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2010-07-02

〔いんさいど世界〕 美しすぎるロシア人女性“スパイ” 寒すぎるFBIのアナクロ“捕り物劇” 「コーポレート・エスピオナージ(企業諜報活動)」を誤認の可能性

 ロシアのメドヴェージェフ大統領が訪米し、ワシントンでオバマ大統領と「差し」でハンバーガーにパクついた直後、「米露ハネムーン」に水を浴びせるように、FBI(連邦捜査局)が、ロシア「スパイ団」摘発という、青天のヘキレキ花火を打ち上げた。

 キプロス島で行方をくらましたクリストファー・メトロスというカナダ人男性(56歳)をリーダーとする(という)「ロシア・スパイ団」11人。

 その中の一人、アンナ・チャップマンさん(28歳)というロシア人女性が「あまりにも美人すぎる」ものだから、アフガン戦争も、メキシコ湾の海底油田大噴出も、そっちのけの大騒ぎになっている。
 アンナ・チャップマンさんのユーチューブ映像 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=isom010hUz8&feature=related

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 で、このアンナ・チャップマンさんだが、「寒い国から来たスパイ」らしからぬド派手な社交人。   

 「フェースブック」には自分の写真を90枚以上もアップ、ネットの自己紹介サイトでも、自分の経歴を包み隠さず(?)紹介し、ロンドンの銀行で働いていた時は「奴隷でした」などと書いている開けっぴろげな女性だ。
 アンナ・チャップマンさん自己PR ⇒ http://www.linkedin.com/in/chapmananna

 そんなアンナさんの実像に迫ったのが、英紙ガーディアン。
  ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jun/30/anna-chapman-russian-spy-ring/print
    http://www.guardian.co.uk/world/2010/jun/30/anna-chapman

 それによると、彼女はケニア大使を務めたロシア人外交官の令嬢で、もともとの名はアンナ・クチェンコ。
 第2次世界大戦中、東部戦線の関が原、スターリングラードの死闘が繰り広げられたそのスターリングラード、改名してヴォルゴグラードの生まれ。

 モスクワの大学での学生時代は「パーティー・アニマル(宴会動物)」として鳴らし(同級生の証言)、「ニルバーナ」の歌を聴き、しわくちゃジーンズ、黒のTシャツのパンカーとして青春を謳歌しまくっていたそうだ。

 大学卒業後、ビジネスの世界に飛び込み、オンラインの不動産サイトを設立(今も継続中)、その後、ロンドンに移って、英国人男性と結婚、ヘッジファンド、銀行を渡り歩いて経験を積んだあと、新たなビジネスチャンスを求め、アメリカに渡ったという、華々しいキャリアの持ち主だ。

 「グレート・ネットワーカー」(「大蜘蛛女」……意訳し過ぎ???)……つまり、人間関係づくりに卓越した女性――これが、彼女を知るビジネスマンの証言である。

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 そんな「美人すぎる」「偉大なネットづくりの名人」のアンナさんが、どうしてFBIに捕まるようなことになったのか?

 ガーディアン紙によれば、アンナさんの方からニューヨークの警察分署に、「通報」しに行って、なぜか御用になってしまったのだ。

 警察分署に出頭する前、アンナさんにFBIの「オトリ捜査官」が「ロシアのエージェント」を装って接近、偽造パスポートの受け渡しに協力するよう求め、スパイ・ネットワークをつくってくれないか、と持ちかけた。

 アンナさんは一応、同意するふりをしたあと、次の「エージェント」との会合をすっぽかし、ニューヨーク市警の第1分署に駆け込んで通報したのだった。

 そう、つまりアンナさんは「美人すぎる冤罪被害者」!

 FBI側の主張によると、アンナさんはことし1月以降、ロシア政府職員と定期的に合い、ロシア大使館員を装ったFBIの「オトリ捜査官」と合ったあと、偽名と架空の住所で携帯電話を購入した(怪しい!)とされているが、ケータイ購入の際、アンナさんはなんと自分の住所を「フェイク・ストリート(Fake Street)99」と記入しているのだ。
 ニューヨーク・タイムズ紙報道
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/06/30/nyregion/30couples.html?_r=1&hp 

  「フェイク・ストリート(Fake Street)99」――そう「偽通り99番地」。フェイク(偽)ですよ、自分から言っているようなもの。
 美空ひばりさんなら「あ~ら、馬鹿ねえ~。私なら、港町13番地って書くわよお」と、きっとあきれて言うような、スパイらしからぬ所業ではあるのだ(う~ん、スパイも「美人すぎる」と、こうなるのかな~……?!)

