« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

2010-07-31

〔NEWS〕 ロシアの森が燃えている! 24万人が避難 木造民家1257戸焼失 トルストイよ、「緑の杖」で、世界の無能な指導者たちに、目覚めの「渇~っ」を!

 熱波にあえぐロシアで、森が燃え続け、ピート(泥炭)が燻り続け、すでに24万人が避難しているそうだ。
 ⇒ http://www.abc.net.au/news/stories/2010/07/31/2969640.htm?section=world

 豪ABCテレビのサイトに掲載されていた、ロシア発のロイター電で知った。
 2年前の夏、世界ではじめて熱波による大規模「森林火災インフェルノ」を経験したオーストラリアの人たちにしたら、他人事ではないのだろう。
 次の夏、こんどはまた、オーストラリアが……と不安を覚えるのも当然のことだ。

 ロイター電には、燃える自宅の前にたたずむ、自宅モスクワの南500キロ、マスロフカの女性(52歳)の声が引用されていた。「何処へ行ったらいいか。消防へ通報したけど、誰も出てくれなかった」

 燃えるロシアの森。焼失家屋(民家)1257戸。

 トルストイアンの私としては、モスクワの200キロ南にある、あのヤースナヤ・ポリャーナが気になる。
 8月には、トルストイの100年忌で、子孫らが全世界から集まるというのに、あの白樺の並木道は大丈夫だろうか。

 ロシアでは農業地帯の一部で旱魃被害が広がり、小麦の世界価格を引き上げているそうだ。
 熱波と旱魃のおかげで、ロシアの農家数千戸が破産の危機に立たされているという。

 プーチン首相もモスクワで会議の予定をキャンセル、被災地に飛んだそうだ。

 「暑さ対策は熱い紅茶が一番」などととぼけたことを言っていたプーチンさんだが、事態の深刻さにようやく気付いた、ということか。

 米国のオバマ政権はもちろんのこと、プーチンさんもまた、そして日本の菅直人政権も、おのれの保身にばかり「熱を上げ」、この待ったなしの「地球暑熱化の危機」に、まともに向き合おうとしない。

 トルストイさん、化けて出て来て、あなたの「緑の杖」で、世界の先進国の指導者たちの無責任ボンクラ頭に、「非暴力主義的・渇~ッ」を加えてくれませんか!? 
  

Posted by 大沼安史 at 08:10 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-30

〔ビデオ NEWS〕 マリーンは悲しからずや  アフガン戦争 米海兵隊の苦闘 英ガーディアン電子版が戦闘実写ビデオ

 英紙ガーディアンの電子版に、「アフガン戦争最終段階」と題する米軍部隊実戦従軍実写ビデオ(15分)がアップされた。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/video/2010/jul/29/afghanistan-war-us-military

 「ガーディアン・エンジェルズ(ニューヨークなどの自警パトロール・ボランエィア)」を自称するヘリ救出部隊が、戦闘現場で倒れた兵士を収容し、必死になって応急・延命措置を施す。
 (ビデオの冒頭と最後の2シーン。冒頭のシーンでは延命に成功したが、ビデオの終わりのシーンでは、残念ながら、そうではなかった。救助活動後、基地に戻ったヘリの、内部に残った死亡兵士の血を水で流し、消毒液を降り注ぐ、救助隊員のその姿! 警告・残酷なシーンあり!)

 ビデオにはIED(路肩爆弾)の探索活動、爆破シーンも含まれているが、圧巻は何といっても、海兵隊の中隊に同行し、実際の戦闘場面を実写した部分だ。

 この日の戦闘で1人が負傷(生存)したが、この海兵中隊は2週間後、3人を失った。また、この数日前にはIEDの爆発で、1人が死亡した。

 基地での戦死した戦友の追悼式が行われた。
 
 戦友の死を悲しむ若い海兵たち――胸が痛んだ。

 ビデオに登場したヘリ救助隊も、撮影の2日後、1機がロケットで撃墜され、4人が死亡したという。
  
  激戦地・ヘルマンドで、海兵隊は20キロ前進するのに、1年もかかる苦戦を強いられている。

 アフガンも真夏。マリーン(海兵)は5リットルの水を携え、今日も戦場へ向かっている。

 末期的な症状のアフガン戦争。
 戦場で戦闘を強いられるマリーンたちの心の中には、恐怖と怒りと、そして多分、悲しみもあるはずである。

Posted by 大沼安史 at 08:04 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-29

空から歌が聴こえる  The Cloud Factory

 国連で「水は人権」宣言採択! うれしいので、とっておきの曲を。

 雲工場(こうば)って、地球のことじゃないかしら。

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/07/the-cloud-facto.html

Posted by 大沼安史 at 10:01 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 「コチャバンバ水戦争」のボリビア民衆の勝利から10年 国連で遂に「水は人権」宣言を採択!

 国連の総会で28日、南米のボリビアをはじめ32カ国が共同提案していた、「水と衛生を世界的な人権と認める」宣言が、賛成122ヵ国、反対0、棄権41ヵ国の圧倒的賛成多数で採択された。
  国連サイトのロイター電 ⇒       http://www.un.org/News/Press/docs/2010/ga10967.doc.htm
  BBC ⇒ http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-10797988

 1948年の「世界人権宣言」から62年ぶりに、新たな「人権」が生まれた。歴史的ともいえる、この「記念すべき、水は世界のあらゆる人々の基本的な人権」(IPS通信)宣言!
  ⇒       http://www.un.org/News/Press/docs/2010/ga10967.doc.htm

 米国主導の新自由主義によるグローバルな「エコ(天然資源)収奪」の防波堤になり得るもので、生命の源であり生命線である「水」に対する人々の権利が、国連の宣言のかたちで、初めて確認された。

 気象変動などで、水不足にあえぐ世界の人々、20億人近く。半径1キロ以内の生活圏に水のない人、30億人。安全な飲み水にアクセスできない人、8億8400万人、安全な水、衛生的な水を飲めずに死んで行く5歳以下の乳幼児、毎年150万人……。

 「水の人権宣言」は、こうした、安全な水へのアクセス確保とともに、宣言提案国、ボリビアの民衆が10年前、闘いに勝利を収めた、人々の「水の権利」を破壊し、収奪の対象とする「水(道)の商品化」に歯止めをかける「分水嶺」となるもので、それが採択された意味は大きい。

 ###

 今回の「水の人権宣言」を結実した流れは、南米ボリビア、第三の都市、コチャバンバで生まれた。
  コチャバンバ Wiki ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%90

  今から10年前、2000年1月から4月にかけ、世界的にはあまりにも有名で、日本ではあまり知られていない「コチャバンバ水戦争(Water War)」が繰り広げられた。
  デモクラシーNOW ⇒ http://www.democracynow.org/2010/4/19/jim_shultz_on_dignity_and_defiance
  Wiki ⇒ http://www.democracynow.org/2010/4/19/jim_shultz_on_dignity_and_defiance

 財政危機に苦しんでいた当時のボリビア政府が、世界銀行に救済を求めたのがそもそもの始まり。

 世銀はボリビアの国営企業(鉄道、通信など)の民営化(多国籍企業への売り飛ばし)に加え、コチャコバンバの水道事業の民営化を要求。

 入札という名のせり(競売)の結果、アメリカの巨大建設企業、べクテル社を中心とする多国籍企業が落札。

 利益を確保しようとして、多国籍企業は水道代にダム建設費を上乗せしたことから、月の水道代が平均20ドル(一般家庭の1ヵ月分の食費に相当)に跳ね上がり、民衆の怒りに油を注いだ。

 抗議行動は当初、貧しい都市住民の間から湧き上がったが、農民、労働者、学生らも合流、ゼネストで闘う大レジスタンスに発展した。
 政府当局も警官隊(後に自ら賃上げを要求、出動した軍の治安部隊に催涙ガスで抵抗した)や軍隊が出動させ、戒厳令で鎮圧を図ったが、同年4月8日、17歳の高校生、ヴィクトル君が顔に被弾して死亡する悲劇が起きたことで民衆の怒りは頂点に達し、ついに政府側が折れ、民営化を撤回することで事態を収拾した。

 「コチャバンバ水戦争」は遂に、民衆の側が勝利を収めたわけだが、それは民衆による、米国主導の新自由主義グローバル支配を跳ね返す勝利でもあった。

 このコチャバンバのレジスタンスの指導者、労働者のリーダー、オスカー・オリヴェラ氏は、2年後の2006年、闘いを振り返り、こう語っている。 ⇒ http://www.guardian.co.uk/society/2006/jul/19/comment.guardiansocietysupplement

 「それは、あらゆるものを商品化する論理に対する闘いでした……民衆は気付かなければなりません。多国籍企業と富裕な国の政府は今も、水を商品に変えようとしているのです」

 ###

 この「コチャバンバ水戦争」のもう一人の立役者は、農民運動家のエヴォ・モラレス氏。ボリビアの現大統領、モラレス大統領、その人である。

 今回の国連「水は人権」決議は、このモラレス大統領の主導で提案されたものだが、モラレス大統領は「水戦争」の10周年を記念して、ことし4月19~22日の4日間、コチャバンバで「気象変動と母なる地球の諸権利のための世界民衆サミット」で開催、「国際気象法廷」の新設などを呼びかける宣言を採択した人でもある。
  ⇒  http://www.guardian.co.uk/environment/2010/apr/23/cochabamba-climate-court
   http://pwccc.wordpress.com/

 「水」の確保は地球環境の保全なしにあり得ないこと。ボリビアもアンデス山脈の氷河が地球温暖化で消滅の危機にあり、全世界から実に3万人の参加者を集めた、この「コチャバンバ世界民衆サミット」は、地球温暖化を阻止する闘いと「人権としての水」を結合する場所となった。

 ###

 26日の国連総会での採決で、さすがの米国も「反対」の意思表示はできず、「棄権」に回った。

 ①「水の権利」は現行の国際法の体系にはない②ジュネーブの国連人権委で検討中で、結論がでていない問題だ――の2点が「棄権」の理由だが、日本の菅直人政権も米国に追随し、棄権した。

 このことは、われわれ日本人として銘記しべきことだし、政府の「棄権」理由は問いたださなければならない。
 (国連のサイトの記事 ⇒ http://www.un.org/News/Press/docs/2010/ga10967.doc.htm
 によれば、日本政府代表は、①コンセンサス(全会一致)による採択でなかったことは遺憾だ。日本政府は世界最大の水セクターにおける援助者である②日本はジュネーブ(国連人権委での)プロセスを支持するとともに、クリーンな水に関する消耗した議論が行われたこと、十分な衛生問題が決議案が出される前に留意されたことに対し、深い遺憾の意を表する、との演説を行った。一体、どういうことなのか、日本のプレスはその意味、背景、事の真相に迫るべきである)

 「水の権利」を侵害するものは、ダム問題、水質汚染等、日本にもたくさんある。菅直人政権は、水を奪うもの、水を汚すものを守ろうと言うのか!

