〔いんさいど世界〕 あかんな・ほんと ダボスで全開
菅直人首相がスイスのダボスで開かれた「世界経済フォーラム」で講演したという。
そう聞いて、グーグルのニュース・サイトを見たら、NHKのニュースが出ていた。⇒ http://www.nhk.or.jp/news/html/20110130/t10013729631000.html
そこにこうあった。
―― スイスで開かれている「ダボス会議」に出席した菅総理大臣は、日本時間の29日夜、世界各国の政財界のリーダーらを前に特別講演を行い、「日本は、精神面と経済面での閉塞(へいそく)を大きく開いていく『開国』が必要だ」と述べ、各国との経済連携を積極的に推進していく決意を表明しました。
す、素晴らしい「大本営発表」報道!
な、なんといっても「世界各国の政財界のリーダーらを前に特別講演を行」ったのだから……!!。
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で、どんな、「特別講演」をしたか、国民の一人として知りたいと思い、「首相官邸」にアクセスしたら、「開国と絆」なる演説の「全文」が出ていた。
⇒ http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201101/29davos.html
首相はダボスで「世界各国のリーダーらを前に」、上記のスピーチを行ったという。
で、念のために、「世界経済フォーラム」のビデオで、演説の内容をチェックした。⇒ http://www.youtube.com/watch?v=WIoaS3lvNl
すると……首相官邸が発表した「全文」にはないことを、わが菅直人サイショウは、な、なんと口走っているではないか?
「演説」を始める前に、敢えて付け加えた大事な部分を、首相官邸の「全文」は、なぜカットしているのだ。
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首相は演説を始める前に、ことさら何を言ったか?
「エジプト情勢」について語ったのだ。
ムバラク大統領の対話に期待していると。
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もう、この男、ホンマ、あかんなおと、やな、とあきれてしまった。
ムバラクという独裁者を、エジプトの民衆はもう見限っているのに……。対話だなんて!
IMFにせっつかれて行った、先のマグレグ経済ミッションといい、今回の「エジプト革命」に対する、ものの見方のあまさといい、現政権(外務省)の無能ぶりにはあきれ果てる。
菅直人は日本の指導部のバカさ(&疎さ)加減をアピールしに、ダボスくんだりまで出かけていったわけだ。
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菅直人は例によって、ダボスでも「最小不幸社会」論をブチ上げてみせた。
society with least unhappiness と公式同時通訳者は訳していたが、今、世界の人々が苦しんでいるのは――そして、エジプトの民衆が苦しんでいるのは、least happiness(最小幸福)の生活の現実である。
「最小幸福」をさしおいて、「最小不幸」を語り、何ら打開策を示さず、あげくの果てに、エジプトのムバラクの「対話」に期待をかけるなどと言いきり、それが自分の政治理念だと言ってみせた、この「あかんな・ほんとに・うとか男」よ!
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菅直人よ、君は「疎い」のだから、もうい加減、ハジの上乗りはやめにしたまえ。
「サイショー不幸社会」とは、君が宰相(サイショー)でいる、この日本社会のことだ。
Posted by 大沼安史 at 08:28 午後 | Permalink