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2010-11-20

〔いんさいど世界〕 「バナナ」もびっくり、アメリカン・プルトクラシー(Plutocracy=金権収奪国家)

 プルトクラシー(Plutocracy)――ご存知でしょうか? 耳慣れない言葉ですね。
 これが今、アメリカで(あるいは英語の世界)で、盛んに使われるようになっている。
 たとえば、「これはプルトクラシーだ、デモクラシーじゃない(This is a PLUTOCRACY, not a democracy. )とか。

 今、挙げた例は、ニューヨーク・タイムズ紙の電子版に出ていた、「読者のコメント」。
 
 こんなふうに、アメリカではフツーに使われるようになっている……。
 しかも、デモクラシーとの対比で。
 デモクラシーの対極としてのプルトクラシー。

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 で、プルトクラシーとはどういう意味かというと――辞書にあたると「金権国家」「金権政治」の意味。

 でも、日本語でたとえば「金権政治」というと、「一部の金権政治家による派閥を通じた政治支配」のことですが、アメリカで言われる「プルトクラシー」とは、より包括的・構造的(あるいは犯罪的)な収奪を意味するものです。

 「スーパーリッチ(これも最近、よく見られる英語の言葉です)によって金で買われた政治」

 「大金持ちのためのボッタクリ政治(あるいは国家)」
 
 つまり、こうした強烈な批判を含意した言葉。

 より正確に日本語に訳すなら、「金権収奪国家」というべきかも知れません。

 (第2次世界大戦中、ベルリンでナチス反対の手書きのカードをばら撒き、ゲシュタポに捕まって処刑されたドイツ人の夫婦がいます。ハンペルさんのご夫婦です。そのカードの一枚に、「ヒトラーのプルトクラーテンに死を」という言葉が、ドイツ語で書かれていました……ナチスも「金権収奪国家」だった!)

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 さて、話をもう一度、アメリカに――ニューヨーク・タイムズの電子版に戻しますと、最近、同紙の人気コラムニスト、ニコラス・クリストフさんが、plutocracy とか pultocrat(金権国家主義者)という言葉を使った、強烈な批判コラムを相次いで発表し、注目を浴びています。

 11月6日付けの「われらがバナナ共和国」
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/07/opinion/07kristof.html?_r=1
 と、同17日付けの「ヘッジファンド共和国?」
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/18/opinion/18kristof.html?_r=1&src=me&ref=homepage

 とくに「ヘッジファンド共和国?」は、ニューヨーク・タイズ電子版の「最も読まれた記事」のナンバーワンを座を、しばらくの間(このブログを書いている時点で、すでに3日間)守り続けている。

 これはニュースが次々に報じられる日刊紙の電子版では珍しいことで、このクリストフさんの記事(コラム)が、どれだけ注目されているか分かります。

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 それにしても「われらがバナナ共和国」――「ヘッジファンド共和国」だなんて、変なタイトルの記事(コラム)ですね。

 「ヘッジファンド」の方はなんか分かる気がしますが、なんで「バナナ共和国」なんでしょう?

 これって実は、かつての中南米の(バナナしか輸出品がないような)独裁国家のこと。一握りの特権層だけが富と権力を握り、民衆は貧困にあえいでいるプルトクラシーのことなんですね。

 クリストフさんは「われらがバナナ共和国」で、アメリカもその仲間に入ってしまったと批判したわけですが、それに対して読者から文句が出た。

 今のラテン・アメリカは、もう「バナナ」じゃありません、不平等の是正が進んでます――という読者の指摘があった。

 その指摘を受けて、クリストフさんが、アメリカのプルトクラシーの現状にさらにメスを入れたのが、2番目の――注目度ナンバーワンの記事(コラム)だったわけです。

 アメリカは中南米のバナナ共和国並みだなんて傲慢な言い方してごめんなさい。スーパーリッチたちがヘッジファンドでボロ儲けしている「ヘッジファンド共和国」に、お詫びして訂正します………って。、

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 そのクリストフさんの「ヘッジファンド共和国?」の記事(コラム)を読んで、ボクの目から、バナナの皮がむけるように、分厚いウロコがするりと剥げ落ちました。

 今のアメリカって、ザ・プルトクラシー……プルトクラシーそのものだって、ハッキリ、クッキリ見えて来た!

 たとえば、クリストフさんが記事(コラム)で引用している、ワシントンのシンクタンク、経済政策研究所の最新データは、ほんとにもの凄い。

 アメリカの「トップ1%」は今や、アメリカの富の34%を私有するまでになっている!  

 アメリカの「トップ10%」は今や、アメリカの富の70%以上を私有するまでになっている!

 ブッシュの時代にエスカレートした「高額所得者への大減税」が、こんな結果を招いている……。

 アメリカでは先に中間選挙で「お茶会」なる人々が「貧乏人のために、ウチラ、税金、払いたくない」と叫んで中間層の票をガッポリ集めましたが、運動資金をジャカジャカ出していたのは、さるアメリカの大富豪の兄弟。

 もうこうなると、アメリカの政治はバナナ並み。いや、それ以下。

 クリストフさんは、「富の巨大な集中は、どんな国民の魂をも腐食させる(Huge concentrations of wealth corrode the soul of any nation.)」と書いていますが、ほんとうにその通りですね。

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 バナナ以下の国に成り果てたアメリカ!

 「プルトクラシー」というレンズを通せば、「アメリカの病巣」が見えてきます。

 翻って、われらが日本は、どうか?

 日本もアメリカの並の(貧富の格差を表す)「ジニ係数」の国ですから、それほど負けてはいないでしょう。

 バナナ・ニッポン!……プルトクラシーは「対岸のバナナ(?)」ではないようです。 

Posted by 大沼安史 at 05:39 午前 1.いんさいど世界 |

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