 なぜ、国連総会で、たとえば欧州連合やドイツ、スペインとともに「賛成」票を投じなかったのか、政府には説明責任があるだろう。

 ###

 「水」は私たちの命を育む、地球環境からの大切な贈物である。

 しかし、その「水」が危ない。温暖化による気象変動での旱魃被害。コチャバンバで起きた多国籍企業による「水の商品化=水道の民営化」の、インドなどでの再現――。

 「水は人権」決議は、こう宣言している。

 「安全でクリーンな水と衛生に対する権利を人権と宣言する。それは十全なる生きる喜びと、あらゆる人間の諸権利にとって本質的なものである……」
  ――Declares the right to safe and clean drinking water and sanitation as a human right that is essential for the full enjoyment of life and all human rights; 

 これは名言である。生きる喜びと、人間の自由、平等など諸権利の土台になければらない本質的なもの――それが「水の人権」だと言い切っているのだから。

 アンデスに聳えるトゥナリ山に発するコチャコバンナの流れは、新時代の流れとなって、新自由主義の荒れ狂う地球の荒れ野を癒し、潤し始めた。

Posted by 大沼安史 at 09:05 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 岡田外相記者会見 ウィキリークス 米・NATO軍の「アフガン戦争・対民間人テロ」暴露問題で質問したのは、フリーの上杉隆氏、ただ一人

 アフガン戦争に関する米軍機密文書が大量に暴露され、アメリカのアフガン戦争がアフガン人に対するテロと化している実態が明るみに出た。

 日本政府は、海上給油活動を行うなど、アメリカの「対テロ戦争」を支持・支援する立場を明確にして来たが、今回、戦争の実態が「対民間人テロ戦争」であることが明らかになったことで、どんな弁明を行うか、興味を持って、外務省公式サイトの大臣会見録を読んだ。

 27日に行われた岡田外務大臣の記者会見――。

 質問をしたのは、フリーの上杉隆氏、ただ一人だった。あれほど、「テロとの戦い」を叫んで来た、主流メディアの記者は、誰一人、質問に立たなかった。

 以下は、外務省の会見録による、機密文書暴露問題に関するやりとり。

 民間サイトによる米国内部資料の公開
【フリーランス 上杉氏】先日ですが、米国の内部告発サイトのウィキリークスで、アフガニスタンに関する軍事作戦の機密情報が一部公開されました。それに基づくと、かなりこれまでの米国の政府の報告と違う部分があると思われるのですが、この内容によって日本政府のアフガニスタンへのいわゆる政策、それから、テロ特措法も含んだ部分について変更の可能性はあるのかどうかをお聞かせください。

【大臣】まず、その中身を詳細に承知しているわけではございません。分析をしたわけではございません。そういう段階ですから明確なお答えは非常にしにくいのですが、そもそも漏れたものが、それは事実なのかどうかということについても確認されておりませんので、特にそういった状態でコメントするのは適切でないと思います。

 上杉氏以外、誰一人、追及しようとしない、日本のジャーナリズムの、この現実!

 ⇒ http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_1007.html#5

Posted by 大沼安史 at 11:23 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-27

〔NEWS〕 山村を精密誘導爆弾で誤認空爆、村人「(最大)300人」が死亡 自動車爆弾攻撃を受けた海兵隊が壊走中、16歳の新妻ら民間人を手当たりしだい掃射 ウィキリークス公開の「米軍アフガン機密文書」 英紙ガーディアン、内容の暴露を続行

 「ウィキリークス」が暴露した「米軍アフガン機密文書」に対し、英紙ガーディアンが検証報道を続けている。
 米軍・NATO軍の戦争犯罪は、ひとつ残らず、告発されねばならない。

 あたりわさわりのない記事で適当にお茶を濁すだけの日本の主流メディアと、真実を知らせるジャーナリズムの責務を果たそうと、徹底追及し続けるガーディアン紙との、この違い!

 日本政府もアメリカの「アフガン戦争」を支持、国民の血税を使って、インド洋洋上補給を続けていたのだから、「関係ない」では済まされない。

 何が「テロとの戦い」――アフガンでテロ行為を続けて来たのは、米軍の方ではないか!

 日本のマスコミも、米軍の蛮行を徹底取材で、批判すべきである。

 以下、ガーディアン紙電子版の20日の報道で、アフガン民間人が犠牲になって事例を紹介する。

〔そこに狙ったはずのタリバン最高幹部がいかなった! 山岳部の村を米軍B1爆撃機が2000ポンド精密誘導爆弾を6発で空爆攻撃。村人300人が死亡〕
 2007年8月2日、米軍の特殊部隊はアフガン北部ヘルマンド州のバグニ渓谷に、タリバンの軍事指導者、イクラス師とその副官に追い詰めた――と彼らは判断した。

 イクラス師を囲んでタリバンの最高会議が開かれると確信した特殊部隊は、バグラム基地のBI爆撃機を呼び寄せ、現場に2000ポンドGBU-31型誘導爆弾を投下させた。

 その際、バグラム空軍基地が出した声明は「周辺に、無実のアフガン人がいないことを確認後」空爆した、と強調した。

 しかし、今回、暴露された「戦闘報告」によると、爆撃後、24時間以内に、現地の村人たちが、米特殊部隊のシナリオとは違った証言をしていることが早くも明るみに出た。

 村人たちがロイター通信に語ったところによると、現地ではタリバンによるスパイの公開処刑があり、村人はそれを見るよう駆り出されていたというのだ。そこへ、米軍の巨大爆弾が6発、降り注いだ……。

 村人たちのよると、この空爆で、タリバンを含む最大「300人」が死亡した。

 特殊部隊が追っていたイクラス師は9ヵ月後の2008年5月、ヘルムンドの南で逮捕された。
 
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/26/afghanistan-war-logs-helmand-bombing

   
〔自動車爆弾に壊走した海兵隊中隊が逃避中、新婚間もない16歳の女性らアフガン民間人を19人を掃射して虐殺〕
 2007年3月4日のことだった。アフガン・ジャララバード郊外でのこと。
 アフガンに3週間前、到着したばかりの海兵隊の中隊(120人)が自動車(ミニバン)爆弾の攻撃を受けた。
 海兵隊中隊の1人が負傷しただけで済んだが、中隊は懸命になって現場を離脱、道路を走る10キロ近く逃げ、態勢を立て直した。

 この壊走の際、民間人の虐殺が起きた。逃走中の4人の海兵が、目の前に現れた現地住民に対し、機銃掃射を浴びせたのだ。

 刈り取った草のたばを抱えた新婚間もない16歳の女性や、道路を歩いていた75歳の店主ら19人が殺され、50人が負傷した。

 事件発生から1時間後、ジャララバードの現地当局者は海兵隊中隊に「民間人28人が死亡」と伝え、中隊に駐屯地に戻るよう求めた。

 中隊は2時間後、状況を確認しに現場に戻ったが、駆けつけたAPのカメラマンやテレビ局のデジタルカメラの映像を無理やり消去させた。

 この虐殺に抗議してジャララバードではその数日、抗議デモが続いた。
 
 この事件を知った米陸軍(海兵隊ではなく!)の某大佐は「大変な過ち」を犯したと責任を認め、犠牲者に遺族に1人あたり2000ドルの弔慰金を支払った。

 これに対して海兵隊側が反発、再調査を求めた。再調査は17日間、行われ、1万2000頁もの報告書がまとめられたが、闇に葬られた。海兵隊の数人が「訓戒」処分を受けただけだった。

 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/26/afghanistan-war-logs-us-marines 

〔「白に青」ファイルより〕
 本ブログの第一報 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/07/post-4d12.html
 で、内容を詳しく紹介しなかった、米軍によるアフガン民間人虐殺――これを米軍用語で「ブルー・オン・ホワイト」というそうだ)事件を、ここに記すことにする。

 いずれも、これまで米軍によって、これまで蓋されていた事件。犠牲者のためにも――アフガン戦争の実態を知るためにも、「日本語化」しておかねばならない。

 以下はいずれも、ガーディアン紙 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/26/afghanistan-war-logs-helmand-bombing による。

 〈タンク車に群がる人々に対して、ドイツ軍司令官の要請で、米軍のF15が出動、「純粋な武装勢力56人」を空爆で殺す……実は民間人最大70人が犠牲に〉
 2009年9月、アフガン北部クンダスで、燃料輸送車2台がハイジャックされ、群集が略奪を始めた。
 これを知ったドイツ軍司令官が空爆を要請。F15ジェット戦闘機が1機出動、「周辺に民間人がいないのを確認し」空爆攻撃を行った。

 「純粋な武装勢力」56人を殺害したが、その後の調査で、30~70人の民間人が犠牲になっていることが明らかになった。

 〈ロケット攻撃と爆撃で民間人26人が死亡〉
 2008年8月30日、米軍特殊部隊「スコルピオン26」が、ヘルマンドの「タリバン」をロケット攻撃。空軍機も出動し、500ポンド爆弾を投下、「タリバン、24人」を殺害した。
 
 誤認だった。9日後、「戦闘報告」は、スマート爆弾のシステム・エラーで誤爆し、「26人の民間人」が犠牲になっていた。

 〈ポーランド軍 結婚式を砲撃〉
 2007年8月16日、ナンガー・ケール村で行われていた現地の人の結婚式に対し、ポーランド軍が砲撃を加えた。6人が死亡した。IED(路肩爆弾)の爆発に対する復讐とみられる。

 「戦闘報告」には、妊婦も負傷、お腹の赤ちゃんが死亡した、とあった。

 ポーランド軍兵士は帰国を命じられ、裁判にかけられたが、上層部の介入で判決を出すに至らなかった。

 〈フランス軍 こどもの乗ったバスを掃射〉
 2008年10月2日、カブール郊外のタンギ・カライ村で、フランス軍兵士が「輸送隊に接近してきたバスを掃射」した。
 子ども8人が負傷した。

 〈米軍、バスを掃射。乗客4人を殺害〉
 2008年12月12日、ガズニー北部の道路上で、米陸軍第506歩兵連隊第1大隊に対して、バスが接近。大隊の兵士一人が旗を振って停車を指示したが、従わないためマシンガンで掃射。乗客4人が死亡、11人が死亡した。
 バスの運転手は米兵を山賊と疑って速度を落とさなかった。それだけのことで……。

   

Posted by 大沼安史 at 09:02 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-26

空から歌が聴こえる Keep You Happy

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/07/keep-you-happy.html

Posted by 大沼安史 at 06:52 午後 | | トラックバック (0)

〔速報 重要NEWS〕 「アフガン戦争」の残忍と悲惨、明るみに! ウィキリークス 米英独のメディアと連携し、米機密文書を大量9万件 暴露! タリバン 対空ミサイルとIEDで攻勢 ベトナム化の様相 米NATO軍、「バス」や「結婚式」を掃射! 

「ウィキリークス」は英紙ガーディアン、独誌シュピーゲル、米紙ニューヨーク・タイムズの欧米主要3メディアと連携し、アフガニスタンを戦争をめぐる米軍・米政府の機密文書を公開した。Wiki ⇒ http://wikileaks.org/ 

 イラク駐在の米軍情報アナリスト(米軍によって拘束中)が内部告発で漏洩した機密ファイルと見られる。メディア3紙(誌)は、「ウィキリークス」が保持する機密ファイルにアクセスを許され、内容を一斉に報じた。

 米諜報機関の追及を逃れ、地下に潜伏中の「ウィキリークス」の指導者、ジュリアン・アサンジ氏は、欧米の有力メディアと組んだ理由は、わずらわしい訴追などを免れるため、としている。

 今回、「ウィキリークス」が、3メディアにアクセスを許可した機密ファイルは、アフガン戦争における9万件を超える報告書を含む。

 英紙ガーディアンの電子版での詳報( ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/series/afghanistan-the-war-logs )によると、今回暴露された機密文書には以下の内容が記されているという。

 • タリバンの指導者狩りをしている米軍の特殊部隊の「暗黒」ユニットが、裁判なしに「殺害、あるいは逮捕」している、そのありさま。
 • タリバンが実は致命的な威力を持つ対空ミサイル(熱追尾型)を保持している、その実態。

 •  米軍が米本土ネバダからの遠隔操縦で、「リーパー」無人攻撃機を使ってタリバンを狙い撃ちしている、その実態。

 • タリバンがIED(路肩爆弾)で大規模に拡大し、それがすでに現地民間人に2000人以上もの犠牲者を出している事実。

 このうち、タリバンが地対空のミサイルを保有し、反撃に出ていることは、これまで米軍の報道管制でまったく明らかにされていなかったことで、この暴露で、米軍・NATO軍の「苦戦」の理由が――アフガンのベトナム化の理由がハッキリした。IEDと対空ミサイル……タリバンのゲリラ戦により、「アフガンのベトナム化」が進行している実態が明確に示された。

 こうした苦戦の中で、米軍によるアフガン民間人の殺害事件(軍事用語では「白地に青」というそうだ)も増加、暴露された文書には、「144件」も事例が記されている。
 この中にはすでに明るみに出た、アフガン人の抗議デモに対する空からの攻撃も含まれているが、自爆テロに怯えた米兵によるアフガン人射殺事件も含まれている。

 これにより、すくなくとも195人のアフガン民間人が死亡、少なくとも174人が負傷している。ただし、この数字には、米兵による日常的な「スナップショット(気まぐれ射撃)」による犠牲は含まれていない。

 虐殺事件の具体例として、ガーディアン紙は、フランス軍によるバスに対する機銃掃射事件、米兵によるバス掃射事件(15人死亡)、ポーランド軍による結婚式に対する砲撃事件(妊娠中の女性が死亡)、英軍によるカブールでの射撃事件の4つの事例を挙げている。

 バスや結婚式に向かって機銃を掃射、砲弾を発射!――この米・NATO軍の残虐行為は国際司法法廷で裁かれてしかるべき、重大な戦争犯罪である!

