〔いんさいど世界〕 レ・ミゼラブルの歌を聴け!
ニューヨーク・タイムズが社説で、「“破産した”との虚ろな叫び(The Hollow Cry of‘Broke’)」と題する社説を掲げた。
⇒
http://www.nytimes.com/2011/03/03/opinion/03thu1.html?src=twrhp
破産、破産、破産。
ウィスコンシンのスコット・ウォーカー知事(共和党)をはじめとする保守派の大合唱を批判する社説だった。
破産――だから、州公務員の組合を潰す。
そうしたロジックを、「ナンセンスなものでしかない」と、タイムズの社説は斬って捨てた。
####
そんなタイムズ(NYT)の社説を読んで、菅直人政権の「財政危機⇒消費税UP」路線を思い返した。
財政危機を招いた者の責任を問わず、カラクリに手をつけず、民衆に付け回しして、事を済ませようとする、菅直人の無能さ加減よ!
これはこのブログで先に紹介したことだが、ノーベル賞を受賞した権威あるエコノミストのポール・クルーグマン教授が、タイムズのコラムにこう書いていた。
ウィスコンシンの財政を危機に追い込んだのは、組合でもなんでもなくて、真犯人は、ウォールストリートで大儲けしているオリガーキー(少数独裁者)であると。
同様に、日本の財政を危機に追い込んだのは、日本の民衆ではない。
####
こうした「新自由主義」の「虚ろな叫び」に対して、アラブ世界のみならず、アメリカ本土において、断固なる、反撃の叫びが上がっている――それが今のウィスコンシンに代表される状況だ。
ではウィスコンシンの民衆の叫びは、なぜ「虚ろ」でないか?
それはもうハッキリしている。それは、彼らの叫びが、生活に――苦しい生活の現実に根ざしたものだからだ。
ウィコンシン州の職員の平均所得は、年間4万8348ドル(395万5千円)。それを平均で7%、低所得層では10%、手取りベースでカットする(保険・年金代を引き揚げることで)――それが、共和党のウォーカー知事の狙いだ。公務員の団体交渉権も制限して、一気に組合つぶしを図る……。
ウィスコンシンの州職員の闘いに対して、一般の州民が、ふつうの大学生が…………そして黒人が連帯した!
⇒ http://www.themadisontimes.com/news_details.php?news_id=843
これが今のウィスコンシンの姿である。現状である。
そのウィスコンシンの闘いを、五大湖の湖をはさんだ、カナダ・トロントの新聞、トロント・スター紙は、「州政府対組合;ウィスコンシン戦争」と形容した。⇒ http://www.thestar.com/opinion/editorials/article/947642-states-vs-unions-wisconsin-s-war-on-workers
####
「ウィスコンシン戦争」――しかし、戦争を仕掛けたのは、民衆ではない。ウィスコンシンの民衆が、「階級戦争(クラス・ウォー)」を仕掛けられたのだ。
「金融バブル」の崩壊でマイホームを追い出され、失業にあえいでいるのは、ウィスコンシンの民衆である。
そこへ、よりによって、ウォーカーという、ネオリベによって金で買われた「州知事」による組合つぶしの攻撃!
ここは、民衆(ピープル)として、立ち上がるほか、ないのである。
マディソンには黒人運動指導者、ジェシー・ジャクソン師も現地に入って、闘いへの連帯を表明しているが、その意味するところは、今回の「ウィスコンシン戦争」が1960年代の「公民権運動」的な様相を深めて来たことである。
アメリカの公民として、生きる権利の確証――これが最早、人種を超えた「ウィスコンシン戦争」の闘いの基底にあることではないか!
####
現実に根ざした闘いの響きは虚ろではない。
先ごろ、マディソンの州議会議事堂に、こんな歌声が、演奏が広がったそうだ。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」の「Do you hear the people sing(民衆の歌が聴こえますか?)」が、議事堂内で歌われたそうだ!
レ・ミゼラブル――虐げられた、惨めな人々の歌が、ウィスコンシンのプロテストの主題歌として歌われたのだ。⇒ http://www.youtube.com/watch?v=MZPlN3IbUig
http://www.cbsnews.com/8301-504784_162-20037799-10391705.html
その歌詞(一部、替え歌になっているようだ)は、下記に掲げるが、こういう歌がマディソンで歌われている!……これは日本のわれわれも、知るべきことだろう。
♪ 明日は来る! 明日は来る!
####
♪ 民衆の歌、聴こえますか?
マディソンに連帯する民衆の運動は、たとえばニューヨークにおいても見られることだが、それはウィスコンシンの「声」を我が物とした上でのことだろう、
マディソンの民衆の歌声は――この日本にも響き渡るものでなければらない。
####
日本のプレカリアート諸君!
たとえば、ことしのメーデーにおいて、日本のレ・ミゼラブルを総結集し、ウィスコンシンの人々が決起したように、われわれもまた、日本の国会議事堂を占拠しようではないか!
ベタでクズな国会議員どもを追放し、国会を、日本のマディソン――日本のカイロ・タハリール広場にしようではないか!
☆ ☆
レ・ミゼラブル 歌詞
Do you hear the people sing
Singing the song of working men
It is the music of a people
Who will not be slaves again
When the beating of your heart
ehoes the beating of the drums,
there is a life about to srart
when tomorrows comes?
Will you join? in our crusade?
Who wiil be strong and stand with me?
Beyond the mass parade,
is there a world you long to see?
Then join in the fight that
will give you the right to be free
Will you dedicate your all
So that our freedom may advance?
Some will stand and some will fall
Will you stand up
and take your chance?
Let's fill the Rotunda
till everiobe joins in the chants
tomorrow comes! tomorrow comes! tomorrow comes!