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2010-11-30

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 またもDDOS攻撃

 ウィキリークスはTwitterを通じ、今から40分ほど前、「われわれは目下、新たなDDOS攻撃(ネット集中攻撃)を受けている」ことを明らかにした。

 ⇒ http://twitter.com/wikileaks

Posted by 大沼安史 at 09:54 午後 | | トラックバック (1)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 アサンジ氏の「亡命」を、エクアドル政府が受け容れ表明

 カナダ紙、「オタワ・シティズン」が伝えた、エクアドルの首都、キトー発のAFP電によると、エクアドルの外務副大臣がウィキリークスの代表、アサンジ氏を無条件で受け容れると表明した。
 アサンジ氏はスウェーデン検察当局から追われているほか、米当局も追跡しているといわれ、生命の危険にさらされている。

 エクアドルの今回の「亡命」受け容れ表明は、アサンジ氏の身を守るためのもとみられる。

  ⇒ http://www.ottawacitizen.com/news/Ecuador+offers+WikiLeak+founder+Assange+residency+questions+asked/3902251/story.html

Posted by 大沼安史 at 09:43 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 オランダに米軍の戦術核兵器

 ベリリン大使館・昨年(2009年)11月12日発の機密電で、オランダに米軍の核兵器が配備されていることが明らかになった。

 ドイツ政府高官(ホイスゲン首相補佐官)との話し合いの中で出て来たもの。

 For example, a withdrawal of nuclear weapons from Germany and perhaps from Belgium and the Netherlands could make it very difficult politically for Turkey to maintain its own stockpile, even though it was still convinced of the need to do so.

  ドイツ、ベルギーには米軍の戦術核が配備されていたことは分かっていたが、オランダにあることが今回、確認された意味は大きい。オランダの民衆は怒るに違いない。

 ドイツにはこの時点で「戦術核が20発」残っており、メルケル首相は全廃を望んでいるが、このホイスゲンという補佐官は撤去に乗り気でないようだ……。
 
 ⇒ http://cablegate.wikileaks.org/cable/2009/11/09BERLIN1433.html

Posted by 大沼安史 at 01:08 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 金正日の死後、北朝鮮、2、3年で崩壊 中国に阻止する能力なし 日本は「南北分断」のままの方がいいと考えているが、日本にも南北統一を阻止する力はない――6ヵ国協議の韓国代表が言明 中国も「核つき南北統一」の新しい現実を容認へ?

 ウィキリークスが「開示」した、ソウル大使館、ことし2月22日発の機密電によると、 北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の韓国代表、千英宇(チョン・ヨンウ、Chun Yung-Woo)外交通商省平和交渉本部長は同月17日、キャサリーン・ステファンズ米大使に対し、

 ① すでに経済的・政治的に行き詰っている北朝鮮は、金正日の死後2~3年以内に崩壊するが、中国にそれを食い止める能力はない。

 ② 日本は「南北分断」が続くのが「好ましい」が、北朝鮮の崩壊に際、南北統一を阻む力に欠けている。

 ③ 中国は「一般に信じられているほど」北朝鮮への影響力を持っていない。中国は経済力を北朝鮮の政治改革に使う「意志」を持っていないし、北朝鮮もそのことを「知っている」。

 ④ 北朝鮮崩壊の際、米軍が「北」に現前することを、中国は明らかに「歓迎しない」だろう。

   ⑤ 中国は北朝鮮の非核化を望んでいるが、現状をそのまま認めることでも満足している。中国が北朝鮮を「崩壊の淵」に追い込まないかぎり、北朝鮮線は実効ある非核化を拒否し続けるだろう。

 ――などと述べた。

 韓国はつまり、金正日の死後2、3年で南北統一ができる、と見ているわけだ。

 ⇒ http://cablegate.wikileaks.org/cable/2010/02/10SEOUL272.html

   ところで、ウシキリークスが「開示」した、このソウル大使館機密電には、 XXXXXXXXXXXの伏字(ウィキリークス側の配慮か?)で身元を隠した部分がある。

 XXXXXXXXXXXXは中国の「洗練された」当局者の実名、及び地位を指すものとみられる。

 Sophisticated Chinese officials XXXXXXXXXXXX stood in sharp contrast to Wu, according to VFM Chun.XXXXXXXXXXXX Chun claimed XXXXXXXXXX believed Korea should be unified under ROK control.XXXXXXXXXXXX, Chun said, were ready to “face the new reality” that the DPRK now had little value to China as a buffer state -- a view that since North Korea’s 2006 nuclear test had reportedly gained traction among senior PRC leaders.

 これは実に重大な指摘である。その中国当局者によれば、中国としては、北朝鮮崩壊、北の核つき南北朝鮮統一という「新しい現実」を受け容れる用意があるというわけだから。

 つまり、中国が黙認するかたちで、南北朝鮮が核つきで統一される可能性がある、ということである。金正日の死去の2~3年以内に。

 となると、「南北分断」の現状を「好ましい」とする「日本」(の政府当局)としては、北の非核化を望む中国と手を組み、「北」の支援に乗り出すのが本筋であって、「北」に対する強硬政策は、「北」の「核つき崩壊」を早めるだけの結果になることだろう。

 つまり「日本」の「北」に対する敵視政策は、核つきの南北統一を望む「日本」にとっては得策ではない……。

  注☆ 東京大使館発の機密電の「開示」は、このブログを書いている時点ではまだない。

Posted by 大沼安史 at 12:49 午後 | | トラックバック (0)

2010-11-29

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 米 日本政府に対しても事前ブリーフ? ダメージ・コントロールを指示か?

 ウィキリークスはTwitterを通じて、米国務省が在外公館を通じ、各国政府に対して、機密電「開示」について事前ブリーフィングを行っている事実を、各国における報道を引用して明らかにした。⇒ http://twitter.com/wikileaks

 英国など米国の主要同盟国はもちろん、デンマークやノルウェーにもブリーフィングしている。

 米政府は何らかの方法で、ウィキリークスの「開示」機密電の特定に成功し、各国政府に対して伝え、対策(ダメージ・コントロール)をとるよう指示しているのかも知れない。

 デンマークなどにもブリーフィングしているところを見ると、日本政府(外務省)に対して、ブリーフしていないはずがない。

 そこがひとつの、日本のメディアの追及ポイントだ。

 ガンバレ、日本の記者諸君!

Posted by 大沼安史 at 05:15 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 全世界の報道機関に生データを開示へ 明日、アクセス方法方を公表

 ウィキリークスはTwitterを通じて、世界の報道機関に対して、明日、米国務省機密電データへのアクセス方法を開示する、と発表した。⇒ http://twitter.com/wikileaks

 これにより、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、ルモンドなど、ウィキリークスから事前の開示を受けた報道機関以外のメディアも、独自にデータを分析し、報道できることになる。

 日本のメディアがどう動くか、注目しよう!

 雑誌「世界」の編集部よ、「日刊ゲンダイ」の編集部よ、ガンバレ!

 日本の(国際)政治学者は分析チームを立ち上げ、総力を挙げて取り組め!

Posted by 大沼安史 at 04:26 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 ウィキリークス・サイトがネット攻撃を受けている! 米軍がサイバー攻撃か?