   暴露文書の中には、アフガン人死者一人につき、日本円で約20万円を、「10万人」分(そう、10万人!!!)、支払ったとの記録もあるそうだが、人命は金に換えられない。

 以上の内容は ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/afghanistan-war-logs-military-leaks
 
 一方、今回の暴露で、CIA(米中央情報局)の軍事組織(パラミリタりー)が、アフガン民間人の殺害に関与している実態も明るみに出た。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/afghanistan-civilian-deaths-rules-engagement (なお、この記事には、前述した、バス掃射事件、ポーランド軍の結婚式に対する蛮行などが詳しく書かれている)

 この秘密の部隊は、 OGA(other government agency=「別の政府機関」の意)と呼ばれるもので、暴露された文書には、2007年3月、アフガン高地のマレクシャイ村での掃討作戦の模様が書かれている。口と耳の不自由な男性が訴えるすべなく逃げようとしたところを撃ったのだ(命をとりとめる)。

 情報機関のCIAの軍事化はブッシュの時代に一気に加速化したものだが、OGAなどという、ふざけた名前の秘密部隊がアフガンで暗躍していることは、これまで報じられていなかった。「9・11」をテコに軍事テロ国家に変身した米国の実像がまたひとつ浮かび上がった。

 また、ガーディアン紙は、暴露文書で、タリバンのIEDが、アフガン戦争における最大の殺傷兵器になっている実態を報じている。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/ieds-improvised-explosive-device-deaths

 米軍・NATO軍を狙ったものだが、アフガンの民間人が犠牲にあるケースも多発。上記リンクの記事に、IEDで顔を焼かれたアフガンの少女の写真が添えられている。

 昨年、敷設されたIEDは、7155発。2004年の308発と比べると、その激増ぶりが分かる。タリバンは昨年8月、3日間にわたって、連日、33~37発のIEDを爆発させている。

 今回、暴露された機密文書では、特殊部隊、タスクフォース373のタリバン狩りの実態も白日の下も曝け出された。⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/task-force-373-secret-afghanistan-taliban

  また、米国の同盟国であるはずの、パキスタンの情報機関ISIが、タリバンを軍事的・金銭的に支援し、ISIの諜報員が米軍兵士に毒入りビールを飲ませようとしたことなども暴露されている。 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/25/pakistan-isi-accused-taliban-afghanistan

 これだけの事実が、軍事機密として蓋されていたのだ。アフガンもベトナムと同じ、泥沼の負け戦……これが明るみに出た以上、オバマ政権としてもアフガン戦略を根底から見直さざると得ないだろう。

 今回の英独米3メディアの報道は、しかし、「ウィキリークス」が保持している、アフガン秘密ファイルの全てではないと思われる。

 中でも公開が待たれるのは、「米軍によるアフガン人掃射虐殺実写ビデオ」である。これはアサンジ氏が存在を認め、公開を予告しているもの。

 アサンジ氏は、今回の3メディアの報道を、全世界の人々(読者)が「吸収」したころを見計らって、ウェブでの公開に踏み切るはずだ。

 米軍よ、驕るなかれ! 世界の民衆の反撃を、思い知るがよい。

 私たち日本人は、アフガン戦争の現実を知り、日本の同盟国の軍(米軍)による戦争の実態を知った以上、日米安保条約の廃棄通告に踏み込むべきである。

  65回目の「敗戦の夏」が来る。ことしは「60安保」の50周年……――。

〔本ブログ関連記事〕

 「イラク・ヘリ掃射ビデオ」漏洩などの容疑で米陸軍特科兵、ブラッドレイ・マニングさんを訴追
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/07/post-a0fe.html

 「米軍ヘリ虐殺ビデオ」をウィキリークスへ漏洩したとされる米陸軍情報アナリスト、ブラッドレイ・マニング氏(22歳)をめぐる「点と線」 誰がこの内部告発の「英雄」を嵌めたのか? フリー記者、グレン・グリーンワルド氏の調査報道レポートから浮かび上がった疑惑
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-6316.html

  ウィキリークス アサンジ氏に「生命の危機」 エルズバーグ博士が指摘
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-8875.html

  ウィキリークス指導者 米軍によるアフガン民間人140人殺戮ビデオ入手をメールで確認 国務省機密文書については否定
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-41aa.html

  米軍ヘリ、イラク民衆機関砲掃射ビデオ ウィキリークス漏洩の疑いで22歳の米陸軍情報アナリストを逮捕 ペンタゴン 流出情報のさらなるネット公開を恐れ、ウィキリークスの指導者を追跡
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/06/post-49ed.html

  隠蔽工作を打破 真実を報道 「ウィキリークス(WikiLeaks)」のネット情報レジスタンス
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/04/wikileaks-30d3.html

  バグダッド郊外 米軍アパッチヘリ 住民ら10数人を30ミリ機関砲で掃射・虐殺 内部告発ビデオを「ウィキリークス」が公開
⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/04/post-42e9.html  
 

Posted by 大沼安史 at 10:21 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-25

〔ビデオ NEWS〕 ニューヨーク・タイムズ電子版 日本の「外国人研修生」問題ビデオ

 ニューヨーク・タイムズ電子版のビデオ・ニュースで、日本の「「外国人研修・技能実習制度」問題が取り上げられた。⇒ http://video.nytimes.com/video/2010/07/20/business/global/1247468469055/training-programs-or-sweatshops.html?scp=4&sq=Japan&st=cse

 フィリピンから広島に「研修生」として日本に来た女性が涙ながらに訴えていた。

 「奴隷労働」に近い実態。

 ビデオによれば、日本政府の資料で、2005年以来、少なくとも実に「127人」 の研修生が、研修中に死亡しているそうだ。

 過労で心臓麻痺で死亡した中国人もいるそうだ。

 このビデオを本ブログで紹介するのは、ほかでもない。
 畏友・小笠原信之がそのブログ(⇒ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nbsn001/  )で、この問題を徹底的に掘り下げた、安田浩一著『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)を紹介していたので。

 本ブログの「連帯」の意思表示である。

Posted by 大沼安史 at 01:01 午後 | | トラックバック (0)

〔重要NEWS〕 ファルージャ ヒロシマを上回る後遺症 白血病38倍増 米海兵隊 ウラニウム新兵器を使用か? 

 米海兵隊が2004年に猛攻撃を行い、瓦礫の山と化したイラクの都市、ファルージャで、遺伝子変異物質に被爆したことで起きる後遺症が多発していることが、英アルスター大学の研究者と地元医師らの調査で分かった。インディペンデント紙のパトリック・コバーン記者が報じた。
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/toxic-legacy-of-us-assault-on-fallujah-worse-than-hiroshima-2034065.html

 疫学調査はことし1、2月、アルスター大学のクリス・バスビー客員教授と、地元イラク人医師11人のチームで行われ、711家族、4800人を診察した。

 その結果、米海兵隊の攻撃後、白血病を発症した人は、以前の38倍にも達した。また、乳がん患者も10倍増。

 発症したがんのタイプは、「ヒロシマ(の被爆者)に似ている」という。

 とくに白血病の38倍増は、ヒロシマの「17倍増」をはるかに上回るもの。

 また、ヒロシマで起きたのと同じ、新生児の男子が激減する(18%減)現象も確認された。

 バスビー氏は、米海兵隊がどんな兵器を使用したか特定できないが、何らかのタイプのウラニウム(兵器)が使用され、それによって後遺症被害が出ているものと見ている。「私の推察では、彼らは建物を破壊し、中に居る住民を殺す新兵器を使ったようです」

 海兵隊はファルージャ攻撃で白燐弾を使用(当初、否定したいたが、その後、認める)、さらには貫通能力の高い劣化ウラン弾を使用した疑いが持たれている。しかし、この劣化ウラン弾はすでに知られたもの。バスビー氏があえて「新兵器」使用の疑いを提起した意味は大きい。
 海兵隊はウラニウムを使った、劣化ウラン弾以外の新兵器をひそかに使用したのではないか?

 調査によれば、ファルージャでは乳児死亡率も1000人あたり80人(エジプト同17人)に達しているという。

 そして、なんと、頭をふたつ持つ女の子も誕生しているそう。

 コバーン記者のレポートには、被害者の写真も添えられており、ファルージャの被害が異常なものであることを告発している。

 日本政府が沖縄の辺野古の海を殺してまで代替飛行場をつくる米海兵隊の、このおぞましき所業よ。

 「ヒロシマの日」を前に、「イラク戦争」を支持したものどもは懺悔すべきである。

Posted by 大沼安史 at 07:40 午前 | | トラックバック (1)

2010-07-24

〔いんさいど世界〕 ロバが空飛ぶ暑い夏 心に刻め 「350」!

 北半球の夏が燃えています。
 ロシアの黒海沿岸では、あまりの暑さに、ロバが空を飛んでしまいました。
  ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/europe/donkey-stunt-shocks-russian-sunbathers-2031249.html

 ロバが空を飛ぶ?……正確には、ロバを空に飛ばした――ロバに無理矢理、パラセーリングさせたという話ですが、いくらリゾート・ビーチの宣伝イベントとはいえ、ちょっと強引。

 「空飛ぶロバ」の悲鳴を聞いた子どもたちが、かわいそうだといって泣いたといいます。
 
 猛暑のロシア。あまりの暑さに、金儲けに目のくらんだ大人は、平常心をなくしているのかも知れません。

  ###

 ロシアでは暑さによる穀物への影響を心配して、食品のパニック買いまで起きているそうです。おかげで値段も平均で2、3割、地域によっては、小麦が倍の価格のはねあがったところもある。

 ロバを空を飛ばせて喜んでいる場合じゃないですよね。
  ロシア  ⇒ http://www.arirang.co.kr/News/News_View.asp?nseq=105117&code=Ne2&category=2
  穀物被害 ⇒ http://uk.reuters.com/article/idUKTRE66F2LX20100716
  食糧品買い⇒ http://news.xinhuanet.com/english2010/world/2010-07/20/c_13406933.htm

  ###

 ドイツの首都、ベルリンも16日に38度Cを記録しました。

 ベルリン市の当局が公営プールで、長いトランクス着用禁止令を出したそうです。ベルリンも水不足。貴重なプールの水を、より吸い取ってしまうからだそうです。

 ベルリンの運河は、酸素不足で、魚たちが大量死!
       ⇒ http://www.guardian.co.uk/science/2010/jul/16/june-2010-warmest-recorded

 熱波の影響で、バルト海では、ドイツの国土を上回る面積に、緑青の藻が異常繁殖しているそうです。
 なんか不気味ですね。
       ⇒ http://www.independent.co.uk/environment/nature/evil-weed-in-baltic-sea-puts-marine-lif

  ###

 ことし、西暦2010年はもしかしたら、観測史上、最も暑い年になるかも知れません。

 先月、(2010年の)6月は、1880年の観測開始以来、最も暑い6月だったんだそうです。

 これはアメリカの国立海洋大気局(NOAA)の発表で明らかになっていることです。 
       ⇒ http://www.guardian.co.uk/science/2010/jul/16/june-2010-warmest-recorded

  ###

 こうなると……う~ん、やっぱり心配ですね。この暑さ、地球環境の破局への序曲じゃないのか、と。

 そこで、日本ではあまり知られていない、「世界も最も重要な数字」というものをご紹介しましょう。

 世界で最も重要な数字――これって、地球温暖化に警告を鳴らし、CO2の削減を訴えている世界的な運動ネットワークの「350ドット・オルグ」ってところが言っていることですが、いま、私たち人類(そして全ての生物)にとって最も重要な数字って「350」なんだそうです。

 「350ppm」――CO2の大気中の濃度ですね。

 この「350(ppm)」に戻さないと、大変なことになる……(ということは、「350」って、人類サバイバルの運命がかかったナンバーになるわけですね!)

