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2010-12-25

〔いんさいど世界〕 発表! 「2010年 世界年男・年女」 (ただし、本ブログの選定)

 2010年――たいへんな年でした。

 夏は暑かったですね。米国のNASAゴダード研究所によると、2010年は観測史上、最も熱(暑)かった年になる見通しだそうです。

 さて、いよいよ、年の瀬、どん詰まり。

 本ブログ選定の「2010年 世界年男・年女」を発表したいと思います。

 まずは「2010年年男」から。

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 「年の人(Man of the Year)」の選定では、アメリカの雑誌「タイム」のが、有名ですね。

 僕は、「タイム」の読者投票で、ウィキリークスの編集長、ジュリアン・アサンジさんがぶっちぎり1位だったので、そのまますんなり、決まるのかな、と、思っていましたが、結局、「タイム」誌として決めたのは、「Facebook」の創業者のマーク・ザッカーバーグさん(23歳)、でした。
 23歳のネット・ビリオネーア……。アイデアと若さの勝利、ということでしょうか?

 これに対する論評(?)はさて置き、本ブログが白羽の矢と立てたのは――――

 マークさんより10歳も若い、フェリックス君(13歳)です。

 フェリックス・フィンクバイナー(Felix Finkbeiner)君。

 ドイツ・ババリアに住む、眼鏡をかけた、まだあどけない顔の男の子です。

 どうしてこの子を、「輝け! 机の上の空 2010年・年男」 に選んだか、というと、このドイツの男の子、僕らの地球(環境)を救ってくれそうな子ども、だから。

 この前、メキシコのカンクンで国連の地球環境サミットがありましたよね。

 そのカンクンへ、このフェリックス君、世界規模で植樹運動を続ける、 「地球のために植樹する(Plant-for-the-Planet)」の子どもたちを引き連れて、乗り込んだです。

 で、そこで何を訴えたかというと、これがズバリ、「言い訳、やめて! 木を植えて!(Stop Talking, Start Planting)」!!!

 各国代表のオジサン、オバサン、経済成長がどうの、国際競争力がどうの、と、ゴタゴタ・グズグズ、タワゴト言ってる場合じゃないでしょ。そんな暇あったら、二酸化炭素を吸収してくれる木を植えなさい、とアピールしたわけです。

 可笑しかったのは、フェリックス君たちが作ったポスター。

 大人の口の前を、子どもが手で塞ぐ図柄。

 フェリック君たちにしたら、カンクンの会議開幕2日目に、「京都Ⅱに反対」とブチ上げ、会議をぶち壊した日本政府の代表の口の前に、手の平を差し出したかったことでしょう。

 それはともかく、フェリックス君の凄いのは、今から3年前、2007年の年に――ということは、9歳の年に――小学校の4年生の時に、地球を緑化して環境を守ろうと決意し、クラスのみんなの前で、「世界の国が各国100万本ずつ植樹しよう」と提案し、運動を開始したんです。(ドイツではフェリックス君の呼びかけで、昨年、100万本植樹を終えています)

 そんなドイツのババリア地方から始まったフェリック君の運動が、昨年11月、韓国の大田(テジョン)での、「環境の正義のための子ども宣言」につながり、「地球のために植樹する(Plant-for-the-Planet)」の子どもたち」の結成に結実した。

 すごい子ども(たち)が現れたものです。

 もしかしたら、フェリックス君ら子どもたちって、本能的に感じているのかもしれませんね。

 交渉とか駆け引きしてる場合じゃない。今、植樹しないと、僕たち・私たちの生きる地球は――未来は、ダメになっちゃう、と。
 ⇒ 
http://www.democracynow.org/blog/2010/12/10/global_childrens_campaign_to_climate_delegates_stop_talking_start_planting

 http://www.plant-for-the-planet.org/ 

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 さて、本ブログ選定の「2010年 世界年女」は?――

 それがなんと、91歳のおばあちゃん。

 オルガ・コテルコさんに決定!……~~~っ!!!

 コテルコさんなんていうと、日本風に(コ抜きで)照子おばあちゃん、なんて言ってしまいたくなりますが、和暦では大正8年――西暦では1919年の3月生まれの、オルガ・コテルコおばあちゃん、知る人ぞ知る、世界のスーパースターなんです。

 カナダのバンクーバーに住む、ふつうのカナダのおばあちゃんですが、ことし(2010年)11月、ニューヨーク・タイムズ紙がその「マガジン」で特集記事を組んで、フツーに知られるようになった人です。⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/28/magazine/28athletes-t.html?_r=1&ref=homepage&src=me&pagewanted=all

 で、どこが凄いかというと、その運動能力。身長152センチと小柄な方なんですが、91歳の現役アスリート。陸上競技のシニア世界チャンピオン、女王さまとして君臨している方なんです。

 「数字」を見れば、オルガおばあちゃんがどれだけ凄いか、一目瞭然!

 「ワールド・マスターズ」認定の「世界記録」を、これまで「23個」も獲得。

 今、所属する「90~95歳級」でも、「世界記録」を「17個」も保持。 

 一例を挙げると、昨年の「ワールド・マスターズ」シドニー大会で、「100メートル=23.95秒」を、たたき出しています。

 100メートルを24秒近くで――(当時)90歳で、この走り! 凄いなあ! 

 で、このオルガおばあちゃん、スポーツを始めたのは、学校の先生を定年で退職したあと。

 最初はソフトボールだったそうです。

 ピッチャーで鳴らしたそうです。

 そのうち――といってもオルガさんが77歳の時ですが、チームメートから「陸上、やってみたら」とアドバイスされ、やる気になった。

 オルガさんの偉いのは、ちゃんと専門のコーチについて、基礎から――基礎体力から鍛錬を始めたそうです。

 一念発起で走り出して、足腰を痛めてしまうような無謀なことはしていなんですね。

 そうやって、だんだんと力をつけて行った。

 自分でも研究熱心で、自己流の、ベッドの上でできるマッサージ・プログラムを開発したそうです。

 「OKプログラム」――OKは自分の名前(オルガ・コテルコ)のイニシャルです。

 向上心がある方、なんですね。

 食生活にも気を使っている。パスタの大盛りなんか、絶対に口にしないそうです。 
 
 そうやって今、世界のスーパー・アスリート(シニア)女王の座に!

 あまんまり凄いものだから、その秘密を解き明かそうと、ことし、カナダの大学が「身体検査」を行いました。

 そしたら、ふつう、65歳を超えると、筋肉の線維に異常が見られるものなのだそうですが、1個も見つからなかった!

 研究者が彼女に、「体力の秘密は?」と聞いたら、答えは「自分にとってもミステリーです」。

 続いて、「自分を何歳くらいの体力の持ち主と考えてますか?」と聞いたら、答えは「50歳くらい」でした。

 う~ん、自分を50歳と言える、91歳のスーパーおばあちゃんは凄い!

 なんか、うれしくなる話ですよね(とくに、僕のような前期老人なんかには)

 オルガおばあちゃんは、日本の厚生労働省のカテゴリーで言えば「後期高齢者」に含まれるのでしょうが、日本でそんな「分類」してると知ったら、きっと鼻でお笑いになることでしょう。

 あんた(厚労省の幹部官僚)ら、ゴルフで、さんざん体力鍛えてるそうだけど、それじゃあ、一丁、この私と100メートル競争してみるか、と挑戦しに来日したりして!

 さて、ニューヨーク・タイムズの記事によれば、何事にも「新星」が現れるもの。

 このオルガさんの後を追って、記録の更新を着々と狙っている、第2のスーパー・アスリート、おばあちゃんがいるそうです。

 それがなんと、日本のおばあちゃん、現在88歳の守田満(モリタ・ミツ)さん(熊本県在住)。

 まだ「85~89歳級」ですが、200メートル走では、オルガさんの記録より10秒近くも早いタイムをたたき出しているそうです!

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 新年はウサギ年。

 オルガおばあちゃん(きっとウサギ跳びもできるんじゃないかしら)の向上心と、フェリックス君の勇気に学び、私たちの「飛躍の年」としたいものです。 

Posted by 大沼安史 at 12:22 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-12-23

〔いんさいど世界〕 あの尖閣の海は米海軍訓練海域だった!

  雑誌「世界」の最新号(1月号)に掲載された、豊下楢彦氏の論文、「『尖閣問題』と日米安保」を読んで、中国漁船「衝突」事件の「謎」が解けた。

 菅直人政権がビデオを「封印」しようとした、ほんとうの理由(のひとつ)が分かった。

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 9月7日午前、第11管区海上保安本部の巡視船が中国トロール漁船を発見したのは、尖閣諸島の久場(くば)島の北西12キロの日本領海内でのことだが、豊下氏の論文によれば、久場島海域は、同じ尖閣諸島の大正島と並び、「米海軍訓練区域」になっているのだそうだ。

 第11管区海上保安本部が「衝突」事件の2ヵ月前、2010年の7月に作成した「アメリカ合衆国軍海上訓練区域一覧表」に、そう明記されてある、という。

 それも「久場島」ではなく、なぜか、中国名の「黄尾■(山ヘンに興)」と表記されているというからあきれる。(大正島も赤尾■と表記)

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 まるで、尖閣諸島が中国領であると、日本政府側から申し立てているようなものだが、それはともかく、久場島海域が米海軍の訓練区域になっていることは、日本側にとって、どんな意味があるのか?

 豊下論文によれば、社民党の照屋寛徳・衆議院議員(弁護士)の質問趣意書に対して、菅直人政権は、この10月22日付けの答弁書で、こう回答している。

 久場島海域のような米軍訓練区域に「地方公共団体の職員等」が立ち入るためには「米軍の許可を得ることが必要である」!
 (海保の巡視船の乗組員は、国家公務員だが、米海軍から許可をもらって、現場海域に立ち入り、中国漁船を「発見」したのだろうか?……)

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 尖閣の久場島海域は、日本領海でありながら、事実上、「米(軍)領海」であったわけだ。
 (これは、日本領空でありながら、米軍が専用のエアスペースを持っていて、気軽にジェット戦闘機をぶっ飛ばすことができている事態の、海バージョンだ!)

 このとんでもない事実がバレるのを恐れ(海保撮影ビデオでは、たしか、現場の正確な位置を、東経と北緯でアナウンスしていた!)、菅直人政権は、ビデオの「封印」を図ろうとしたのではないか?!

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 豊下論文から離れるが、「中国漁船」の問題で、菅政権と主流メディアは、巡視船と「衝突」したことばかりあげつらい、「ぶつかって来た」ことばかり強調していたが、これも問題の核心から目を逸らす、姑息な世論操作である。

 私が1970年代の初め、北海道の根室で新聞記者をしていたころ、北方領土海域に出漁する日本漁船はソ連警備艇に発見され、拿捕されたら最後、色丹島に連行され、船長はハバロフスクの刑務所へ送られたものだ。

 領海侵犯、不法操業!

 今回の中国トロール漁船も、日本領海内で不法操業していたのだから、中国人船長はその容疑で逮捕すべきだった。

 それが本筋ではないか!

 なのに、「衝突」にばかり、日本国民の目を誘導し、挙句の果ては、船長を釈放した菅直人政権!

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 尖閣問題は1978年から日中間で「棚上げ」されて来た非常に微妙な問題だ。

 それなのになぜ、当時、海上保安庁を指揮していた前原・国土交通相は「逮捕」を命じたか? 

 中国漁船が「米海軍訓練区域」に「米国の許可を受けずに」入ったから、いきり立ったのか?

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 菅直人政権がなすべきは、尖閣の海を、米海軍訓練区域のない、平和の海にすることである。

Posted by 大沼安史 at 08:48 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 武装ガードの警備料、高騰で、イラク進出の米石油関連企業、悲鳴!

 英紙ガーディアンによると、ことし(2010年)1月23日、イラクのバスラ領事館発の秘密電で、米国の軍事下請け・石油掘削企業、ハリバートン社(チェイニー前副大統領は、ブッシュ政権の副大統領になる前、同社のCEOを務めていた)の現地駐在の幹部がこぼすほど、警備会社がとんでもない額の警備料を吹っかけている実態が明らかになった。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/21/wikileaks-cables-iraq-security-firms

 ことし1月、バスラで警備会社に4時間、移動の警備を頼んだら、約6000ドル、請求されたそうだ。武装ガードが4人、装甲車両3、4台(ドライバー付き)で、その値段。

 イラク政府のメンバー(1人)にバグダッドからバスラに来てもらった警備料も、往復で12000ドル。

 もう一点。

 イラク政府はこうした外国(米欧)の警備会社に反発を強めており(ブラックウォーター社の武装ガードによるイラク住民虐殺→ 無罪放免に激怒!)しており、イラク人をガードに使えと圧力をかけて来ているそうだ。

 いまに、イラク人ガードによる自爆テロ攻撃が起きそうな雲行き……だ。

 大体が、軍事侵攻までしてイラクの石油を強奪したから、こんなことになっている。

 警備費の高騰に悲鳴を上げるなど、お門違いのことだ。

 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/21/wikileaks-cables-iraq-security-firms

 バスラ領事館秘密電 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/us-embassy-cables-documents/245068

Posted by 大沼安史 at 07:44 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 ブッシュ政権下のNZ大使館、マイケル・ムーア監督の「華氏9・11」、ニュージーランドの現職閣僚「主催」上映会の噂でパニック

 ブッシュ政権が「9・11」をめぐる疑惑の広がりをいかに恐れていたかを物語る秘密電が、英紙ガーディアンの分析で明らかになった。

 2004年7月30日、ニュージーランド・ウェリントンのアメリカ大使館発の秘密(コンフィデンシャル)電。

 同紙によると、ニュージーランド政府の現職閣僚の一人が、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画、「華氏9・11」の上映会を主催するとの噂を聞き付け、バーネット公使が直々にニュージーランドの首相府と、当該閣僚に、と電話を入れていたそうだ。

  「大変な事態になりうる」と。

 が、ニュージーランドの首相のオフィスの返事は、「聞いてもいない」。

 次いで、当該閣僚(女性)のオフィスに確認の電話を入れたが、電話交換手から、そういうご用件ではつなげません、と門前払いを食ったそうだ。

 女性閣僚のオフィス、なかなかやるじゃないか!

 この女性閣僚、労働党のマリアン・ホッブス、という方だそう。

 バーネット公使から電話が入ったあと、マリアンさんは自分から米大使館に電話を入れ、地元選挙区の資金集めで「華氏9・11」の上映会があり、それに出席しただけですが……と言ったそうだ。

 
  ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/22/wikileaks-cables-michael-moore-nz

 ウェリントン大使館発秘密電 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/us-embassy-cables-documents/19257

Posted by 大沼安史 at 07:16 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 今日(23日) 渋谷で「日本語で聞く〈冬の兵士〉の声」

 イラク・アフガン帰還米兵たちの、戦争の真実の証言を聴く「日本語で聞く〈冬の兵士〉の声――イラク・アフガン帰還兵の証言朗読会」が23日午後6時から、東京・渋谷の渋谷アップリンク・ファクトリーで開かれる。

 反戦イラク帰還兵の会・アーロン・グランツ著の『冬の兵士 イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実』を日本語に翻訳、岩波書店から出版した、翻訳集団・TUPの主催。

 朗読するのは、「映画人9条の会」などに所属する俳優のみなさん。
 
 会場では、森住卓の写真展、『イラク戦争の子どもたち』も同時開催される。

 チケットは予約(700円〔メール予約〕、当日1000円。
  ⇒ 予約アドレス:fuyunoheishi@yahoo.co.jp

  ☆

 私はTUPのメンバーではないが(またその資格もない人間だが)、「翻訳も〔は〕ジャーナリズム」と考える一人として、こうした朗読会が持たれることを喜ぶ。

 イラク・アフガンの戦争の現実が、日本語になって、私たちに、伝わって来る…………。

Posted by 大沼安史 at 07:48 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-18

空から歌が聴こえる The Coldest Night Of The Year

  ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/12/the-coldest-nig.html

 この歌の紹介をもって、本ブログを休止します。といっても、数日間限りの臨時休業――。来週半ば過ぎに、復旧の見込み。

 仙台の夜も冷え込んでいます……。

 では、また!

