〔いんさいど世界〕 トリポリ空港の笑い
英紙インディペンデントのロバート・フィスク記者が23日、わずか45分の短い滞在時間ながら、リビアの首都、トリポリに入った。
⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/tripoli-a-city-in-the-shadow-of-death-2223977.html
冬の雨が降っていたそうだ。パン屋は全てシャッターを下していたそうだ。
トリポリは食料のない街になっていた。
通りを数人の警察官と、年老いた男女が歩いているだけだった。「緑の広場」もガランとしていた。
「死の影の街=トリポリ」――氏の報告記事についたタイトルだ。
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フィクス氏によれば、カダフィが支配下にある(はずの)トリポリで、軍の戦車や装甲車両を見かけなかった、そうだ。
これは何を意味するか?
これは僕の希望的な観測だが、リビア政府軍はエジプト軍のように様子見をしているのだ。
カダフィについたらいいか、情勢を見守っている……。
なぜ、こう考えることができるか?
ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏が、トリポリへ電話取材を行い、こんな事実を確認した。
リビア海軍の艦艇が東部のベンガジを攻撃するよう、カダフィの命令を受けた時、カダフィ支持派と非支持派の乗組員の間で論争が起きたそうだ。カダフィの言うとおり、反乱分子を攻撃するかどうか議論になった。
カダフィ支持派は艦内の少数派。結局、この艦艇は出動を見合わせたそうだ。
⇒ http://www.nytimes.com/2011/02/24/opinion/24kristof.html?ref=opinion
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フィスク氏によれば、2日前、リビアの自家用ジェット機がレバノンのベイルート空港に接近、着陸許可を求めた。管制官に乗客8人の身元を明らかにしなかったことから、追い返された。
そして昨夜(23日夜)、アル・ジャジーラが、カダフィの娘、アイシャを乗せたリビア・アラブ航空機がマルタに着陸しようとして拒否された――と報じた。
カダフィの実の娘さえ、国外脱出を企てるリビアの現実。
カダフィに残された時間はあまりない。
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フィスク氏はトリポリの空港で目の当たりにした光景を、記事の最後で紹介していた。
帰国したリビア人の男が入国窓口で、「長生きを! われらが偉大なる指導者、ムアマール・カダフィさま!」と叫んだそうだ――。
そして、笑い出した。
リビアの入国審査官たちもつられて大笑いしたという。
独裁者の末路は、爆笑がはじけるほど物悲しい。
カダフィよ、どうせ、「地獄へ逃避」するしかない身、潔く「辞任」を表明すべきではないか!!
Posted by 大沼安史 at 08:27 午後 1.いんさいど世界 | Permalink
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