« 〔ビデオ NEWS〕 ニューヨーク・タイムズ電子版 日本の「外国人研修生」問題ビデオ | トップページ | 空から歌が聴こえる Keep You Happy »

2010-07-26

〔速報 重要NEWS〕 「アフガン戦争」の残忍と悲惨、明るみに! ウィキリークス 米英独のメディアと連携し、米機密文書を大量9万件 暴露! タリバン 対空ミサイルとIEDで攻勢 ベトナム化の様相 米NATO軍、「バス」や「結婚式」を掃射! 

「ウィキリークス」は英紙ガーディアン、独誌シュピーゲル、米紙ニューヨーク・タイムズの欧米主要3メディアと連携し、アフガニスタンを戦争をめぐる米軍・米政府の機密文書を公開した。Wiki ⇒ http://wikileaks.org/ 

 イラク駐在の米軍情報アナリスト(米軍によって拘束中)が内部告発で漏洩した機密ファイルと見られる。メディア3紙(誌)は、「ウィキリークス」が保持する機密ファイルにアクセスを許され、内容を一斉に報じた。

 米諜報機関の追及を逃れ、地下に潜伏中の「ウィキリークス」の指導者、ジュリアン・アサンジ氏は、欧米の有力メディアと組んだ理由は、わずらわしい訴追などを免れるため、としている。

 今回、「ウィキリークス」が、3メディアにアクセスを許可した機密ファイルは、アフガン戦争における9万件を超える報告書を含む。

 英紙ガーディアンの電子版での詳報( ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/series/afghanistan-the-war-logs )によると、今回暴露された機密文書には以下の内容が記されているという。

 • タリバンの指導者狩りをしている米軍の特殊部隊の「暗黒」ユニットが、裁判なしに「殺害、あるいは逮捕」している、そのありさま。
 • タリバンが実は致命的な威力を持つ対空ミサイル(熱追尾型)を保持している、その実態。

 •  米軍が米本土ネバダからの遠隔操縦で、「リーパー」無人攻撃機を使ってタリバンを狙い撃ちしている、その実態。

 • タリバンがIED(路肩爆弾)で大規模に拡大し、それがすでに現地民間人に2000人以上もの犠牲者を出している事実。

 このうち、タリバンが地対空のミサイルを保有し、反撃に出ていることは、これまで米軍の報道管制でまったく明らかにされていなかったことで、この暴露で、米軍・NATO軍の「苦戦」の理由が――アフガンのベトナム化の理由がハッキリした。IEDと対空ミサイル……タリバンのゲリラ戦により、「アフガンのベトナム化」が進行している実態が明確に示された。

 こうした苦戦の中で、米軍によるアフガン民間人の殺害事件(軍事用語では「白地に青」というそうだ)も増加、暴露された文書には、「144件」も事例が記されている。
 この中にはすでに明るみに出た、アフガン人の抗議デモに対する空からの攻撃も含まれているが、自爆テロに怯えた米兵によるアフガン人射殺事件も含まれている。

 これにより、すくなくとも195人のアフガン民間人が死亡、少なくとも174人が負傷している。ただし、この数字には、米兵による日常的な「スナップショット(気まぐれ射撃)」による犠牲は含まれていない。

 虐殺事件の具体例として、ガーディアン紙は、フランス軍によるバスに対する機銃掃射事件、米兵によるバス掃射事件(15人死亡)、ポーランド軍による結婚式に対する砲撃事件(妊娠中の女性が死亡)、英軍によるカブールでの射撃事件の4つの事例を挙げている。

 バスや結婚式に向かって機銃を掃射、砲弾を発射!――この米・NATO軍の残虐行為は国際司法法廷で裁かれてしかるべき、重大な戦争犯罪である!

   暴露文書の中には、アフガン人死者一人につき、日本円で約20万円を、「10万人」分(そう、10万人!!!)、支払ったとの記録もあるそうだが、人命は金に換えられない。

 以上の内容は ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/afghanistan-war-logs-military-leaks
 
 一方、今回の暴露で、CIA(米中央情報局)の軍事組織(パラミリタりー)が、アフガン民間人の殺害に関与している実態も明るみに出た。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/afghanistan-civilian-deaths-rules-engagement (なお、この記事には、前述した、バス掃射事件、ポーランド軍の結婚式に対する蛮行などが詳しく書かれている)

 この秘密の部隊は、 OGA(other government agency=「別の政府機関」の意)と呼ばれるもので、暴露された文書には、2007年3月、アフガン高地のマレクシャイ村での掃討作戦の模様が書かれている。口と耳の不自由な男性が訴えるすべなく逃げようとしたところを撃ったのだ(命をとりとめる)。

