたはずだ」と厳しく批判した。
東電が直ちに炉の海水注入に踏み切らなかったことについて、日本の専門家は、(海水注入は廃炉につながり、原発を新規につくるには膨大な経費がかかることなので)、「経済的にタフな決断を迫られたから」と見ている。
タイムズによれば、使用済み燃料プールの問題で可能性として考えられるのが、冷却水の蒸発ではなく、地震によりプールに亀裂が走り、燃料棒がむき出しになった場合である。冷却水の温度、及び水位をどんなふうにモニターしていたかは、今度の第三者による調査に待たねばならないが、どんなデータがオペレーターに与えられていたか、見逃しの問題を含めて検証されねばらない。
このほか、タイムズによれば、
① 炉内の温度、圧力が低いうちに海水注入を決断していれば、よりかんたんにできたはずだ。
② 事故後、数時間は発電所の蓄電器が使えたはずだ。
③ 炉が自動停止した直後に海水を注入していれば、より少ない海水で抑えることができた。水蒸気の発生も少なくて済んだ。
④ 海水注入後、仮に燃料棒が再び露出しても、水素ガスの発生はよりスローなものになったはずだ。
⑤ たとえ炉心で部分溶融が起きていたとしても、その日のうちであれば、少ない海水量で済んだはずだ。
―― とも指摘している。
タイムズはさらに、事故後、原発のエンジニアが発電機の復旧の方に引っ張られていたことも問題点として指摘している。
⇒ http://www.nytimes.com/2011/03/20/world/asia/20time.html?hpw
Posted by 大沼安史 at 06:47 午後 | Permalink
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