 

Posted by 大沼安史 at 10:02 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 「ブラボー中隊」に捧ぐ

 米軍の「星条旗」紙(電子版)に、アフガニスタンで自爆テロに遭い、瓦礫に埋まって圧死した6人の米兵の追悼式の記事が出ていた。⇒ http://www.stripes.com/bravo-company-bids-a-tearful-goodbye-to-fallen-friends-1.129117

 あの「ブラボー中隊(Brabo Company)」の兵士だった。

  記事に生き残った兵士が、仲間の死を悲しむ写真が添えられていた。
 もうじき、クリスマスだというのに……。

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 あの「ブラボー中隊」!

 ウィキリークスが暴露した、2007年7月12日、ニューバグダッドでの、米軍ヘリによるイラク住民機関砲掃射ビデオのあの現場に、地上部隊として駆けつけたのが、この「ブラボー中隊」だった。

 3年前、イラクの前線にいた「ブラボー中隊」は、アフガニスタンの前線にいた!
 ⇒  http://onuma.cocolog-ifty.com/blog1/2010/10/post-0722.html

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 今月(12月)12日午前9時少し前、ストロング・ポイント・デワール前線基地――。

 前夜遅く任務に就いていた中隊の半分がまだ寝ているときだった。

 一台のヴァンが基地に向かって来た。90メートルまで近づいたところで、見張りの米兵が気付いた。

 アクセルを踏み込み、突進して来たヴァンは、基地から20数メートルの距離で爆発した。

 基地の建物は爆風で崩壊。

 難を逃れた兵士が必死に瓦礫を掘り起こしたが、この6人だけは救い出せなかった。

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 追悼式は17日にあった。

 「星条旗」紙の記事は、こう書いている。

 「6つのヘルメットと6足のブーツが一列に並んでいた」

 そして、「すすり泣きが漏れた。続いて、つかの間の笑いが……」とも!

 悲しさに耐え切れない誰かが、苦し紛れの冗談でも飛ばしたのだろうか?

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 「ブラボー中隊」は11月半ばにも自爆テロ攻撃を受け、3人の仲間を失っている。

 「星条旗」紙は、米軍の準機関紙的存在だが、これはいかにも「乾いた」記事だ。

 亡くなった兵士の一人は「沈黙のプロ」だった、と書く、「星条旗」紙の従軍記者よ!

 「ブラボー中隊」の兵士たちの神経は、イラク、アフガンの転戦の中で、引き裂かれ、ささくれ立ち、擦り切れ、麻痺してしまっているのではないか?

 そうでなければ、「すすり泣き」のあとに「笑い」が弾けるわけがない……。

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 イーサン・マッコードさんは、2007年7月の米軍ヘリ機関砲掃射現場に「ブラボー中隊」の一員として駆けつけ、蜂の巣になったヴァンから、男の子を救い出した人だ。

 マッコードさんは退役後、「オペレーション・リカバリー(回復のための作戦)」という名の復員兵の団体を立ち上げている。 ⇒ http://www.ivaw.org/operation-recovery

 イラク、アフガンの前線で傷ついた兵士の心を癒し、戦争に反対する、マッコードさんら「オペレーション・リカバリー」の復員兵たち。

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 あのウィキリークスの暴露ビデオが何よりも明確に示したように、機関砲を撃ちまくるヘリの兵士も、無線で命令を発する指揮官も、常軌を逸しているのだ。

 戦死した仲間の追悼式で笑い声を上げる兵士もそうだが、撃ちまくり続ける兵士もまた、癒されなければならない。

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 「星条旗」紙の同じ紙面(電子版)に、同紙オンブズマンの、「苦言」が載っていた。

 国防総省(ペンタゴン)が、同紙の記者に、ウィキリークスの「暴露」した記事がニューヨーク・タイムズなどに出ても、見てはならない、との「禁止令」を出したことに対する「苦言」だった。

 米軍の兵士だけでなく、米軍を取材する準機関紙の記者までも「目隠し」するペンタゴン!

 これまた、正気の沙汰ではない。

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 「ブラボー中隊」!

 ブラボーとはあのブラボー、いいぞ、素晴らしい、のブラボーだ。

 「戦争の家=ペンタゴン」を本丸とする米軍事権力=軍産複合体が叫ぶ「ブラボー」の中に、兵士の心の痛みや苦しみ、悲しみに対する思いはカケラもない。

 兵器の発注と受注、軍事予算、売上の絶えざる拡大――があるだけだ。

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 生き残った現役の「ブラボー中隊」に、君たちの先輩の、マッコードさんの言葉を捧げたい。

 マッコードさんは、「兵士たちにも癒されるという基本的人権がある」と言っているのだ。

 自分たちが癒されるためになすべきはひとつ――それは「戦争」を止めることである。 

 そのために、事実を直視し、真実を発言することである。

Posted by 大沼安史 at 09:38 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-12-17

〔いんさいど世界〕 エルズバーグ博士の「暴露」

 ホワイトハウスの周辺は白一色だった。雪が降り積もった16日、ホワイトハウスの鉄柵に自らを鎖で縛り付ける、「平和のための復員兵」主催の抗議行動が行われた。
 ユーチューブ ⇒   ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=aUtFF9R6808&feature=player_embedded#!

 その中に、「ペンタゴン文書」を暴露した、ダニエル・エルズバーグ博士がいた。

 79歳。

 お元気そうで、すこしほっとした。

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 「Peace Now(今すぐ平和を!)」――自ら鎖に繋がれ、「人間の鎖」となって結束した参加者たちは、この単純な、当たり前の言葉を繰り返し叫んだ。

 エルズバーグ博士の左隣にいた女性が、歌い出した。未来は、必ず、そうなる、あの We Shall Overcome 。

 参加者たちは3週間前に、オバマに会見を求める手紙を出していた。拒否されていた。

 抗議の意思をこめて、「今すぐ平和を!」の要求を書いたハガキをホワイトハウスの庭に投げ込んだ。

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 参加者たちは逮捕された。一人ずつ、連行された。

 エルズバーグ博士が連行される模様を、平和運動サイト「コモン・ドリームズ」のアシスタントがカメラに収めた。

 ⇒ http://www.commondreams.org/further/2010/12/16-1

 前から、後ろから。

 微笑さえ浮かべながら、連行されるエルズバーグ博士。

 そこに、ホワイトハウス前の寒さに震え上がらない、温かな、確信のようなものを見るのは、私(大沼)だけではないだろう。

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 「人間の鎖」プロテストに先立ち、近くの公園で開かれた集会で、エルズバーグ博士は、こう語った。⇒ 
 http://www.commondreams.org/headline/2010/12/16-2

 「私はブラドレー・マニングは、この国の英雄だと思う。そして、ジュリアン・アサンジは、間違いなくオーストラリアの英雄だ。彼らをテロリスト呼ばわりすることは誤りであるばかりか、不条理そのものであり、彼らの名誉を毀損するものだ。2人とも、私以上に、テロリストではない。そして私は、テロリストではない」

 博士はとくにブラドレー・マニングさんについて、自分の行為と共通性があると指摘し、連邦議会の一部の議員たちが叫んでいるように、もしマニングさんが国家に対する裏切りで処刑されなければならないというなら、アメリカが英国の植民地だった以来、同じアメリカの同胞に情報を伝えたことで処刑される最初のケースになる、と厳しく批判した。

 今回の「国務省機密電」の暴露についてエルズバーグ博士は、「ゴシップ」に目を奪われ、ウィキリークスが「開示」した、ほんとうに重要な問題を見落としてはならないと強調。

 たとえば、米軍がペンタゴンの「否定」にもかかわらず、パキスタンで地上戦に従事している事実が「開示」されたことは、これ以上、危険極まりない――ほかにこれ以上、重要な問題はないくらい大変なことで、これによってパキスタンの不安定化が一気に進み、「イスラムの核」がアルカイダの手に落ちないとも限らない――と警告した。

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 なるほど、そうなのだ。

 ウィキリークスではさまざまことが暴露されているが、最大の問題は何と言っても「戦争」なのだ。今すぐ、「アメリカの戦争」を終えることなのだ。
 
 エルズバーグ博士の「ペンタゴン文書」が、ベトナム戦争の終結へ向けて貢献したように、今回のウィキリークスを通じた暴露でもって、「アフガン・パキスタン戦争」は終結に導かれなければならない……。

 だから、ホワイトハウスの前で、参加者は叫んだのだ。
 「今すぐ平和を!」と。

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 ウィキリークスによる、ネットを通じた暴露の連鎖と伝播は、エルズバーグ博士の時代にはなかったことだ。

 アメリカの軍事権力は、グローバルな規模で広がる怒りと批判によって、実はいよいよ、追い詰められている。

 そのことを承知していて、こんども「戦争をやめさせることができる」と見通しているから、そのこともあって、たぶんエルズバーグ博士は、連行されながら微笑んだのだ。 

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 エルズバーグ博士は、雪のホワイトハウスの前で、自らを鎖に繋ぎ、逮捕されたことで、あの「ベトナム戦争」の過ちと悲劇を「アフ・パク戦争」の「現在」に繋ぎ、その愚かしさを「暴露」して見せた。

 このエルズバーグ博士の「暴露」もまた、ウィキリークスの暴露に、負けずとも劣らないものである。
 
 まるで悪魔祓いの舞台のような、白一色のホワイトハウスの前で、「オバマの戦争」は、エルズバーグ博士の「歴史の開示」によって、「ベトナム戦争の悪夢」に呪われたものになった。

Posted by 大沼安史 at 08:05 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 マニングさん、独房拘禁7ヵ月 心身 危機的状態に

 ウィキリークスに、イラクでの米軍ヘリによるイラク人虐殺実写ビデオや国務省の機密情報を漏洩したとして、拘禁されている米陸軍の特科兵(情報分析)、ブラドレー・マニングさん(23歳)の心身の健康が危機的な状況にあるそうだ。
 英紙ガーディアンが伝えた。 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/16/bradley-manning-health-deteriorating

 マニングさんは現在、バージニア州の軍事基地で拘束されているが、月に2度、ボストンから面会に訪れている、コンピューター・リサーチャー、デイビッド・ハウス氏によると、「この数週間、心身の状態が悪化の一途をたどって」おり、利発だった以前の姿とはほど遠い状態だそうだ。

 マニングさんは、すでに拘束されてから7ヵ月が経っており、独房に監禁状態。ハウス氏によれば、なんと「枕もシーツもなく、運動する自由も、テレビでニュースを見ることもできない」。

 米軍(陸軍)はマニングさんの「安全」のため、独房に入れているとしているが、「懲罰のためだ」とハウス氏は指摘している。マニングさんも独房入りを依頼したことはない、と言っているそうだ。

 ガーディアンによれば、マニングさんの友人、支援者たちは、マニングさんが米当局者から脅迫や侮辱、あるいは贈賄の申し出も受けている、という。ウィキリークスのサイトへの「侵入」の見返りに現金をあげる、という申し出だったそうだ。

 ハウスさんは、マニングさんが拘禁され後、支援を始めた人だ。ガールフレンドとメキシコ旅行をして帰国した11月3日には、国土保安省の当局者2人に空港で、電子機器を全て没収された。暗号解読のキーを出せと迫られたが、拒否したという。

 ウィキリークスのアサンジさんは保釈されたが、マニングさんは、こんな酷い状況下にある。

 マニングさんは、「ペンタゴン文書」を暴露したダニエル・エルズバーグ博士と同じ、内部告発をした英雄である。

 訴追されるべきは米政府当局であり、マニングさんではない。

 

Posted by 大沼安史 at 05:48 午後 | | トラックバック (0)

2010-12-16

〔ウィキリークス NEWS〕 「勇敢な息子のために、世界よ、立ち上がれ!」 アサンジさんのお母さん クリスティーンさんがアピール

 (☆ 14日シドニー発のロイター電を遅ればせながら読んで、これは本ブログでも記録に残すべきことと思い、書いた―― 
  ⇒ http://news.yahoo.com/s/nm/20101214/tc_nm/us_wikileaks_assange_mother

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 ウィキリークスの編集長、ジュリアン・アサンジさん(39歳)の母親、クリスティーンさんが、ロンドンの刑務所に囚われの息子に面会した。

 その時、クリスティーンさんは、オーストラリアのテレビ局、「ネットワーク・セブン」の依頼で、ひとつ、こう質問した。

 「後悔していない?(Was it worth it?)」

 息子の答えは、こうだった。(クリスティーンさんは、息子の答えをメモし、テレビ局に渡した)

 「僕の確信は揺らいではいない。僕は、僕がこれまで言って来た理想に、今も忠実です。状況が僕の理想を揺るがすことは、これからもないでしょう(My convictions are unfaltering. I remain true to the ideals I have expressed. This circumstance shall not shake them.)」

 「状況はどうあれ、これまでの事態の経過は、その理想が真実であり正しいという僕の決心を強めて来ました(If anything this process has increased my determination that they are true and correct.)」

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 強く、美しい、息子の言葉だった。

 その息子から、人々へのメッセージを書き取り、伝えた母親も気丈で、強く、美しい。

 息子はこうも言ったそうだ。

 「ヴィサやマスターカード、ペイパルがアメリカの外交の道具だということを、今、分かった。僕らが知っていたものではなくなっている」
 「僕は世界に対して呼びかける。僕の仕事を、僕の仲間たちの仕事を、無法で不道徳な攻撃から守ってほしい(I am calling for the world to protect my work and my people from these illegal and immoral attacks.)」

 ####

 そう語るを息子を、母親はこう言って励ましたそうだ。「世界中の人々が、あらゆる国々の人々が、あなたの自由と、あなたへの正義を求めて、プラカードを掲げ、叫んでいるのよ」と。

 そんな母親の言葉に、息子は感じ入っていたそうだ。

 ####

 母親、クリスティーンさんは、オーストラリアのテレビ局を通じて、こう呼びかけた。

 「一人の母親として、私はお願いします。私の勇敢な息子のために、世界よ、立ち上がれ、と(As a mother I am asking the world to stand up for my brave son.)」

 世界よ、立ち上がれ! 然り。その通りだ。

 世界はもっと、立ち上がらなければならない! 
  

  ⇒ http://news.yahoo.com/s/nm/20101214/tc_nm/us_wikileaks_assange_mother

Posted by 大沼安史 at 08:41 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 凶悪な元殺人未遂犯のレイプ男には保釈を認めておいて、アサンジ氏には保釈を(初級審)で認めなかった英国の「法の下の不平等」よ!

 英国の市民団体、「レイプに対抗する女性たち」のカトリン・アクセルさんが、英紙ガーディアンに、アサンジさんを擁護する公開書簡を寄せた。
  ⇒ http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/08/wikileaks-rape-allegations-freedom-of-speech

 それによると、アクセルさんたちは、かつてパートナーの女性とその子どもたちの殺害を企てた前歴のある男に、レイプと家庭内暴力被害を受けた女性の支援を行っているそうだが、英国の司法当局は、この男にも(英国ではレイプ容疑者にはふつう保釈されるそうだ)保釈を認めたそうだ。

 (なのに、アサンジさんだけは、どういう理由で保釈が直ちに認められなかったか?――釈然としなし、不可解だ――これは僕=大沼の感想)

 アクセルさんはスウェーデンの状況にも触れ、こう指摘している。スウェーデンの女性国会議員2人がことし4月、現地紙に書いた記事によれば、レイプ事件の実に90%近くが裁判にかけられず、ウヤムヤのうちに終わっている。

 (スウェーデン当局は自国のレイプ事件に対し、今回のアサンジさん「一件」(それが事実ならば、の話だが)で見せた、あくなき執念を発揮して捜査にあたるべきだろう)

 アクセルさんは、こうも指摘している。「女性たちの安全に何の関係もない政治的な問題に、レイプや性的攻撃が使われる、長い伝統がある」と。

 (日本でもそうだった、沖縄密約を暴いた西山記者も、それでやられた……) 

 

Posted by 大沼安史 at 07:55 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 スウェーデン当局 アメリカ当局者に、議会がうるさいからスパイ活動は「非公式」に――とお願い

 英紙、テレグラフによると、米国務省機密電で、スウェーデン当局が米当局者に、スウェーデン議会の目をごまかすため、諜報活動は「非公式」に行ってほしいと依頼していたことが開示された。
 ⇒ http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/wikileaks/8202745/WikiLeaks-Swedish-government-hid-anti-terror-operations-with-America-from-Parliament.html

 スウェーデンは世界で最も早く、議会制民主主義が育った国。

 その政府当局が、議会に気付かれると、調査とかなんとか、うるさいから、スパイ活動は、堂々と(?)ではなく、「非公式」(コッソリ?)やってくれと、アメリカ当局者にお願いしていた、とは。(スパイ活動に公式も非公式もないと思うけれど……)

 アサンジさんへの、あの、アレも、アメリカの「非公式な諜報活動」によるものかもしれない。

Posted by 大沼安史 at 09:13 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 全世界2000のミラーサイトを見て! 米兵にアピール!