  ウイキリークスのサイトが猛烈なネット攻撃を受けている。
  Twitter 上で、ウィキリークスが明らかにした。

 ウィキリークスのサイトにつながらないのは、この集中攻撃のせいだった。
http://twitter.com/wikileaks/status/8920530488926208

 米軍はサイバー攻撃の司令部を設けており、集中攻撃はそこから発動されているものかも知れない。

 それが事実だとすると、今回の事態は、「史上初のネット戦争」ということになる。

Posted by 大沼安史 at 04:12 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 米軍の独自インターネット、「シプディス」システムの脆さ、明るみに

  英紙ガーデイアンによると、ウィキリークスが「開示」した米国務省の機密電は、国防総省が運営する独自の秘密インターネット、「シプディス(Sipdis)」を通じて流れたものだ。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/28/siprnet-america-stores-secret-cables

 「シプディス(Sipdis)」とは、 Siprnet Distribution の略。この「シプネット(Siprnet)」も Secret Internet Protocol Router Network(秘密インターネット・プロトコル・ルーター・ネットワーク)の頭文字をとった略称だ。

 2001年の「9・11」以降に整備されたもので、ふつうのインターネット回線の「情報サイロ」や「煙突」部分での「傍受」を回避する、米軍の独自のネット回線だ。

 セキュリティーのクリアランスをパスした米政府(軍)の当局者だけが使えるが、パスを発行されているものは300万人を超すオーダーに達している。

 パスワードは150日で更新、トイレなどで席を立つときはログオフなどを義務付けられている。

 以前は不正使用の警報装置がとりつけられていたが、現場からつかいにくいと苦情が出て解除されたという。

 米軍自慢の「保秘インターネット」なわけだが、内部関係者が「公開」する気になれば、かんたんに情報を持ち出すことができる。

 今回のウィキリークスの「開示」はつまり、「シプディス」の脆さを暴き出した事件でもある。

 今回の「漏洩」も、現在、米軍に拘束されている米陸軍特科兵、ブラドレイ・マニング氏の「内部告発」とみられる。

 ガーディアン紙によると、マニング氏は「レディー・ガガ」の音楽ファイルをいったん作成し、それをすべて消去したあと、秘密情報を書き込み、容量1.6ギガバイトのメモリースティックにダウンロードし、持ち出したらしい。

http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/28/siprnet-america-stores-secret-cables

Posted by 大沼安史 at 03:48 午後 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 東京大使館発の暴露電報は9734件

 ウィキリークスによって「開示」された米国務省の機密・秘密外交電のうち、東京大使館発のものは9734件に達している。 

内訳は、 極秘電(シークレット)227件 非機密指定(アンクラシファイド)3810件、秘密電(コンフィデンシャル)5697件。

⇒ http://public.tableausoftware.com/vizql035/vud/sessions/3a915311-0:11/views/CablesbyOrigin_-594183740?maxrows=200

Posted by 大沼安史 at 10:14 午前 | | トラックバック (0)

〔ウィキリークス開示 米機密電 NEWS〕 日本外交官が「通報」 北京の米国大使館発の秘密電 麻生首相会談 「温家宝首相は疲労困憊」

 昨年(2009年)5月8日の北京発秘密電(コンフィデンシャル)に、情報を「報告(通報?)」した者として、日本のDCM(外交使節代表?)、Kunio Umeda の名前が出て来る。
 ⇒ http://cablegate.wikileaks.org/cable/2009/05/09BEIJING1247.html

 「外務省南部アジア部長の梅田邦夫」氏のことを指すものとみられる。

 秘密電によれば、クニオ・ウメダは同年4月末、訪中した麻生首相が中国首脳部と会談した際の印象として、温家宝首相は「経済危機との対処で疲労困憊し、胡錦濤は逆に「自信と余裕タップリ」のようだった――と報告している。以下の電文参照。

  (C) Japanese DCM Kunio Umeda reported that PM Taro Aso,
who had visited Beijing April 29-30, had said Premier Wen
Jiabao was "very tired and seemed under a lot of pressure"
from dealing with the economic crisis, while President Hu
Jintao had seemed "confident and relaxed."  PM Aso had
requested China not implement its planned compulsory
certification of IT products in China, while Premier Wen had
insisted the law was consistent with China's WTO commitments.

 それにしても、日本の外交官たるもの、こんなに軽々しく、任務で得た情報を他国に通報してよいものだろうか?

 ウィキリークスによる機密電のフォーマット化された「情報公開」はまだ始まったばかり。
 日本時間、本日8時55分現在で、「TOKYO」が含まれるものは、この一件かぎりだ。

 これから、続々と出てくるはず。

 日本のマスコミはウオッチを!

Posted by 大沼安史 at 09:03 午前 | | トラックバック (0)

〔速報 NEWS〕米政府の秘密外交電 「東京大使館」発 大量に含まれる 発信地別で第4位

  ウィキリークスは28日、機密電を含む米国務省の秘密内部文書、25万1287件(点)を「開示」した。⇒ http://cablegate.wikileaks.org/index.html

 暴露された秘密内部文書は1966年からことし(2010年)の2月末までの分が含まれている。25万件(点)あまりの内部文書のうち、「極秘(シークレット)」指定のものは15652件(点)。

 全世界274の大使館など在外公館から国務省に発信されたもので、「東京大使館発」は発信地別で、本省(国務省)、アンカラ大使館(トルコ)、バグダッド大使館についで、第4位。

 アンマン(ヨルダン)やクウェート、モクスワをも上回っている。

 日本の報道機関は解析・公表にあたらなければならない。

http://cablegate.wikileaks.org/index.html

Posted by 大沼安史 at 08:20 午前 | | トラックバック (0)

〔重要 NEWS〕 ウィキリークス 米国務省機密文書 25万件を「開示」

 ウィキリークスが米国務省の機密文書、およそ25万件を「開示」した。
 事前に資料の提供を受けたニューヨーク・タイムズやガーディアンなどが内容を報じている。

 ウィキリークスのサイトに見ようとしたが、つながらない。全世界から、アクセスが殺到しているためか?

 ニューヨーク・タイムズの報道を見る限り、「日本」に直接、関係したものは、まだ「確認」されていないようだ……。

 僕(大沼)は本日(22日)は午前中の仕事をキャンセルし、情況を追いかけることにする。

Posted by 大沼安史 at 07:49 午前 | | トラックバック (0)

2010-11-28

〔NEWS〕 ウィキリークスが暴露する米国務省 機密電はなんと「300万件近く」 英紙が報道

 英紙インディペンデントによると、ウィキリークスが間もなく暴露する米国務省の秘密電は300万件近い膨大なものになるという。 
⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/politics/wikileaks-set-to-reveal-what-us-really-thinks-of-david-cameron-2145790.html

 先に報じられていた「40万件」ではなく「300万件近く」も!

 先日、オバマが来日した際、鎌倉にわざわざ行って、抹茶のアイスを食べる、異例の「チャーム攻撃サービス」を行った時、{なんで今どきに」、と不審に思ったものだが、もしかしたら、こんどの「暴露」と関係あるのかも知れない……。

 ウィクリークスの「大公開」は今週中に行われる予定だそうだから、われわれも期待して待つことにしよう!

 米政府の日本の当局者(ジャーナリストを含む)に対する「外交的な働きかけ」の実態、およびオバマ政権の日本の当局者に対する率直な「評価」が明るみに出るかも……!!

Posted by 大沼安史 at 07:51 午後 | | トラックバック (0)

空から歌が聴こえる What Are You Doing The Rest Of Your Life?

 わが友、小笠原信之が鎌倉の紅葉の写真を、HPに掲載した。

  ⇒ http://www.geocities.jp/nbsn001/   ☆ 画面の下の黄色い円ボタンをクリックすると、全部、観ることができる。それに触発されて、人生の秋の歌をアップ。
 ⇒  http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/11/what-are-you-do.html

Posted by 大沼安史 at 08:16 午前 | | トラックバック (0)

2010-11-27

〔NEWS〕 日本のマスコミよ、即報態勢を整えよ! 「普天間秘密電」が暴露されるかも知れないぞ!――ウィキリークス 米国務省の在外公館の機密電(報告)「40万件」を「開示」へ 

 ロシア紙、「コメルサント」によれば、「ウィキリークス」は米国務省の在外公館による機密電(報告)の「開示」に向けて準備に入っている。
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22117

 「ウィキリークス」の代表、アサンジさんの出身地、オーストラリアの「エイジ」紙も、40万件の機密電(報告)が暴露される、との「観測」について報じた。

  ⇒ http://www.theage.com.au/world/tensions-rise-as-wikileaks-release-nears-20101126-18apy.html

 在外公館の米外交官と相手国の政治家、政府官僚、ジャーナリスト(そう、ジャーナリスト!)との会話記録が含まれている。

 過去5年間に及ぶ、40万件の機密電の大開示!

 当然、「日本」に関係するものも含まれよう。東京大使館発の機密電!

 「普天間」に関するものも暴露される可能性がある。

 日本のマスコミよ――ジャーナリストよ、「闘い」のときだ。

Posted by 大沼安史 at 07:34 午後 | | トラックバック (0)

2010-11-26

〔NEWS〕 ロンドンの少女たちは手をつないで、警察車両とプロテストの正義を守った!