 ことに「450(ppm)」を突破したら、もう終わり、後戻りはきかない。あとは北極にワニが棲むような暑熱世界に行き着くしかない――そう警告しているですね。

 いま、「350ppm」に戻さないと、と言いましたが、現在の炭酸ガスの大気中の濃度は、「392ppm」。間もなく「400」の大台を突破する勢いなのだそうです。

 これをなんとか「350」に削減しなければならない。

  ###

 で、「350ドット・オルグ」ってところは、「350」という「世界で、人類にとって最も重要な数字」を知らせようと、キャンペーンを続けています。

 「350」の横断幕を、エジプトのピラミッドの前で掲げたり、人文字に書いたり。
       ⇒ http://www.350.org/

 これだけ暑いと、考えることも億劫になってしまいますが、あの京都議定書をまとめた日本の政府としては、率先して、いまいちど真剣に地球温暖化――いや暑熱化の問題に取り組んでほしいですね。
 
 地球の未来、人類の未来のために、バック・ツー・ザ「350」! 

 

Posted by 大沼安史 at 02:21 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2010-07-23

〔NEWS〕  コバ金さん、逝く

 敬愛申し上げるジャーナリスト、小林金三氏が18日午後2時、お亡くなりになった。
 コバ金さん、逝く!
 嗚呼、あの、コバ金さんが死んだ!

  北海道新聞訃報 ⇒ http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fuhou/242571.html

 コバ金さんのことを、コラムで2度、書いています。

  「もう一人の「龍馬」が、そしてわが敬愛する「コバキン」さんが、教えてくれたこと」⇒  
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/02/post-31e7.html

 「風景は平和である」⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/04/post-3db3.html

Posted by 大沼安史 at 07:28 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-17

〔NEWS〕 アウシュビッツ 生存者のダンス!

 アウシュビッツを生き延びたユダヤ人生存者、アドレク・コーン氏(89歳)と、その娘、ジェインさん、及びその3人の孫が、アウシュビッツやダッハウなどで踊る、ダンス・ビデオがユーチューブでヒットしている。
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=bRJK9J07zPs

 ビデオを制作したのは、娘さんのジェインさん(オーストラリア在住)。

 70年代のヒット曲、グロリア・ゲイナーの「I Will Survive」に合わせて踊った。

 ⇒ http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/news/auschwitz-i-will-survive-dance-video-is-internet-sensation-2027725.html

 ただ、はしゃいで踊っているわけではない。踊り出す前に、黙祷をささげている。踊り出したコーン氏が、つらさに耐え切れなくなり、孫に慰められているような場面もある。

 だからぼくなど、これは死のダンスではなく、生の踊りだ、別に悪いことじゃないと思うが、そういう意見だけではないようだ。

 みなさんは、どうお考えですか?
  
I Will Survive 歌詞

At first I was afraid I was petrified.
Kept thinking I could never live without you by my side.
But then I spent so many nights
Thinking how you did me wrong.
And I grew strong!
And I learned how to get along!
So now you're back from out of space.
I just walked in to find you here with that sad look upon your face.

I should have changed that stupid lock!
I should have made you leave your key!
If I had known for just one second you'd be back to bother me.

Go on now, go, walk out that door!
Just turn around now‚
cause you're not welcome any more.
Weren't you the one who tried to hurt (crush) me with goodbye?

Did I crumble
Did I lay down and die
Oh no, not I! I will survive!
Oh and as long as I know how to love I know I stay alive.
I've got all my life to live, I've got all my love to give.
And I'll survive!
I will survive! Hey, hey.

It took all the strength I had not to fall apart.
Kept tryin' hard to mend the pieces of my broken heart!
And I spent oh so many nights
just feeling sorry for myself. I used to cry!
But now I hold my head up high.
And you see me somebody new!
I'm not that chained-up little person still in love with you.

And so you feel like droppin' in,
and just expect me to be free,
now I'm saving all my loving for someone who is loving me!

Go on now...

Posted by 大沼安史 at 05:57 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-15

〔コラム 机の上の空〕 核よ、驕るなかれ! 「トリニティー」 65周年

 カトリック・イエズス会のジョン・ディア神父は、非暴力・直接行動でアメリカの反核・平和運動の最先頭に立ち続ける、現役の活動家である。

 ベリガン兄弟らとともに、(剣を鋤(すき)に変える意味の反戦運動)「プロウシェア」にも参加し、これまで少なくとも75回、逮捕された人だ。
 ⇒ http://www.fatherjohndear.org/

 そのディア神父の自伝、『挫けざる平和(A Persistent Peace)』に、こんな法廷での場面がある。

 ディア神父が、米空軍の基地に侵入、駐機中の核装備可能な戦闘機に対して、シンボリックな“破壊活動”を行い、逮捕された時のことだ。

 保守派の判事に「いったい、誰があなたを基地まで送り届けたのか? 一体、何者が導いたのか、白状しなさい!」と迫られたディア神父、嘘はつけない、これはもう正直なところを言うしかないなと思い定め、傍聴席を振り向いて、心配そうな顔をしている支援者たちを見渡したあと、判事に向かってこう言ったそうだ。

 「私を現場へ導いたのは、聖霊です!」

 △ △ △

 こんな「エピソード」を思い出したのはほかでもない。(今月=7月の)この16日の日が、「父」と「子」と「聖霊」が一体のものであるとするキリスト教の教義から採られた「トリニティーの日」であるからだ。

 「トリニティー」――「三位一体」。ヒロシマ・ナガサキに向け、1945年7月16日、ニューメキシコ州の荒野で行われた、世界最初の核実験。「原爆」を誕生させた実験の名称。

 現地時間、午前5時29分45秒。
 現場は一瞬、真昼よりもまばゆく輝き、恐るべき核のエネルギーが放出された。
 その「巨大な死の火の玉」のどこに、「聖霊」は宿っていたというのか。

 「父の子」=人をして、「核=絶対兵器」へ導いた「聖霊」とは、ほんとうにキリスト教の「聖霊」なのか?

 △ △ △

 この原爆実験に「トリニティー」と名付けたのは、ロスアラモスの所長として「マンハッタン計画」を統括した、アメリカの理論物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーである。

 オッペンハイマーは理論物理学者である一方、青年期の精神的な危機を、プルーストの『失われた時を求めて』を読んで脱け出たり、ボードレールの詩を口ずさむ文学の人。
 「トリニティー」の実験名も、あの「死よ、驕るなかれ」で有名な、イギリスの詩人、ジョン・ダンの「聖なるソネット」の一節を思い浮かべて、とくに理由(わけ)もなく名付けたそうだ。

 その一節とは、「14」の冒頭部分に出てくるものだ。岩波文庫「ジョン・ダン詩集」の湯浅信之氏訳によれば、以下の通り(229頁参照)。

  「私の心を叩き割って下さい、三位一体の神よ。これまで、軽く打ち、息をかけ、照らして、私を直そうとされたが、今度は、起き上がり立っていられるように、私を倒して、力一杯、壊し、吹き飛ばし、焼いて、造りかえてください」

  Batter my heart, three-person'd God; for you
  As yet but knock; breathe, shine, and seek to mend;
  That I may rise, and stand, o'erthrow me, and bend
  Your force, to break, blow, burn, and make me new.

 オッペンハイマーはつまり、「核」を怒れる「父」として、「子」である「人」の「起き上がり=復活」のために、どうぞ「人」である私に対して破壊の限りを尽くしてください、という倒錯的な願いを抱き、それを自覚しながら、核エネルギーの「聖霊」に導かれるように、原爆開発に携わっていたのである。

 △ △ △

 少年時代、同年代の男子たちに、その柔弱さを嫌われ、裸のからだに緑のペンキを塗られる辱めを受けたこともある、文弱(?)の人、オッペンハイマー(愛称、オッピー)は、ロスアラモスで、そして「トリニティー」の現場で、内心、苦しんでいたのだ。

 だから彼は、爆発の瞬間、心の中で、あの古代インドの聖典、「バガヴァッド・ギーター」の一節、「私はいま、死、世界の破壊者」を想起していたのだ。

 オッペンハイマーはヒロシマ、ナガサキ、日本降伏のあと、1945年10月16日(「トリニティー」から、ちょうど3ヵ月後)、ロスアラモスの所長を正式に辞任するが、「ニューメキシコのギラつく太陽の下」、退任のスピーチで、「低く、静かに」、こう言ったそうだ。

 「もし、原爆が戦争を続ける世界の武器庫に、あるいは戦争を準備する国々の武器庫に新兵器として加えられたなら、ロスアラモスとヒロシマの名を人類が呪う日が来るでしょう」(カイ・バード、マーティン・シャーウィン共著 『アメリカのプロメテウス(American Prometheus)』、原著329頁。邦訳あり)
  
 「原爆」をつくり、「心を叩き割られた」オッピーにはすでに、「水爆」に反対する心の準備ができていたのである。
 
 そう、それは、ジョン・ディア神父を導いたのと同じ「聖霊」のなせる業ではなかったか……?!

 △ △ △

 「原爆」開発に携わり、「トリニティー」の翌日付(7月17日付)で、「日本への原爆攻撃を踏みとどまり、原爆をデモンストレーション実験して、その恐ろしさを知らしめ、日本を降伏させるように」とのトルーマンあて「嘆願書」 ( ⇒ http://www.dannen.com/decision/45-07-17.html )を起草し、必死になって原爆の使用回避に動いたのは、レオ・シラードである。

 マンハッタン計画の参加した科学者のうち155人の署名を集めた、この「シラードの嘆願書」は、米軍部の妨害もあって、ついに日の目を見なかったが、「トリニティー」の時点ですでに、原爆の対人使用に対する、開発を担った科学者の間から反対運動が起きていたことは、忘れてはならない事実だ。

 △ △ △

 「トリニティー」65周年を前にした今月8日、北京で、ジョアン・ヒントンさんという、「マンハッタン計画」に参加した、アメリカの女性物理学者が亡くなった。88歳。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/06/12/science/12hinton.html?_r=1&scp=3&sq=Los%20Alamos&st=cse
  Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Joan_Hinton

 ジョアンさん(中国名「寒春」)は「ヒロシマ・ナガサキ」を契機に、平和運動を始め、全米主要都市の市長に、「トリニティー」の爆発の超高温でガラス化した沙漠の土を送り、核戦争になれば、あなたの街もこうなるのですよ、と訴えた人だ。

 そして1948年に中国に移住、現地で農業指導に来ていた米国人の男性と結婚、そのまま北京郊外の牧場で乳牛を飼う生活を続けて来た人だ。

 ジョアンさんは、ロスアラモスでエンリコ・フェルミのチームに所属、「トリニティー」の朝は、現場から40キロの地点の丘のくぼみから、爆発の様子を目撃した。

 その時のことを、ジョアンさんは、こう語っている。

 「私たちは最初、顔に熱を感じました。そして次に、光の海のようなものを見たのです。それは次第に、怖ろしい紫の輝きの中に吸い込まれ、それが立ち上がってキノコ雲になって行きました。朝日をさらに輝かせたように美しく見えました」 

 核物理学の研究を辞め、中国に渡ったのは、「民衆をどうやって殺すか考えることで一生を終わりたくない」から、だったそうだ。

 △ △ △

 「反核の神父」、ジョン・ディア神父は、ワシントンのイエズス会の大学、ジョージタウン大学で学んでいた頃、当時、学内にあった軍事シンクタンク、「CSIS(戦略国際問題研究所)」について疑問を持ち、学長に直接会って、どうして大量無差別人殺し(ジェノサイド)の核戦略を研究するCSISを、このカトリックの大学に受け容れているか、学生の分際ながら(?)、同じキリスト教徒として、率直に尋ねたそうだ。

 若き神学生、ディア氏(まだ叙階される前の「卵」の段階)の、シンプルかつストレートな質問に、学長は答えられず、怒って部屋を出て行ったという。

 キリストの教えを突き詰めて行けば――人間の傲慢を正当化する「免罪符」に使わなければ、その「三位一体」の教義は、「核」を「神」の座に置かない限り、「核」を否定するものになるはずである。

 CSISはその後、ジョージタウン大学から「分離」することになるが、それは当然の帰結であろう。

 △ △ △

 しかし、CSISは「核」を「神」の座に置き、「核・軍・エネルギー」の「三位一体・核の神学」をたてまつって、その奉じるアメリカの「絶対権力」は肥大の一途をたどって来た。

 そのCSISへ、日本政府の関係者(内調、公安調査庁職員)が研究員として派遣され、あの小泉首相の愛息まで籍を置いて「研究」に従事していた、「唯一の被爆国・ニッポン」の、厚顔無恥な、この悲しむべき現実!

