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2011-01-30

〔いんさいど世界〕 あかんな・ほんと ダボスで全開

 菅直人首相がスイスのダボスで開かれた「世界経済フォーラム」で講演したという。

 そう聞いて、グーグルのニュース・サイトを見たら、NHKのニュースが出ていた。⇒ http://www.nhk.or.jp/news/html/20110130/t10013729631000.html

 そこにこうあった。

 ―― スイスで開かれている「ダボス会議」に出席した菅総理大臣は、日本時間の29日夜、世界各国の政財界のリーダーらを前に特別講演を行い、「日本は、精神面と経済面での閉塞(へいそく)を大きく開いていく『開国』が必要だ」と述べ、各国との経済連携を積極的に推進していく決意を表明しました。

 す、素晴らしい「大本営発表」報道!

 な、なんといっても「世界各国の政財界のリーダーらを前に特別講演を行」ったのだから……!!。

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 で、どんな、「特別講演」をしたか、国民の一人として知りたいと思い、「首相官邸」にアクセスしたら、「開国と絆」なる演説の「全文」が出ていた。
 ⇒ http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201101/29davos.html

 首相はダボスで「世界各国のリーダーらを前に」、上記のスピーチを行ったという。

 で、念のために、「世界経済フォーラム」のビデオで、演説の内容をチェックした。⇒ http://www.youtube.com/watch?v=WIoaS3lvNl

 すると……首相官邸が発表した「全文」にはないことを、わが菅直人サイショウは、な、なんと口走っているではないか?

 「演説」を始める前に、敢えて付け加えた大事な部分を、首相官邸の「全文」は、なぜカットしているのだ。

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 首相は演説を始める前に、ことさら何を言ったか?

 「エジプト情勢」について語ったのだ。

 ムバラク大統領の対話に期待していると。

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 もう、この男、ホンマ、あかんなおと、やな、とあきれてしまった。

 ムバラクという独裁者を、エジプトの民衆はもう見限っているのに……。対話だなんて!

 IMFにせっつかれて行った、先のマグレグ経済ミッションといい、今回の「エジプト革命」に対する、ものの見方のあまさといい、現政権(外務省)の無能ぶりにはあきれ果てる。

 菅直人は日本の指導部のバカさ(&疎さ)加減をアピールしに、ダボスくんだりまで出かけていったわけだ。

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 菅直人は例によって、ダボスでも「最小不幸社会」論をブチ上げてみせた。

 society with least unhappiness と公式同時通訳者は訳していたが、今、世界の人々が苦しんでいるのは――そして、エジプトの民衆が苦しんでいるのは、least happiness(最小幸福)の生活の現実である。

 「最小幸福」をさしおいて、「最小不幸」を語り、何ら打開策を示さず、あげくの果てに、エジプトのムバラクの「対話」に期待をかけるなどと言いきり、それが自分の政治理念だと言ってみせた、この「あかんな・ほんとに・うとか男」よ!

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 菅直人よ、君は「疎い」のだから、もうい加減、ハジの上乗りはやめにしたまえ。

 「サイショー不幸社会」とは、君が宰相(サイショー)でいる、この日本社会のことだ。

Posted by 大沼安史 at 08:28 午後 |

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