  ウィキリークスが米軍の兵士たちに、ツイッターで呼びかけた。ミラーサイトで、「開示」情報を見るようアピールした。
 ⇒ http://twitter.com/wikileaks

 そのミラーサイトだが、全世界で2000に達しているそうだ。
 どんどん増えている……。

 ウィキリークスの言うとおりである。

 兵士に事実を知らせず、うまいことだけ言って戦わせる――安全なところから命令する人たちは、真実を隠し、大本営発表だけ、したがる人たちだ。。

 アフガン「政府」の汚職のもの凄い実態について、アメリカの兵士は知らねばならない。

 自分がそのために「命」をかけている――かけさせられていることを。

 ああ、日中戦争や太平洋戦争当時、ウィキリークスがあったなら、日本人も――日本兵も、日本国民も、みんなだまされずに済んだのに!

Posted by 大沼安史 at 08:57 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-15

〔ウィキリークス NEWS〕 英紙ガーディアン電子版へネット攻撃?

 ウィキリークスと連携し、米権力の実態について暴露報道を続けて来た英紙ガーディアンに対し、ネット攻撃があった模様だ。

 同紙のサイトの「ウィキリークス・ポータル=最新の本日分一覧」、及び、「米空軍がアクセス遮断の記事」のリンクに接続すると、「セキュリティーの警告メッセージ」が画面に出現して、記事へのアクセスを妨害する事態が一時的に起きていた。今は(ガーディアン側の対処で)復旧している。

 (セキュリティー・メッセージに「対応」すると、PCが使えなくなる恐れがあるので、要注意!)

 ついに、ウィキリークス報道の先頭に立つ「ガーディアン」への、ネット攻撃!

 由々しき事態である。

Posted by 大沼安史 at 05:48 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 「ウィキリークスはジャーナリズム。訴追はアメリカのダメージ」 ジャーナリズム大学院の教授らがオバマに公開書簡

 コロンビア大学ジャーナリズム大学院の教授らがオバマ大統領とホルダー司法長官あて、公開書簡を送った。コロンビアはオバマの母校だ。

 この中で教授らは、「私たちは皆、ウィキリークスは外交電を公表することで、憲法修正第一条によって保護されたジャーナリズムの活動に従事している、と信じております」と、ウィキリークスの活動をジャーナリズム活動であると言明。

 「歴史的な問題としても、プレスによる漏洩文書の公表に対す政府の過剰な反応は、漏洩そのものより、アメリカのデモクラシーのダメージになるものです」と述べた上で、「ウィキリークス事件で訴追すれが、世界的に繰り広げられている自由な報道をめぐる議論でのアメリカの立場に大きなダメージを与えるものになるだろう」と、オバマ政権に自重を求めている。

  ⇒ http://www.poynter.org/latest-news/romenesko/110885/columbia-j-school-staff-wikileaks-prosecution-sets-dangerous-precedent/

Posted by 大沼安史 at 05:16 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 米空軍 業務PCによる「掲載メディア」へのアクセスを遮断

 米空軍は業務パソコンでのウィキリークス開示・米国務省機密電を報じている、ニューヨーク・タイムズやガーディアン、ブログなど25以上のサイトに対するアクセスを遮断した。
 ニューヨーク・タイムズが報じた。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/12/15/us/15wiki.html?partner=rss&emc=rss

 陸軍、海軍、海兵隊は、オバマ政権が出した「読むべからず」ガイドラインを適用、アクセス遮断には踏み込んでいない。

 (付記) 「表皮」は剥がれた(けれど)……深層に眠るものは何か?

 米空軍は、米軍の中で最大の権力をにぎる存在だ。その権力はミサイル、爆撃機など、主に核兵器の開発・配備の中から生まれて来た。

 その空軍の、「突出」した、この行為……。

 米空軍は何を恐れているのだろう?

 今回、ウィキリークスが 入手した米国務省機密電は、「シークレット(機密)」どまりで、「トップ・シークレット(最高機密)」は含まれていない。

 アメリカの軍権力の「秘密」の表層の薄皮が――表皮が一枚、剥がれた程度である。それなのに……。

 なぜか?
 これは私のカンだが、アメリカ(米軍)の異常なまでのウィキリークス攻撃の背景には、おそらく、あの「9・11」につながる「恐怖症」がある。

 だから、「空軍」なのだ。

 米軍内で権力闘争を続ける海軍、陸軍、海兵隊は、だから、やや、高見の見物のスタンスなのだ。

 もしかしたら、ウィキリークスは、実はすでに米軍の秘密の深層から、「9・11」がらみの、とんでもない(空軍がらみの???)「超機密」を入手しているのかも知れない。

 来年の「9・11」10周年に合わせて、暴露しようとしているのかも知れない……。

Posted by 大沼安史 at 04:07 午後 | | トラックバック (0)

2010-12-14

〔NEWS〕 米軍への「思いやり」 5年、現状維持 「年金」、来年度から削減 日本国民を愚弄する「あかんなあほんと」政権

 サイケイによると、「政府は14日、平成23年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について、22年度の水準(約1881億円)を5年間維持することで米国と合意したと発表した」そうだ。

 日本の消費者物価が下がっているにもかかわず!

  ⇒  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101214/plc1012141753011-n1.htm   

 その一方で、日本国民の年金は減らすという。消費者物価が下がっているから。
  ⇒ http://www.nhk.or.jp/news/html/20101214/t10015839021000.html  

 戦後日本を汗水たらして支えてきた、老齢世代の虎の子(すずめの涙)、「年金」を減らす、と平気でのたまう菅直人政権。

 米軍への「思いやり」については、今後5年間も現行水準を維持するというから、あきれる。国民への「おもいやり」は、どうした? 

 あかんなほんと――。

 売国奴よ、そう、君のことだ――菅直人君、君のことだ。

 君は「日本の首相」ではない。失せろ!  

Posted by 大沼安史 at 07:09 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 シンガポール外務省高官 日本は「愚かさと、ダメな指導者と、ビジョンのなさで地位を低下させた」

 豪紙「エイジ」はウィキリークスが暴露した米国務省電の分析結果として、シンガポールの外務省高官のトミー・コー氏が2009年9月、日本を「カラダの大きな、肥満した敗者(the big fat loser)」と表現し、日本の地位の相対的な低下は「愚かしさとダメな指導者とビジョンのなさ(stupidity, bad leadership, and lack of vision)」によるものと、米側に表明していた――と報じた。
  ⇒ http://www.theage.com.au/world/top-singapore-officials-trash-the-neighbours-20101211-18thg.html

 少なくとも、「ダメな指導者」というのは、完全に当たっている、と思う。

 愚かな指導者、ビジョンのない指導者…………悲しい国だな。 
 

Posted by 大沼安史 at 11:28 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-13

〔コラム 机の上の空〕 ボッサ・ノーヴァ

 南の青い海だった。「流出」ビデオで観た、中国トロール漁船の「衝突事件」の現場――。

  日中をつなぐ海に、警告音が鳴り怒号が響いた。

  ユーチューブを見ながら、90歳でご健在の、あの「李香蘭」として歴史を生き抜いて来た山口淑子さんがこれを……映像とヒステリカルな書き込みをご覧になったら、どんな思いをされることかと心配になった。

 ♪ ♪ ♪ ♪

 「中国で生れ育った日本人」の山口淑子さんは、「祖国」と「母国」がある人だ。

  1972年9月の「日中国交回復」について、山口淑子さんはこう書いた。

  (田中角栄、周恩来両首相が)「乾杯し肩を抱き合う姿を見て、知らず涙がこみあげていた。長い戦争を戦い、殺し合い、憎みあい、悲しみを積み上げてきた私の祖国と母国が、いまこうして曲りなりにも手を携えた」(『「李香蘭」を生きて』より)

 ♪ ♪ ♪ ♪

 ようやく手を携えた「日中」――。

  これはきっと山口淑子さん自身、心ひそかに自負していることだろうが、彼女の祖国(日本)と母国(中国)……つまり私たちの「日中」の「国交回復」の土台の一つが、彼女によって戦争末期の上海で築かれたことは紛れもない事実だ。

 そこだけは台風の目の静かさだった上海。だれもが、短波放送で日本の負け戦を知っていた上海。

 そこで「李香蘭」は中国人、黎錦光(教師時代の毛沢東に教わったことがあるそうだ。戦後、共産中国に加わった)が作詞・作曲した、時代の夜明けを予告する、あの名曲を中国語で歌ったのだ。

 「夜来香(イエライシャン)」。ナイト・ジャスミンの花の香り。 

 ♪ ♪ ♪ ♪

 この黎錦光の「夜来香」を、日本人作曲家、服部良一が「シンフォニック・ジャズ」にした。

 あの「夜来香幻想曲」。

 これを「李香蘭」は上海交響楽団をバックに、敗戦の年、1945年の6月下旬と8月上旬、歌ったのだ。中国語で、上海市民の大観衆の前で、奇跡にように! 

 「ルンバ、ワルツ、ブギブギに編曲された『夜来香』を次々に」(同書)。

 ♪ ♪ ♪ ♪

 その上海で昨年(2009年)、ジャズ・フェスが開かれた。

 そこで「夜来香」を中国語で、ボサノバ風に歌った日本人歌手がいる。

 小野リサさん。

 ブラジルで生れ育ち、日本に帰国、今、世界を舞台に活躍する、祖国と母国を持った実力派の歌手だ。

 そのステージの映像を、私がユーチューブで観たのは、中国漁船「衝突」事件が起きたあとのこと。

 (「流出」したものではなく)上海のファンが、他の人にも見てもらいたいと「アップ」したビデオだった。

 小野リサと会場の中国人ファンの、中国語による大合唱。

 山口淑子さんが見たら、きっと涙を流して喜び、一緒に歌うに違いない、「夜来香」の大合唱。

 ♪ ♪ ♪ ♪

 「衝突」ではなく、新たな「交流」!

 ここに「日中」が手を携え、ともに切り開くべき、時代の新たな夜明けの光があると思うし、そうでなければならない。

 そうでなければ、「夜来香」が生れた意味はないだろう。李香蘭も、山口淑子さんも、きっとそう思うはずだ。

 ♪ ♪ ♪ ♪

 日中をつなぐ海に流れるべきは怒号ではなく、合唱である。

 新しい――ボッサ・ノーヴァ(新しいスタイル)な、友好の音楽である。

  ===========================

 ☆ 僕が会員でもある「市民の意見」誌の最新号に掲載していただいた記事を、発行後、少し時間が経ったので、本ブログに再録しました。

 「市民の意見」は「べ平連」で事務局長をされていた、吉川勇一さんらが手弁当で編集・発行している雑誌です。

 日本の市民運動の窓であり、広場です。

 ぜひ、ご購読を!

 ⇒ http://www1.jca.apc.org/iken30/

 

Posted by 大沼安史 at 03:59 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2010-12-12

〔ウィキリークス NEWS〕 エルズバーグ博士が人気風刺番組「コルバート報告」に出演 米当局を原理的な批判と笑いで追及

  「ペンタゴン(国防総省)文書」を暴露したダニエル・エルズバーグ博士が、ステファン・コルバートさんの人気時事風刺番組、「コルバート報告」に出演し、「国務省文書」を暴露したアサンジさんについて、「アメリカの法律の下での犯罪者ではない」と指摘。「アメリカの建国は、われわれが何を聴き、何を考え、何を読むべきか、政府は口をはさむべきではない、との原則に立って行われた」と述べ、建国の精神を踏みにじる米政権の姿勢を批判した。
 ⇒ http://www.ellsberg.net/archive/daniel-ellsberg-on-colbert-report

 エルズバーグ博士はまた、「リークで訴追されたのは私が(米国史上)初めてだった」と語っていた。(そうだったんだ!)それまで、さまざまなリークが行われていたのに……。

 国家権力は自分のついた重大な嘘が暴露されると、なりふり構わず、自分が嘘つきであることを暴露した――社会に対して警報を鳴らした者の訴追にかかる。

 アサンジさんの場合も、マニングさんの場合も、そうなのだ。

 ビデオを見れば分かるように、エルズバーグ博士に「突っ込み」をかけていたコルバートさんの指摘も、鋭い。

 ○ ウィキリークスへの送金を停止したマスターカードについて、KKK団への送金は認めているじゃないか? あ、なるほどマスター(ご主人)様に奉仕するカードだからか」と皮肉ったり、

 ○ アサンジさんを「テロリスト」呼ばわりする者どもに「賛同」したふりをして、「最初のテロリストのビンラディンから、もう10年も経った今だからこそ、なおさら許せない」と言ってみたり(ビンラディンの方は、どうなっているんだ!!)

 ○ 「ジャーナリストは誰かの情報を伝えるだけでいいけど、情報を提供したものはテロリストにされる」と(素朴な疑問を投げかけて)不条理さに斬り込んだり、

 ―― 痛快無比だ。

 原理的な批判と、それに同意する笑い、そして強烈な政治風刺のあるアメリカ!

 

Posted by 大沼安史 at 08:10 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 北朝鮮当局者 エリック・クラプトン ピョンヤン公演のアレンジを……アメリカに依頼

 英紙ガーディアンによれば、アメリカのソウル大使館発の秘密電(2007年5月22日付け)で、北朝鮮の当局者が米側に、金正日の2男のジョン・チョル氏のアイドルである英国の歌手・ギタリスト、エリック・クラプトン氏のピョンヤン公演をアレンジしてくれるよう、アメリカ側に依頼していた。そうすれば金正日に対し、北朝鮮への人道支援受け入れるよう、説得しやすくなるから――と。

 この話は当時、表面化し、実現の可能性が浮上したかに見えたが、最終的にクラプトン氏が否定して消えていた。

 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/11/eric-clapton-north-korea-wikileaks

 それにしても、支援がほしい北朝鮮当局者の、この涙ぐましいまで姑息な、必死さ、懸命さ、ヨイショぶりよ!

Posted by 大沼安史 at 06:27 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 リトビネンコ暗殺犯をロ当局が追跡・監視 英が止めさせる その後に毒殺!

  英紙ガーディアンは米国務省機密電の分析をもとに、2006年にロンドンで放射性の毒物で毒殺された元ロシア情報機関員、リトビネンコの暗殺犯グループをロシア当局が追跡・監視していたが、英当局が、状況を「掌握」していることを理由にロ当局にマークを止めさせ、その後、毒殺が行われた、と報じた。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/11/wilileaks-cables-litvinenko-murder

 となると、一体、誰がリトビネンコ氏を毒殺したのか?……

 リトビネンコ氏の事件については、以下の本ブログを参照。

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/11/post_4359.html

   http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/11/__98bc.html

Posted by 大沼安史 at 06:09 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 PISA・読解力・上海

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog2/2010/12/post-76a5.html

Posted by 大沼安史 at 05:02 午後 2.教育改革情報 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「図書新聞」に書評! ダニエル・グリーンバーグ著、『自由な学びとは――サドベリーの教育哲学』

 「図書新聞」最新号(12月18日付)に、書評が掲載された。

 「見出し」だけ、紹介する。「近代の限界を超える教育の書――「モードル」の自由と自治の学校」。

  書評してくださった米田綱路氏は、今年出した『モスクの孤独』でサントリー学芸賞を受賞していらっしゃる方。(畏友、小笠原信之から教えてもらった……)

 グリーンバーグさんに聞かせてあげたいような、深く、的確な書評だった。

 訳者としても、たいへん、嬉しい。

 ⇒ http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_article.php

 ☆  ダニエル・グリーンバーグ氏の主著、日本語全訳 遂に完成  教室を広場に! 学びのアトリエに! 世界創造の場に! 新たな世界を創る場に!

