〔いんさいど世界〕 地球を冷やす?ウイスキー
仙台もまた、9月になっても「30度プラス」続き。
でも、日中に浴びる「水シャワー」の水温は8月と比べ、すこし冷たくなって……。
水源地あたりの山には、遅い秋が忍び寄っているようですね。
そう、その、奥羽山脈の山懐に抱かれた、緑豊かな「宮城峡」は、ニッカ宮城峡蒸留所のある、日本のウイスキーのふるさと。
⇒ http://www.nikka.com/reason/introduction/miyagikyo/
そこで今朝は、残暑を吹き飛ばす(そして、地球温暖化防止に、ちょっと貢献しそうな)ウイスキーの話題を、冷えたオンザロックで、ちびり、ひと啜り――。
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ウイスキーといえば、スコッチ。スコッチのスコットランドは、ニッカの創業者である竹鶴政孝氏が学んだところとしても有名です。
そのスコットランドのエディンバラのナピール大学の研究チームが、最近、地球環境を守る、ウイスキーの活用法を発見、実用化への道を切り拓きました。
ウイスキーそのものを利用するのではなく(そんな、もったいない!)、蒸留過程で産み出される液体と、ウイスキーを産み出してしまった穀粒の使いカスを原料に、バイオ燃料(生物燃料・植物燃料)を――ブタノールを生産する技術を開発したそうです。
このウイスキーづくりから産み出されるブタノールって、エタノールっていうバイオ燃料より、30%もハイパワーなそうなんですね。
EU(欧州連合)では2020年までに、バイオ燃料の比率を10%まで上げる予定。
これに「ウイスキー」がどれだけ貢献できるかはこれからの課題ですが、原料になる副産物の年間排出量は液体が16億リットル、カスが18万7千トンに達するそう。
さすが、スコッチ、ウイスキーの本場ですね。
⇒ http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-edinburgh-east-fife-10998281
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/aug/17/whisky-biobuel-scotland
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で、なぜ、このウイスキー・バイオ燃料が注目を集めているか、というと、サトウキビといった農作物を原料とするものではないからです。
つまり、フード(食料)を「油」にしてしまうわけではない。
その分、食料を減らし、食料危機を招くものではないからです。
インドのエコロジストで有機農業の実践家でもある、ヴァンダナ・シヴァ女史(博士)によれば、「バイオ燃料」にはさまざまな問題点があるそうですが、たとえ原料が食料にならない植物であっても、栽培のための森林破壊その他で、地球環境破壊に拍車をかける、マイナス面を持っているそうです。
シヴァ女史が実例としてあげているのが、インドで栽培が進もうとしている、「ジャトロファ」という植物の栽培。
これは元々、中米産で、人間も動物も食べない植物ですが、インドではこれをバイオ燃料とする動きが広がって生態系の破壊につながり、大問題になっているそうです。Soil Not Oil、参照。
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でも、「ウイスキー・バイオ燃料」はもともと捨てるものだから、そんな心配はない。
思わず、「乾杯」したくなっちゃいますね。
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ところで、スコットランドといえば、「ウイスキー」だけではなく「名曲」のふるさとでもありますよね。
で、僕も、BBCのラジオ・スコットランドの歌番組(インターネット放送)を時々、聞いているんですが、⇒ http://www.bbc.co.uk/programmes/genres/music/jazzandblues/player/episodes
番組のホストの方(イアン・アンダーソンさん)が、少し前、こんなエピソードを紹介していました。
作家のヘミングウエーがエディンバラに来て、最高級のスコッチを飲んだ時、こう言ったんだそうです。
「うまい! 日本のウイスキーに負けない」と。
はは、愉快、愉快!
秋の夜長を、宮城峡産のニッカをちびり、ちびりやりながら、読書でもして楽しもうではありませんか!
ロックもよし、水割りもよし。
日中の残暑を忘れ、夜風を通しながら、地球を冷やす(?)ウイスキーを友として……。

