 まず、この写真を見てほしい。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/uk/2010/nov/25/student-protests-tuition-fees-schoolgirls-definace

 英紙ガーディアン(電子版)に掲載された写真だ。

 撮影者はピーター・マーシャルさん。

 誰もが「ストリート・ジャーナリスト」として「現場写真」を投稿し、世界に「発信」できる「デモフィックス(Demofix)」( ⇒ http://www.demotix.com/ )に、マーシャルさんがアップした写真だ。 ⇒ http://www.demotix.com/news/517384/london-student-protest-opposed-police 

 ガーディアンは、これを転載した。

 24日の大学の学費値上げ反対デモの、ロンドンの現場での「一枚」。

 抗議の学生・生徒たちを警察が追い込んだ場所に、なぜか1台、「放置」されていた警察のヴァン。

 怒った学生・生徒たちは、ヴァンに落書きし、石を投げた。ヴァンの屋根に登って、ドンドン、屋根を足蹴にする男も出た〔これはどうも、年齢・風体からして、デモの「学生・生徒」ではないようだ〕

 その「決定的な場面=暴力的な破壊活動」に対して、マスコミのカメラマンがさかんにシャッターを切った。

 カメラマンたちに対して、その場に居合わせた女子学生たち(のようだ)が、「どうしてこのシーンばかり、撮るのか? これは私たちの行動の本質ではない」と抗議したが、この場で撮影された「決定的な現場写真」は、学生たちの抗議デモを「象徴」する「証拠」として「記録」され、紙面等で報じられた……。
 (この現場の様子は、ガーディアン紙電子版に掲載された以下のビデオを見ると、よくわかる。 ⇒ http://www.guardian.co.uk/education/video/2010/nov/24/london-student-protests?intcmp=239 )

 しかし、現場での出来事のクライマックスは、その後にやって来た。
 (恐らくは)マスコミのカメラマンが現場から引き揚げたあと、警察ヴァンへの「攻撃」を最終的に止めさせる、ある決定的な出来事が起きた。 

 高校生(school girls)と思しき女の子たちが、手をつないで、警察のヴァンを取り囲み、身をもってヴァンを守ったのだ。

 警察のヴァンを守ることで、自分たちのプロテストの正当性と正義を――あるいはその高潔さを守り抜いたのだ。

 この「(こちらこそ本当に)決定的な現場写真」を紹介したガーディアン紙の記事は、女生徒たちを「反乱の女の子たち(riot girls)」と――これが、みなさんの言う、「反乱少女」のほんとうの姿ですよ、との皮肉をこめて――呼んだ。
  ⇒ http://www.guardian.co.uk/uk/2010/nov/25/student-protests-tuition-fees-schoolgirls-definace

 この記事の記者、ジョナサン・ジョーンズさんは、「これは単なる反発のプロテストではない」と書いた。

 では、(単なる反発のプロテストではなくて)何なのか?

 ジョーンズ記者はいう。「これは(1968年革命を思わせる)ホンモノ(the real thing)だと」。

 68年世代の若者はしかし、まだ「富裕で、信じられる時代」に生きていた。が、今はそうではない。

 にもかかわらず、これほどの勇気を発揮した、いまどきの若者たちよ!

 ジョーンズ記者は、2010年11月24日の学生・生徒の抗議デモを持って、保守・自民連立政権の幕が下り始めたと、未来の歴史家は書くかも知れない――と書いていたが、僕もそうなりそうな予感がする。

 警察のヴァンを投石から守った少女たちは、それだけですでに、道徳的な抜きん出て、新たな社会契約を結びうる高みに立っていた! そこからベタな現状を、未来に向けて乗り越えてゆく契機が生れなくてどうする……。

 変革の可能性が胚胎した瞬間をとらえたこの写真は――被写体も撮影者も掲載者も、すべてが等しく素晴らしい。

Posted by 大沼安史 at 09:48 午後 | | トラックバック (0)

空から歌が聴こえる Bring 'Em Home

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/11/bring-em-home.html

Posted by 大沼安史 at 07:19 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 「星の王子さま」、アフガンへ

 「星の王子さま=Le Petit Prince」がアフガニスタンに降り立った。
 公用語のひとつ、ダリ語に訳されて。

 5000部が――「5000の王子さま」が、アフガン北西部、バードギース州の子どもたちと語らい始めた………。

 アフガンからのニュースは、破壊や虐殺など、殺伐としたことばかり。そんな中、こんなほっとする話を、英紙インディペンデントで読んだ。
 ⇒   http://www.independent.co.uk/news/world/europe/spain-enlists-little-prince-for-charm-offensive-in-afghanistan-2139128.htm

 ☆☆☆☆

 ダリ語訳「星の王子」さまをアフガンの子どもたちに贈ったのは、スペインのフエンシスタ・ゴザロさんというご婦人。

 世界各国語に翻訳された、フランスのサンテグジュペリの名作、「星の王子さま」の各国語版の蒐集家だ。
 (スペインのニュース・ビデオを見たら、ちゃんと日本語版も集めていらした!)

 ダリ語への翻訳者は、現在、カブールで学校の校長をつとめるグーラン・サキ・ガイラートさん。

 ガイラートさんは今から33年前(の1977年に)翻訳を了え、自費出版していた。しかし(2年後のソ連軍アフガン侵攻に至る混乱した状況下)書い手はあらわれず、やむなく自宅に保管――。ところが、その自宅がこんどは米軍の侵攻により、爆撃で破壊されてしまった。

 ☆☆☆☆

 アフガン戦争の戦火によって失われていた、ガイラートさん訳、ダリ語版、「星の王子さま」!

 フエンシスタさんが今回、アフガンの子どもたちの贈ったものは、このガイラートさんの「幻のダリ語訳」を出版し直したものだ。

 ガイラートさんのせっかくの努力の結晶が爆弾でもって破壊されたことを人づてに聞いたフエンシスタさん、友人たちに寄付を呼びかけて出版経費を捻出、再版に漕ぎ着けた。

 ☆☆☆☆

 しかし再版はしたものの、アフガンは今、戦争のまっただ中、女手ひとつで配布するのは土台、不可能。

 困ってしまったフエンシスタさん、NATO軍に参加して軍隊をアフガンに送り込んでいるスペインの国防省の大臣に手紙を書いたところ、スペイン軍が駐留するバードギース州での配本を引き受けてくれた。

 5000部はすでに現地に到着、学校のテキストにも使われたいる。⇒ http://www.rtve.es/mediateca/videos/20101119/fuencisla-gozalo-reparte-principito-por-las-calles-kabul/936159.shtml

 ☆☆☆☆

 5000の「星の王子さま」たちが降り立ったバードギース(州)とは、現地語で「風が生れる場所」という意味だそうだ。

 アフリカの砂漠ならぬ、アフガンの山岳部で子どもたちに出会った「王子さま」たちは、そこでどんな会話を交わすことだろう。

 バードギースはきっと、星空がきれいなところだから、そこの子どもたちは、「王子さま」たちとずんずん話を弾ませ、夢をぐんぐん広げることだろう。

 「たった一本の薔薇の花や、ほんのちょっとの水の中に、たいせつなものを見つけることができるんだよ……」

  Et cependant ce qu'ils cherchent pourrait être trouvé dans une seule rose ou un peu d'eau...

 ―― といった「王子さま」の言葉も、バードギースのアフガンの子どもたちなら、かんたんに理解してしまうに違いない。

 ☆☆☆☆

 星空に近い山国、アフガニスタンはいま、「戦争」の閃光で目のくらんだ者どもが、空から爆弾と、ミサイルを降り注ぐ、狂乱の戦場と化している。 

 「王子」の有名な言葉、「たいせつなものが見えなくなった(Ce qui est important, ça ne se voit pas... )」帰結としてのアフガン戦争。

 アフガンに舞い下りた5000の「王子さま」たちは、その惨状を目にして、すでに悲しんでいることだろう。

Posted by 大沼安史 at 06:09 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-11-23

空から歌が聴こえる 渡良瀬橋

⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/11/post-cf4b.html 

Posted by 大沼安史 at 06:33 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 サッカー界のキング、カントナが呼びかけ、大銀行から預金を引き出せ! 金融バブルを爆発させ民衆の生活を破壊した金融ドラゴンどもに鉄槌を下し、真の革命を! 「12月7日」に一斉引き出しの動き

 サッカー界のキング、フランス人元サッカー選手、エリック・カントナ氏(44)が、仏紙「プレス・オセアン」とのインタビューで、サルコジ政権の年金ぼったくり、予算大幅削減に抗議し、真の「レヴォルシオン」を実現するため、金融バブルを爆発させ、民衆の生活を破壊した大銀行から一斉に預金を引き出すよう呼びかけた。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/20/eric-cantona-bank-protest-campaign

