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2011-02-25

〔いんさいど世界〕 カダフィ・アルカイダ・ハゲタカ

 カダフィがリビア民衆の決起を、「アルカイダ」に操られたものだと、突然、言い出した。

 まるで、オバマに「対アルカイダ」共同戦線を呼びかけるような、トンデモ・レトリックである。

 息子の一人まで調子を合わせ、父親のカダフィは新しい世界秩序づくりに取り組む用意がある、などと言い出した。

 土壇場で米欧にすり寄るカダフィ。
 生き残るのに必死だ。

  ⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/bc99db2e-3f74-11e0-a1ba-00144feabdc0.html#axzz1EvhA3vls

   http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12570279

  http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12307698

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 ウィキリークスの暴露電によれば、カダフィの独裁政権は、「リビア投資オーソリティー(LIA)」という国営ファンドを通じ、石油収入を米欧での投資に回しているが、2010年初めの時点で、現金だけで320億ドルを保有、「アメリカの投資銀行数行がそれぞれ3~5億ドル、運用している」のだそうだ。

 「LIA」はまた2009年に、ロンドンの「FMキャピタル・パートナーズ」に対し、数億ドルの運用を委託している。

 カダフィ政権はつまり、ウォールストリートやロンドンのシティーと「油と金の絆」で結ばれていたわけだ。

 カダフィが「息子たちにアルカイダの言うことを聞かせてはならない」などと、突然、言い始めたのも、こうした米欧の金融権力とのつながりを頼りに、事態の打開を図りたい、との思いに駆られてのことだろう。

  ⇒ http://www.abc.net.au/news/stories/2011/02/25/3148558.htm?section=business

    http://www.reuters.com/article/2011/02/24/us-libya-wealth-idUSTRE71N2AT20110224

    http://www.ft.com/cms/s/0/1563ae26-3fa5-11e0-a1ba-00144feabdc0.html#axzz1EvhA3vls

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 一部報道によれば、カダフィのいちばん下の息子、サイフが、(アルカイダの言うことを聞いてしまい)ベンガジで民主化を求めるデモに参加したという。 ⇒ http://presstv.com/detail/166900.html

 サイフによれば、父親は自決するか南米へ逃亡するしかない。

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 しかし、カダフィ個人の運命がどうなるかなど、実はほんとうの問題ではない。 

 リビア再建のためにも、「LIA」を通じたオイル・マネーの流れを――カダフィ以下権力者たちが奪取したオイル・マネーの流れを――それが最終的に彼らの海外秘密口座に蓄積されている実態を解明する必要がある。

 エジプトのムバラクの場合もそうだが、欧米の金融権力の指南よろしく、私財を膨らませて来た独裁者の「財テク」の実態は、なかなか表に出ない。

 独裁者の血塗られたオイル・マネーが、ウォールストリート、シティーで、どんな使われ方をして来たのか、この点の追及なしに「政権交代」だけで幕を引くわけにはいかない。

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 ムバラクに次いでカダフィを打倒するだけでは不十分だ。

 背後で糸を引く、米欧主導の「軍事・石油・金融複合体」こそが、打倒すべき元凶である。

 「アルカイダ」だ?
 冗談はよしてくれ。 

 世界の食料を、資源を高騰させているのは、「アルカイダ」ではない。

 金もうけに目がくらんだ、ウォールストリート・カジノのハゲタカどもである。

Posted by 大沼安史 at 07:46 午後 1.いんさいど世界 |

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