〔いんさいど世界〕「名刀(キーン・ソード)」 合同演習だと? 特攻隊は泣いている……
自衛隊と米軍による過去最大規模の日米共同統合演習「キーン・ソード」( Keen Sword)が始まった。
⇒ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-170905-storytopic-11.html
沖縄の新聞、「琉球新報」が、そう「社説」で報じていた。
「キーン・ソード」だと?
Keen Sword――切れ味のいい刀……つまり、「村正」のような、「抜けば玉散る氷の刃」。
それが日米合同演習のコードネームになっていた……そう、「キーン・ソード」!
「日米合同」ということは、この演習名についても、日米「合同」で命名したはずだ。
仮に米軍の一方的な命名にあとから「同意」したとしても、日本政府が――防衛省が、同意したという事実は、否定できまい。
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私は、この「キーン・ソード(=名刀)」という命名を見て、怒りが込み上げるのを抑えることができなかった。
⇒ http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-02/2010120202_01_1.html
「キーン・ソード演習」は、九州を中心とした、日米合同軍事演習――しかも、史上最大規模の演習である。
鹿児島・宮崎県境をまたぐ「霧島演習場」では、陸自と海兵隊の合同演習が行われるそうだ。⇒ http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-02/2010120202_01_1.html
それを知って、なおさら胸が疼いた。怒りが込み上げた。
鹿児島の知覧特攻基地(現・鹿児島・南九州市)からほど近い霧島演習場で、よくもまあ、「キーン・ソード」演習を行えるものだと。
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なぜ、怒りが込み上げるか?
それは、この一枚の写真を見ていただけでは、お分かりになるだろう。
⇒ http://www.k3.dion.ne.jp/~j-gunto/gunto_037.htm
私はこの写真を見る度に悲しくなるのだ。
キューピーちゃんのようなマスコットを抱き、目を伏せている(閉じている)左端の特攻隊員の、ひとり飛んで右側の隊員が構えた、一振りの「日本刀」の写真……。
そう、その通り、特攻隊員は、この、なまくらな「昭和刀」の日本刀を、鬼畜・米英をぶった斬る「名刀=キーン・ソード」と信じて、突っ込んで行ったのだ。
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2001年2月9日、鹿児島県知覧の「知覧特攻平和記念館」を訪れた小泉純一郎は、「展示ケースに両手をついたまま、声を殺してなき続けたそうだ」。⇒ http://www.1101.com/torigoe/archive/2001-08-10.html
そこにあった辞世の歌は、「桜花と散り、九段(靖国神社)に還るを夢に見つ 鉄艦屠らん 我は征くなり」。
霧島演習場からほど近い知覧からは、「1036人の若い特攻兵が海の彼方に飛び立ちそのまま帰らなかった」と、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんは書いている。
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その小泉純一郎が、出身校の慶応大学で、日米同盟を力説する講演をした。
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=Yzf9D2ubekQ
では、知覧でのあの涙は、嘘泣きの涙だったか……!
鬼畜である「アメリカ」に対して、なまくらな昭和刀をひっさげ、突っ込んで行った(突っ込まされた)、あの若者たちを思う涙は、嘘だったのか?
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小泉純一郎の「変節」はさておき、日本を、日本人を、日本民族を愛する一人として(最近、私のことを「左翼」だと決めつけたブログを見てビックリした。私は「左翼」ではない!)、防衛省記者クラブのみなさんにお願いしたいことがある。
それは、日米「合同」演習の名前が、なぜ英語の「キーン・ソード」でなければならならないのか?――いったい、誰がそう決めたのか――この演習名について防衛省はどう考えているか、記者会見の席で聞いてほしい、ことだ。
知覧から「昭和刀」とともに飛び立った、特攻の若者たちの「身になって」問い正して欲しいのだ。
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名刀?――Keen Sword?――特攻隊員を虚仮(こけ)にするのも、いい加減にしたまえ!!