 カントナ氏のインタビューはビデオでもユーチューブなどへ流れ、呼応した人々が、早速、オンライン・サイトをアップ。「一斉引き出し」決行の日を「12月7日」と定め、総決起を求めている。
 ⇒ http://www.bankrun2010.com/

 カントナ氏は現役を退いたあと、俳優として活躍する一方、故ピエール神父が創設した慈善財団でも活動、サルコジ政権の住宅政策の無策に「レッドカード」を出すなど、社会的な発言を続いている。

 ナントの新聞、「プレス・オセアン」とのインタビューで、カントナ氏は、

 「街頭に出ることは今日、どんな意味を持っているのだろう。デモをする? 自己満足かも。とにかく、もうそれじゃあ、ダメだ」

 「われわれは、革命を起こすために人殺しの武器をとらない。革命はいまや、かんたんだ。この国のシステムって何だろう? それは銀行権力の上に築かれたものだ。システムをぶっこわすには、だから銀行を通せばいい」

 「300万人がプラカードを持って通りデモをする。その300万人が銀行に行って預金を引き出せば、銀行は倒れる。300万人……いや1千万人が……。銀行は倒れる。そこに(われわれにとっての)脅威はない。真の革命が起きる」

 ネットで早速、呼応サイト、「バンクラン(銀行とりつけ)ドット・コム」を立ち上げたのは、舞台監督や映画製作者たち。

 その一人、24歳の俳優、ヤン。サルファティさんは、「私たちは別にアナーキストでもなければ政党や組織に属しているわけではありません。(預金引き出しは)プロテストの新しいやり方だと考えているだけです」と、英紙ガーディアンに取材に応えた。

 カントナ選手は現役の頃、狙い済ましたループシュートやドラブシュートで全世界のサッカーファンを唸らせた。
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=bke3tAmmuXM&feature=fvsr

 針の穴を抜くような正確な軌道。

 灯台下暗しというか、意外なポイントに目をつけたものだ。

 この「預金引き出し」運動、「ウォールストリート」をかかえたアメリカにも……あるには日本にも飛び火しそうな気配である。

 非暴力直接行動によるレジスタンス……やり方はほかにもいろいろあるだろう。日本のわれわれも、知恵の絞り時かも知れない。

 カントナ氏WIKI ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8A

Posted by 大沼安史 at 05:58 午後 | | トラックバック (0)

2010-11-20

〔いんさいど世界〕 「バナナ」もびっくり、アメリカン・プルトクラシー(Plutocracy=金権収奪国家)

 プルトクラシー(Plutocracy)――ご存知でしょうか? 耳慣れない言葉ですね。
 これが今、アメリカで(あるいは英語の世界)で、盛んに使われるようになっている。
 たとえば、「これはプルトクラシーだ、デモクラシーじゃない(This is a PLUTOCRACY, not a democracy. )とか。

 今、挙げた例は、ニューヨーク・タイムズ紙の電子版に出ていた、「読者のコメント」。
 
 こんなふうに、アメリカではフツーに使われるようになっている……。
 しかも、デモクラシーとの対比で。
 デモクラシーの対極としてのプルトクラシー。

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 で、プルトクラシーとはどういう意味かというと――辞書にあたると「金権国家」「金権政治」の意味。

 でも、日本語でたとえば「金権政治」というと、「一部の金権政治家による派閥を通じた政治支配」のことですが、アメリカで言われる「プルトクラシー」とは、より包括的・構造的(あるいは犯罪的)な収奪を意味するものです。

 「スーパーリッチ(これも最近、よく見られる英語の言葉です)によって金で買われた政治」

 「大金持ちのためのボッタクリ政治(あるいは国家)」
 
 つまり、こうした強烈な批判を含意した言葉。

 より正確に日本語に訳すなら、「金権収奪国家」というべきかも知れません。

 (第2次世界大戦中、ベルリンでナチス反対の手書きのカードをばら撒き、ゲシュタポに捕まって処刑されたドイツ人の夫婦がいます。ハンペルさんのご夫婦です。そのカードの一枚に、「ヒトラーのプルトクラーテンに死を」という言葉が、ドイツ語で書かれていました……ナチスも「金権収奪国家」だった!)

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 さて、話をもう一度、アメリカに――ニューヨーク・タイムズの電子版に戻しますと、最近、同紙の人気コラムニスト、ニコラス・クリストフさんが、plutocracy とか pultocrat(金権国家主義者)という言葉を使った、強烈な批判コラムを相次いで発表し、注目を浴びています。

 11月6日付けの「われらがバナナ共和国」
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/07/opinion/07kristof.html?_r=1
 と、同17日付けの「ヘッジファンド共和国?」
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/11/18/opinion/18kristof.html?_r=1&src=me&ref=homepage

 とくに「ヘッジファンド共和国?」は、ニューヨーク・タイズ電子版の「最も読まれた記事」のナンバーワンを座を、しばらくの間(このブログを書いている時点で、すでに3日間)守り続けている。

 これはニュースが次々に報じられる日刊紙の電子版では珍しいことで、このクリストフさんの記事(コラム)が、どれだけ注目されているか分かります。

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 それにしても「われらがバナナ共和国」――「ヘッジファンド共和国」だなんて、変なタイトルの記事(コラム)ですね。

 「ヘッジファンド」の方はなんか分かる気がしますが、なんで「バナナ共和国」なんでしょう?

 これって実は、かつての中南米の(バナナしか輸出品がないような)独裁国家のこと。一握りの特権層だけが富と権力を握り、民衆は貧困にあえいでいるプルトクラシーのことなんですね。

 クリストフさんは「われらがバナナ共和国」で、アメリカもその仲間に入ってしまったと批判したわけですが、それに対して読者から文句が出た。

 今のラテン・アメリカは、もう「バナナ」じゃありません、不平等の是正が進んでます――という読者の指摘があった。

 その指摘を受けて、クリストフさんが、アメリカのプルトクラシーの現状にさらにメスを入れたのが、2番目の――注目度ナンバーワンの記事(コラム)だったわけです。

 アメリカは中南米のバナナ共和国並みだなんて傲慢な言い方してごめんなさい。スーパーリッチたちがヘッジファンドでボロ儲けしている「ヘッジファンド共和国」に、お詫びして訂正します………って。、

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 そのクリストフさんの「ヘッジファンド共和国?」の記事(コラム)を読んで、ボクの目から、バナナの皮がむけるように、分厚いウロコがするりと剥げ落ちました。

 今のアメリカって、ザ・プルトクラシー……プルトクラシーそのものだって、ハッキリ、クッキリ見えて来た!

 たとえば、クリストフさんが記事(コラム)で引用している、ワシントンのシンクタンク、経済政策研究所の最新データは、ほんとにもの凄い。

 アメリカの「トップ1%」は今や、アメリカの富の34%を私有するまでになっている!  

 アメリカの「トップ10%」は今や、アメリカの富の70%以上を私有するまでになっている!

 ブッシュの時代にエスカレートした「高額所得者への大減税」が、こんな結果を招いている……。

 アメリカでは先に中間選挙で「お茶会」なる人々が「貧乏人のために、ウチラ、税金、払いたくない」と叫んで中間層の票をガッポリ集めましたが、運動資金をジャカジャカ出していたのは、さるアメリカの大富豪の兄弟。

 もうこうなると、アメリカの政治はバナナ並み。いや、それ以下。

 クリストフさんは、「富の巨大な集中は、どんな国民の魂をも腐食させる(Huge concentrations of wealth corrode the soul of any nation.)」と書いていますが、ほんとうにその通りですね。

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 バナナ以下の国に成り果てたアメリカ!

 「プルトクラシー」というレンズを通せば、「アメリカの病巣」が見えてきます。

 翻って、われらが日本は、どうか?

