〔いんさいど世界〕 最新鋭「イージス艦・あたご」――われ、体当たり攻撃の「父子船」の撃沈に成功せり!――の嗚呼!
防衛省は、自衛隊は、海上自衛隊は――恥ずかしくないのだろうか?
国を、国民を守るのが、あなたたちの「務め」であるはずなのに、このザマはなんだ!?
海上自衛艦イジース艦「あたご」の「父子船撃沈事件」の裁判――。
起訴された自衛官2人が、最終陳述でこう言ったそうだ。
(毎日新聞によれば)衝突時の当直士官・長岩友久被告(37)は「不正な捜査で作り上げた航跡で起訴された」と検察側を批判。直前の当直士官・後潟(うしろがた)桂太郎被告(38)も、検察側が論告で「両被告の過信が最大の原因」と指摘したのに対し「過信を改める(べきな)のは検察官」と声を強めた――という。⇒ http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110201ddm012040111000c.html
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私は、この起訴された2人が気の毒でならない。まるで、あのBC級戦犯に対する裁判。
手を下した現場の人間だけが、槍玉にあげられる裁判。
問題は、この2人の個人的な「過失」(かりにあったとしても)ではない。問題は防衛省=海上自衛隊の統制上の問題であり、組織的な過失である。
2人に責任をかぶせて、恬として恥じない、防衛省=菅直人政権のあくらつ非道さよ!
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被告の立場に立たされた2人の胸のうちを思うと気の毒でならない。
ほんとうの責任は彼らにはない。
仮にあの「父子船」が一方的に「体当たり」して来たとしても、それをかわせなかった、「あたご」それ自体に問題があるのだ。
敵の不意打ちミサイル攻撃に対しても対処できる、ハイテク・イージス艦ではなかったのか?
敵のテロ攻撃に――たとえばミサイル攻撃に、常時監視の目を光らせ、敵味方の行動を瞬間的に識別した上で、即対応するのが最新鋭のイージス艦の役割であるだろう。
それを「あたご」はできなかった。
それは艦長の責任であり、海上自衛隊のトップの責任であり、防衛大臣の責任である。建造メーカーは、建造費を国庫に返納すべきであるだろう。
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今回の「あたご」による「父子船撃沈」事件で浮き彫りになったのは、海上自衛隊のハイテク・イージス艦は、領海内においてすら、日本国民を守るどころか、日本の国民を海の藻屑と化して平然としていることである。
海上自衛隊のトップも、防衛相も、本来なら引責辞任ものである。
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「あたご」に撃沈された父子船の父と息子は、いまだ行方不明のままだ。
防衛省よ、海上自衛隊よ、君らに日本国民をほんとうに守りたい気があるなら、行方不明の父と子を徹底して捜索したまえ!
打ち切りなどせず、父と子の遺体を見つけるまで探し続けたまえ!
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何が「最新鋭のイージス艦」なものか!
生活の海に出漁する父子船を、体当たり撃破しおって、なにが「海上自衛隊」なものか!
父子船を撃沈してしまったことを恥じ、自己批判し、罪に服すべきは、防衛大臣以下、当局者の責務ではないか!
父と子を撃沈しおって、それが最小不幸社会の自衛艦船とは片腹痛い!
父と子をいっぺんに失う――こんな(極大的)不幸なことは、ない。
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父と子の船の名前は「清徳丸」。
清く、徳のある、そういう漁をする船だという思いでつけた船名であるだろう。
そのつつましやかな「清徳丸」が、勝手にぶつかって来たんだと言い張る、自衛隊=防衛省のこの卑しさよ!
君たちは日本国民を――「清徳丸」の父と子さえも守ることをできなかった。
できなかったのだから、できなかったと素直に認め、申し訳ないと謝るのが、モノゴトの筋ではないか!?
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何が自衛隊なものか?
自分たちを守りたいだけのことではないか!