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2011-03-22

〔★★★★★ 原発 NEWS〕国(経産省保安院)、事故の1ヵ月前、最老朽の「1号機」の「10年運転延長」を承認 問題だらけにもかかわず決定――ニューヨーク・タイムズが暴露 政府と東電の「天下り・なれあい」にも批判 佐藤栄佐久・元福島県知事、「同じ羽根のムジナ鳥だ」

  「フクシマ」大事故が発生するちょうど1ヵ月前、日本政府の原子力安全・保安院が、安全性の警告が出ているにもかかわらず、6つの炉の中で最も老朽化した1号機の「10年間運転延長」を承認していた!――と、ニューヨーク・タイムズが報じた。⇒ http://www.nytimes.com/2011/03/22/world/asia/22nuclear.html?_r=1&hp

 同紙はなんと電子版記事に、2月7日付で、経産省(原子力安全・保安院)が出したプレス発表、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所1号炉の高経年化技術評価書の審査結果及び長期保守管理方針に係る保安規定の変更認可について」という文書まで、(たぶん証拠として&日本人である私たちにご覧あれ、と)掲載した。⇒ http://www.meti.go.jp/press/20110207001/20110207001.pdf

 こんな「プレス発表」が行われていたのだ。

 その結論部分は、以下の通り。

 3. この結果及び独立行政法人原子力安全基盤機構による技術的妥当性の確認結果を踏まえるとともに、専門的意見を聴取するため、高経年化技術評価WGを6回開催し、総合的な審査を行った結果、「高経年化技術評価」及び「長期保守管理方針」について審査基準(高経年化対策実施ガイドライン等)に適合するものと判断し、本日、原子炉等規制法第37条第1項に基づく認可を行いました。また、その結果を原子力安全委員会に報告しました。
 4. 今後、東京電力は、保全計画に今般、認可を行った福島第一原子力発電所1号炉の長期保守管理方針に基づき、具体的な保全対策を反映することとなっています。当院は、保全計画の適切性を事前確認し、確認した保全計画に基づき、高経年化対策が適切に実施されているかについて、立入検査等により厳格に確認することとしています。

 事故の1ヵ月前のこの段階で、原子力安全・保安院が「廃炉」を決めていたら――あるいは「立入検査等により厳格に確認」していたら、「フクシマ」は回避されていたかも知れないわけだ。
 (こんな事実を、ニューヨーク・タイムズに教えてもらわなくちゃならない日本人の悲しさよ……。日本のマスコミは何をしていたのだ? 「フクシマ」の10年延長問題を検証した記事、見たことないぞ!)

 タイムズの記事は、さらにこう踏み込んでいる。

 この問題を審査した原子力安全委員会が、「1号機」の非常用ディーゼル発電機の亀裂(ストレス・クラック)の問題を指摘していたのだ。発電機に亀裂があると海水が進入し、故障につながる。津波による非常用発電機の故障――これこそ、今回の事故で起きたことだと、タイムズ紙は指摘している。
 
 「10年延長」が認められた数週間後、東電は給水ポンプ、ディーゼル発電機を含む冷却システムで、33もの設備の点検を怠っていた(1~6号機の全てにおいて)ことを認めていた(この点はルモンド、インディペンデント紙既報)。

 保安院は今回の事故前にHPにこの事実を掲載している。
 保安院は「メンテナンスの管理も不十分、点検の質も不十分」と指摘していた。

 (「10年延長」を承認した後でなく、承認する前に指摘し、改善させるのは、本来の順序ではないか)

 タイムズ紙は、「フクシマ」の老朽炉の「運転延長措置」の決定、および「点検逃れ」は、東電と政府当局の「不健康な関係」(批判者の表現)を浮き彫りにするもの、と書いている。

 The decision to extend the reactor’s life, and the inspection failures at all six reactors, highlight what critics describe as unhealthy ties between power plant operators and the Japanese regulators that oversee them.

 タイムズ紙はまた審査にあった委員会の委員の大半が大学(アカデミア)の研究者であり、自分たちを任命した(雇った)機関に、めったのことでは挑戦しない、とも指摘している。
 (御用学者の責任は、ここにもある。これは厳しく批判されねばならない)

 「1号機」の「10年延長」を承認するにあたって保安院は2月初め、東電に対し格納容器へのる放射線によるダメージ、圧力抑制室のスプレーの腐食、炉の主要ボルトの腐食、炉への給水の流れを測定する際の伝導問題をモニターするよう指示していた。
  
 In approving the extension in early February, regulators told Tokyo Electric to monitor potential damage from radiation to the reactor’s pressure vessel, which holds fuel rods; corrosion of the spray heads used to douse the suppression chamber; corrosion of key bolts at the reactor; and conduction problems in a gauge that measures the flow of water into the reactor, according to a report published in early February.

 こうした疑問があるにもかかわらず、「10年延長」が承認された「1号機」は、GE(ゼネラル・エレクトリック)社によって1971年に建設されたもの。東電は延長分をふくめ、寿命は60年ある、と主張していた。

 「フクシマ」の設計に携わったこともある、エンジニアの田中三彦氏は、「フクシマ」の原子炉は時代遅れで、とくに「圧力抑制室」が小さすぎるため、今回の事故で東電は何ども圧力を逃さざるを得ず、放出放射能の食品・水汚染を引き起こした、と批判した。

 Mitsuhiko Tanaka, an engineer who worked on the design of the reactors at the Fukushima Daiichi plant, said the reactors there were outdated, particularly their small suppression chambers, which increased the risk that pressure would build up within the reactor, a fault eliminated in newer reactors. Since the tsunami, officials at Fukushima Daiichi have tried to relieve rising pressure inside the reactors, several times resorting to releasing radioactive steam into the atmosphere, a measure that in turn has contributed to the contamination of food and water in the area.

 また元福島県知事の佐藤栄佐久氏も「もともと信用できない組織が日本の原発の安全を担っている。東電は長い隠蔽の歴史を持っているが、それに限った問題ではない。システムの全体に欠陥がある」と批判した。
 
 “An organization that is inherently untrustworthy is charged with ensuring the safety of Japan’s nuclear plants,” said Mr. Sato, governor from 1988 to 2006. “So the problem is not limited to Tokyo Electric, which has a long history of cover-ups, but it’s the whole system that is flawed. That’s frightening.”

 通産省と保安院は東電その他の電力会社と馴れ合い、「天下り」先にしているが、この点について佐藤元知事は「同じ羽根のムジナ鳥どもだ」(意訳です)と語った。

 The ministry and the agency, in turn, share cozy ties with Tokyo Electric and other operators — some of which offer lucrative jobs to former ministry officials in a practice known as “amakudari,” or descent from heaven.

“They’re all birds of a feather,” Mr. Sato, 71, said in an interview at his home in Koriyama, in Fukushima Prefecture.

Posted by 大沼安史 at 03:59 午後 |

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