 日本もアメリカの並の(貧富の格差を表す)「ジニ係数」の国ですから、それほど負けてはいないでしょう。

 バナナ・ニッポン!……プルトクラシーは「対岸のバナナ(?)」ではないようです。 

Posted by 大沼安史 at 05:39 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-11-16

〔いんさいど世界〕 使い捨て兵士

 「兵士」は「使い捨て」か?
 アメリカの復員兵の間から、こんな疑問が――というより、告発が提起されている。

 負傷し、使い物にならなくなった兵士は、余計な(医療費の)金食い虫――戦闘による後遺症を、「持病」にしてしまえば、米政府として補償する必要はない……余計な金を使わずに済む――

 こんなあさましい事態が、いま現実の問題として、アメリカで進行している。

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 ことし9月15日、連邦議会下院の復員兵委員会で、チャック・ルーサー軍曹が証言を行った。⇒ http://www.youtube.com/watch?v=kZd322Wyix8&feature=player_embedded

 2007年、イラクでのこと。砲撃を浴びて重傷を負い、視聴覚にダメージを受けた。
 
 ルーサー軍曹は12年の軍歴の持ち主で、戦功により22回、表彰された根っからの軍人だ。

 負傷して基地に戻ると、軍医が、目が見えなくなったのは、「個人的な不全(personal disorder つまり持病)」によるものだとして、診断に同意する確認の署名をするようルーサー軍曹に求めた。

 持病なんだから、軍に治療費を持つ責任はない、との勝手な「診断」。

 ルーサー軍曹が署名を拒否すると――クローゼットに1ヵ月も放り込まれ、眠ることさえもできない状況に追い込まれた。

 そして、やむなく「同意」の署名をすることになる……。

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 このルーサー軍曹の、悪夢のような体験が、「ネーション」誌で取り上げられると(⇒  http://www.thenation.com/article/disposable-soldiers )、連邦議会としても放置しておくわけにも行かず、リーサー軍曹の証人喚問が行われた。

 ルーサー軍曹によれば、同じような事例は、2001年以降、2560人に達し、戦傷を持病化することによって、軍当局は1420億ドルもの治療費負担を浮かすことができたという。

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 ひどい話ではある。

 使い捨てされる兵士たち……。

 ルーサー軍曹は、ネットで「DISPOSABLE WARRIORS (使い捨て兵士)」というサイト(⇒  http://disposablewarriors.com/
 )を立ち上げたが、これほど痛烈な軍上層部批判=体制批判はない。

 しかし、これはなにも米軍に限ったことではない。「使い捨て」は――捨て石は、旧日本軍でも、フツーにあったことだ。

 しかし、ネットで、その実態を告発したのは、ルーサー軍曹らが初めて。

 日本の自衛隊員も(そして家族の方々も)、この事実を――この真実から目を逸らさず真正面から直視すべきである。

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 戦後65年も経っているのに、日本兵の遺骨収集も進んでいないのは、一銭五厘の兵士の、鴻毛よりも軽い、命の証左であるだろう。

 戦争とは何か?

 それは「行かない人がさせたがる」ものだ。

 行かない人がさせたがる、華々しき兵器の消耗戦=消費戦以外のなにものでもない。

 「9条」の存在理由は、このことだけで足る。

Posted by 大沼安史 at 07:11 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-11-15

〔いんさいど世界〕 スリープル村から届くクリスマスカード

【訂正】 先に「ストリープル」村と表記しましたが、「スリープル」村の誤りでした。お詫びして訂正します。

 追われた母親たち、捨てられた子どもたちを救う、バングラデシュのその「村」は、首都ダッカから北へ車で2時間の距離にある。

 その「村」は、絶望の中に放り出された母親と子どもたちを、それらの母親たちの子どもではない孤児の子どもたちをあたたかく守る「村」だ。

 スリープル村――その「村」のルポを、その「製紙工房のある村」から届くクリスマスカードの話を、英紙ガーディアンで読んで、心を揺さぶられた。

http://www.guardian.co.uk/money/2009/nov/14/charity-christmas-cards-sreepur-bangladesh

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 もう30年以上、続いているプロジェクトなのだそうだ。「スリープル村」が、英国のチャリテイー団体の支援で拓かれたのは、1978年のこと。

 15エーカーの土地には現在、12頭の牛がいて(山羊も数頭いて)、養魚池が2つある。魚は貴重なタンパク源だ。

 村には「シシュ・ポリ・プラス(付属「こどもの村」)というの学舎があって勉強をしている。

 「村」の母親たちはそれぞれ、12人のこども(自分の子どももいれば、孤児もいる)と一緒に暮らし、農作業など「村」の仕事についている。

 子どもたちのうち男の子は12歳になると「村」を出、もらわれて行く。そこでちゃんと育ってダッカの大学に行くものもいる。女子は18歳になるまで「村」で育つ。

 母親たちは3~5年で、村を出て行く。働いて貯めたお金をもって自立の道に歩み出す。

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 「村」で暮らす、そんな母親は100人近く。子どもたちは500人にも達する。

 そんな母親のひとり、「ビナ」さんのことが、ガーディアン紙のルポ記事に出ていた。

 14歳のとき、父親が出奔、嫁がせられた。女の双子が生れて2ヵ月後、夫は亡くなった。
 夫の家を追い出された。どこへも行き場がなかった。 

 「スリープル村」が彼女と乳飲み子を救った。

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 この「村」がすごいのは、慈善団体の世話にはなっているが、自分たちの生活費を、ちゃんと稼ぎ出していることだ。

 自前の「ジュート」で「紙」を漉き、それでもって「クリスマスカード」をつくる。
 自前の製紙工房がある。
 
 母親たちと子どもたちが力を合わせ、「ジュート」を育て、収穫し、紙を漉いて天日で干し、染色して「赤やクリーム色の(台)紙」を生産し、「村」の近隣にすむ絵心のある女性に依頼して、さまざまなカードに仕上げる。

 以下のビデオ(⇒ http://www.guardian.co.uk/money/video/2010/nov/11/sreepur-christmas-cards-bangladesh )に一目瞭然のことだが、色とりどりの靴下が3個、貼り付けられたのや、とても、すてきなデザイン。

 だから売り物になるのだ。

 ワンセット16枚組、12.5ポンド(1660円)。売り上げの90%が「村」の収入となる仕組み。 
 (ことしのカードのデザインは ⇒ http://www.sreepurcards.org/handmade-cards-christmas-2010.html )

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 絶望的な状況を思いやりの心で乗り越える「ストリープル村」の「クリスマスカード」。

 英紙ガーディアンは、「これは最高のクリスマスカードかも?」と書いていましたが、「?マーク」は外してもいいかも知れない。
 (「?」をつけて報道したのは、読者への「挑発」だったのだろう)

 紙づくりの村、スリープルから届く、希望と再生のクリスマスカード!

 図柄のように心が明るく、あったかになりそうな、馬小屋で生れたイエスにふさわしいクリスマスカード!

  「村」のHPは ⇒   
  http://www.sreepurvillage.org/

Posted by 大沼安史 at 02:04 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-11-14

〔NEWS〕 スーチー女史 かくも美しく、語りき

 この人は監禁下の自宅で、祈り続けていたのではないだろうか?
 だから、こういう美しい表情を保つことができたのでなかろうか?

 英国BBC放送のビデオニュース、「スーチー女史、支持者に告ぐ――「希望を捨てることなかれ」を観て、思わず涙をこぼしてしまった。⇒ http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-11752047
  
 BBCの記事から、彼女の言葉を引用する。

 「わたしたちはともに行動しなければなりません。私たちビルマ人は運命を信じがちですが、変革を欲するならば、わたしたちは自分たちの手に成し遂げなければならないのです」
"We must work together. We Burmese tend to believe in fate, but if we want change we have to do it ourselves."

  先週の選挙にふれて、女史はこうも語った。
「民衆の参加のないところで、何事も達成されることはないのです」
"Nothing can be achieved without the participation of the people."

 そして、
 「デモクラシーは人々が政府をチェックするとき、生れるものです。人々がわたしをチェックすること、私は受け入れます」とも。
"Democracy is when the people keep a government in check. I will accept the people keeping me in check."

 自宅を出て、人々とともに「歩いた」。スーチー女史!