 △ △ △

 私たちが今、なすべきは、アメリカの「核の権力」に拝跪(はいき)することではない。

 私たちは今、65年後の「トリニティーの日」にあたり、オッペンハイマーら原爆開発にあたった科学者の苦悩に思いを馳せ、あのジョン・ダンの「聖なるソネット」のように、「核の神学」に対し「ノー」と言わなければならない。

  (核よ)死よ、驕るなかれ!
  ……
  (核よ)死よ、ノーモア。(核よ)死よ、死ぬべきはお前だ!

    〔注・ジョン・ダン、「聖なるソネット」の「10」より。大沼訳。(核よ)は、大沼による付け足しです〕

 もう一度、言おう。

  核よ、死よ、驕るなかれ!――と。

 △ △ △

 死よ、驕るなかれ! 
  Death be not proud!

 これこそ、たぶん――いや、きっと、「トリニティー」前のオッピーに、ジョン・ダンの「聖なるソネット」を思い出させた、決定的な言葉である。

  

Posted by 大沼安史 at 10:35 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2010-07-14

〔いんさいど世界〕 ワカ・ワカ! 南アで「おばあちゃんサッカチーム」が大活躍、その名も「バケグラ バケグラ」!

 南アフリカでのサッカー・ワールド・カップが閉幕しました。アフリカでの初開催。それも人種隔離政策を乗り越えた南アでのフィーバー。ブブゼラの音がなお、耳にこだましています。

 南アW杯の合言葉は「ワカ・ワカ(行け行けドンドン)でした。
 いかにもアフリカらしい、同じ言葉を2度叩き込む、力強い響きですね。
 
 南アW杯はFIFAの男子サッカー世界最終戦でしたが、開催地の南アには、世界の男性プロサッカーチームに負けないくらい、ものすごいサッカーチームがあるの、ご存知ですか?

 このモノスゴ・ワカ・ワカ・チームの選手たちにしたら、W杯出場の選手など、ま、ガキですね。

 W杯の名残に、この、南アフリカ・モノスゴ・ワカ・ワカ・サッカーチームのことを紹介しましょう。

 ◎◎◎◎

 南アもサッカーが盛んな国ですが、なんと女子のサッカー(あ、これ、フツーですね)――というより、正確には、「おばあちゃんたちだけでつくるサッカーチーム」があって、大活躍してるんだそうです。

 オバアチャンですから、お孫さんがいるんですね。

 チームの名前も、もろ「おばあちゃん おばあちゃん」――現地の言葉で「バケグラ バケグラ」っていうんです。

 聞いただけで、スゴそうですね。

 で、このチーム「バケグラ バケグラ」ですが、南アフリカの北部、リムポポ州のタザニーン市の郊外、ヌコワンコワっていうところで、今から3年前、2007年に結成されたんだそうです。

 きっかけをつくったのは、地元ラジオのパーソナリティーで、地域活動家のベカさんという女性。

 このベカさん、一度、病気で入院したことがあるんですが、その時、高齢の女性たちが体を動かすことなく、不健康な生活を送っていることに、いまさらながら気付いたんですね。

 で、ある時、ベカさん、地元のサッカー・フィールドに、知り合いのおばさんたちを誘って見物に出かけたとき、子どもたちのプレーを見ながら、なんとはなしに、「うちらも、サッカーしようか?」と言ってみたんだそうです。

 で、おばあさんたち、子どもたちのボールを借りて、蹴ってみた。
 だめだよ、こう蹴るんだよ、子どもたちに言われた。

 その時、ベカさん、ついつい言ってしまったんですね。「サッカーチーム、つくらない?」

 で、おばあさんたちの答えが「いいね、やろう」。
 「あ、いいね、やろう、やろう」となっちゃった!

 そうやって、誕生したチームなんだそうです。

 ◎◎◎◎

 この「バケグラ バケグラ」の最高齢、もち現役プレーヤーは、ノラさんというおばあちゃん。なんと、84歳。

 こどもの時から、白人の家のメイドさんとして働き続けて、引退したいまも暮らしは厳しいのですが、サッカーで健康を回復し、自分というものを取り戻し、ボールを蹴っ飛ばしているそうです。

 チームの中で、もっともパフォーマンスを向上させたのは、マーシーさんというおばあちゃん。松葉杖で、歩くのもやっと、から一気に回復、いまでは「走れる」ように!

 サッカーって、すごいパワーを秘めてるんですね。

 いま、40人以上いるチームのメンバーで一番、若い人は、48歳。でも、ちゃんとした「おばあちゃん」だそうです。

 ◎◎◎◎

 最年長のノラさんによると、サッカー始めるといったら、最初は笑われたそうです。

 短パンをはいたら、じいさまどもから、批判が噴出した!

 女性差別を乗り越えたおばあちゃんたち! やりましたね。

 ◎◎◎◎

 この「バケグラ バケグラ」、内輪で球蹴りだけしている、単なるサッカー同好会じゃありません。

 ちゃんと、地域の女子サッカーリーグ(8チーム)に加盟して、リーグ戦を戦っているんです。

 たとえば、30代の若い女性たちでつくる「メトロ・レール・イーグルス」(たぶん、鉄道会社の女子サッカーチーム。ノンプロですね)と対戦して――3対1で勝ちはしませんでしたが、負けたとはいえ、健闘しました。惜敗! う~ん、残念!

 ◎◎◎◎

 この「バケグラ バケグラ」のおばあちゃんたち、実は今、アメリカにいて、13日からミシガン州ランシング始まった「全米ベテランサッカー大会」に出場しているんです。
 招待チームとして。

 もちろん、大会、唯一の「おばあちゃんチーム」として。
 ついに、世界デビュー!

 日本でも女子サッカーはいまやフツーですから、「おばあちゃんサッカーチーム」が生まれるのも時間の問題でしょうね。

 ひょっとしたら、もう生まれていたりして……。

 う~ん、いまに「おばあさんのW杯」なんてのが開幕するかもね!

 ⇒ http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-soccer-grannies-20100622,0,4817575,full.story 

   http://www.reuters.com/article/idUSTRE63D0BZ20100414

   http://www.iol.co.za/index.php?art_id=nw20091022094238380C166903

Posted by 大沼安史 at 04:04 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-07-13

〔NEWS〕 参院選沖縄 再選の島尻氏(自民) 辺野古移転・日米共同声明の「撤回」を政府に申し入れへ 訪米も表明

 参院選沖縄選挙区で再選された自民党公認の島尻安伊子氏(45)は、沖縄タイムスの当選者インタビューに応じ、米軍普天間飛行場移設問題について「地元合意のない辺野古(移設)は無理」と述べ、日米共同声明の撤回を政府に求める立場を明確化するとともに、訪米して理解を求めると言明した。
 ⇒ http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-07-13_8030/

Posted by 大沼安史 at 06:21 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-12

空から歌が聴こえる TICKET TO HEAVEN

 このかわいそうな日本の、こどもたちを救うものよ、現れよ!
 己の権力のためではなく……。

  ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/07/ticket-to-heave.html

Posted by 大沼安史 at 04:28 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 厳しく鞭打たれた 「菅」と「官」 

 参院選で、就任、わずか1ヵ月の菅直人が、「致命傷の可能性のある政治的な打撃(a potentially fatal political blow)」を受けた、と英紙インディペンデントが報じた。⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/japans-ruling-party-takes-severe-drubbing-in-upper-house-election-2024392.html

 「致命傷のおそれ」とは、わかりやすい表現である。「求心力の低下は否めない」(読売)、「難しい政権運営を迫られる」(毎日)といった、日本の主流マスコミの持って回った言い方とは、大違いだ。

 インディペンデント紙のデイビッド・マクニール特派員は、菅首相が消費増税を参院選直前に掲げたことを指摘したあと、端的にこう語る。

 「菅氏は本質的に、9月の民主党党首選までの暫定リーダーなので、人気底割れのどんな兆候が出ても、痛手になりうる」

 ちなみに、マクニール氏の記事の見出しは、Japan's ruling party takes severe drubbing in upper house election ―― 「日本の政権党、上院選挙で厳しく鞭打たれる」だった。

 ♭♭♭♭

 厳しく鞭打たれる……なるほど、これまた分かりやすいし、真実の姿を衝いている。
 そういえば、そのむかし、日本の政界に「ぶって、ぶって!姫」とかいう女性が登場したことがあったなあ~。

 「菅直人」に、国民は(そして、私だって)かつては、あれほど期待したのに……。
 「ぶって、ぶって!菅」かあ……(笑&涙)

 ♭♭♭♭

 菅直人氏よ、よく聞きたまえ。首相を続投し、よごれた晩節をクリーニングしたいなら、その道は少なくとも、ひとつ……いや、ふたつある。

 それは、「消費増税」を撤回し、この国の官僚支配を軸とする「政・財・官複合体」を、「ぶって、ぶって」、たたいて、たたきまくることだ。

 真っ先に、「特別会計の闇」に迫るんだ。

 財務大臣になって、ブラックホール的な「闇の深さ」を垣間見てビビり、「消費税増税」という、すでに徴税システムが整った、安易な道に走ろうとしたのだろうが、国民生活はもはや一滴の鼻血も出ないところまで追い込まれている。

 それを今、「惨敗」という結果で知ったからには、最早、「闇」と直面するしかない。

 たとえば、財務省の造幣局が刷りまくった新札の、「官営銀行」などを通じた行方を追及し、官僚マネー・公的資金化=「闇のマネーロンダリング化」の「霞ヶ関流裏技」の仕掛けを解明せよ!

 ♭♭♭♭

 もうひとつ、税収増に、庶民の負担にならない新手法を導入することだ。
 そう、鳩山政権が内々、検討を始めた、あの「通貨取引税」といった、金融ドラゴンや富裕層に的を絞った新税を立ち上げるのだ!

 そして、たとえば、輸入石油・石炭・天然ガスに課税する「炭素税」を創設し、税収をすべて国民の直接還元して、国民生活を支えよ!

