〔いんさいど世界〕 発表! 「2010年 世界年男・年女」 (ただし、本ブログの選定)
2010年――たいへんな年でした。
夏は暑かったですね。米国のNASAゴダード研究所によると、2010年は観測史上、最も熱(暑)かった年になる見通しだそうです。
さて、いよいよ、年の瀬、どん詰まり。
本ブログ選定の「2010年 世界年男・年女」を発表したいと思います。
まずは「2010年年男」から。
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「年の人(Man of the Year)」の選定では、アメリカの雑誌「タイム」のが、有名ですね。
僕は、「タイム」の読者投票で、ウィキリークスの編集長、ジュリアン・アサンジさんがぶっちぎり1位だったので、そのまますんなり、決まるのかな、と、思っていましたが、結局、「タイム」誌として決めたのは、「Facebook」の創業者のマーク・ザッカーバーグさん(23歳)、でした。
23歳のネット・ビリオネーア……。アイデアと若さの勝利、ということでしょうか?
これに対する論評(?)はさて置き、本ブログが白羽の矢と立てたのは――――
マークさんより10歳も若い、フェリックス君(13歳)です。
フェリックス・フィンクバイナー(Felix Finkbeiner)君。
ドイツ・ババリアに住む、眼鏡をかけた、まだあどけない顔の男の子です。
どうしてこの子を、「輝け! 机の上の空 2010年・年男」 に選んだか、というと、このドイツの男の子、僕らの地球(環境)を救ってくれそうな子ども、だから。
この前、メキシコのカンクンで国連の地球環境サミットがありましたよね。
そのカンクンへ、このフェリックス君、世界規模で植樹運動を続ける、 「地球のために植樹する(Plant-for-the-Planet)」の子どもたちを引き連れて、乗り込んだです。
で、そこで何を訴えたかというと、これがズバリ、「言い訳、やめて! 木を植えて!(Stop Talking, Start Planting)」!!!
各国代表のオジサン、オバサン、経済成長がどうの、国際競争力がどうの、と、ゴタゴタ・グズグズ、タワゴト言ってる場合じゃないでしょ。そんな暇あったら、二酸化炭素を吸収してくれる木を植えなさい、とアピールしたわけです。
可笑しかったのは、フェリックス君たちが作ったポスター。
大人の口の前を、子どもが手で塞ぐ図柄。
フェリック君たちにしたら、カンクンの会議開幕2日目に、「京都Ⅱに反対」とブチ上げ、会議をぶち壊した日本政府の代表の口の前に、手の平を差し出したかったことでしょう。
それはともかく、フェリックス君の凄いのは、今から3年前、2007年の年に――ということは、9歳の年に――小学校の4年生の時に、地球を緑化して環境を守ろうと決意し、クラスのみんなの前で、「世界の国が各国100万本ずつ植樹しよう」と提案し、運動を開始したんです。(ドイツではフェリックス君の呼びかけで、昨年、100万本植樹を終えています)
そんなドイツのババリア地方から始まったフェリック君の運動が、昨年11月、韓国の大田(テジョン)での、「環境の正義のための子ども宣言」につながり、「地球のために植樹する(Plant-for-the-Planet)」の子どもたち」の結成に結実した。
すごい子ども(たち)が現れたものです。
もしかしたら、フェリックス君ら子どもたちって、本能的に感じているのかもしれませんね。
交渉とか駆け引きしてる場合じゃない。今、植樹しないと、僕たち・私たちの生きる地球は――未来は、ダメになっちゃう、と。
⇒
http://www.democracynow.org/blog/2010/12/10/global_childrens_campaign_to_climate_delegates_stop_talking_start_planting
http://www.plant-for-the-planet.org/
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さて、本ブログ選定の「2010年 世界年女」は?――
それがなんと、91歳のおばあちゃん。
オルガ・コテルコさんに決定!……~~~っ!!!