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog2/2010/09/news-3208.html 

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Posted by 大沼安史 at 03:54 午後 2.教育改革情報 | | トラックバック (0)

2010-12-11

〔コラム 机の上の空〕 「愛」は結びの「ネット」

 僕は、新聞記者をしていた20代の後半(――つまり、今から40年近く前)、札幌で、ある老眼科医を訪ね、話を交わしたことがある。

 その方が私に、どういうわけか、「聖書」を――とくに「新約」を読んだら、いいですよ、と、さりげなくアドバイスしてくれたのだ。

 その時の、その人の表情を――声の響きを、私は今も覚えている。

 僕の置かれた状況を知ってのことと思い、そ知らぬ顔で、「はい、読んで見ます」とだけ、答えたことを覚えている。

 ####

 で――思い出した。

 私が尊敬する加藤周一さんは死の床で、カトリックの洗礼を受けたそうだ。

 そうだ。加藤さんも、言っていた。

 「新約を読め」と。

 ####

 キリスト生誕歴、2010年のクリスマスを前に、私は、思わざると得ないのだ。

 加藤周一さんが生きていたら――そして、あの、温厚な眼科医の紳士が生きてらしたら…………いや、イエス・キリスト、ご存命、ありしかば、ローマ帝国ならぬ、いまのアメリカの「世界軍事帝国」の暴挙を、どうお考えになったか――と思わざると得ないのだ。

 ####

 イエズス会(ジェスィット)の人は、神学だけでなく哲学を学ぶ人たちだ。

 この世の真理を究め、キリスト教神学を、その時代にふさわしいものに発展させる……。

 私の尊敬する、ジェスィットのジョン・ディア神父(アメリカ人)が、書いていた。⇒ http://ncronline.org/blogs/road-peace/phil-berrigan%E2%80%99s-advent-vision

 ことしの今月(12月)6日は、「プロウシェア」(「剣を鋤=プロウシェアに換える」)の運動家、フィリップ(フィル)・ベリガンさんの、8回目の命日である、と。

 反戦運動に一生を捧げた、フィル・ベリガンさんが、もし今、生きていらしたら、今、88歳。

 ご健在でありせば、イラク・アフガン戦争――そして今、ウィキリークスに対して「アメリカ帝国」が執拗に続ける「迫害」に対して、どんな非暴力・直接行動で抵抗されただろう。

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 西暦2010年の「アメリカ帝国」は――オバマが、「ノーベル平和賞」を首からぶら下げ、「大統領」を務める「アメリカ帝国」は…………、あの「ニクソンの王朝」よりも、もっとひどい。

 「ペンタゴン文書」を暴露した、ダニエル・エルズバーグ博士が、こう指摘していた。

 ニクソン政権はこっそり、(博士に)国家反逆罪を適用する陰謀をめぐらせていたけれど、今のオバマ政権は、大っぴらに議論し、脅しをかけている、と。⇒ http://www.democracynow.org/2010/12/10/whistleblower_daniel_ellsberg_julian_assange_is

 FOXテレビで、「米軍特殊部隊にアサンジを殺させろ」と叫んだ、ボブ・ベッケルというコメンテーターがいた。

 共和党の回し者か、と思ったら、違っていた。民主党のコンサルタント。あのモンデールの大統領選選対責任者だった男だそうだ。

 こうした無法に、加藤周一さんは――フィル・ベリガンさんは――イエス・キリストは――あの慈父のような、優しい札幌の眼科医は――どんな言葉を発するだろう。

 ####

 ジョン・ディア神父(51歳)が、イエスとともに平和な世の実現に一生を捧げようと、最終的に決意を固めのは、ガラリア湖の近くの、「山上」の展望台にたたずんだ時のことだった。

 霧に包まれた展望台で、若きディア神父は、こうイエスを問い詰めた。

 「もしも、あなたがイエスなら、いまここで、その証拠を見せてほしい」

 そう心に思った瞬間だった。レバノンに向かう、イスラエル空軍のジェット戦闘機が、霧の中から突然、轟音とともに姿を現した。
 
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 「聖書」について言えば、わが畏友、小笠原信之が伝記を書いた、不屈のジャーナリスト(60年安保で、一人、抵抗の筆を執った、北海道新聞のコラムニスト)、須田禎一さんもまた、戦時中、「朝日」の特派員として上海にいた頃、「聖書」を読んでいた、ことを思い出す。(だから須田さんは『葡萄に歯は疼くとも』(田畑書店)などという本を書いているのだ)

 私たちがもし、「クリスマス」を「商戦」としてではなく、平和と貧困と暴虐に対する戦いの「原点」として思い返すなら、私たちはイエス・キリストの平和の言葉に耳を傾けるべきであろう。

 たとえば、「愛(アガペー)は、結びの帯」――という、あの有名な一言に。
  
 ####

 イエス・キリストが、かりに無名者として、すなわち万人として、復活したのであれば、アサンジさんは現代のキリスト(の一人)である――救世主である。

 誰がなんといおうと、そうである。

 ブラッドレー・マニングさんも、そうだ。

 あの、あどけない顔は、イエスの顔だ。

 ####

 フィル・ベリガンさんの最後の戦いは、「劣化ウラン弾」に対する戦いだった。

 米軍(州兵)の基地に立ち入り、兵器(軍用機)に血を注ぐ戦いだった。

 ####

 いま、ウィキリークスは、ネットでの「機密の暴露」という新たな戦術で、「死神」との戦いを続けている。

 「剣を鋤に」というベリガンさんたちの抵抗運動は、デジタル化された、「剣」を暴き、「鋤」に換える運動へと進化しているわけだ。

 民衆の大地を耕す「鋤(プロウシェア)」としての、情報レジスタンス運動――としての、ウィキリークス。

 ####

 いま、イエスが生きていらしたら――ウィキリークスのレジスタンスを見て、こうお述べになるかもしれない。

 愛(アガペー)は結びの「網(ネット)」として完全なものです、と。 

Posted by 大沼安史 at 07:01 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 ハイチで羽ばたく「空飛ぶ電波マネー」

 年が明けると、間もなく、「ハイチ大地震」1周年(1月12日)の記念日。

 「激動の2010年」の幕開けを告げるような、ものすごい地震でした。

 で、この「ハイチ地震」、実は不思議な地震だったそうです。

 震源は「エンリキロ断層帯」という大活断層、というのが、当初の定説だったそうですが、米航空宇宙局(NASA)のその後の調べで、原因は「地表に近い複数の断層の地滑り(slip on multiple faults)」と分かった。
 ⇒ http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2010-337

 ベネズエラのチャヴェズ大統領が、ロシア海軍筋の話として、アメリカの「地震兵器」の誤発射説をぶち上げていましたが、関係あるのでしょうか?

 ####

 いきなり「余談」から入ってしまいました。
 
 早速、本題に――。

 ハイチでは外国のPKO部隊(日本ではありません!)によって持ち込まれたと見られるコレラが蔓延する「二次被害」も起きて、まだまだ大変な状況が続いてますが、歳末助け合いの年の瀬ですから(?)少し心が晴れる――温かくなる――そして、私たちの「希望」にもなる、「いいお話」を紹介したいと思います。

 ハイチで羽ばたく「空飛ぶ電波マネー」のお話です。

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 これ、実は、僕の尊敬する、ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ記者が、ハイチまで家族連れで出かけて行って紹介した話。自ら体験してビックリした話です。 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/12/05/opinion/05kristof.html?_r=1

####

 アメリカの西海岸の都市、ポートランドに拠点を置く、「マーシー・コープス(慈悲団)」という支援団体が、ハイチで進めている、「T-キャッシュ」という震災難民救援プロジェクトがあります。

 現地の「ヴォワラ」というケータイ通信会社と、「ユニ・バンク」という銀行と連携して動かしている支援システム…………これが、実にシンプルで、それでいて、なかなかの優れもの、なんです。かんたん――だけど、すごい!

 「T-キャッシュ」の「T」とは、テレホンの「T」です。「キャッシュ」は「現金」。

 でも「T」のテレホンは電話線のある回線電話ではなく、電波で飛ばすケータイ電話。「キャッシュ」も、現ナマというより、「マネー」の意味。

 そう――被災者のケータイに、電波で義捐金を送金するシステムなんです。
  ⇒ http://www.mercycorps.org/countries/haiti

 ハイチの田舎には銀行の窓口も、現金書留を届けるシステムもありませし、手渡しも、記録をとるなど、手間のかかることですから……。

 ケータイに「送金」する。
 月に1度、一斉に送金する。1人40ドル相当。
 (ハイチの通貨はグールドといいます。100グールド=2。5ドル)
 自分のケータイへの入金を確認したら、早速、ケータイで買い物をする。売買のデータはケータイの電波で送られ、その場で決済が行われる…………。

 〈ニコラス・クリストフさんはハイチのサンマルコという町の、電気のない「ロージー・ブティック」という雑貨屋さんで、ケータイで食料品を「買えた」ときの感動をコラムに書いています〉

####
 
 つまり、ケータイがお財布になっているわけ。ハイチの現地語、クレオール語では「ブゼリエ」――英語では「モーバイル・ウォレット」――代わりに、ケータイが使われているわけです。

 日本でもプリペイドとかなんとか、「ケータイ・お財布」が結構広がっていますが、ハイチの「ブゼリエ」がすごいのは、買い物に使えるだけでなく、「貯蓄や送金」にも使えることなんです。

 彼女、どうやら最近、生活苦で困っているらしい……そうだ! 「ブゼリエ」で送金してやろう!――なんてことが、一発でできちゃう!
 (オレオレ詐欺なんか、要警戒ですが……!)

 秘密の暗証番号で操作しますから、万が一、「ブゼリエ」を盗まれても大丈夫。

 「現金」だと、宵越の金は持たない、とか何とか言って、パッパ、使っちゃいますが、「ブゼリエ」の「残高」としてあると、貯めよう、とか、倹約しようか、ということにもなる。

 そう、その通り。ハイチの人々の生活を守る、正義の味方――ケータイの電波に乗って、ハイチの空を飛び交う「電波マネー」、颯爽と登場!

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 こうなると、銀行の出先がない地域に住むハイチの震災難民の人も「マネー」の恩恵に預かれるわえですが、「マーシー・コープス」では単なる義捐金の支給だけでなく、労働に対する報酬の支払いにも使っているそうです。

 たとえば、道路の復旧工事に携わった人の「ブゼリエ」に給料を払い込んでいる!

 恩恵を受けている被災世帯は、すでに8700世帯に達しているそうです。

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 こうしてハイチの人々の生活の建て直しに――地域経済の復興に、「空飛ぶ電波マネー」の大活躍が始まっているわけですが、考えてみれば、これって、私たちの日本でも、大いに威力を発揮しそうなシステムではないでしょうか?

 たとえば、銀行に口座のない人、なかなか銀行まで行けない人、近くに銀行も郵便局もない人――って、いっぱい、いますよね。

 ケータイがカードにも、決済手段にも、預金口座にも、振込み送金機にもなるなら、こんな便利なことはありません。

 たとえば、ホームレスの方々に、ハイチの「ブゼリエ」の日本版「ブゼリエ・ジャポン」(ハイチはフランス語も公用語のひとつです……)を支給し、生活支援のお金を「電波送金」してあげる、とか、一人暮らしの寝た切りの人に生活保護費を「ブゼリエ・ジャポン」で送金するとか……。

 これって地域の銀行のサービス(業務)としても成り立つような気がするんでが、いかがでしょうか?

 ハイチでPKO活動をする自衛隊のみなさんに「ブゼリエ・ジャポン」を支給すれば、日本から特別ボーナスだって「送金」できる。

 クリストフさんは、コラムの見出しに、ここに「未来」がある――と書いていましたが、ここにはもしかしたら、私たち「日本」の未来の姿がある、のかも知れません。

Posted by 大沼安史 at 10:33 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-12-10

〔ウィキリークス NEWS〕ウィキリークス弾圧反対に署名を!

 ウィキリークスに対する弾圧に対する抗議の請願サイトがあったので、署名した。
 ⇒ http://www.avaaz.org/en/wikileaks_petition/?slideshow

  僕で、38万2926人目らしい。

 署名を!

Posted by 大沼安史 at 06:54 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕EasyDNS、誤報にもめげず、ウィキリークスへのサービスを続行!

  こういうのを「ネット市民(ネチズン)の連帯」というのだろう。
 DNS(ドメイン・ネーム・サービス)をしている EasyDNS が、ウィキリークスを「排除」したとの一部マスコミの誤報――それに対する反発にもかかわらず(そんな「反発」を押し殺して)、ウィキリークスの支援、DBSサービスの続行を決めたのだ。
 ⇒ http://www.wired.com/threatlevel/2010/12/easydns/

 こうした信頼感に基づく、ネット上の連帯は喜ばしい。(私たちには、とどのつまり、信頼の共有しか、残されていないのだから…………

 ネットのベースを形作っているのは、結局のところ、この信頼であり、正義へのコミットであるわけだから。

Posted by 大沼安史 at 06:42 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 通信傍受暴露の内部告発者が「アマゾン」ボイコットを呼びかけ

 米国の大手電話・インタネット接続会社、AT&Tが米政府の情報機関、NSA(国家安全保障局)の不法な通信傍受ハードウエア設置を認めていた問題を暴露した内部告発者、マーク・クラインさんが、ウィキリークスを「クラウド」から通報した「アマゾン」の一時的ボイコットを呼びかけている。
 ⇒ http://sites.google.com/site/markklein2009/Home

 クリスマス・シーズンは本が売れる時期。ダニエル・エルズバーグさんに続く、このボイコットの呼びかけは、「アマゾン」にとって打撃だろう。

 いくら米政府の圧力があるからと言って、このままでは「アマゾン」の名の傷は深まるばかり。

 復旧を!

 Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Mark_Klein

Posted by 大沼安史 at 12:57 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕アサンジさん 独房に インターネットに制限つきでアクセス

 英紙ガーディアンによれば、アサンジさんはロンドンのワンズワース刑務所内の隔離房に移された。英当局は、制限つきながらインターネットへのサクセスを認めるという。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/09/julian-assange-wikileaks-wandsworth-segregation

 英の司法(正義=ジャスティス)当局よ、米軍事ファッショ権力の「ポチ」になってはいけない。
 英国の歴史に汚点を残すんじゃない!

Posted by 大沼安史 at 12:42 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 スペイン紙「エル・パイス」の編集局長はちゃんとジャーナリズムをしている!

ウィキリークスから「米国務省機密電」の事前全面開示を受け、解析と追及を続ける、スペインの高級紙、エル・パイスのザビエル・モレノ編集局長が、英紙ガーディアンで、スペインにおける追及状況を明らかにした。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/09/wikileaks-cables-huge-impact-spain

 モレノ局長によれば、同紙の分析で、マドリッドの米大使館が、スペインの裁判官に、米国人らを含む裁判で影響力を行使しようとしたことが分かった。

 グアンタナモの拘束者に対する裁判でも、マドリッドの大使館は介入を企て、バグダッドで米軍に射殺されたスペイン人ジャナーリストの一件でも介入しようとした。

 同紙は、このスペイン人ジャーナリスの射殺事件で、スペイン政府や検察官が「二枚舌」を使っていたことを暴露した。

 モレノ局長はまた、スペインの保守系野党が「批判を制限」しているのは、米国大使館からの圧力のせいだろう、と推測を語った。

 同局長によれば、エル・パイス紙は、国務省機密文書のラテン・アメリカ関係分の暴露報道にも力を入れているという。

 日本の新聞に、エル・パイス紙のような編集局長って、いない――かな!!??…………

Posted by 大沼安史 at 12:36 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 国連「言論表現の自由」特別報告官がアサンジさん訴追に反対を表明

  国連のフランク・ラ・ルエ(Frank La Rue)言論表現自由の権利の促進・保護に関する特別報告官は、アメリカ政府がアサンジさんを訴追することはできない、と述べ、もしアメリカが訴追すれば、「報道の自由」にとって「非常に悪い例」になるだろう、と警告した。
 ⇒ http://www.abc.net.au/worldtoday/content/2010/s3089025.htm

Posted by 大沼安史 at 12:16 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 国連人権弁務官 ウィキリークスを擁護

  ロイター電によれば、 国連のナビ・ピレー(Navi Pillay)人権高等弁務官(UN High Commissioner for Human Rights)は、ウィキリークスのための送金やインターネットのサービスをする民間の企業に対して圧力がかかっていることについて懸念を表明するとともに、こうした企てはウィキリークスの公表を妨害しており、よって表現の自由の権利を侵害している恐れがある、と非難した。
 ⇒ http://www.reuters.com/article/idUSLDE6B81RO20101209

Posted by 大沼安史 at 12:07 午後 | | トラックバック (0)

空から歌が聴こえる Ring The Bells

 平和なクリスマスに……!

  ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/12/ring-the-bells.html

Posted by 大沼安史 at 10:08 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-09

〔ウィキリークス NEWS〕 ハックティビストが「オペレーション・ペイバック(Operation Payback)」を開始

 「ウィキリークスつぶし」に対抗する「ハックティビスト(ハッカーとアクティビストの合成語。hactivist)」たちが、「オペレーション・ペイバック(Operation Payback=報復作戦)」なるプロテストを世界規模で開始した。

 ウィキリークスへの送金を停止した「マスター」「ビサ」カードや、スイス・ポスタルなどのサイトが、ネット攻撃に遭い、数時間、オフラインに追い込まれる事態になっている。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/08/anonymous-4chan-wikileaks-mastercard-paypal

 英紙インディペンデントが掲載した「ウィキリークス対ザ・マシーン」という記事によれば、ネットでは「戦闘ではなく、戦争を」といった、「ザ・マシーン」(アメリカを軸とした世界軍事・政治・経済・金融権力)に対する、総力戦の呼びかけが出ているそうだ。
  ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/wikileaks-vs-the-machine-2155031.html

Posted by 大沼安史 at 01:46 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 「タイム」誌 「ウィキリークスが勝利しつつある」

 米国の「タイム(Time)」誌(電子版)が、「ウィキリークスはなぜ、情報戦争に勝利しつつあるのか(Why WikiLeaks Is Winning Its Info War)」とのタイトルの記事を掲載した。
 ⇒ http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,2035817,00.html

 アサンジ編集長が英当局に身柄を拘束された、というのに、「ウィキリークスが勝っている」いるとは、どういうわけか?

 そんな疑問に導かれ、記事を読んだら、納得できた――。

 書き出し(リード)には、こうある。

 ―― アサンジ氏が英当局に自発的に出頭して、これで「危機」が終息する、という観測が流れた時もあった。しかし、ウィキリークスが解き放った、「国家を超えた群衆を資源化する、この裏返された世界にあっては(in the upside-down world of transnational crowdsourcing unleashed by WikiLeaks)――全世界、数千もの活動家が防衛と活動の前進に決起した世界にあっては、アサンジの逮捕は、ウィキリークスによって損失ではなく「勝利」である。

 これが、権威ある高級誌、「タイム」の見立てだ。
 アサンジさんの逮捕は運動の勝利である、と。

 目下、世界では「トランスナショナル・クラウドソーシング(transnational crowdsourcing)」 (つまり、超国家の群衆が自らを資源化する――)の運動が広がり、米国を軸とした「国家群」との戦いに勝利を収めつつある…………。

 ウィキリークスのメンバー(活動家)は30万人。

 これに、元「グレイトフル・デッド」の音楽詩人、ジョン・ペリー・バローさん率いるEFF(エレクトロニック・フロンティア財団)の無数の「無名兵士」らが加わり、それぞれがあの旧約聖書サムエル記の「ダビデ」(羊飼いの少年)となって「巨人」ゴリアテ(国家権力)を打ち倒しにかかっている…………。

 戦いはなお予断を許さないが、この「タイム」誌のような見方があることだけでも、「ダビデ」側――ウィキリークス側としては心強いことだ。

Posted by 大沼安史 at 01:11 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 オーストラリアの市民であるアサンジ氏を守れ! 識者らがギラード豪首相に公開書簡 

 オーストラリアの高名な女流作家、ヘレン・ガーナーさんら知識人が、ギラード首相に対して、オーストラリアの市民(国籍保有者)であるアサンジさんを法的に保護するよう求める公開書簡を発表した。同首相の速やかな回答を要求している。書簡にはアメリカのチョムスキー氏も署名した。
  ⇒ http://www.abc.net.au/unleashed/41914.html

 公開書簡はギラード首相に対し、アサンジさんに危害を加えるよう呼びかけている「無法な脅威」に対し、オーストラリアの首相として「非難」するよう求め、「政治的なコミュニケーションの自由」に対して、オーストラリア政府として擁護することを表明するよう要求している。

 書簡の結びの言葉はこうだ。「デモクラシーの原則と法の支配へのコミットを表明するだけのこと、かんたんなことです。回答をお持ちしております」――

Posted by 大沼安史 at 12:37 午後 | | トラックバック (0)

2010-12-08

空から歌が聴こえる Winter Coat

⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/12/winter-coat.html

Posted by 大沼安史 at 08:54 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス NEWS〕 アサンジ氏拘束 ウィキリークスが「声明」

 アサンジ氏が拘束されたことに対し、ウィキリークスは抗議の声明を発表した。 ⇒ http://www.twitlonger.com/show/7canol

 声明は、新たにVISAカードが寄付送金を遮断したにもかかわらず「(アサンジ氏拘束で)ウィキリークスが窒息させられることはない」と言明、「ウィキリークスはなお、オンラインにある。ミラーサイトは500サイトを超している。機密電の全データは(ネット攻撃を曝されながら)連日、5000万回以上、再ロードしている」と述べている。

 声明は、米国務省が来年の「ユネスコ・報道の自由の日」のホストを引き受けると表明したことに触れ、この皮肉(アイロニー)をわれれれは忘れない、と述べた。

Posted by 大沼安史 at 05:32 午後 | | トラックバック (0)

〔 コラム 机の上の空〕 笑いの弾ける紅茶の淹れ方――あるいは夜の正しき、平和の作法

 ニューヨークのアッパー・イーストサイドのアパートメント、「ダコタ・ハウス」の台所――。

 そこでの「ある夜」の思い出を、オノ・ヨーコさんが、ニューヨーク・タイムズへの寄稿の中で、「現在形」で書いていた。⇒ http://www.nytimes.com/2010/12/08/opinion/08ono.html?_r=1&hp

 ####

 「ジョンと私は夜中に、ダコタのキッチンにいます。3匹のネコ――サーシャとミチャ、チャロの3匹は、私たち2人の紅茶を淹れるジョンを見上げています(JOHN and I are in our Dakota kitchen in the middle of the night. Three cats — Sasha, Micha and Charo — are looking up at John, who is making tea for us two. )」

 真夜中の静寂の中で、ジョンが淹れた紅茶を2人で飲む平和――。

 はじめはヨーコさんが淹れていた夜の紅茶だが、「ヨーコ、あのね、最初にティーバッグをポットに入れてから、お湯を注ぐもんだよ」とジョンに注意されて以来、紅茶を淹れるのは、ジョン・レノンさんの役回りになっていた。

 ####

 その夜のことだった。紅茶を一緒にすすりながら、ジョンがこう言った。「今日の午後にね、伯母に確かめたんだけど、やっぱりお湯が先なんだそうだ。最初はティーバック、と聞かされていたはずなんだけど、最初はお湯で次にティーバックが正しい淹れ方だそうだ」

 「じゃぁ、これまでずうーっと、私たち、間違っていたわけ?」

 「そう……」

 そう言って大笑いした2人。

 ####

 1980年のある夜の出来事――。そう、ジョン・レノンさんが暗殺された年の、ある夜の出来事――。「2人ともこれが共同生活の最後の年になるなんて知らなかった」夜の、紅茶の淹れ方をめぐる、2人だけの大笑い。

 ジョン・レノンさんが暗殺された12月8日に、ヨーコさんが思い出すのは、紅茶を飲みながら弾けた、この深夜の大笑いだそうだ。

 ♭♭♭♭

 「紅茶を淹れる人」という題の寄稿を、ヨーコさんはこんなふうに結んでいた。

 「10代の若い世代は、もう待ってましたと、すぐに笑い転げる、といいます。でも、私の目には今、多くのティーネイジャーたちが悲しそうで、お互い、憎み合っているように見えます。ジョンと私は、その夜、ティーネイジャーに戻っていたわけではありません。でも、私が思い出すのは、私たちが、2人で笑い合ったカップルであった、ということです」

 ヨーコさんは、今の若者たちの間から、笑いが消えたことを悲しんでいるのだ。

 紅茶の淹れ方をめぐって弾ける、夜の静寂の中の笑いはどこへ消えたのか?

 ####

 でも、まさか、1980年のその夜、ヨーコさんとジョンさんは、啜った紅茶を一緒に噴き出したわけではないだろう。2人の幸せな大笑いに、3匹のネコたちもきっと和んだことだろう。

 そして、(これは間違いなく)2人の紅茶カップからは、湯気が立っていたはずだ……。

 ####

 このシンプルで、心迫るエッセイに、余計なものを付け加えるつもりはない。が、ひとつだけ言わせてもらえれば、あの敵意あふれる「茶会」の皆さんも――そしてあの、サラ・ポーリンさんも、この文章を読んで(「お茶」の話だから、読まないはずがない!)きっと心安らかになったはずだ。
 いや――(ここは「現在形」で言わねばならない……)きっと心安らかになっているはずだ。

 誰かと一緒に心の中で――いや、自宅の家のキッチンの中で、自分の紅茶の淹れ方を間違いに気付き(あるいは自分の正しさを確かめ)、紅茶を飲みながら、きっと安心している違いない。

 ♪♪♪♪

 正しくあることへのこだわり。

 僕も今晩、夜遅くに、正しい作法で紅茶を淹れ、レノンさんの音楽を聴きながら、平和な心に浸ることにしよう。

Posted by 大沼安史 at 05:05 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

「ウィキリークスをめぐって吹き荒れる嵐は、あらゆるメディアの、真実を暴く権利を擁護する必要性をさらに強めるものだ」―― アサンジさん、豪紙に寄稿:「真実のメッセンジャーを撃ってはならない」(全文)

 ウィキリークスの編集長、ジュリアン・アサンジさんが母国、オーストラリアの新聞、「ジ・オーストラリアン」に、以下のアピールを寄稿した。
 ⇒ http://www.theaustralian.com.au/in-depth/wikileaks/dont-shoot-messenger-for-revealing-uncomfortable-truths/story-fn775xjq-1225967241332

 全文を拙訳で紹介する。

          ☆ 

 「不都合な真実を告げるメッセンジャーを撃ってはならない( Don't shoot messenger for revealing uncomfortable truths)――「ウィキリークスは保護に価こそすれ威嚇や攻撃に曝されるものではない(WIKILEAKS deserves protection, not threats and attacks)」

 1958年、アドレードの新聞、「ザ・ニューズ」紙のオーナーで編集人でもあった、若き日のルパート・マードック〔訳注・現在のメディア帝国を築き上げた、あのルパート・マードックのことです〕は、こう書きました。「秘密と真実の競争では、真実が常に勝利を収めるように見える("In the race between secrecy and truth, it seems inevitable that truth will always win.")」

 このルパート・マードックの考えはおそらく、彼の父親、キース・マードック〔ジェーナリスト、キース・マードック伯爵〕が〔第一次世界大戦中〕暴露した、オーストラリア軍がガリポリの海岸で、無能な英軍司令官による、必要のない犠牲を強いられた事実を暴露したことから生れたように思われます。
 〔訳注・「ガリポリの戦い」(1915年2月~16年1月) オスマン・トルコの占領を目指す英軍がオーストラリア、ニュージーランド軍とともにガリポリ半島に上陸しようとした作戦。トルコ軍を甘く見た英軍司令官により、多数の犠牲者が出た。Wiki ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

 英国はキース・マードックの報道を沈黙させようと努めました。しかし、彼は沈黙しようとしませんでした。彼の努力によって、惨憺たるガリポリ上陸作戦は中止されたのです。
 
 それから一世紀近くが経ちました。いまウィキリークスは、これまた恐れることなく、公開されねばならない事実の公表を続けています。 

 私はオーストラリアのクイーンズランド州の田舎で育ちました。町の人々は自分の考えを率直に語っていたものです。人々は、大きな政府をというものを、用心して監視しないと腐敗しかねないものと考えていました。先に「フィッツジェラルド調査委員会」によって明るみに引き出された、クイーンズランド政府の汚職の暗黒の日々は、政治家がメディアに猿轡(さるぐつわ)を嵌(は)め、真実の報道を封じたとき、何が起きるかを証明するものです。
 (訳注・昨年、州政府の首相が収賄で逮捕された「クリーンズラン政府汚職」については ⇒ http://www.abc.net.au/news/stories/2009/07/31/2641879.htm )

 これらことは、今なお、私の中に教訓として留まっています。ウィキリークスは、こうした価値を中心に創設されました。このオーストラリアで懐胎した〔ウィキリークスという〕アイデアとは、真実を報じる新しい方法としてインターネットのテクノロジーを使おうというものでした。

 ウィキリークスは、新しいタイプのジャーナリズムの呼び名を生み出しました。それが「科学的ジャーナリズム(scientific journalism)」です。私たちはほかのメディアの出先と、ともに「ニュース」を報じる活動しています。しかし、私たちは、それが真実であること証明しようともしています。「科学的ジャーナリズム」は皆さんに、「ニュース」を読んでもらい、次にオンラインでクリックして「ニュース」が依拠するオリジナルな記録を見てもらいます。そうやって皆さんご自身で判断することができるわけです。この「ニュース」は、ほんとうなのか? ジャーナリストは正しく報じているか?――と。

 デモクラシーの社会には強いメディアが必要です。ウィキリークスは、そうしたメディアの一部を構成するものです。こうしたメディアは政府が正直であり続ける手助けをするものです。ウィキリークスはこれまで、イラクやアフガニスタンでの戦争をめぐる、いくつかの疑いのない真実を暴露して来ました。企業汚職についてもいくつか、スクープして来ました。

 人々は私〔アサンジ氏〕のことを「反戦活動家」と呼んでいます。しかし、正式な記録として残しておきたいことですが、私はそうではありません。国家は時に、戦争しなければならないことがあります。正義の戦争というものがあります。しかし、戦争について政府が人々に対して嘘をつき、人々に命を捧げさせ、嘘にもとづいて税金を支払うよう求めることくらい間違ったことはありません。もし、ある戦争を正当化したいのであれば、真実を告げなければなりません。民衆はそれでもって戦争を支持するかどうか決めることでしょう。

 もしも皆さんがウィキリークスがこれまで報じた、アフガンやイラク戦争の記録や米国大使館の機密電のひとつでもお読みになったことがあるなら、これらの真実を、あらゆるメディアが自由に報じることができているということが、いかに大事なことか、考えていただきたい。

 ウィキリークスだけが米大使館機密電を報じているわけではありません。英国のガーディアンも、ニューヨーク・タイムズも、スペインのエル・パイスも、ドイツのシュピーゲルも、同じ機密電を編集して公表しているのです。

 しかし、ウィキリークスだけが、これらの連携するメディア・グループのコーディネーターとして、米政府とその侍者たちからの、最も悪意ある攻撃と非難を受けています。私は裏切り者として告発されています。私はアメリカの国民ではなく、オーストラリア人なのに――。アメリカでは、米軍の特殊部隊によって私を「除去」せよという、とんでもない呼びかけさえ行われています。サラ・ポーリンは、私が「ビンラディンのように狩られなければならない」と言いました。米連邦議会上院に上程された共和党の法案は、私を「超国家の脅威」と宣言し、除去するよう求めています。カナダの首相顧問の一人は、全国放送のテレビで、私が暗殺されなければならないと述べています。あるアメリカのブロッガーは、オーストラリアに住んでいる私の20歳になる息子を、私を捕まえるために誘拐し危害を加えるよう呼びかけています。