 ♭♭♭♭

 菅直人よ、同じカンでも「官」にだまされてはならない。真実を直視し、真相を知らねばならない。

 「菅さん、あなたの豪腕なら、消費税、10%くらい、かんたんに上げることができるでしょ。わたしどもも、応援させていただきますよ」などと言って(?)あなたを持ち上げ、ついにはあなたに「致命傷」を負わせた「官」こそ、実はそれ以上の出血に苦しみ、何の将来展望もなく、断末魔にのたうつゾンビであることを。

 戦後を生き延び、肥大し続けた来たそのゾンビ「官」権力こそ、アメリカの威をかりて、あなたの「政治生命」ばかりか、国民生活の生命線をしゃぶり尽くし、ズタズタにして来た、「戦後国体」の悪代官であることを。

 ♭♭♭♭

 菅直人氏よ、今回の参院選で、国民はあなたを厳しく鞭打った――。その事実を、あなたは「一定の理解が得られた」などと言ってごまかしてはならない。
 と同時に菅直人氏よ、今回の参院選で国民は、「官」を軸とする戦後支配体制に厳しく激しい怒りの鞭をふるったことを、あなたは見落としてはならない。

 国民は「菅」を使って消費増税で生き延びようとした「官」に対しても、三行半を突きつけたのである。 

Posted by 大沼安史 at 09:33 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔ジャック天野の目が点 NEWS解説〕 参院選 2010 民主党カン敗 自民党カン杯

          ◎△◎ ⇒ ×△× ⇒ ・ △ ・ ⇒ ★△★

 参院選2010は、オレなら「消費税10%」だってやれると傲慢にもカン違いした菅直人首相の、「ツルっの一声」で、民主党「カン敗」という結果に終わった。

 皮肉にも、「10%」を大きく上回る大幅「減(議)席」。

 自民党は菅直人の狙い澄ました、ものの見事な、カン違いオウンゴールのおかげで、W杯の決勝戦を前に、七夕の後の「タナボタ勝利」を収めた。

 「カン杯!」――でも、カン違いするんじゃないよ。相手ピッチャーの「暴投」で勝っただけなんだから。

 「天国から地獄へ」――ジェットコースターのような、民主党の失墜。 
 でも、菅直人は未明の会見で開き直り、晩節を汚した。

 「消費税増税」を「ギリシャ」のせいにした。(消費税増税の)「議論」は堅持し、「新しいスタートライン」に立ち、「超党派の協議を呼びかける」と明言した。

 自縄自縛――消費増税の旗を振り続けると、またもカン違いな、「ツルっの一声」。
 まるで泥棒に自分から貢いで丸裸になったあとに、自分を縄でグルグル巻きにしているような醜態。

 カン無量のカン敗会見! 
 選挙で敵に票を贈り、会見で自爆を遂げた菅直人。

 カン動、いや、カン当もの。

 国民は、あんたに言われなくても「生活が第一」だから、「増税にNO」と言ったのだ!
 
 苦戦を強いられ、つねに割りを食い続けている庶民の気持ちを、思い知ったか!

 カン違いしてはならない。甘く見てはならない。

 国民はあなたにレッドカードを突きつけたのだ。南アW杯同様、ゲームはまだ終わっていない。

 「暴投」ピッチャーが「続投」だと? 無理無理、キックオフされないうちに、潔く、辞表を出し給え!

 

  

Posted by 大沼安史 at 01:19 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-11

〔NEWS〕 米中央軍の新司令官に指名のマティス将軍(海兵隊)「やつらを撃ち殺すのは、ものすごく楽しいことだ」発言に批判集まる

 米中央軍の新司令官に指名された、海兵隊のジェームズ・マティス将軍が、2005年の指導者セミナーで、「だから(アフガニスタンの)やつらを撃ち殺すことは、ものすごく楽しいことだ(So it's a hell of a lot of fun to shoot them.)」と発言していたことがわかった。
 発言ビデオは、イスラム世界を中心に広がり、怒りと反発を招いているという。
 英紙インディペンデントが報じた。 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/its-fun-to-kill-in-afghanistan-says-top-us-commander-2023155.html

 マティス将軍はイラクのファルージャ侵攻の際も指揮した海兵隊の最高幹部。

 将軍は「狂犬」というニックネームを持っているそうだが、「人を撃ち殺すことが楽しい」犬はいない。
 
 こうした「異常殺人者」率いる組織(海兵隊)が、「普天間」に居座り、「辺野古」の海を殺そうとしている。
 
 その「殺人趣味男」の組織を支援する、日本政府のみっともなさよ!

 ユーチューブ ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=MkXtWwNDSdA&feature=fvsr
 (問題発言は、ビデオの最初と最後の部分に) 

Posted by 大沼安史 at 01:45 午後 | | トラックバック (1)

空から歌が聴こえる Love Me Like a Song

 これ、日本の学校の英語の「授業」(オエッ!)で、みんなで歌えば、「いじめ」なんてなくなるのに……。
 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/07/love-me-like-a.html 

 ジス・イズ・ア・ペンだって!? LOVEから始めなくて、どうする?!

 これ、歌って、学んで、また歌えば、きっと「英語力」、向上するよ!!

Posted by 大沼安史 at 12:18 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-10

〔いんさいど世界〕 「第三の男」は誰だ?  ウィーン・スパイ交換劇 元スパイの作家、ジョン・ル・カレ氏の見立ては?……

 【決定稿】(7月11日午前7時5分)

 米ロの「スパイ交換」が9日、ウィーンを舞台に行われ、「美人すぎる」アンナさんをヒロインとした「ロシア・スパイ団捕り物劇」に幕が引かれた。

 そんな慌しい「幕引き」を、大真面目に報じたニューヨーク・タイムズの記事を読んで、思わず笑ってしまった。
 記事(⇒ http://www.nytimes.com/2010/07/10/world/europe/10russia.html?_r=1&hp )の「書き出し」がおかしかったからだ。
  
 In a seeming flashback to the cold war, Russian and American officials traded prisoners in the bright sunlight on the tarmac of Vienna’s international airport on Friday, bringing to a quick end an episode that had threatened to disrupt relations between the countries.

 「まるで冷戦の悪夢を思い出させるフラッシュバックのようなものだった。ロシアとアメリカの当局者は9日、ウィーン国際空港の光あふれる滑走路の上で、囚人を交換、両国の関係を脅かしていた諜報劇にすばやく終止符を打った」

 「冷戦の思い出させるフラッシュバック」と書いたニューヨーク・タイムズ記者の「生真面目さ」というか「青さ」加減がおかしくてならなかったのだ。

 白昼の幕引き交換のどこに、「冷戦」時代の諜報戦の不気味な闇と苛烈さがあるというのか?

 ####

 英国の新聞なら、こんな「青い」書き方はしないだろうな、と思って、インディペンデント紙のサイトをのぞいたら、案の定、こんな記事(⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/tony-paterson-vienna-plays-host-to-cold-war-drama-reimagined-as-farce-2023154.html )が出ていた。

 トニー・パターソン記者の解説記事、Vienna plays host to Cold War drama reimagined as farce (ファルス〔笑劇〕として再想像された冷戦ドラマのホストを演じたウィーン)。

 コメディー(喜劇)、しかも大笑いのファルス(笑劇)だと、インディペンデント紙は言い切っていたのだ。

 「1989年以前の(冷戦期の)基準で考えれば、ウィーンでのスパイ交換は喜劇だった。それも、ドラマ(劇的なところ)に欠けたコメディー」

 さらには「冷戦時代のウィーンは、東の共産主義と西欧資本主義が交差するスパイ活動のセンターだった。しかし、この街、ウィーンはその後、諜報の舞台との評判を、グラハム・グリーンやオーソン・ウェルズに頼るようになっている。今や、ほんものの諜報活動はほとんど話題にもならない」とも。

 パターソン記者が(原作)作家のグラハム・グリーンや(出演)俳優のオーソン・ウェルズに言及しているのは、もちろん、ウィーンを舞台にした、シタールのテーマソングでも有名な、あの映画、「第三の男」(⇒ http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD14196/comment.html )を想起しているからだ。

 (あるいは、映画「第三の男」にも「(アリダ・ヴァリ扮する)美人すぎるアンナ」が登場することを想起しているからだ)

 そう、たしかに、パターソン記者の言う通りである。今回の「白昼のファルス」は、あの「第三の男」のような、ぞくぞくするようなサスペンスの影はどこにも見当たらない。

 「第三の男」のウィーンは、三文喜劇の、滑走路ドタバタ野外白昼スワッピング劇場と化してしまった……!

 ####

 なぜ、今回の「ロシア・スパイ団」摘発、及び、スワッピングによる「幕引き」に、スリルとサスペンスがないか、というと、FBIが捕まえた「スパイ」たちが、ちっとも「それらしく」ないからだ。

 逮捕された10人の中にはたしかに、ロシア人である素性を偽った者が含まれ、「活動資金」をもらった者もいるかもしれない。しかし、「何をスパイしていたか」という肝心のポイントになると、とたんに曖昧模糊としてハッキリしない。、

 本ブログ既報のように、あの「美人すぎる」アンナ・チャップマンさん(28歳)など、FBIのオトリ捜査官を怪しんで、ニューヨーク市警に自ら駆け込み、「通報」して「逮捕」される憂き目にあっているのだ。

 インディペンデントと並ぶ英国の高級紙、ガーディアンも、ウィーンでの「スパイ交換(スワップ)」を報じた記事( ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/09/russian-spies-swap-us
 )の中で、逮捕された10人について、括弧付きで「スリーパー(“sleepers”)=潜伏スパイ、冬眠スパイ」と書いているのも、ほんものの「プロのスパイ」ではない、と睨んでいるからだろう。

 筆者(大沼)の現時点での「推理」によれば(偉そうな言い方で、すいません)、「眠れる10人のスパイ」たちは、(おそらく米ロの核軍縮つぶしをねらうアメリカの軍事産業、あるいはそのロビイストのの依頼を受けた)「スパイ企業」に操られていた人身御供の犠牲者たち。キプロス島で「消えてしまった」、あの「第十一(11人目)の男」は、ロシア当局のスパイの元締め役を演じていただけのこと――

 そんな「スパイ企業」(アメリカのジャーナリスト、イーモン・ジャヴェズ氏によると、冷戦崩壊後、ワシントン郊外やロンドン郊外に続々と生まれているそうだ。それも、CIAやMI5、KGB出身者が設立し、協力し合ってもいるという)が「筋書き」を書き、「配役」までそろえた「据え膳」にFBIが食いつき、ちゃっかり自分たちの手柄に変えようと「いただいて」しまった――

 こう考えると、今回のわけのわからないドタバタ劇に一本、筋が通り、すとんと腑に落ちるような気がするが、いかがなものか?

 ####

 であるなら、上記ガーディアンの記事にあった、「顔を立てた(スパイたちの)引渡し a face-saving handover」との謎めいた表現の意味も理解できる。

 そう、そうなのだ。ハッキリ言ってしまおう。
 今回のウィーン・スワッピングは、ロシア政府がアメリカの「顔を立てた」のだ。そしてオバマは「FBI」の「顔を立てた」のだ。

 10人を「スパイ交換」で引き取ることで、ロシアはアメリカの顔を立て、間抜けなFBIのスパイ摘発劇の後始末(尻拭い)させたのだ。そしてオバマが、FBI(など、オバマの足をひっぱるワシントンのタカ派どもに)に対し、「バレバレになって、お前らの顔が泥まみれにならないうにちに、お前らの顔を立ててやったんだ」と、「恩」をかぶせることができるよう仕組んだのだ。

 そしてオバマがこれに呼応し、米ロ関係のリセット路線を守り抜いた……。

 プーチンのロシアは柄にもなく(失礼!)、実にエレガントな、災い転じて福となす解決法を演じたものである。
 
 う~ん、これはもう、ハラショーな「アッパレ」ものではないか!