 白のブラウス、青紫のスカート。

 髪にゆわえた、白と赤、黄色の花。

Posted by 大沼安史 at 06:10 午後 | | トラックバック (0)

2010-11-12

〔いんさいど世界〕 ヴァンダナ・シヴァさん 頌        その2

 インドの環境運動家、ヴァンダナ・シヴァ女史(58歳)が「2010年 シドニー平和賞」に輝いた。

 元々は量子論で博士号を取得した理論物理学者。「核」を批判して環境を守るエコロジー運動にかかわり、有機農業を営む農業者でもある。

 「シドニー平和賞」は1998年以降、世界の社会運動家に対して贈られている、いわば「世直しのノーベル賞」。これまでバングラデュの「グラミン銀行」創始者、ムハマド・ユーナス氏や南アフリカのデズモンド・ツツ氏らに授与されている。

 本家の「ノーベル平和賞」は、かつて日本の総理大臣の白々しい「真っ赤な嘘」をまともに信じて授賞し、昨年は、アフガニスタンで戦争をエスカレートさせたオバマに贈るなど、ケチがついて輝きをやや失っているが、「南のノーベル平和賞」とも言うべき「シドニー平和賞」は、今回、シヴァ女史に授与したことで、その先見の明、人物鑑定眼の確かさを、自ら改めて実証したかたちだ。

 この夏、受賞が決定した際、本ブログで、〈ヴァンダナ・シヴァさん頌 祝・受賞で「動物三題噺」〉という記事(
 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/08/post-09be.html )を書いたが、これはそれに続く、シヴァ女史を讃える「頌 その2」――。

        ☆

 ヴァンダナ・シヴァ女史は、知る人ぞ知る、地球環境を守る運動の、世界的な第一人者である。

 女史が英文で書いた『地球デモクラシー』や『石油ではなく土地を』などの著作は各国語に翻訳されているが、その文章が実に素晴らしい。そのレトリックの切れのよさ!

 自在な英語力を駆使したその弁舌もまた素晴らしい。詩的で、なおかつ迫力がある。

 それは今回の「シドニー平和賞」受賞スピーチを見ても分かる(本ブログで全文を拙訳で紹介 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/11/post-0f34.html#more)。

 しかし、受賞スピーチもさることながら、授賞式の前、今月(11月)3日に豪ABCテレビが放映したインタンビューに対する受け応えには、ほんとうに感心させられた。
 ⇒ http://www.abc.net.au/lateline/content/2010/s3055446.htm
 (画面の右側の Video をクリックすると、映像を見ることができる)

 ABCテレビの女性キャスターの鋭い質問を、ものの見事に切り返し、本質に迫る議論を展開するシヴァ女史!

 やりとりの一部を再現すると、こうなる。

 Q(女性キャスター) あなたは「エコ・フェミニスト」と呼ばれています。どういう意味ですか?

 A(シヴァ女史) それはフェミニズムの運動とエコロシー運動をひとつのものとして考えることです。「女性」と「自然」に対する「抑圧」は同じ根から来るものなのです。「自然」を生きたものと見ず、「女性」を非生産的と見る世界観は、同じルーツを持ったものなのです。「自然」と「女性」の命、創造性、生産性を認める時が来ているのです……。

 なぜ、女史は「自然」と「女性」を守る「エコ・フェミニスト」であると自己規定しているのか?

 それは、彼女が若い頃に参加した、「チプコ運動」――インドの女性たちが樹にしがみついて、森を守り、それに支えられた村の生活を守り抜いている運動――を考えると、よく分かる。

 新自由主義(ネオリベ)に歴然とした、マッチョな男性原理による資本主義的な破壊に対抗し、シヴァ女史はインドの農業を営む女性たちと手を携え、地に足のついたエコ・フェミニズム運動を展開しているのだ。

 それが、あの世界に名高い「ナヴダンヤ(9つの種子)」という、インドの固有の作物の種子を守り、固有の農業を守る、女史らの運動。

 シヴァ女史は、遺伝子まで「商品化」する米国主導の「農業の産業化」に反対し、有機の伝統農法の再生と闘っているのだ。

 遺伝子操作した種子、化学肥料、農薬が、インドの農業を荒廃させている。(「シドニー平和賞」受賞スピーチで、彼女が怒りを込めて告発したように)1997年以降、実に20万人もの農民が「負債の罠」にはまって自殺を遂げている。それも売りつけられた殺虫剤を飲んで。

 女性キャスターと女史のやりとりを、もうひとつ――。

 Q 資本主義を採用している国々は経済成長を追及し、高い生活水準を実現しているではありませんか? それがどうして間違いなのですか?

 A 生活水準の高さのほとんどは、かつて植民地と呼ばれていた地域からの資源の移転によるものです。資本が奇跡を起こしたわけではないのです……資本とはそれ自体、創造的な力を持っていません。富の移転が続いていて、それがとどまるところを知らないのです。第三世界は1ドルの「援助」につき、3ドルもの元利の返済に迫られている。第三世界が「負債の罠」から抜け出ることができないのはそのためです……。

 (シヴァ女史は、あるところで、こう指摘していた。インドは英国によって、産業革命で機械化した繊維業の原料供給国にされたわけだが、もともとインドは植民地化される以前、繊維・衣料品の製品輸出国だったという)

 女史はインドの伝統農業を守る運動を続ける一方、地球環境を守る運動の世界的なリーダーとしても活躍している。

 なぜ、農業が地球温暖化を防ぐのか?

 女史によれば、作物(植物)を育てる農地は、二酸化炭素の「吸収材」でもある……。

 しかし、シヴァ女史のすごいところは、実践に裏付けられた、スケールの大きな、世界観・生命観の持ち主である、ということだ。

 たとえば女史は、「エネルギー」とは石油や石炭の中にあるのではなく、私たちの「生」に――「命」の中にあるもの……「生命」そのものがエネルギーなのだ、と指摘する。

 「自然」を産み出し、私たち生物を生み出したエネルギーは、私たちの中に、自然の中に存在する。私たちはそのエネルギーを生かして、生きなければならない、とも。

 このブログで以前、「オズの魔法使い」の物語が実は痛烈な体制批判であることを紹介したことがあるが(⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/10/post-8536.html )、「ドロシー」(という農家の少女で示される、人類の未来)を救う「南の正しい魔女」とは、もしかしたら、ヴァンダナ・シヴァ女史のことかも知れない。
 

Posted by 大沼安史 at 05:46 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-11-10

空から歌が聴こえる Who knows where the time goes

 サンディ・デニーさんのこの歌を、自転車センチメンタル・ジャーニー&105円焼き芋で思い出した!

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/11/who-knows-where.html

Posted by 大沼安史 at 09:40 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「地球に対する戦争を終えるとき」 ヴァンダナ・シヴァ女史、「シドニー平和賞」受賞スピーチ(全文)

 インドの農業・エコロジー運動家のヴァンダナ・シヴァ女史が6日、「シドニー平和賞」を受賞した。

 以下は、7日付けの地元紙、「エイジ」に掲載された「受賞スピーチ」(編集済み)の全文の拙訳である。⇒ http://www.theage.com.au/opinion/society-and-culture/time-to-end-war-against-the-earth-20101103-17dxt.html

(この「編集済みのテキスト」は、出典である「エイジ」紙ばかりか、シドニー・モーニング・ヘラルド紙にも全く同じものが掲載されており、女史によって予め用意され、マスコミ向けに配布されたもののようだ)

 僕には女史のこの受賞スピーチが、世界を「正気」へと導く、この同時代における「世界最高のスピーチ」のように思われる。

 勇気と、洞察と、詩的な優美さにあふれた女史のスピーチの一端を伝えられれば幸いである。

                                      ☆

 ヴァンダナ・シヴァ : 「いま、地球に対する戦争を終えるとき(Time to End War Against the Earth )」

 今、「戦争」を思うとき、私たちの心は「イラク」や「アフガニスタン」に向かいます。しかし、もっと大きな戦争が、今、戦われてもいます、それは私たちの生きる、この地球という惑星に対する戦争です。この「地球に対する戦争」の根は、エコロジーと倫理が定めた限界を敬うことに失敗した「経済」にあります――不平等には限界があることを、不正義には限界があることを、欲望と経済の集中には限界があることへの敬意を忘れた「経済」に、根を下したものなのです。

 一握りの大企業や強国が、地球の資源に対するコントロールを追い求め、この私たちの地球を、何でも売りに出してしまうスーパーマーケットに変えようとしているのです。彼らは私たちの水を、遺伝子を、細胞を、臓器を、知識を、文化を、さらには未来をも売ろうとしているのです。

 いまアフガニスタンとイラクで続き、今度も戦われて行こうそる「戦争」は、単に「石油のために血を流す」ものではありません。すでに明らかなように、「戦争」は「食料」のためにも「遺伝子と生物多様性」のためにも、「水」のためにも血を流すものになって行くことを、私たちは目の当たりにすることでしょう。