 オーストラリアの皆さんには、こうした感情的な反応に対し、誇りというものを知らず、恥ずかしげもなく迎合している〔オーストラリアの〕ジュリア・ギラード首相とその政府の姿をしっかり見ていただきたい。オーストラリア政府の当局者たちは、私のパスポートを無効なものにしたり、ウィキリークスのサポーターたちをスパイし、威嚇するよう求めるアメリカの意のままになり切っているように思われます。オーストラリアの法務大臣は、オーストラリアの市民に罪をかぶせ、米国へ身柄を取ろうとするアメリカの捜査活動を支援するため、何でもしています。

 ギラード首相もヒラリー・クリントン国務長官も、他のメディカ機関については、一言も批判していません。ガーディアンも、ニューヨーク・タイムズも、シュピーゲルも、伝統のある大メディアであるからです。それに対して、ウィキリークスはまだ若く、小さな存在でしかありません。

 いま、私たちは負け犬(underdogs)です。ギラード政権は、自分たちの外交・政治的な取引情報も含まれる情報の暴露を望まず、〔真実を告げる〕メッセンジャーを撃とうとしているのです。

 オーストラリア政府から、私や他のウィキリークスのメンバーに対する、数々の暴力的な威嚇に対して、何かひとつでも対策がとられたでしょうか? オーストラリアの首相は、自国の市民たちをそうした威嚇から守るはずだ、とお思いになっている方もいるかも知れませんが、しかし、いま、ここにあるのは、〔私たちに対する〕まったくもって正当化され得ない、不法な主張だけです。首相たるもの、特に法務大臣は、尊厳をもって自らの職務にあたり、争いに巻き込まれないよう求められています。そうすれば大丈夫、二人の面目は保たれることでしょう。さもなくば、名誉は失われることでしょう。

 ウィキリークスがアメリカの機関による人権侵害を暴露する度、オーストラリアの政治家たちは、米国務省と一緒になって、間違っているに違いないコーラスの声を張り上げます。「おかげで人命が危険に曝される! 国家安全保障が危うい! 軍隊を窮地に追い込んでいる!」。そして、ウィキリークスが公表した真実には何の重要性もない、と言うのです。ふたつとも、事実に反することです。でも、そのどちらかは正しいのでは、ですって

 いや、どちらも正しくありません。ウィキリークスはこれまで4年の公表歴を持っています。この間、私たちは〔関係する〕すべての政府に変化を及ぼして来ましたが、たった一人の人間にも、誰一人として危害が加えられていません。しかし、アメリカはオーストラリア政府の黙認の下、直近の数ヵ月をとってみても、数千人を殺害しているのです。

 ゲーツ米国防長官自身、米議会への書簡の中で、開示されたアフガン戦争の機密文書によって、重要な情報源や方法はひとつも妨害されていない、ことを認めています。ペンタゴン(米国防総省)も、ウィキリークスの報道がアフガニスンでの人的被害に結びついていないと言明しています。カブールのNATO軍司令部も、CNNに対して、保護が必要と思われる人は1人もいない、と言っています。オーストラリアの国防省も、同じことを言っています。私たちが公表したことで、一人のオーストラリア兵も、情報源も危害を加えられいません。

 しかし、だからといって、私たちの公表が重要でないかといえば、そうでは決してありません。米国の機密電は以下の驚くべき事実を明らかにしています。

► 米政府は国際条約に反して、自国の外交官に対し、国連の当局者や人権団体の人々の、DNAや指紋、虹彩、クレジット口座番号、インターネットのパスワード、ID写真など、個人の人体標本や情報を盗むよう指示しています。オーストラリアの国連外交官も、たぶんターゲットにされているのではないでしょうか。

► サウジのアブドラ国王はアメリカにイランを攻撃するよう求めています。

► ヨルダンとバーレーン政府の当局者は、イランの核プログラムを、どんな手段を使ってでも阻止するよう求めています。

► 英国のイラク戦争に対する調査活動は、「アメリカの利害」を守るよう仕組まれました。

► スウェーデンのNATOの隠れ加盟国であり、米国との諜報情報の共有は議会からも隔離されています。

► 米政府は各国に対してグアンタナモから出所した人々を受け入れよに厳しい要求を突きつけています。バラク・オバマは、スロベニアがグアンタナモの拘束者を引き受ければ、という条件つきで、同国の大統領との会見に同意しました。オーストラリアの太平洋の隣国、キリバリは、拘束者の受け入れの見返りに、数百万ドルの提供の申し出を受けました。

 米連邦最高裁はあの歴史的な「ペンタゴン文書」をめぐる裁判の判決で、こう言いました。「自由で制約されない報道(free and unrestrained press)のみが、政府の側のゴマカシ(deception in government)を暴露することができる」と。
 今、ウィキリークスをめぐって吹き荒れる嵐は、あらゆるメディアの、真実を暴く権利を擁護する必要性をさらに強めるものです(The swirling storm around WikiLeaks today reinforces the need to defend the right of all media to reveal the truth.)。

Posted by 大沼安史 at 12:29 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 アサンジさんを守れ! 「英国の(そしてスウェーデンの)法の正義」が「グアンタナモの無法」によって踏みにじられようとしている!

 アサンジさんがロンドンの裁判所に出頭した。裁判官は保釈を認めなかった。アサンジさんは「コンドームをつけずにセックスした疑い」(2人の女性の「訴え」)で、スウェーデンへ送致されかかっている。
 ⇒  http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/04/wikileaks-site-swiss-host-switch?intcmp=239

 中道右派が政権をにぎるスウェーデンの当局も、地に堕ちたものだ。

 もしも英司法当局が、アサンジさんの身柄をスウェーデンに送るようなことになったら、あのピノチェットさえ送還しなかった事実との整合性は……「法の正義下の平等」はどうなるのか?

 英国もスウェーデンも、「法の正義」を捨ててはならない!
 アメリカ軍事権力の「グアンタナモの無法」に屈してはならない。

  オスロのノーベル・平和賞委員会も、日本の満員電車の痴漢冤罪よりもひどい人権無視に抗議声明を発せよ!

 10日の受賞式でオスロに集まる人権活動家たちも、アサンジさんを守るアピールを発せよ!

 アサンジさんもまた、中国の民主活動家、劉暁波氏( 服役中)のような目に遭わされてようとしている!……

 スウェーデンはとりあえず、捜査官をロンドンに派遣し、アサンジ氏から事情を聴取すればよい。
 任意の聴取なら、アサンジさんは応じるはずだ。 

Posted by 大沼安史 at 09:16 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕「真実封じのテロリズム」を許すまじ! ガーディアンが「言論テロ」を「タイムライン」で時系列的に記録!

 英紙ガーディアンが「ウィキリークス」に対する「テロ攻撃」のタイムライン(時系列詳報)を掲載した。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/07/wikileaks-under-attack-definitive-timeline

 マスターカードもウィキリークスへの義捐金寄付を停止したそうだ。
 MCにはお世話になって来たが、やめようかと思っている。

 「アマゾン」での購入は止めた!

 こういう事態はあってはならないことだし、許されることでもない。

 かりに「アルカイダ」がこんなことをしたら、アメリカはどんな反応をするだろう?

 きっと、「テロリズムだ!」と喚くに――大騒ぎするに――怒り狂うに――爆撃機を飛ばすに――、ミサイルを撃ち込むに――ヒラリーが記者会見で非難するに――違いない……。 「自由に対する挑戦」だと言って!

Posted by 大沼安史 at 08:27 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-07

空から歌が聴こえる 故郷

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/12/post-fe47.html

Posted by 大沼安史 at 07:25 午後 | | トラックバック (0)

2010-12-06

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 世界各国の 「海賊党(PP=パイレート党)」がミラー・サイトを開設し、「ウィキリークス」を支援

 世界各国の「海賊党」が「ウィキリークス」の支援に乗り出している。
 
 海賊党の国際組織、「PPI=海賊党インターナショナル」によると、ドイツ、オーストリア、スイス、ロシア、ルクセンブルク、チェコの各党が、ウィキリークスのサイトを、まんま・丸ごと「反射」するミラーサイトを開設した。

 PPIでは、ウィキリークスに対するネット攻撃が「情報・言論・報道の自由」を危うくするものだとして、各国の海賊党が連携して、ウィキリークスの活動を守る決議を行った。

 海賊党は2006年、スウェーデンに誕生して以来、各国で続々と結成され、今では33ヵ国に達している。(中国にも、韓国にも生れているが、日本にはまだない)

 情報社会を進めるグローバルな法整備を唱える一方、①著作権は商業利用にのみ、とどめる(商業利用でなければ、著作権の制限を免れる)②社会にとって最悪の敵である特許の私物化に反対する――などを政策の柱に掲げている。
 ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Pirate_Party_(Sweden)

 このうち、スイスの海賊党が開設したミラー・サイトは、WikiLeaks.ch 。ch ドメインを管理する「Switch」に対して、米仏政府から閉鎖するよう圧力がかかったが、 「Switch」側は拒否している。

⇒ http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/04/wikileaks-site-swiss-host-switch?intcmp=239

 

Posted by 大沼安史 at 07:52 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 「われわれはネット攻撃による弾圧に負けない」 ウィキリークス・サイト、208ヵ所に拡大 DDOSに対抗 分散して生き残り図る

  ⇒ http://wikileaks.ch/mirrors.html

Posted by 大沼安史 at 09:18 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-05

空から歌が聴こえる 再見我的愛人

⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/12/post-515a.html

Posted by 大沼安史 at 10:48 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕「名刀(キーン・ソード)」 合同演習だと? 特攻隊は泣いている……

 自衛隊と米軍による過去最大規模の日米共同統合演習「キーン・ソード」( Keen Sword)が始まった。
 ⇒ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-170905-storytopic-11.html

 沖縄の新聞、「琉球新報」が、そう「社説」で報じていた。

 「キーン・ソード」だと?

 Keen Sword――切れ味のいい刀……つまり、「村正」のような、「抜けば玉散る氷の刃」。

 それが日米合同演習のコードネームになっていた……そう、「キーン・ソード」!

 「日米合同」ということは、この演習名についても、日米「合同」で命名したはずだ。

 仮に米軍の一方的な命名にあとから「同意」したとしても、日本政府が――防衛省が、同意したという事実は、否定できまい。

 ####

 私は、この「キーン・ソード(=名刀)」という命名を見て、怒りが込み上げるのを抑えることができなかった。
 ⇒ http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-02/2010120202_01_1.html

 「キーン・ソード演習」は、九州を中心とした、日米合同軍事演習――しかも、史上最大規模の演習である。

 鹿児島・宮崎県境をまたぐ「霧島演習場」では、陸自と海兵隊の合同演習が行われるそうだ。⇒ http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-02/2010120202_01_1.html

 それを知って、なおさら胸が疼いた。怒りが込み上げた。

 鹿児島の知覧特攻基地(現・鹿児島・南九州市)からほど近い霧島演習場で、よくもまあ、「キーン・ソード」演習を行えるものだと。

 ####

 なぜ、怒りが込み上げるか?

 それは、この一枚の写真を見ていただけでは、お分かりになるだろう。

 ⇒ http://www.k3.dion.ne.jp/~j-gunto/gunto_037.htm

 私はこの写真を見る度に悲しくなるのだ。

 キューピーちゃんのようなマスコットを抱き、目を伏せている(閉じている)左端の特攻隊員の、ひとり飛んで右側の隊員が構えた、一振りの「日本刀」の写真……。

 そう、その通り、特攻隊員は、この、なまくらな「昭和刀」の日本刀を、鬼畜・米英をぶった斬る「名刀=キーン・ソード」と信じて、突っ込んで行ったのだ。

 ####

 2001年2月9日、鹿児島県知覧の「知覧特攻平和記念館」を訪れた小泉純一郎は、「展示ケースに両手をついたまま、声を殺してなき続けたそうだ」。⇒ http://www.1101.com/torigoe/archive/2001-08-10.html

 そこにあった辞世の歌は、「桜花と散り、九段(靖国神社)に還るを夢に見つ 鉄艦屠らん 我は征くなり」。

 霧島演習場からほど近い知覧からは、「1036人の若い特攻兵が海の彼方に飛び立ちそのまま帰らなかった」と、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんは書いている。

 ####

 その小泉純一郎が、出身校の慶応大学で、日米同盟を力説する講演をした。

 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=Yzf9D2ubekQ

 では、知覧でのあの涙は、嘘泣きの涙だったか……!

 鬼畜である「アメリカ」に対して、なまくらな昭和刀をひっさげ、突っ込んで行った(突っ込まされた)、あの若者たちを思う涙は、嘘だったのか?

 ####

 小泉純一郎の「変節」はさておき、日本を、日本人を、日本民族を愛する一人として(最近、私のことを「左翼」だと決めつけたブログを見てビックリした。私は「左翼」ではない!)、防衛省記者クラブのみなさんにお願いしたいことがある。

 それは、日米「合同」演習の名前が、なぜ英語の「キーン・ソード」でなければならならないのか?――いったい、誰がそう決めたのか――この演習名について防衛省はどう考えているか、記者会見の席で聞いてほしい、ことだ。

 知覧から「昭和刀」とともに飛び立った、特攻の若者たちの「身になって」問い正して欲しいのだ。

 ####

 名刀?――Keen Sword?――特攻隊員を虚仮(こけ)にするのも、いい加減にしたまえ!!

Posted by 大沼安史 at 09:04 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 「ペイ・パル」、ウィリークス義捐金の送金受付を停止

 オンライン決済サービスの「PayPal(ペイ・パル)」は、「ウィキリークス」を支援する送金(寄付)の受付を停止した。
 ⇒ http://www.readwriteweb.com/archives/paypal_announces_it_will_no_longer_handle_wikileak.php

 その理由について、ペイパルは、「不法な行為の奨励など」に使うことはできない、としている。

 米政府の圧力によるものと見られる。

 ペイパル日本語公式サイト ⇒ https://www.paypal.com/jp/cgi-bin/webscr?cmd=_home-customer&nav=2&mpch=ads

 「ウィキリークス」に対する資金(義捐金)援助のチャンネルはしかし、ほかにもまだ、複数開かれている。
 ⇒ http://wikileaks.ch/support.html

 

Posted by 大沼安史 at 06:14 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 「デジタル・マッカーシズム」――在イラク米陸軍ネットで「機密電報道」を封鎖

 関係筋の内部告発によると、在イラク米陸軍の非機密ネットワーク、NIPRNETで、「国務省機密電報道」へのアクセスがブロックされた。

 これにより、米軍兵士は同ネットを通じ、新聞などの「機密電報道」を知ることができなくなった、という。
  ⇒ http://gawker.com/5705639/us-military-in-iraq-tries-to-intimidate-soldiers-into-not-reading-wikileaks

 ウィキリークスはツイッターで、こうした事態を「デジタル・マッカーシズム」と呼んでいたが、その通りだ。
 ⇒ http://twitter.com/wikileaks

Posted by 大沼安史 at 04:59 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕「国境なき記者団」、ウィキリークス・サイト攻撃を非難

 「ウィキリークス」のウェブ・サイトが米軍のサイバー戦争司令部によるとみられる「攻撃」で機能麻痺に追い込まれている問題で、「国境なき記者団(Reporters Without Borders )」は、「ウィキリークス」に対する「妨害、サイバー攻撃、政治圧力」を非難する声明を発表した。
 ⇒ http://en.rsf.org/wikileaks-hounded-04-12-2010,38958.html

 ニューヨーク・タイムズ、ルモンド、シュピーゲル、エル・パイス(スペイン紙)、ガーディアンは、アメリカの「自制」要求を蹴って、「国務省文書」の暴露を続けている。

 日本の新聞も、見習ってみては……?

