〔コラム 机の上の空〕 「9・11」を超えて アメリカ・アフガン 女性の連帯
きょう、9月11日、米国東部、マサチューセッツの天気予報は、Sunny & Nice 。初秋の風を切るサイクリングには、絶好の日和である。
マサチューセッツ中部、ニーダム(Needham)で、きょう9月11日、周遊チャリティー・サイクリングが行われる。主催は、地元ニーダムの市民団体、「11日を超えて(Beyond the 11th)」。
アフガンの未亡人女性たちのための資金援助を呼びかけるバイク・ライドである。
そう、きょう「9・11」の、この日に。
「9・11」を超える希望を、いまひとつ切り拓くために。
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「11日を超えて」は、ニーダムに住む、スーザン・レティクさん(42歳、ユダヤ系アメリカ人女性)を中心に、2003年に結成された。
スーザンさんは「9・11」未亡人。アメリカン航空11便に搭乗していた夫を「同時多発テロ」で失った時、おなかに中に3人目の、7ヵ月の赤ちゃんがいた。
悲嘆と絶望の日々。
友人に、見知らぬ人々に励まされる中で、スーザンさんは、アフガンにも同じような「戦争未亡人」がたくさんいることに気付く。
それが転機になった。悲嘆が共感に、絶望が希望に変わる転機はそのとき生まれた。
2003年に、近くに住む同じ「9・11」未亡人のパティーさんと知り合い「9月11日を超えて行く」運動を始めた。
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現在、およそ200万人に上るといわれる、アフガンの「戦争未亡人」たちが置かれる状況は深刻だ。
子どもは平均、4人以上。みな、貧困と絶望にさいなまれている。
そうしたアフガンの未亡人女性を、どうやって助けるか?
収入を得、家族を支えながら自立できる道の確保を援助する……それがいちばん。
ニワトリのひなを育て卵を売る。
カーペットを織って売る。
サッカーのボールを縫って売る。
「11日を超えて」は現在、1000人以上のアフガン人女性の「就業」を支援しているそうだ。
☆ ☆ ☆
支援を開始して3年後の2006年、スーザンさんはアフガンに初めて足を運んだ。
そして、現地の女性と初めて、面と向かって、話し合い、励まし合った。
その模様を記録したドキュメンタリー映画、「信仰を超えて」の紹介トレーラーを「11日を超えて」のサイトで観て、「11日を超える」意味を教えられた気がした。
戦争に引き裂かれた、貧困と絶望のアフガンの大地でも、女性たちは命を育みながら生きていた!
その真実との直面は、スーザンさんの(そしてアメリカ人たちの……あるいは私たちの……)心のどこかにまだ残っていたかもしれない、見当違いの憎しみを消去し去るに十分なものだった。
「戦争」で夫をなくしたアフガン人女性と、「テロ」で夫を亡くしたアメリカ人女性と、そこにどんな違いがあろう。
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きょう「9月11日」のチャリティー・サイクリングは、ニューヨークの「グラウンド・ゼロ」からニーダムへ、3日がかりで自転車をこぎ続けたチャリティー・ライドの、仕上げのイベントだそうだ。
「11日を超えて」は今、バーミアンに「竜の谷・婦人センター」を建設する計画を進めており、そのための資金集めが、きょうのニーダム周遊サイクリングの目的。
スーザンさんと一緒に、長男のベン君(12歳)もサイクリングに参加するが、ベン君はベン君なりに、新しいプロジェクトを考えている。
それは、アフガンの女性たちが縫い上げたサッカーボールを震災被害を受けたハイチの子どもたちに贈るプロジェクト!
(アフガンの未亡人たちが縫ったサッカーボールのブランド名は、「ドスティ」。現地の言葉で「友だち」の意味だそうだ)
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スーザンさんたちの、「竜の谷・婦人センター」に続く、次なる目標は、アフガン未亡人のためのマイクロ・ファイナンス(小口融資)事業と、助産婦さんの養成事業の立ち上げだ。
大地を踏みしめ、前へ向かって、着実な歩みを続ける、「11日」を超える運動!
ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ニコラス・クリストフさんが、「11日を超えて」運動について、こんなふうに書いていた。
それは「最も思いがけなく、最も人々を励ます」ものだと。
ほんとうにその通りだと思う。
スーザンさんはクリストフ記者に、「私たちだけでアフガンを変えれるなんて思わないけど、でも、どこからか、変えることを始めなきゃ」と語っていたが、それも、ほんとうにその通りだ思う。
「11日を超える」運動は、女性の連帯の中で、何事かを何処からか始める――テロをもとから断つ、命と平和の運動である。
〔参考〕
http://www.nytimes.com/2010/09/09/opinion/09kristof.html?src=me&ref=general
http://www.boston.com/news/local/massachusetts/articles/2010/08/04/two_911_widows_raise_funds_to_help_bereaved_afghan_women/
http://www.boston.com/yourtown/news/needham/2010/08/needham_woman_to_receive_presi.html
http://www.boston.com/lifestyle/family/articles/2010/08/21/911_widow_susan_retik_shares_a_bond_with_afghan_women/
Posted by 大沼安史 at 08:33 午前 3.コラム机の上の空 | Permalink

