 ####

 こうなると、スパイ問題&スパイ小説に関心を持つ、全世界の人々の注目の的――である、「あの人」に、是非ともここで登場していただき、その「ご意見」に耳を傾けねばなるまい。

 そう、スパイ問題の世界的なアイドルである「あの人」といえば、もちろん、英国の元スパイ(MI5、MI6出身)で世界的なベストセラー作家のジョン・ル・カレ氏( 日本語Wiki ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AC )。

 「寒い国から来たスパイ」で有名な、あのル・カレ氏が、なんと9日付のガーディアン紙に、今回のスパイ交換についてエッセイを寄せているのだ。もう、さすがガーディアン!、あっぱれ、というしかない。(  ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/09/spy-swap-john-le-carre )

 ル・カレ氏は、スパイ経験者として、こう書いている(拙訳ですが……)。

 「かつてスパイは、動機というものを持っていた。資本主義があり、共産主義があった。どちからを選択することができた。そう、そこには金も女も脅迫もあった。そして昇進の望みが叶わなかったとき、上司を裏切り、背を向けなければならないこともあった。また、神の意志のようなものを感じることも。世界のゲームに参加しているような気にもなったりして……。こういった高貴で下劣な、あらゆる動機のレパートリーがあった。しかし、スパイは最終的に、ある大義を奉じるか、それに反対するか、そのどちらかで活動を始めるしかなかった」

 そして、こう根本的な疑義を呈する。「しかし、一体全体、彼ら(今回の「スパイ団」のこと)の大義はなんだったのか?」と。

 言われてみればその通りである。「スパイ団」と連中の、どこにどんな大義があったのか、ル・カレ氏でなくても考え込んでしまう。

 そうした上でル・カレ氏は、さらに2つの疑問を追加して、観察の目を鋭く凝らすのだ。

 その1、「なぜ、10年も“無能な子どもたち(incompetent children)”を泳がせ、後を追い、盗聴しながら、なぜ、今になって逮捕したのか?」
 その2、「なぜ、ウィーンなのか?」

 ####

 この2つの疑問に対して、ル・カレ氏は、新たな疑問をぶつけることで、答え=真相に迫ろうとする。

 ・ 陰謀論者の言うように、アメリカの幾多の情報機関内の右翼分子が、オバマが対ロ接近を図ろうとしている今、冷戦の妖怪を解き放ったということか?

 ・ 私たちはウィーンと聞いて、あの映画『第三の男』の謎の男、ハリー・ライムのシタールのテーマソングを思い浮かべるが、米ロ情報機関の当局者たちはともに、私たちが再び、あの核戦争のシェルターに逃げ込むことを期待しているのではないか? これは、なかなかズル賢い企てではないか」

 こう布石を打っておいてル・カレ氏は、「もし、そうであるなら……」と、最後のまとめに入る。

 「もし、そうであるなら、米ロの情報機関は(あの映画「第三の男」のように)困惑しきっているはずだ。あの映画に出てくる第三の男、ハリー・ライムとそのかわいげのない仲間たちは、実はスパイ活動に従事していなかったのだ。彼ら、低級のゴロツキどもは、混ぜ物のペニシリンを売りさばいていた。子どもたち(ここにも、children が!!!)に毒を盛って稼いでいた……。そう、そう考えつけば、(「第三の男」の舞台である)ウィーンを交換場所に選んだのも、あながち悪い選択ではなかったことになる」

 ####

 このル・カレ氏の最後の決め台詞、「そう、そう考えつけば、(「第三の男」の舞台である)ウィーンを交換場所に選んだのも、あながち悪い選択ではなかったことになる」を読んで、鳥肌の立つ思いをするのは、筆者(大沼)だけだろうか?

 思うにル・カレ氏は、今回の「ロシア・スパイ団」10人の「子どもたち」の背後に、彼らに毒を盛った「低級なゴロツキ」、すなわち、現代のハリー・ライム、「第三の男」がいる、と示唆しているのである。

 ル・カレ氏は見抜いているのだ。現代の「第三の男」の正体を見抜いているのだ。

 その「第三の男」とは、10人のあわれな「子どもたち」をスパイに仕立てたゴロツキ(crooks)どもであると。

 ル・カレ氏は見抜いているのだ。オバマとメドヴェージェフ(プーチン)の政権が交換場所に、敢えて「ウィーン」を選んだ意味を見抜いているのだ。

 オバマとメドヴェージェフが「ウィーン」を見せ場に選んだのは、このオーストリアの都が「第三の男」を含意し、その「黒幕」の存在を世界に対してメッセージとして示しそうとしたからだ、とル・カレ氏はちゃんと見抜いているのである。

 

 

Posted by 大沼安史 at 12:35 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2010-07-09

〔NEWS ニッポン残酷物語〕 「最小不幸社会? ウソつけ!って感じですね」

  神戸新聞(電子版)に、「首相掲げる最小不幸社会、遠く 貧困・格差深刻化」との見出しの記事が載った。⇒ http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003182554.shtml

 非正規で10年働いたメーカーに雇用契約を打ち切られ、ことし春、ようやく再就職したものの、運送会社での重労働で「ある朝、体が動かなくなった」、家族持ちの男性(45歳)。失業給付も間もなく切れる。
 「最小不幸社会? ウソつけ!って感じですね」
 「頑張っても、頑張っても報われない。オリンピック選手くらい頑張ったよ」

 男性の怒り、苦悩がじかに伝ってくるようだ。

 「最小不幸社会? ウソつけ!」――その通りである。

 「最大(悪)不幸社会」の「不幸」を、消費増税で、さらにイッキ「10%」へ倍増しようとする、この「変節カン」めが……、何を言うか!

 

  

Posted by 大沼安史 at 08:44 午後 | | トラックバック (0)

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 和歌山・岐阜もジェノサイド空爆

 米軍の無差別都市空爆は和歌山、岐阜に対しても行われていた。
 非戦闘員をターゲットにしたジェノサイドであったことを、私たちは忘れてはならない。

 和歌山の死者「1100人以上」、岐阜の死者「900人以上」! 

  和歌山空襲 毎日新聞 ⇒ http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20100709ddlk30040397000c.html 

 岐阜空襲 岐阜新聞 ⇒ http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20100709/201007091716_11109.shtml

Posted by 大沼安史 at 08:25 午後 | | トラックバック (0)

〔重要NEWS〕 米ニクソン政権 米海軍EC121偵察機 日本海上空撃墜事件で 北朝鮮「核攻撃」計画  ワシントンの非政府組織が情報自由法で機密文書を入手  その名も「フリーダム・ドロップ」作戦 

 1969年(昭和44年)4月15日、厚木基地を発進した米海軍のEC121偵察機が日本海上空で北朝鮮の戦闘機によって撃墜され、乗員31人が死亡する事件があったが、その報復として当時の米ニクソン政権が北朝鮮に対する核攻撃へ向け、作戦計画を立てていたことが、ワシントンの非政府組織、「国家安全保障アーカイブ」が情報自由法に基づき入手した機密文書で明らかになった。
 英ガーディアン ⇒   http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/07/nixon-north-korea-nuclear-strike
 英テレグラフ ⇒ http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/northkorea/7878422/Richard-Nixon-planned-nuclear-strike-on-North-Korea.html

 (このとき「核攻撃」が検討されたことについては、日本の時事通信がすでに、ことし2010年6月24日、「北朝鮮への核攻撃検討―米公文書=偵察機撃墜受けニクソン政権」として報じているようだが、筆者〔大沼〕未見。
 また、読売新聞も今年5月9日、「米機撃墜でニクソン政権、北朝鮮空爆を検討」とのワシントン特派員電を載せているが、「空爆」に核攻撃が含まれていたとは報じていない。⇒ http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100508-OYT1T01156.htm )

 「国家安全保障アーカイブ(文書館)」が入手した機密資料16点は、その内容分析とともに、同アーカイブのサイトで公開されている。 ⇒ http://www.gwu.edu/~nsarchiv/NSAEBB/NSAEBB322/index.htm

 このうち、北朝鮮に対する核攻撃「フリーダム・ドロップ(Freedom Drop)」作戦については、第12文書の「レアード国防長官から、国家安全保障会議のキッシンジャー宛ての覚書(1969年6月25日付)」で言及されている。
 
 それによると、第1のオプション(選択肢)は「懲罰的な攻撃」で、北朝鮮の12の軍事目標に対し、0.2~10キロトンの核兵器による攻撃を行う。攻撃は、韓国配備の空軍戦術戦闘機、空母艦載機、陸軍のオネストジョン/サージェント・ミサイルのいずれか、もしくはその組み合わせで行う。

 第2のオプションは、北朝鮮が韓国を空から攻撃した場合の対応措置として、北朝鮮の空軍力を無力化するもので、70キロトンの核兵器の使用も含まれる。北朝鮮の16の空軍基地の全てを攻撃する。攻撃は、韓国配備の空軍戦術戦闘機、空母艦載機、陸軍のオネストジョン/サージェント・ミサイルのいずれか、もしくはその組み合わせで行う。

 第3の最終オプションは、10~70キロトンの核兵器を使用、北朝鮮の戦闘力の大半を壊滅する。第1、第2の攻撃目標に加え、22の軍事目標を追加する。攻撃は、韓国配備の空軍戦術戦闘機、空母艦載機、陸軍のオネストジョン/サージェント・ミサイルのいずれか、もしくはその組み合わせで行う。

 ――――としている。

 また、この核攻撃による韓国軍、及び同盟軍の戦傷者については10%未満。民間人の犠牲は「100人から数千人」と見積もっている。

 当時の米軍が北朝鮮に対する核攻撃で、たったこれしか犠牲が出ない、と予測していたこと自体、驚くべきことだが、ニクソン政権が北朝鮮に対する核攻撃はもちろん、通常兵器による武力報復を回避したことは、当然のことながら、賢明な判断だったといえる。

 (ニクソン大統領が「狂人理論」という対ソ挑発・核攻撃ジェスチャーを繰り返したことは、『戦争の家』〔ジェームズ・キャロル著、大沼訳、緑風出版〕を参照)

 仮に、米側が北朝鮮報復に踏み切っていたなら、日本の米軍基地からの出撃もあったはず。

 実際、第1文書「レアードからキッシンジャー宛覚書(同年4月15日付)」には、「米国としては、オキナワのカデナAB基地、日本のヨコタ。ミサワの戦術戦闘機(F105、F4)……を投入することもできる」との記述もある……。

 「国家安全保障アーカイブ」が入手し、ネットで公開した文書には、米側が日本側の合意を得たとか、日本側が攻撃に反対したといった記述は見当たらない。

 厚木から偵察機を飛ばし、日本政府(国民)のことなどそっちのけで、核攻撃作戦まで練る、アメリカという国!

 「対等な」はずの「日米安保同盟」の、この現実よ!