Posted by 大沼安史 at 04:46 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 アメリカの傭兵企業の「アフガン警察官訓練センター」で「ダンシング・ボーイ」がサービス

 アメリカの傭兵企業、「ディンコープ(Dyncorp)」が、アフガン・クンダス州に開設している「アフガン政府警察官訓練センター」で、訓練中のアフガン人たちが麻薬を吸い、女装の「ダンシング・ボーイ」を「買っていた」スキャンダルがあり、発覚を恐れたアフガン政府の内務大臣がパニックになっていたことが、ガーディアン紙が解析した「ウィキリークス開示・米国務省文書(機密電)」で明らかになった。
  ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/02/foreign-contractors-hired-dancing-boys

 少年に女装させ、踊らせるのは、アフガンの伝統のひとつで、それ自体、非難を引き起こさないが、それに外国人が――アメリカの傭兵企業が絡んでいたとなれば、話は別。

 アフガン政府の調査の結果、「ひとりの子どもからサービス(それがどういうものかは明示されていない)を買った」2人のアフガン警察官と9人のアフガン人(訓練生?)が逮捕されている。
 
 これが新聞ダネになったら、大変なことのなるとパニックに陥った内務大臣だが、ことし7月に辞任したそうだ。

 この一件はワシントン・ポスト紙が「送別会で、少年に部族ダンスを踊らせる」と、ことし7月に報じていたものだが、これが実はアフガン政府上層部に揺るがすものになっていたことは、知られていたなかった。

 この問題の背景には「ディンコープ」や「ブラックウォーター」など、アフガンで活動するアメリカの傭兵企業に対する監督権問題がある。

 カルザイ政権はことし初め、外国の傭兵企業を年末までにすべて解散させる布告を発したが、骨抜きにされているそうだ。

Posted by 大沼安史 at 04:28 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕米軍 アフガン政府軍創設基金への各国分担額の15%をピンハネ ドイツ政府が抗議

 アフガン政府軍の創設基金に対するNATO各国の負担金の15%を、米軍が「手数料」としてピンハネ徴収していることが、「ウィキリークス」が開示した米国務省機密電で分かった。

 英紙ガーディアンが、駐NATOドイツ大使の、この問題に対する抗議が、米国大使によって国務省に機密電で伝達されていたのを突き止めた。

 ドイツ政府は昨年、拠出した5000万ユーロがどこに消えたか問題視しており、米側が明らかにしなければ拠出をとりやめると威嚇している。

  ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/02/germany-us-afghan-funds-wikileaks

  米軍も横領を政策の得意技(?)とするカルザイ政権に負けてはいない?

 日本政府のアフガン復興支援でずいぶんお金(税金)を出しているが、こうなると、アフガン腐敗政権と米軍による「ダブル・ピンハネ」、なきにしもあらず、だ。「使途不明金」が出ていると疑ってかかった方がいい……。日本のマスコミよ、ジャーナリズムを名乗るなら、追及せよ!

Posted by 大沼安史 at 03:44 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕「賄賂・強要・横領の国=アフガン」を守る米・NATO軍

 「ウィキリークス」が暴露した「米国務省文書」の解析が進むにつれ、米・NATO軍が「自由」のために戦う「アフガン戦争」の悲喜劇的な現実が、ますます露なものになっている。

 以下のニューヨーク・タイムズの記事は、その格好な例だ。
⇒ http://www.nytimes.com/2010/12/03/world/asia/03wikileaks-corruption.html?_r=1&hp

 「機密電が描くアフガン汚職・それはトップに始まる(Cables Depict Afghan Graft, Starting at Top)」と題したその記事は、同紙が解析し終えた数百件の国務省機密電をベースにしたもので、米・NATO軍が支える「アフガニスタン」が、「賄賂・強要・横領の国」に成り果てている実態を生々しく伝えている。

 機密電の中には「アフガン新内閣」の顔ぶれを予測したものもあるが、「汚職疑惑のない者は1人だけ」というありさまだ。

 ある「アフガン当局者」の解説によれば、アメリカのアフガン復興プロジェクトからの賄賂の吸い上げは「4段階」で行われているそう。

 ①入札②建設許可の申請③工事中④完工式――の4つの節目で、賄賂を強要するのだという。

 サヒビというカブールの市長が「横領」で4年の刑を受けた。ところが、サビビ氏は市長として汚職に歯止めをかけようとした人物。それで恨みを買い、猿芝居の「カンガルー法廷」で「有罪判決」を受けたのだそうだ。

 あらゆるレベルで汚職・腐敗が蔓延する「アフガン」という「国」。機密電は、腐敗がトップから始まっていることを明示している。

 2009年8月のカブール大使館発電によると、カルザイ大統領は、国境警察官5人組が124キロものヘロインを所持して捕まった事件に介入、5人を釈放させた。
 麻薬の密輸を「大統領」がサポートする「アフガンという国」(をサポートする米国 ←を支持する日本)。

 2004年から2009年まで「アフガン」の副大統領をつとめた男がいた。昨年、アラブ首長国連邦に、5200万ドルもの現金を所持して入国しようとして税関に捕まった。

 その男はドバイの超高級住宅地、パーム・ジュマイラーに邸宅を構えていた。駐車場に、ロールス・ロイスが停まっていた……。(このドバイの高級住宅地には、他の「アフガン政府」の当局者も住んでいるそうだ)

 「アフガン運輸省」のトラック税の徴税額は年2億ドル。そのうち3000万ドルだけが国庫に入る(残り1億7000万ドルは消える)……。

 こうした傀儡政権の腐敗はしかし、アフガンに限らない。イラクも負けてはいない。

 「復興」のために注ぎ込まれるマネーが傀儡政権のハゲタカどもに吸い上げられ、スイスの銀行口座など海外に出て行っている。(拙訳、パトリック・コバーン著、『イラク占領―戦争と抵抗』〔緑風出版〕参照)

 腐敗しきった「アフガン」の現実――「ウィキリークス」の「開示」が、この決定的ともいうべきニューヨーク・タイムズの暴露報道を生んだ――!

Posted by 大沼安史 at 03:17 午後 | | トラックバック (0)

2010-12-04

〔いんさいど世界〕 エルズバーグ博士 80歳の戦い

 40年前の1971年、「ペンタゴン文書」を暴露したダニエル・エルズバーグ博士が、米国務省の機密電「開示」の「ウィキリークス」を擁護する戦いに立ち上がっている。

 80歳の抵抗――

 今月16日には、ホワイトハウスの柵に自らを鎖でつなぐ抗議行動に参加する予定だ。

 ####

 エルズバーグ博士が暴露した「ペンタゴン文書」(7000ページ)は、当時のジョンソン政権の、ベトナム戦争をめぐる「嘘」を暴き、戦争の終結へと流れを大きく変えたものだ。

 当時、博士は、米空軍(陸軍航空隊)によってつくられた軍事シンクタンク、ランド研究所の研究員で、国防総省(ペンタゴン)でベトナム戦争を再検証する仕事を続けていた。

 大統領が国民や議会に嘘を言っている。勝てない戦争なのに、勝てるようなことを言っている……。

 内部告発を決意した博士はゼロックスで一枚一枚、機密文書をコピーし、ニューヨーク・タイムズなどに提供した……。

 ####

 博士の内部告発は、米最高裁が同年7月末、ニューヨーク・タイムズに対する記事差し止めを違法とする決定を下したことで、ついに戦いに勝利することになるが、その同じ月――1971年7月の3日、オーストラリアで生れたのが、「ウィキリークス」の代表のジュリアン・アサンジさんだった。

 ホイッスル(警笛)は、こうして次の世代へと受け継がれたのである。

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 「ペンタゴン文書」から40年が経った、ことし2010年は、イラクでの米軍ヘリ住民虐殺事件のビデオ公開など、「ウィキリークス」の1年だった。

 以来、一貫して反戦運動を続けて来たエルズバーグ博士は、「ウィキリークス」による相次ぐ暴露に、「私は40年間、この日が来るのを待っていた」と、歓迎と連帯の意志を表明した。
 ⇒ http://www.democracynow.org/2010/10/22/wikileaks_prepares_largest_intel_leak_in

 ####

 そして、今回の「国務省文書(機密電)」の暴露――。

 エルズバーグ氏はBBCのインタビューに答えてアサンジさんの立場を擁護し、ウィキリークスのサイトを追い出した「アマゾン」に対しては、抗議と決別の公開状を突きつけるなど、ウィキリークスと連帯する運動の先頭に立って動き回っている。

 獅子奮迅――そんな表現がぴったりあてはまる、まるで命をかけたような、必死の戦い!
 
 ####

 何が博士を、そこまで駆り立てているのか?

 それはたぶん、アメリカの軍事権力(軍産複合体)が、ベトナム戦争以降、さらに肥大化し、暴走し続けているからだ。

 アサンジさんら若い世代と連帯し、ここでもう一度、ストップをかけねば、との思いが、博士を衝き動かしている……これに間違い、ない。

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 16日、博士とともに、ホワイトハウスの柵に自らを鎖でつなぐのは、「コード・ピンク」の女性活動家、メディア・ベンジャミンさんや、元ニューヨーク・タイムズ記者のクリス・ヘッジさんら、反戦・平和運動のベテランたちだ。
 ⇒ http://www.truthdig.com/report/item/hope_in_the_21st_century_20101128/

 逮捕覚悟の――少なくとも一晩、ブタ箱で過ごすことを覚悟した決起だ。

 若い頃、ベトナム戦争を経験したベトナム世代の運動家たち。

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 エルズバーグ博士は、ウィキリークスへ機密資料・文書を送付したをみられる、米陸軍特科兵、ブラドレー・マニングさん(22歳)に対しても、共感と連帯の意志を表明している。

 だから博士の戦いは、ウィキリークスの擁護に終わるものではない。

 孫の世代のブラドレー・マニングさんが釈放される日まで終わることはないだろう。

 ####

 エルズバーグ博士は、アサンジさんやマニングさんについて、こう語っている。

 I think they’re being better citizens and showing their patriotism in a better way than when they keep their mouths shut.

 彼らはよき市民であり、口を噤まないことで、よりよい愛国者となっている――と。

 そう、彼らこそ、よりよき世界市民であり、よりよき愛国者である!

 僕もまた、エルズバーグ博士の奮闘に敬意を表し、遠く仙台の地から、(彼らに対しても)、連帯の意志を表明する。 

  ****
   
   エルズバーグ博士 公式HP ⇒ http://www.ellsberg.net/
  Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Daniel_Ellsberg

Posted by 大沼安史 at 05:53 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 ロン・ポール議員 「真実が反逆になる社会」を批判

  テキサス州選出の下院議員、ロン・ポールさんがツイッターに、こんなメッセージを載せている。 
 ⇒ http://twitter.com/RepRonPaul/status/10716266021003264# 

 今回のウィキリークスによる「国務省文書」の「開示」問題の本質をつく、簡潔で鋭い文章だ。
 
 ウィキリークス ― 自由な社会で、私たちは真実を知っている、ことになっている。真実が反逆になる社会で、私たちは重大なトラブルに陥る。
  Wikileaks- In a free society, we are supposed to know the truth. In a society where truth becomes treason, we are in big trouble.

 ポールさんはまたFOWテレビで、「ウィキリークスは、もっと必要だ。連邦準備制度(アメリカの中央銀行)に対しては」と語っているが、まさにその通り。

 アメリカの権力の「真実」は――とくに金融バブル大崩壊の真実は、もっともっと――日本の権力の真実と一緒に、ウィキリークス(的なもの)によって「開示」されねばならない。

 アメリカの「大本営発表」、許すまじ! 

Posted by 大沼安史 at 11:57 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕「アサンジは暗殺されるべきだ」 カナダ首相元顧問の保守派の学者が言明

 旧聞に属することだが、とんでもない発言を、カナダのハーパー首相のアドバーザーをしていた、トム・フラガナン教授(カルイガリー大学)がCBCテレビでしていたので、記録として残しておく。
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=bqtIafdoH_g

 ビデオの最初と最後の部分。なんと、「アサンジは暗殺されるべきだ」「消えてしまえば、うれしい」!

  

Posted by 大沼安史 at 08:31 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 「情報はデモクラシーの酸素」 「19条」が各国政府に、「知る権利」と「透明性」を守るよう呼びかけ

 ロンドンを本拠にグローバルな規模で「言論の自由」を守る活動を続ける、「ARTICLE19(19条)」が「ウィキリーク」を擁護し、各国政府に対して「公衆の知り権利」と「政府情報の透明性」を維持するよう求めるアピールを発した。⇒ http://wlcentral.org/node/461

 「19条」の代表、カラマード博士は「情報はデモクラシーの酸素」と語り、各国政府に対して情報統制を強めるのではなく、「より多くの情報公開」に焦点を置くべきだと述べた。 

 「19条」は、「言論の自由」の擁護を掲げた「国連人権宣言」の第19条を指す。
 ⇒ http://www.article19.org/

Posted by 大沼安史 at 08:16 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 ダニエル・エルズバーグ博士 「ウィキリークス」サイトを追い出した「アマゾン」に対し、抗議と決別の公開状 「アマゾン」ボイコットを呼びかけ

 ベトナム戦争での米政府・米軍の「嘘」を暴いた、「ペンタゴン文書」の内部告発者、ダニエル・エルズバーグ博士が、ウィキリークスのサイトを追い出した「アマゾン」に対し、抗議のオープンレター(公開状)を出した。 
  ⇒ http://www.antiwar.com/blog/2010/12/02/daniel-ellsberg-says-boycott-amazon/

 エルズバーグさんは、「リーバーマン上院議員や連邦議会の右翼の脅迫に屈し、急遽、ウィキリークスのウェブ・サイトを停止した、アマゾンの臆病と卑屈さ」に不快感を表明。

 世界の読書家に「アマゾン」のボイコットを呼びかけた。

Posted by 大沼安史 at 07:58 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 ウィキリークス スイス、フランスなどへの「移転」で活動を続行

 ⇒ http://213.251.145.96/cablegate.html

   http://213.251.145.96/

 ウィキリークスは「拠点」の分散化を図って、米軍のネット攻撃に対処しているようだ……。

Posted by 大沼安史 at 07:42 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 米連邦議会図書館 ウィキリーキスへのアクセスを遮断

 米連邦議会図書館が「ウィキリークス」へのアクセスを遮断した。スタッフはもちろん、来館者も、「ウィキリークス」が何を主張し、そこで何か「開示」されているか、知ることができない。
 言論の府の付属公共図書館までがこのありさま。

  ⇒ http://gawker.com/5705492/library-of-congress-is-latest-government-institution-to-block-wikileaks

Posted by 大沼安史 at 07:35 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-03

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 レーガンもビックリ! 「悪の帝国=ロシア」のこの実態! 米国よ、どうして隠したがるの?

 プーチンのロシアは「マフィア国家」だったんだ!――そうなんだ、レーガンは正しかったのだ。

 それを暴露した米国務省機密電――そのどこに不都合があろう。
 英紙ガーディアンによれば、ロシアはプーチンを軸とした、腐敗した泥棒国家(クレプトクラシー)であると、アメリカの機密電が分析していることが分かった。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/01/wikileaks-cables-russia-mafia-kleptocracy?DCMP=EMC-thewrap08

 これは日本の主流マスコミも報じているはずのことなので、これ以上、立ち入らないが、ガーディアン紙によれば、ロシアの情報機関がマフィアを武器輸出など汚い仕事に利用していることが、米機密電で分かった。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/01/wikileaks-cable-spain-russian-mafia

 さらには、プーチンが個人資産を海外に隠匿している疑いも!
 スイスの本拠を置く「ガンヴォール」という会社を通じて、不正な資産の移転が行われている、という⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/01/wikileaks-cables-vladimir-putin-claims

 こういう事実が分かっているなら、積極的にPRするのが、アメリカ国務省の立場ではないか!

 税金を使った情報収集活動なのに、結果を納税者に知らせない米当局は問題である。
 

Posted by 大沼安史 at 06:03 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 ウィキリークスのドメイン、強制閉鎖さる 「世界情報大戦」の様相

 ウィキリークスがツイッターで明らかにしたところによると、今から約2時間前、ウィキリークス・ドット・オルグのドメインが米軍によって閉鎖された。
 ⇒ http://twitter.com/wikileaks

 ウィキリークスのサイトはDDOSの「集中砲火」を浴びて、アクセス不能な状態に陥っていた。

 このため、ウィキリークスは「アマゾン・クラウド」に退避し、情報提供のサービスを続行していたが、その「アマゾン」側からも追い出しをくらい、ヨーロッパの「クラウド」で活動を持続していた。

 さながら「世界情報大戦」の様相……!