 情報機関のCIAの軍事化はブッシュの時代に一気に加速化したものだが、OGAなどという、ふざけた名前の秘密部隊がアフガンで暗躍していることは、これまで報じられていなかった。「9・11」をテコに軍事テロ国家に変身した米国の実像がまたひとつ浮かび上がった。

 また、ガーディアン紙は、暴露文書で、タリバンのIEDが、アフガン戦争における最大の殺傷兵器になっている実態を報じている。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/ieds-improvised-explosive-device-deaths

 米軍・NATO軍を狙ったものだが、アフガンの民間人が犠牲にあるケースも多発。上記リンクの記事に、IEDで顔を焼かれたアフガンの少女の写真が添えられている。

 昨年、敷設されたIEDは、7155発。2004年の308発と比べると、その激増ぶりが分かる。タリバンは昨年8月、3日間にわたって、連日、33~37発のIEDを爆発させている。

 今回、暴露された機密文書では、特殊部隊、タスクフォース373のタリバン狩りの実態も白日の下も曝け出された。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/task-force-373-secret-afghanistan-taliban

  また、米国の同盟国であるはずの、パキスタンの情報機関ISIが、タリバンを軍事的・金銭的に支援し、ISIの諜報員が米軍兵士に毒入りビールを飲ませようとしたことなども暴露されている。 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/pakistan-isi-accused-taliban-afghanistan

 これだけの事実が、軍事機密として蓋されていたのだ。アフガンもベトナムと同じ、泥沼の負け戦……これが明るみに出た以上、オバマ政権としてもアフガン戦略を根底から見直さざると得ないだろう。

 今回の英独米3メディアの報道は、しかし、「ウィキリークス」が保持している、アフガン秘密ファイルの全てではないと思われる。

 中でも公開が待たれるのは、「米軍によるアフガン人掃射虐殺実写ビデオ」である。これはアサンジ氏が存在を認め、公開を予告しているもの。

 アサンジ氏は、今回の3メディアの報道を、全世界の人々(読者)が「吸収」したころを見計らって、ウェブでの公開に踏み切るはずだ。

 米軍よ、驕るなかれ! 世界の民衆の反撃を、思い知るがよい。

 私たち日本人は、アフガン戦争の現実を知り、日本の同盟国の軍(米軍)による戦争の実態を知った以上、日米安保条約の廃棄通告に踏み込むべきである。

  65回目の「敗戦の夏」が来る。ことしは「60安保」の50周年……――。

〔本ブログ関連記事〕

 「イラク・ヘリ掃射ビデオ」漏洩などの容疑で米陸軍特科兵、ブラッドレイ・マニングさんを訴追
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/07/post-a0fe.html

 「米軍ヘリ虐殺ビデオ」をウィキリークスへ漏洩したとされる米陸軍情報アナリスト、ブラッドレイ・マニング氏(22歳)をめぐる「点と線」 誰がこの内部告発の「英雄」を嵌めたのか? フリー記者、グレン・グリーンワルド氏の調査報道レポートから浮かび上がった疑惑
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-6316.html

  ウィキリークス アサンジ氏に「生命の危機」 エルズバーグ博士が指摘
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-8875.html

  ウィキリークス指導者 米軍によるアフガン民間人140人殺戮ビデオ入手をメールで確認 国務省機密文書については否定
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-41aa.html

  米軍ヘリ、イラク民衆機関砲掃射ビデオ ウィキリークス漏洩の疑いで22歳の米陸軍情報アナリストを逮捕 ペンタゴン 流出情報のさらなるネット公開を恐れ、ウィキリークスの指導者を追跡
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-49ed.html

  隠蔽工作を打破 真実を報道 「ウィキリークス(WikiLeaks)」のネット情報レジスタンス
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/04/wikileaks-30d3.html

  バグダッド郊外 米軍アパッチヘリ 住民ら10数人を30ミリ機関砲で掃射・虐殺 内部告発ビデオを「ウィキリークス」が公開
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/04/post-42e9.html  
 

Posted by 大沼安史 at 10:21 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔速報 重要NEWS〕 「アフガン戦争」の残忍と悲惨、明るみに! ウィキリークス 米英独のメディアと連携し、米機密文書を大量9万件 暴露! タリバン 対空ミサイルとIEDで攻勢 ベトナム化の様相 米NATO軍、「バス」や「結婚式」を掃射! :