 こうした「軍・産・農」を支える戦争のメンタリティーは、「モンサント」社の殺虫剤の商品名、「駆り立てる(Round-Up)」「山刀(Machete)」「投げ縄(Lasso)」――を見れば明らかです。「モンサイト」と合併した、「アメリカン・ホーム・プロダクト」社も、その製品の殺虫剤に、「ペンタゴン(米国防総省)」とか「スカドロン(航空団)」といった、同じように攻撃的な名前をつけています。これは「戦争の言葉」です。私たちの「持続可能性(Sustainability) 」は、(そうではなく)「地球との平和」を土台にしたものです。

 「地球に対する戦争」は、私たちの精神の中で始まるものです。暴力的な思考から、暴力的な行為が形成されるのです。暴力的なカテゴリーを考え出すから、暴力の道具が作られるのです。産業化された農業・食糧・生産が依拠している「メタファー(隠喩)」や「メソッド(方法)」ほど、このことをハッキリ示してものはありません。戦時下において、人々を殺す毒や爆発物を生産する工場は、戦争が終わると、農薬工場に変身するのです。

 「1984年」は、食糧が産み出される方法に何か恐ろしいことが起きているという事実に、私を気付かせてくれた年でした。(インドの)パンジャブの動乱とボパール(化学工場)での惨事によって、「農業」がまるで「戦争」と化したかのように見えたのです。私が『「緑の革命』の暴力』という本を書き、「ナヴダンヤ(九つの種子)」という、毒にまみれない農の運動を始めたのは、このときのことです。

 戦争のための毒ガスとして始まった農薬はこれまで、疫病をコントロールできずに来ました。遺伝子操作が、有毒な化学物質に代わるものと考えられたこともあります。しかし、実際は逆に、殺虫剤の使用量を増加させ、「農民に対する戦争」を解き放っただけでした。

 飼料と農薬のコスト高は農民たちを負債の罠にはめているのです。負債の罠は農民たちを自殺へと追い込んでいます。政府の公式データによっても、インドでは1997年以来、20万人以上の農民が自殺を図っているのです。

 「地球との平和を築く」ことは常に、倫理とエコロジーの絶対命令であったことです。それは今や、私たちが生物種として生き延びるための絶対命令になっているのです。

 土に対する、生物多様性に対する、水に対する、大気に対する、農場や農産物に対する暴力は、人々が食べることを不可能にする、「戦争のような食糧システム」を産み出しています。いま、10億人が飢えているのです。20億人が、肥満、糖尿病、高血圧、癌といった、食べものに関係する病に苦しんでいます。

 この持続するはずのない発展には、3つのレベルの暴力が含まれています。第一は、地球に対する暴力です。環境の危機として現れているものです。第二は、人々に対する暴力です。貧困、欠乏、難民化として現れているものです。第三は、戦争と紛争としての暴力です。これは際限なき貪欲を満たすため、他国や他の共同体に眠る資源を力で掴み取るものです。

 「生」のあらゆる側面が商品化されると、たとえ1日に1ドル以上、稼げたとしても、「生活」はさらにコストのかさむものになり、人々はさらに貧しくなってしまいます。他方、人々は「マネー経済」なしに、物質的に豊かであり得ます。土地に対してアクセスでき、土地が肥沃で、川の水が汚れずに流れ、文化が豊かで、美しい住と衣、そして美味な食をもたらす伝統が生き続け、社会的な結束があり、地域の共同体に連帯と協働の精神がありさえすれば……。

 市場経済の領域、さらには人工物でしかない資本としてのマネーが、社会の最高の組織原則、及び生活に福祉を推し量るたったひとつの物差しに祭り上げられたとき、それは自然と社会の命を維持・存続させうるプロセスを切り崩すものになって行くのです。

 私たちは金持ちになればなるほど、エコロジーと文化の面ではますます貧しくなって行きます。マネーで測られる豊かさの成長は、物質的・文化的・環境的・精神的なレベルにおける貧困の増大を招くものです。

 生活をつなぐ、ほうとうの通貨とは、生きることそのものです。こうした視点に立つことで、以下のような問題が提起されます。私たちはいま、この世界において、自分自身をどう見ているのだろう? 人は何のための生きるのか? 私たちは、金儲けのために資源をがぶのみする、単なる機械に過ぎないのか? それとも私たちはそれよりももっと高い目的、目標を持ったものではないか?
 
 私は「地球デモクラシー(arth democracy)」というものが、あらゆる生物種、あらゆる人々、あらゆる文化に固有な価値に基づく「生きるデモクラシー(living democracies)」を、私たちに思い描かせ、創造させて行くものだと確信しています。「地球デモクラシー」とは、この地球の大事な資源の公正で平等な共有と、この地球の資源をどう使うかの決定の分かち合いのことでもあります。

 「地球デモクラシー」は、水、食べ物、健康、教育、仕事、生計の諸権利を含む「生きる権利」の基礎をかたちづくる、命及び基本的人権の持続するエコロジーのプロセスを守るものです。

 私たちは選択を迫られています。企業の貪欲による市場の法則に従い続けるか、地球のエコシステムと生物の多様性を維持する「ガイアの法則」を取るかどうかの選択を迫られています。

 人々の食べ物、水へのニーズは、食べ物と水を供給する自然の能力が守られていてこそ、はじめて満たされ得るものです。死んだ土や川は食べ物や水を恵んでくれません。

 「母なる地球」の諸権利を守り抜くことはそれゆえ、最も重要な、人権と社会正義を守る戦いであるわけです。それは私たちの時代の、最も広汎なる平和運動であります。

Posted by 大沼安史 at 08:59 午後 | | トラックバック (1)

2010-11-07

〔いんさいど世界〕 オバマよ、ガンディーは泣いているよ……

 訪印中のオバマが6日、ムンバイの「ガンディー記念館」を訪れ、ゲストブックに署名した。

 ゲストブックの「1959年」の欄には、マーティン・ルーサー・キングの署名があった。

 オバマが上院議員だったころ、議員室に掲げていたのが、ガンディーの肖像だった。

 オバマが昨年、ノーベル平和賞を受賞した際、そのスピーチで、「指針にする」と言ったのは、キング師だった。

 キング師はその「自伝」で、最も影響を受けたのは、ガンディーだった、と書いている。

 CNNのニュース・ビデオで見た、オバマの顔は真剣だった。
 キング師の署名を見た、オバマの表情は真剣なものだった。
⇒  http://edition.cnn.com/2010/WORLD/asiapcf/11/06/india.obama.gandhi/

 オバマよ、原点に戻るのだ。ガンディーとキング師の原点に立ち帰れ!

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 ガンディーで思い出したことがある。2005年、当時の小泉首相がインドを訪問した時のことだ。

 夕方の民放のテレビのニュースで、インドのシン首相が、ガンディーのブロンズの像(彫刻)を、小泉首相に紹介しているシーンが映し出された。

 ガンディーの像について、何のコメントもなかった。

 シン首相が小泉首相に見せた「ガンディーの像」は、(たぶん)間違いなく、日本人彫刻家による「ガンディー像」である。

 ガンディーはスイスの山荘に、かのロマン・ロランを訪ねたことがある。

 2人が暖炉の前で話し合う、その部屋に、日本人の彫刻家がいた。あの、高田博厚氏がいた。

 ガンディーを見ながら、ペタペタ、粘土を手のひらで、たたいていた。

 ――そういう事実を、おそらく日本の外務省は知っていたはずだ。 でも、それをマスコミに伝えなかった。

 だから、シン首相がせっかく用意した「ガンディーの像」の意味は、われわれ日本人に伝わらなかった。

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 1906年の9月11日、南アフリカ・ヨハネスブルクの帝国劇場に、3千人を超すインド系住民が集まり、彼らを二等市民の地位に貶める人種差別立法、「アジア人法修正令(登録法)」を非難した。

 参加者の一人が立ち上がり、このような法には服従しないと、神の宣誓を行った。その若き弁護士こそ、あのマハンダス・K・ガンディーだった。

 ガンディーは、個人としてのラジカルな行為への共同参画――これについてガンディーは後日、「新しい原則が、その時すでに生まれていた」と語っている――を、「真理の力」、すなわち「サティヤーグラハ」による創造的な閃きと捉えた。それは、史上最も暴力的な世紀だった20世紀を通して、「非暴力」という、偉大なる抵抗の物語を生み出すものだった。
 (拙訳、『戦争の家』(ジェームズ・キャロル著、緑風出版、上巻)

