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2010-09-18

〔コラム 机の上の空〕  「最大不幸社会」の「有言実行内閣」

 自分が組閣したルンルン新内閣を「有言実行内閣」だと、菅直人首相自身が言ったと聞いて、唖然とした。

 「有言実行」?――政治家として当たり前のことではないか?

 こんなキャッチにもならないコピーを、ぬけぬけと、とくとくと、恥ずかしげもなく語るコトバの貧しさ。うつろで、やりきれない言語感覚。

 そこからは、「実行」に移すべき「有言」の「言」は聴こえて来ない。

 「何を」がない。救いも希望も、何も聴こえて来ない。

 ♪♪♪♪

 あるとすれば、先の参院選で突如、口走り、大敗を喫した、あの「消費税10%へアップ検討」公約の「言」……くらいか?

 いや、沖縄の辺野古の海を破壊すると宣言した、「日米共同声明」の「有言実行」も、あるな……。

 いずれにせよ、日本・沖縄の民衆にとっては、ありがたくもない「お言葉」ばかりだ。

 それを断固、「有言実行」するというなら、菅首相よ、日本の民衆は次の総選挙で、こちらも断固たるレッドカードを君に突きつけることだろう。

 いや総選挙の前に、民衆はプロテストを始めるかも知れない。

 ♪♪♪♪

 「有言実行内閣」です――としか言えない、この程度の宰相を持つしかない、かわいそうな日本。

 参院選で有権者の声に、生活苦にあえぐ人々の声に、沖縄の人々の悲鳴に耳を塞ぎ、一転、ケロリと、コトバに責任を持つ新内閣だと言ってのける、節操なき宰相しか持てない、かわいそうな日本。

 この国は「最小不幸社会」どころか、「最大不幸社会」に成り果ててしまった……。

 昔、「フォークル」が歌った、あの「悲しくてやりきれない」の歌が、どこからか聴こえてくるようだ。

  ♪ 悲しくて 悲しくて
    とてもやりきれない
    このもえたぎる 苦しさは
    明日も 続くのか

 ♪♪♪♪

 ネオリベ政治・経済路線が「急激な効果」を現し、この国は今、世界最悪レベルの格差社会に陥っている。

 その閉塞した「やりきれない苦しさ」の中で、人々はもがいている。老人も成人も子どもも、みんな苦しんでいる。

 ジニ係数をみればわかる。この国は「最大不幸社会」の国なのだ。

 それを「最小不幸社会」と言いくるめることはできない。

 その、日本の「不幸」を最小化するというなら、まずもって人々の「無言」の訴えに耳を傾けるべきだろう。

 そして「不幸」の在り処をさぐり、政策でもって不幸の根を断ち、「幸福」を少しずつ膨らませてゆく……。

 どん底にあえぐこの国の政治家だからこそ、あくまでも「最大幸福社会」を目指すのが、本来の筋ではないか。 

 ♪♪♪♪

 「有言実行内閣」と聞いて、ああ、この首相は、新内閣は消費税を上げるつもりなのだな、と反射的に思った国民は多かったはずだ。

 3%を5%に引き上げた時でさえ、あれだけ経済を冷やしたのだから、こんど、倍の10%を「有言実行」したら、景気が完全に底抜けするに決まっている…………。

 もっと暮らしを切り詰め、生活を防衛しなければ……。

 そんな不安を増幅させるだけの結果に終わった、今回の「有言実行」内閣宣言!

 何%かは知らないが、国民の不幸せが、またまた膨らんだことだけは確かである。

 ♪♪♪♪

 今日は秋晴れの一日だったが、どれだけの人が幸せな気持ちで空を見上げたことか?

  ♪ 胸にしみる 空のかがやき
    今日も遠くながめ 涙をながす
    悲しくて 悲しくて
    とてもやりきれない
    このやるせない モヤモヤを
    だれかに 告げようか

 
 (きっと何かに絶望して)この国を旅立って行った、加藤和彦氏のこの歌が――名曲すぎるこの歌が、空から聴こえて来る。

   ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=cyaC_5kMeXs

★ 追記

 読売新聞のネット報道を見て、またも、のけぞってしまった。
 
 菅直人が記者会見で、小沢一郎を新体制で起用しなかった理由について「小沢氏から『体力的に消耗した。しっかり支えるからポストは勘弁してほしい』と言われた」と説明した。
 ⇒ http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100918-OYT1T00149.htm

 これはトンデモ発言である。

 小沢氏の発言が仮に菅直人の言うとおりであったとしても、これは政治家として(小沢本人が言っていないことだから)絶対に言うべきことではない。

 政治家は体力勝負、健康第一である。
 なのに、「体力的に消耗した……勘弁してくれ」とは……。

 菅直人にとって、小沢一郎は「民主党の同志」ではなかったのか?

 この「もうア菅」の「小沢一郎の健康・体力にクエスチョンマーク」発言は重大である。

 政治家生命の致命傷を暴露するものだから。

 政治生命を奪うに等しい暴露……。

 菅直人としては、こう言って自分の再選を正当化したかったのだろうが、これは一線を超えた、絶対に言ってはならない「越権l発言」である。

 小沢一郎はきっと、この発言で最終的に菅直人を見限ったのではないか?

 菅直人に警告しておく。

 君も知ってるつもりだろうが、「政界」というのは奥が深いのだ。怖いのだ。

 今のところ、対米従属権力が検察に小沢を牽制させ、消費税アップを約束した君に対し支援を惜しまない姿勢を示しているが、サルコジの失脚を見越してドビルパンを復活させたフランスのように、時の権力をいうものは、二枚腰というか、懐が深いのだ。

 日本の権力は――「再選」で舞い上がった君のことを冷静に見ている。

 小沢をここまでコケにした君を、冷静に見ている……。

 ここまで君にコケにされた以上(君に「政治生命」まで奪われた以上)、小沢は必ず反撃に出る!
 

 それが彼らにとって好都合なら、(タイミングを見計らい)、彼らは君を見捨て、ポイ捨てして、小沢支援に回る!

 いいか、菅直人よ、いまからでも遅くはない、小沢一郎にわびを入れることだ。それも、世間のみんなが見ている前でわびを入れることだ。

 検察に圧力をかけ(たとえば検事総長を民間人に入れ替える、といって)小沢を救うのだ。

 そして、対霞ヶ関&対アメリカ・ダブル「従属」路線にオサラバする!
 
 君が生き延びる道はそれしかない……。 

Posted by 大沼安史 at 05:15 午後 3.コラム机の上の空 |

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