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 上記のニューヨーク・タイムズ報道によると、「スパイ団」11人の中には「スパイ・カップル」3組が含まれ、ニューヨーク、ボストンの郊外の高級住宅地(サバービア)で暮らしていたそうだが、それだけで「ロシアのスパイ」と断定するのは、ちょっと無理があるよう。

 そのうちの1組、ニュージャージーのヨンカースに住むラザロさん夫妻は、旦那さんが大学で左翼的な発言を繰り返し、奥さんもスペイン語の新聞に米国に批判的なことを書いていた人。

 当局に目をつけられることを自らすすんで仕出かしているわけだから、アメリカ社会にもぐりこんでじっと息を潜め、諜報活動に従事する「スリーパー」的本格派スパイとしては、「失格」というか「愚の骨頂」である。

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 こうなると、このFBIの「ロシア・スパイ団」大捕り物劇、なんだか嘘っぽく感じられるが、FBIによる「プロパガンダ」だと主張しているのは、現在、ドイツ・デュッセルドルフに住む、英国諜報機関、「MI5」の元エージェント、アニー・マションさん。
 彼女にかんするWiki ⇒ ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Annie_Machon

 アニー・マションさんはMI5のカダフィ暗殺未遂事件関与などに抗議し、MI5を辞職した人で、「9・11」の真相究明も求めている、世界的に有名な「ホィッスルブローラー(警告笛吹き人=内部告発者))。

 その彼女が、ロシアの英語国際テレビ放送、RT(ロシア・ツデー)に出演し、
 ①オバマ政権の米ロ接近を望まない米政府内の強硬派の存在②このところ落ち目のFBIの巻き返し――など、さまざまな問題が今回の事件の背景にあると指摘し、FBIによる「でっち上げ」の可能性を示唆したのだ。
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=-wFWXWrY4Rk&feature=related 

 このアニーさんの主張には、あの「9・11」内部告発者の元FBI職員、シベール・エドモンズさんも、きっと頷いているに違いない。

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 こうなると今回の「ロシア・スパイ団」大摘発事件、あの「赤狩り(マッカーシー時代)」「ピースニク狩り」(ベトナム戦争時代)の「栄光と夢よ、もう一度」とばかりに、間抜けなFBIが仕掛けた「一大政治ショー」――との線が濃厚になるが、エリオット・ネス以来のアンタッチャブルな伝統を誇るFBIのために一言、申し添えれば、FBIがこのところ欧米のハイテク・金融業界を中心に激化する「コーポレート・エスピオナージ(企業諜報活動)」を「ロシア政府の諜報活動」と「誤解」し、「美人過ぎるアンナさん」を軸に無理やり「点と線」をつないだ――との筋書きを考えられる。

 なぜ、こう思うかというと、アメリカでは「冷戦」終了後、スパイ関係者が野に下り、「諜報企業」を次々に設立、果ては旧ソ連のKGB関係者まで米国で「起業」している現実があるからだ。

 (ことしになってアメリカで出た、Broker, Trader, Lawyer, Spy: The Secret World of Corporate Espionage(Eamon Javers著)を参照。⇒ http://www.amazon.com/Broker-Trader-Lawyer-Spy-Corporate/dp/0061697206/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1276991364&sr=8-1

 報道によれば、「美人過ぎるアンナさん」は、ことし3月、スタンフォード大学で開かれたテクノロジー・フォーラムに「潜入」していたそうだが、もしかしたら彼女、「コーポレート・エスピオナージ」の企業(ロンドン郊外にも続々と設立されている)に操られた人だったかも知れない。
 (企業諜報機関が「お国のためだ」と「愛国心」をくすぐり、エージェントに仕立て上げるのは常套手段である……)

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 蛇足にもう一個、トンデモ筋書きを――。

 落ち目のFBIが、ワシントン郊外にある民間スパイ会社に「ロシア・スパイ団」事件の「立ち上げ」を依頼、摘発に成功した自作自演(ロシア当局のふりをした何者かによる他作熱演)劇――かも???

 美人過ぎると、ついつい考え過ぎてしまう……!!!???

Posted by 大沼安史 at 10:53 午前 1.いんさいど世界 |

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