 それにしても、ドメインをキルするなんて!

 アメリカの――米軍サイバー司令部による「情報テロリズム」を許してはならない。

 これは僕の憶測だが、アメリカがこういうことをし続けていると、ガーディアンやルモンドは自前のサイトで、持てる原情報を大公開するのではないか?!

 アメリカ軍事帝国よ――軍産金融複合体の忌まわしき権力よ、驕るなかれ!

Posted by 大沼安史 at 04:44 午後 | | トラックバック (1)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 「開かれた社会」と相容れないもの、それは「秘密」……ケネディ大統領 50年前のスピーチ、「大統領とプレス」再録(日本語拙訳とテキスト、そしてケネディの録音肉声)

 ウィキリークスのツイッターに、50年前――1961年4月27日、ケネディ大統領がニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルでの「全米新聞発行者協会」の総会で行った演説の「ユーチューブ録音」(のリンク)が掲載された。

 ⇒ http://twitter.com/wikileaks
   http://www.youtube.com/watch?v=xhZk8ronces

 「ケネディ・ライブラリー」の記録を参照すると、前置きの部分を除いた、ほぼ全文の演説の録音だった。
  ⇒ http://www.jfklibrary.org/Historical+Resources/Archives/Reference+Desk/Speeches/JFK/003POF03NewspaperPublishers04271961.htm

 聴いて感動したので、全文を訳してみた。

 日本のマスコミ、ジャーナリストにも、ぜひ聴いてもらいたい(読んでもらいたい)スピーチである。

 「言語道断だ。勝手に他人の情報を盗み取って、勝手に公開する犯罪行為だ」と述べ、強く非難した――という前原外相にも、聴いて(知って)もらいたい。⇒ http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101130/plc1011301819024-n1.htm

       * * * * 

 「大統領とプレス」

 「秘密」という、まさにその言葉こそが、自由な、開かれた社会の、相容れないものです。そして私たちは、秘密社会に対して、秘密の宣誓に対して、秘密の手続きに対して、一個の国民として、本来的・歴史的に反対しているのです。

 私たちはるか昔に結論づけました。しかるべき事実を過剰に、正当な理由もなく隠蔽する危険は、それを正当化するために持ち出される危険よりも重大なものである、と。

 それは今日でも、なお、そうなのです。閉鎖社会の脅威に私たちが反対して行く上で、その恣意的な制約を真似することには一片の価値もありません。私たちアメリカの伝統はそういうことに走らず存続して来たわけですから、そうである以上、今日なお、私たちの存続を確証する上で、そこには一片の価値もないのです。

 そして今、(しかしながら)非常に重大な危険が存在しています。それは、国家の安全保障を強化しなければならないとする呼びかけに、政府による検閲と隠蔽の限界を意味的に拡大しようと渇望する者どもが付け込んで行く危険です。

  それは、私のコントロール下にある限り、私が許すところのものではありません。地位の高低を問わず、文民・軍人と別を問わず、私の政権にある者の皆、私の今夜の発言を、報道(ニュース)を検閲し、反対派を窒息させ、われわれの間違いを隠蔽し、私たちが知るべき事実をプレスや公衆から隠匿する口実になると解釈してはなりません。

 私たちは今、世界中で一枚岩の容赦にない陰謀に囲まれています。そうした陰謀は、影響力を及ぼす範囲を拡大するための秘密の手段に、直接的な侵略ではない浸透に、選挙ではなくて転覆活動に、自由な選択ではなく脅迫に、昼の軍隊ではなく夜のゲリラに依拠するものなのです。
 それは膨大な人的・物質的な資源を、軍事・外交・諜報・経済・科学・政治の作戦行動を一体化した、固く織り上げられ、高度に効率的なマシーンへと徴用するシステムです。
 
 その準備活動は隠蔽され、公表されることはありません。その過ちが新聞の見出しになることもありません。それに反対する者は沈黙させられ、称賛されることはありません。それがどれだけ費用のかかるものなのか、問われることもありません。噂が流れても記事になることはないのです。秘密は決して明らかにされないものなのです。

 大統領の職にある者は誰しも、自分の政策に対する公衆の洗い出しを恐れてはなりません。そうした綿密な調査から、理解は生れるものです。そしてその理解から、支持や反対が生れて来るのです。賛成も反対も、ともに必要なことです。私はあなたがたの新聞に対して、この政権への支援を頼んでいるのではありません。私はみなさんに、アメリカの人々に知らせ、警報を発するという、この途方もなく大きな仕事に手助けを、とお願いしているのです。それは私が、アメリカの市民が十分、知ることができたときはいつでも、私たちの呼びかけに応え、献身を惜しまないことに完璧な自信を持っているからです。

 私は皆さんの読者の間の論争を窒息させることはできることでもないし、それはむしろ私の歓迎するところです。私のこの政権は過ちを率直に認めようよするものであります。それはある賢人〔オーランド・バチスタ カナダ出身の化学者〕がかつて言ったように、「間違い(エラー)は、訂正することを拒むまでは、過ち(ミステーク)にならない」からであります。私たちは私たちの間違いに対する完全な責任を引き受ける所存であります。私たちがそれにしくじったとき、皆さんがそれを指摘してくれるものと思っています。

 議論もなく、批判もないところでは、どんな政権もどんな国も成功を収めることはできません。どんな共和政体も存続できません。アテナイの立法者のソロンが あらゆる市民に対し、議論から身を引くことを犯罪であると布告したのも、このためです。

  私たちのプレスが、憲法の修正第一条で保護されているのも、このために他なりません。アメリカのプレスは、憲法が特に保護している唯一のビジネスです。人々を喜ばせ、楽しませるだけなく、些細なこと、感情的なことに重点を置くだけではなく、ただ単に「大衆が望むこと」を与えるだけではなくて、人々に知らせ、人々の心を鼓舞し、考察させ、私たちの直面する危険と機会の在り処を述べ、私たちの直面する危機とそれに対する選択を告げ、人々をリードし、教育し、時に世論を怒らせることを、私たちの憲法は保障しているのです。

 これは国際ニュースのよる大きな報道と分析を求めるものでもあります。今や、見知らぬ遠隔の地というものはないからです。それは私たちの身近にあり、私たちの中の一地方になっているからです。それは、ニュース報道の高度化とともに、ニュースというものの理解の向上に、より大きな注意を注ぐものです。それは最終的に、政府のあらゆるレベルにおいて、皆さん方に対して、可能な限り完全な情報を提供する義務を果たすものでなければなりません。その情報は国家安全保障のいうものの限定を最も狭めた上でのことであります。

 それは新聞にとっても――人間の行為の記録者であり、良心の守り手であり、ニュースの運び手であるみなさんの任務でもあります。みなさんの助けがあってこそ、人間が手にすることができる力と援助と自信こそ、私たちが持って生れたものを叶えるものです。私たちがそうなるように生れて来たもの――それは自由と独立です。

   (以上、強調のゴシックは訳者)

☆ 原文

 The very word "secrecy" is repugnant in a free and open society; and we are as a people inherently and historically opposed to secret societies, to secret oaths and secret proceedings. We decided long ago that the dangers of excessive and unwarranted concealment of pertinent facts far outweighed the dangers which are cited to justify it. Even today, there is little value in opposing the threat of a closed society by imitating its arbitrary restrictions. Even today, there is little value in insuring the survival of our nation if our traditions do not survive with it. And there is very grave danger that an announced need for increased security will be seized upon those anxious to expand its meaning to the very limits of official censorship and concealment. That I do not intend to permit to the extent that it is in my control. And no official of my Administration, whether his rank is high or low, civilian or military, should interpret my words here tonight as an excuse to censor the news, to stifle dissent, to cover up our mistakes or to withhold from the press and the public the facts they deserve to know."
 
 For we are opposed around the world by a monolithic and ruthless conspiracy that relies on covert means for expanding its sphere of influence--on infiltration instead of invasion, on subversion instead of elections, on intimidation instead of free choice, on guerrillas by night instead of armies by day. It is a system which has conscripted vast human and material resources into the building of a tightly knit, highly efficient machine that combines military, diplomatic, intelligence, economic, scientific and political operations.

 Its preparations are concealed, not published. Its mistakes are buried not headlined. Its dissenters are silenced, not praised. No expenditure is questioned, no rumor is printed, no secret is revealed."

 No President should fear public scrutinity of his program.For from that scrutiny comes understanding; and from thatunderstanding comes support or opposition. And both are necessary. I am not asking your newspapers to support the Administration, but I am asking your help in the tremendous task of informing and alerting the American people. For I have complete confidence in the response and dedication of our citizens whenever they are fully informed.

  I not only could not stifle controversy among your readers-- I welcome it. This Administration intends to be candid about its errors; for as a wise man once said: "An error does not become a mistake until you refuse to correct it." We intend to accept full responsibility for our errors; and we expect you to point them out when we miss them.

  Without debate, without criticism, no Administration and no country can succeed-- and no republic can survive. That is why the Athenian lawmaker Solon decreed it a crime for any citizen to shrink from controversy. And that is why our press was protected by the First (emphasized) Amendment-- the only business in America specifically protected by the Constitution-- not primarily to amuse and entertain, not to emphasize the trivial and sentimental, not to simply "give the public what it wants"--but to inform, to arouse, to reflect, to state our dangers and our opportunities, to indicate our crises and our choices, to lead, mold educate and sometimes even anger public opinion.

  This means greater coverage and analysis of international news-- for it is no longer far away and foreign but close at hand and local. It means greater attention to improved understanding of the news as well as improved transmission. And it means, finally, that government at all levels, must meet its obligation to provide you with the fullest possible information outside the narrowest limits of national security...

  And so it is to the printing press--to the recorder of mans deeds, the keeper of his conscience, the courier of his news-- that we look for strength and assistance, confident that with your help man will be what he was born to be: free and independent.

Posted by 大沼安史 at 01:28 午後 | | トラックバック (1)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 日本外務省 「ウィキリークス」サイトの「米機密電の山」を連日チェック――デイリー・ヨミウリが報道

 読売新聞の英字紙、デイリー・ヨミウリは、日本外務省の当局者が、同省のスタッフが連日、内部告発サイト(ウィキリークス)に掲示された、巨大な情報の山に分け入り、探査している、と言明した――と報じた。

 Officials at the Foreign Ministry said its staff are searching every day through enormous amounts of information posted on the whistleblowing site.

 ということは、日本の外務省は、ネット攻撃でシャットダウンした「ウィキリークス」サイトの原情報にアクセスできている(原情報を得ている)――ということである。

 では、どうやって(どこから)アクセスに成功したのか?

 米国から?……まさか……????

 まさか、米国務省の日本に対する事前ブリーフでは、米側が何らかの方法で入手していた「暴露機密電」原情報の引渡しも行われていたということか?

  ⇒ http://www.yomiuri.co.jp/dy/national/T101201005724.htm

Posted by 大沼安史 at 10:14 午前 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 グローバル調査報道の司令塔としての英紙ガーディアン

 今回の英紙ガーディアンによる一連の「ウィキリークス報道」を、同紙電子版で追いかけていて思うことがある。

 それは、同紙が事実上、「調査報道」のグローバルな司令塔を果たしているのではないか、ということだ。

 調査報道を世界的にリードするガーディアン。

 3年前、このブログで、「鳩の王子さま」という記事を書いた。⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/07/post_b711.html

 英国とサウジとの兵器取引にからむスキャンダル疑惑を紹介した記事。(サウジの王子が登場する「ヤママ疑惑」と呼ばれるスキャンダル。ヤママとはアラビア語で「鳩」の意味――。当時は日本も、「星の王子さま」再翻訳ブームが沸騰していた)

 そのとき、同紙で「ヤママ疑惑」の調査報道にあったていたデイビッド・リー氏が、今回の「ウィキリークス報道」で、「調査報道局長(investigations executive editor )として指揮をとっていることを知って、うれしく思った。

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 デイビッド・リー氏は、ガーディアンで調査報道にあたりながら、大学で調査報道を教えている人(ロンドンのシティー・カレッジ。アンソニー・サンプソンの名を冠した教授職に就いている)。
 あのアンソニー・サンプソンに負けない、輝かしい調査報道の実績を残して来た人だ。デイビッド・リー氏 Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/David_Leigh

 そのリー氏に、「デモクラシーNOW」のエイミー・グッドマンさんがインタビューしていた。 ⇒ http://www.democracynow.org/2010/11/30/we_have_not_seen_anything_yet

 エイミーさんの「ツッコミ」に、デイビッド・リー調査報道局長は、慎重に言葉を選びながら、こんな「事実」を明らかにしていた。

 今回の「ウィキリークス機密電」の「現情報」はもちろん「ウィキリークス」から入手したものだが、ガーディアンのリー氏らはそのコピーをニューヨーク・タイムズ紙に渡した、というのだ。
 過去の「イラン・アフガン暴露」でウィキリークスは、ニューヨーク・タイムズにも直接、原情報を提供していたが、今回は、どうやら「ガーディアン」が仕切る形でデータ提供が行われたらしい。

 そうであるなら、それだけ「ウィキリークス」側に、「ガーディアン」の「姿勢」(あるいは保秘の度合)が(より)評価されていたことになる。

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 さて、そんなリー局長によれば、ガーディアンでの「米国務省機密電」の解析は、まさに始まったばかり。
 手付かずの機密の山が、リー局長の手元で、まだ眠っている。

 それはひとつずつ、目を覚まし、世界を揺るがして行く……そんな、「嵐のような今後」を予告するような暴露記事が、またもガーディアンの電子版に出た。

 潘基文事務総長ら国連指導部のメンバーの「DNAを採取せよ、虹彩データを取得せよ」といった国務長官からの命令の背後に、実はCIA(米中央情報局)が潜んでいて、「これこれしかじかの情報を集めろ」とリストを作って指南していた、というからあきれる。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/02/wikileaks-cables-cia-united-nations

 国連指導部、他国外交官の「クレジットカード・ナンバー」などの取得命令が国務長官から出されていたことは、ニューヨーク・タイムズの「機密電」解析ですでに明らかになっていることだが(⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/29/world/29spy.html?_r=1 )、スパイ組織の元締め、CIAが指南役についていたとは……。

 「国務省の軍事化」(ペンタゴンの出先化)は今に始まったことではないが、「国務省の諜報組織化」(CIAの小間使い化)には、開いた口がふさがらない。

 それにしても、クレジット・カードのナンバーの取得は、それによって銀行口座の残高を突き止め、「買収」工作に使えるから分かるが、DNAはいったい何に利用するのだろう?

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 ガーディアンは今回、「ウィキリークス」の原情報をニューヨーク・タイムズに渡したが、それは「ペンタゴン文書」を暴露したタイムズ紙に対する信頼を崩していない証拠であろう。

 そのガーディアンから、原情報の譲り渡しを受けた日本の報道機関は……残念ながら、ないようだ。

 御用新聞に成り果てているのだから、仕方ないことだが……。

 でも、今からでも遅くはない。

 ガーディアンのように、社内に独立した調査報道局を立ち上げ、リー氏のような信頼できるジャーナリストを起用してロンドンに派遣し、ガーディアン側に日本がらみの情報の提供を求めてはどうか! 

 日本の政府(外務省)と一緒になって、「TOKYO大使館発」はいつ出る、とハラハラどきどき、ビクついているばかりが能であるまい。

Posted by 大沼安史 at 09:34 午前 | | トラックバック (0)

2010-12-01

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 ネット攻撃 毎秒10ギガ規模に

 ウィキリーク・サイトに対するDDOS攻撃(集中アクセス攻撃)が、毎秒10ギガ規模に達しているそうだ。
 ウィキリークスがTwitterで伝えた。
 ⇒ http://twitter.com/wikileaks

Posted by 大沼安史 at 07:37 午前 | | トラックバック (0)