 
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 「9・11」には、ガンディーから続く、もうひとつの流れがあったのだ。

 オバマよ、もはや明らかであるだろう。

 私たちは「テロとの戦争」の口火を切った、「2001年」の「9・11」ではなく、「1906年」の「9・11」に帰らなければならないのだ。

 これこそオバマよ――これそこ、本来、君の出発点ではなかったか。

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 あらためて、オバマに言うことにしよう。君は「ノーベル平和賞」をもらった人間ではないか。

 かのガンディーは、さまざまな妨害に遭い、ついにノーベル平和賞を受賞することがなかったことは、君も知ってのことだろう。

 でも、君は――ガンディーが手にすることのなかった「ノーベル平和賞」を、オバマよ、君は手にしている……。

 その意味の重さを――オバマよ、君は知らねばならない。

 ガンディーの言う、「真理の力」、すなわち「サティヤーグラハ」による創造的な閃きを、オバマよ、君は君なりに、世界に伝えなければならないのではないか。

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 ルーサー師の青インクで書かれた署名を見た時の君の表情には、たしかに厳しく、誠実なものがあった。

 オバマよ、その思いに正直であってほしい!

 かのマイケル・ムーア監督ではないが、それでも民衆は君を好きなのだ。

 希望を込めて、好きなのだ。

 しかし大統領になって以来の君の所業を、ガンディーは泣いているはずだ。キング師も泣いているはずだ。

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 ガンディーに見習い、キング師に見習い、オバマよ、もう一度、世界の不正義に立ち向かい給え!

  君よ、立ち向かい給え!

 オバマよ、君はインドでガンディーに会うことができたのだから、正気の道――真理の道へ、もう一度、帰り給え!

 君よ、原点に帰るのだ!

Posted by 大沼安史 at 08:10 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-11-06

〔いんさいど世界〕 布施辰治 生誕130年

 韓国併合から100年――東北から日韓関係の未来を考える「日韓・東北フォーラム」が6日、仙台市民会館で開かれました。

 金正秀・駐仙台韓国総領事は、河北新報の事前インタビューに応え、こう言いました。

 「布施辰治や千葉十七などの先人の顕彰活動をはじめ、東北にも多くのテーマごとに活動実績があるが、もっと幅を広げたい」
 ⇒ http://jyoho.kahoku.co.jp/member/backnum/news/2010/10/20101021t15037.htm

 金総領事が名前を挙げた2人は、宮城県ゆかりの人。ともに、「人」として――「日本人」として、韓国(朝鮮)の人々と心を通わせ合い、堅い絆を結んだ人です。

 奇しくも、韓国韓併合100年のことしは、布施辰治の「生誕130周年」の記念の年。

 (千葉十七は言うまでもなく、憲兵として旅順監獄で、あの安重根を看守として見守り、安重根の人格・祖国愛に心打たれ、魂の交流ともいべきを時を過ごした人だ……。その監獄での出会いも今から100年前、1910年、明治43年のこと)

 そしてさらに、ことしの今月は、布施辰治の130回目の誕生月(誕生日は、11月13日)。

 韓国併合100年の「国恥」の年とあって韓国ではことし、日本による植民地支配を振り返る報道が盛んでしたが、韓国のマスコミは「日本人・布施辰治」を「日本のシンドラー」と言って忘れませんでした。

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 たとえば韓国紙、「中央日報」、「布施辰治」について、こう書いています。
 「暗鬱な日本統治下の被圧迫植民地人の手をつないでくれた人権弁護士」
 「1910年代、『韓国の独立運動に敬意を表す』と述べ、検察の調査を受け……日帝時代に朝鮮人の人権と独立運動家を弁論した代表的な弁護士」
 ⇒ http://japanese.joins.com/search/japanese.php?pageNum=&order=&query=%E5%B8%83%E6%96%BD%E8%BE%B0%E6%B2%BB

 これはほんとに、うれしいことですね。
 布施辰治という、朝鮮半島の人たちから尊敬される日本人弁護士が、私たちの郷土、宮城から出た。石巻から出た。
 誇らしいことです。

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 そこで今日は、布施辰治をめぐる、あまり知られていない、日韓友好につながるエピソードをひとつ(だけ)紹介したいと思います。

 その前に念のため、布施辰治の生涯をかんたんにふりかえると、1880年(明治13年)、石巻の蛇田村に生まれ、1953年(昭和28年)に、72歳でなくなった、弁護士・社会運動家です。

 青年時代にトルストイの影響を受け、生涯にわたって弱者の側に立ち、死刑に反対し、人間の尊厳のために戦い抜いた人です。

 (3男の杜生(もりお)さんの名前は、杜翁=とおう、と呼ばれたトルストイにちなんだ命名。杜生さんは、戦時中、治安維持法で検挙され、栄養失調と結核で、獄死しています。野間宏の小説、『暗い絵』に出て来る「木山省吾」は、この布施杜生さんのことです))

 戦前、自ら投獄されたこともある、反骨の弁護士。

 そして、なんといっても、2004年に、日本人として初(唯一)の韓国の最高栄誉、「大韓民国建国勲章」を受章した人!

 韓国政府から「建国勲章」を受けたのは、関東大震災後の虐殺事件を糾弾したり、朝鮮の独立運動家を助けたり、朝鮮の農民とともに日本人による土地の収奪と戦ったりした、主に戦前・戦時中の功績によるものですが、布施辰治は戦後も、その最晩年においてなお、老骨鞭打ち、朝鮮人のために戦っていた!

 今日、紹介するのは、この戦後のお話です。

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 亡くなる3年前、1950年(昭和25年)10月のこと。朝鮮戦争が始まって、3、4ヵ月、経った当時のことだったそうです。

 辛昌錫(シン・シャンスク)さんという北大農学部を卒業した方が上京して、造船所の前で、「青い目のやからの手先をさえられている……労働者諸君!……巡洋艦を造るな!」とビラをまいて逮捕され、「占領目的阻害行為処罰令」違反で裁判にかけられた。

 その時、弁護をかって出たのが、布施辰治でした。

 有罪なら、アメリカのかいらい、李承晩政権の下へ強制送還され、銃殺になる運命です。

 で、布施さんは法廷で、どんな弁護をしたか?

 辛さんがまいたビラの文句には「米兵」とか「米軍」の文字はなく、「青い目のやから」とあるだけ。

 青い目ならロシア人にもいるし、日本人にもいる、アメリカ人を確定的にさす言葉ではない、と主張し、裁判官に認めさせたそうです。

 主張はなぜ、通ったか? 

 布施辰治という人は、誰に対しても心を通わせようとする人だった。相手が検事でも裁判官でも。

 このとき辛さんが無罪放免になったのも、布施辰治の弁論が裁判官の惻隠の情を引き出したのではないか――と、布施辰治のお孫さんの大石進さんは、『弁護士 布施辰治』(西田書店)にお書きになっています。

(以上、紹介したエピソードは、この大石進さんの本に詳しく書かれています。ことし3月に出たこの本は、実に素晴らしい! ⇒ http://www.nishida-shoten.co.jp/view.php?num=224 
 大石進さんは、日本評論社の社長・会長も務められた方。
 布施辰治に代わって「建国勲章」を東京の韓国大使館で伝達・授与されたそうです。)

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 大石さんによれば、布施辰治は、「天命を信じる楽天主義者」だったそうです。

 「天は私に幸いせざることなし」とする人生観。

 だから、三男の獄死、自らの投獄など、苦難に耐え切ることができた!

 布施辰治はまた、以下の有名な言葉を遺しています。

 「生きべくんば民衆とともに 死すべくんば民衆のために」

 墓碑銘の言葉です。

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 たしかに、私たちの郷土の偉人ではありますが、偉そうな偉人ではなく、ほんとうにすごい人だった。

 朝鮮半島だけでなく、台湾の人たち(農民たち)からも、崇慕された人でもあるわけですから……。

 ことしは『弁護士 布施辰治』というドキュメンタリー映画も完成しました。上映会が国内各地で始まっています。
 ⇒ http://www.fuse-tatsuji.com/  

 「生きべくんば民衆とともに 死すべくんば民衆のために」

 宮城の誇り、郷土の誉れ、日韓の宝、ですね!

Posted by 大沼安史 at 10:50 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)