コテルコさんなんていうと、日本風に(コ抜きで)照子おばあちゃん、なんて言ってしまいたくなりますが、和暦では大正8年――西暦では1919年の3月生まれの、オルガ・コテルコおばあちゃん、知る人ぞ知る、世界のスーパースターなんです。
カナダのバンクーバーに住む、ふつうのカナダのおばあちゃんですが、ことし(2010年)11月、ニューヨーク・タイムズ紙がその「マガジン」で特集記事を組んで、フツーに知られるようになった人です。⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/28/magazine/28athletes-t.html?_r=1&ref=homepage&src=me&pagewanted=all
で、どこが凄いかというと、その運動能力。身長152センチと小柄な方なんですが、91歳の現役アスリート。陸上競技のシニア世界チャンピオン、女王さまとして君臨している方なんです。
「数字」を見れば、オルガおばあちゃんがどれだけ凄いか、一目瞭然!
「ワールド・マスターズ」認定の「世界記録」を、これまで「23個」も獲得。
今、所属する「90~95歳級」でも、「世界記録」を「17個」も保持。
一例を挙げると、昨年の「ワールド・マスターズ」シドニー大会で、「100メートル=23.95秒」を、たたき出しています。
100メートルを24秒近くで――(当時)90歳で、この走り! 凄いなあ!
で、このオルガおばあちゃん、スポーツを始めたのは、学校の先生を定年で退職したあと。
最初はソフトボールだったそうです。
ピッチャーで鳴らしたそうです。
そのうち――といってもオルガさんが77歳の時ですが、チームメートから「陸上、やってみたら」とアドバイスされ、やる気になった。
オルガさんの偉いのは、ちゃんと専門のコーチについて、基礎から――基礎体力から鍛錬を始めたそうです。
一念発起で走り出して、足腰を痛めてしまうような無謀なことはしていなんですね。
そうやって、だんだんと力をつけて行った。
自分でも研究熱心で、自己流の、ベッドの上でできるマッサージ・プログラムを開発したそうです。
「OKプログラム」――OKは自分の名前(オルガ・コテルコ)のイニシャルです。
向上心がある方、なんですね。
食生活にも気を使っている。パスタの大盛りなんか、絶対に口にしないそうです。
そうやって今、世界のスーパー・アスリート(シニア)女王の座に!
あまんまり凄いものだから、その秘密を解き明かそうと、ことし、カナダの大学が「身体検査」を行いました。
そしたら、ふつう、65歳を超えると、筋肉の線維に異常が見られるものなのだそうですが、1個も見つからなかった!
研究者が彼女に、「体力の秘密は?」と聞いたら、答えは「自分にとってもミステリーです」。
続いて、「自分を何歳くらいの体力の持ち主と考えてますか?」と聞いたら、答えは「50歳くらい」でした。
う~ん、自分を50歳と言える、91歳のスーパーおばあちゃんは凄い!
なんか、うれしくなる話ですよね(とくに、僕のような前期老人なんかには)
オルガおばあちゃんは、日本の厚生労働省のカテゴリーで言えば「後期高齢者」に含まれるのでしょうが、日本でそんな「分類」してると知ったら、きっと鼻でお笑いになることでしょう。
あんた(厚労省の幹部官僚)ら、ゴルフで、さんざん体力鍛えてるそうだけど、それじゃあ、一丁、この私と100メートル競争してみるか、と挑戦しに来日したりして!
さて、ニューヨーク・タイムズの記事によれば、何事にも「新星」が現れるもの。
このオルガさんの後を追って、記録の更新を着々と狙っている、第2のスーパー・アスリート、おばあちゃんがいるそうです。
それがなんと、日本のおばあちゃん、現在88歳の守田満(モリタ・ミツ)さん(熊本県在住)。
まだ「85~89歳級」ですが、200メートル走では、オルガさんの記録より10秒近くも早いタイムをたたき出しているそうです!
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新年はウサギ年。
オルガおばあちゃん(きっとウサギ跳びもできるんじゃないかしら)の向上心と、フェリックス君の勇気に学び、私たちの「飛躍の年」としたいものです。