 ◇参考 EC121撃墜事件  日本語Wiki ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B5%B7%E8%BB%8DEC-121%E6%A9%9F%E6%92%83%E5%A2%9C%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 同・英語Wiki ⇒  http://en.wikipedia.org/wiki/EC-121_shootdown_incident 

Posted by 大沼安史 at 07:52 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-08

〔重要NEWS〕 オバマ アフガン増派戦略 年末に見直し 来年後半からの削減開始を伊紙に明言

 仏紙ルモンドによれば、オバマ大統領は8日、イタリア紙、コリエレ・デラ・セラのインタビューに対し、今年の末にアフガン増派戦略が効果的かどうか見直し、来年2011年半ば(前半)以降、すぐに全面撤退するわけではないが、削減開始の移行期を開始する、と語った。
 ⇒ http://www.lemonde.fr/ameriques/article/2010/07/08/barack-obama-annonce-un-changement-de-strategie-en-afghanistan_1384986_3222.html

 オバマ大統領は昨年もアフガン戦略の見直し、出口戦略の検討を示唆していたが、今回の伊紙への言明は、増派戦略の転換と、アフガン現地に展開する米軍の削減に言及した点で、重要な意味を持つ。ルモンドがこの伊紙インタビューを取り上げたのは、この点に着目したためだろう。

 ルモンド紙の記事にもあるように、米連邦下院はアフガンへの米軍再増派にともなう予算措置を承認したばかり。
 増派路線が続くと、アフガンの「ベトナム化」にも行き着きかねないとの批判も出ており、オバマ大統領はそうした泥沼化への懸念を払拭するために、「年末見直し・来年後半の削減開始」を表明したものとみられる。

 オバマ大統領のコリエレ・デラ・セラ紙にたいする表明は、ワシントン・ポスト紙が、オバマがベルルスコーニ首相と懇意にしていると発言した部分を取り上げたAP電を載せているだけで、米国主流メディアからは、なぜか「無視」されている。⇒ http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/08/AR2010070801413.html

 ホワイトハウス、ペンタゴンあたりから「緘口令」が敷かれたせいかも知れない。

 「米軍、来年半ば以降、アフガンから撤退開始」――このオバマの明言をウヤムヤにしてはならない。

Posted by 大沼安史 at 09:59 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 沖縄の子の願い事

 那覇市の目抜き通り、一番街商店街の「七夕まつり」で、子どもたちが願い事を書いた短冊を竹の枝につるした。

 「ヒーローになりたい」と書いた子もいたと、地元紙の沖縄タイムスに出ていた。
 ⇒ http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-07-07_7838/

 つい先だって、「願い事」ではなく「国民への約束」として、「最低でも県外」という言葉を吐いた日本の首相がいた。
 
 沖縄の子どもたちにとって、その政治家は「ヒーロー」に見えたかも知れない。

 その鳩山首相が約束を反故にしてしまった。

 沖縄の子が、最早、ボクが「ヒーロー」になるしかないと思うのも当然のことだ。

 #######

 「最低でも県外」という言葉がいまだに脳裏から消えない――。
 こんな書き出しの社説が、七夕の日の同紙に載った。

 社説の見出しは〈[公約点検 参院選]いったい争点はなにか〉。
 社説の筆は、当然ながら、民主党に対して手厳しかった。
 ⇒ http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-07-07_7842/
 
 ・ ……沖縄に集中する在日米軍をなぜ県外・国外へ分散できないのか、民主党連立政権はまったく説明していない。

 ・鳩山前内閣の迷走で浮かび上がったのは、安全保障で米国の庇護(ひご)を受け続けるために沖縄の民意を踏みつぶすという冷徹な国家主義だった。その正体を見せつけられた沖縄では、「怒」「差別」といったささくれ立った感情がむき出しになった。

 #######

 鳩山前首相が投げ出した椅子に座った菅直人・新首相について、沖縄県知事をつとめた大田昌秀氏が、雑誌「世界」8月号の対談のなかで、こう指摘していた。

 ・ 菅直人氏は、2002年8月に発表した論文、「救国的自立外交私案」の中で「……民主党中心の政権では、海兵隊の沖縄からの撤退を真剣に検討するよう米国にはっきる求めてゆく」と主張していたはず。

 ・また、菅氏は2003年11月の那覇市での記者会見で、「米海兵隊の基地と人員が沖縄にいなくても極東の安全は確保できる」と言い切っていた。

 「君子豹変」ならぬ「菅子豹変」。「変節カン」を首相に持つ、この国の悲しさ、みじめさよ。

 沖縄の子が、「ヒーローになりたい」と思い定めるのも当然のことだ。

 #######

 8日付けの英紙インディペンデントに、沖縄ルポが載っていた。題して〈島の民は「第2の沖縄戦」の準備に入った〉。⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/islanders-prepare-for-second-battle-of-okinawa-2021163.html

 痛烈な書き出しの記事だった。

 「サンゴ礁からの波、穢れなき白浜に波打つエメラルド・グリーンの海……これほど美しい日本の首相の墓地(複数形)は他にはない」と。

 「墓地」が単数ではなく複数形で書かれているのは、鳩山に続き、菅直人もその後を追って入りそうな、民主党御用達の「墓地」であるからだ。

 ルポ記事には、辺野古に「10万人、あるいはそれ以上が阻止に集まるだろう」と予測する現地関係者の声が紹介されていたが、これは誇張ではない。

 辺野古をめぐる「第2の沖縄戦」――それは着工の準備段階を含め10数年は続くことになるはずだ。

 沖縄の民は――辺野古の住民は、もうとっくに前哨戦に入っていて、ルポ記事によれば、現地の監視小屋は監視開始後、8日で「2253日」を迎えたそうだ。

 #######

 七夕の短冊に「ヒーローになりたい」と書いた子が、辺野古をめぐる「第2の沖縄戦」に加わることも大いにありうることだが、そうした事態になることがハッキリしている以上、菅直人首相はたとえば米側に、こう通告すべきである。

 「海兵隊が沖縄にとどまりたいなら、沖縄の他の米軍基地に移りなさい」

 「国内」でも「県外」でもなく、同じ米軍内で、たとえば空軍の嘉手納基地内へ「軍内移設」せよ、と通告すればいい。
 
 #######

 沖縄の民が望んでいるのは、前言を翻して憚らない「変節カン」でも「卑劣カン」でもなく、言葉に責任を持つ、この国――日本の首相である。

 「破廉恥カン」は、「ヒーロー」にはなれない。

Posted by 大沼安史 at 07:55 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2010-07-07

〔NEWS〕 ニューヨーク熱波 39.4度C

 ニューヨークを6日、熱波が襲った。セントラルパークで午後3時11分、華氏103度(摂氏39.4度)を記録した。
 1999年の華氏101度(摂氏38.3度)を上回る史上最高気温!

 7月の初旬のこのヒートウエーブ。地球暑熱化による地獄の始まり……。 

 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/07/07/nyregion/07heat.html?src=mv

Posted by 大沼安史 at 11:51 午前 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「イラク・ヘリ掃射ビデオ」漏洩などの容疑で米陸軍特科兵、ブラッドレイ・マニングさんを訴追

 英紙デイリー・テレグラフ紙によると、米軍当局はバグダッド郊外の基地配備の陸軍特科兵、ブラッドレイ・マニングさん(22歳)を、諜報法など8つの連邦法令違反の容疑で訴追しようとしていることが分かった。

 マニングさんに対する容疑には、2007年、バクダッド郊外で起きた、米軍アパッチ・ヘリによる機関砲掃射住民虐殺ビデオを「ウィキリークス」に漏洩した疑いのほか、15万点の機密電・機密報告を不法に取得した疑いが含まれているという。

 「ウィクリークス」ではマニングさんのために弁護団を結成するとしているが、マニングさんがかりに漏洩した当事者だとしても、その行為は、「ペンタゴン文書」のダニエル・エルズバーグ博士の場合と同じく、知る権利と擁護したものとして賞賛されねばならない。

 ⇒ http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/7875518/US-soldier-linked-with-Iraq-video-leak-charged.html

Posted by 大沼安史 at 09:31 午前 | | トラックバック (0)

2010-07-05

〔NEWS〕 「間抜けすぎる」スパイ団摘発事件が「米ロ核軍縮(START)条約」をつぶしてしまうワシントンの現実

 米連邦議会の専門紙、「ザ・ヒル」は2日、FBIによる「ロシア・スパイ団」の「摘発」の結果、オバマが調印した米ロ核軍縮条約(START)の批准が厳しくなる見通しを示した。

 オバマが上院で3分の2以上の条約批准賛成票を獲得するには、共和党から最低8人、支持をとりつけなければならない。そんな危うい綱渡りをしていたところへ、この降って沸いたような、「ロシア・スバイ団事件」。

 これで米国民のロシアに対する感情が悪化することは必至だから、それが「条約批准」崩壊の最後の一押し(ラスト・ストロー(最後のひと藁)になるかもしれない、と「ヒル」紙は書いている。
 ⇒ http://thehill.com/homenews/administration/106903-russian-spy-ring-may-be-last-straw-for-obama-nuke-treaty

 それにしても、なんとも間抜けな「スパイ団」どもよ!

 英紙インディペデントによれば、たとえば「美人すぎるスパイ」、アンナ・チャップマンがニューヨークで使ったとされるパソコン通信の「WiーHi」という発信装置は、誰でもかんたんに買えて、かんたんに盗聴できる代物。
 まるでアマチュア、スパイならスパイらしく、傍聴がほとんど不可能は「ウルトラ・ワンドバンド・ラジオ」という装置を(これもショップで売っているから)使えばよかったのに、と専門家はあきれているそうだ。

 「美人すぎる」アンナさんの父親は「KGB」の元「高官」(と、アンナさんの元旦那さん言っている。ちなみ、この旦那さん、英国のマスコミに「アンナ・ストーリー」を「売っている」とか。なお、英紙ガーディアンが、モスクワの彼女の実家を調べたら、KGBの中堅職員用のアパートだった!)、だから彼女は、KGBの流れを汲むロシアのスパイに違いない、などという短絡的な見方が横行していることについて、ロシアの関係者はこういって笑い飛ばしたそうだ。
 
 「あんなお粗末な作戦をしたら、昔なら(スパイもコントローラーも)銃殺ものだね!」

 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/mystery-of-the-sleeper-cell-that-gave-russian-espionage-a-bad-name-2017232.html   

Posted by 大沼安史 at 05:13 午後 | | トラックバック (0)

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 徳島、高松、甲府……空襲の「悪夢」再び

 「国体護持」に汲々とする「日の丸・軍産官神複合体」が潔く敗北を認めなかったのと、米軍の「無差別大量破壊ジェノサイド空爆攻撃」のせいで、65年前、徳島で、高松で、甲府で、無抵抗の日本の民衆が焼け殺された。
 日米の加害者が、いま「安保」などという軍事同盟を組んでいる事実を、もしも加害者たちが知ったら、きっと、絶望と無念と怒りにとらわれることだろう。
 
  徳島空襲(徳島新聞)⇒ http://www.topics.or.jp/localNews/news/2010/07/2010_127820768199.html

 高松空襲(四国新聞)⇒ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/article.aspx?id=20100704000269 

 甲府空襲(朝日新聞)⇒ http://mytown.asahi.com/areanews/yamanashi/TKY201007040285.html   

Posted by 大沼安史 at 04:36 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-03

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 「熊本空襲」 忘れまじ 

 1945年(昭和20年)7月1日夜から2日未明にかけ、熊本は米軍の空襲を受けた。459人が亡くなった。
⇒ http://www.tku.co.jp/pc/news/view_news.php?id=21135&mod=3000

 65周年――。
 許せないことが2つある。米軍の都市一般住民に対する「空爆ジェノサイド」がひとつ。
 もうひとつは、負け戦を認め、早めに白旗を掲げなかった「神の国」支配層の、自分たちの権力維持――「国体護持」への執着である。

 それにしても、日本の戦後保守政権(自民党)は、「ナショナリズム」を言い立てながら、なぜ、米国の「空爆一般民衆殺戮」に抗議しなかったのか?

 「国体を護持」するためには、「玉砕」路線を貫くしかなかった――というのが、「国体」支配層の「本音」だろうが、それにしても今思えば、なんとも無様な、昭和天皇の、あのマッカーサーとの「モーニング姿直立・国体護持成立記念写真」ではある!

 だいたい、「モーニング」とは鬼畜米英の「敵性衣装」の代表例ではなかったのか!

 戦後を生き延びた「国体」支配層よ、考えてほしい。もしもあなたたちが「敗戦」という現実を早期に受け入れていれば、クマモトもヒロシマもナガサキもなかったのではないか。 

 熊本の空襲記念日くらい、すこしは恥を知りなさい!

  (なぜ、クマモトでこれほど怒っているかというと、熊本が空襲された事実を、今まで知らなかったからだ。一度、講演で訪ねたことのある、あの熊本も、無差別空爆ジェノサイドに遭っていた!……ああ、この自分の無知さ加減よ! 国民一般の目を塞いできた、ゾンビー戦後国体護持権力の狡猾な思想統制よ!)

 
 

Posted by 大沼安史 at 05:50 午後 | | トラックバック (0)

2010-07-02

〔NEWS〕 中国が英語による24時間ニュース国際衛星放送 その名も「CNCワールド」 ニューヨークにプレスルーム

 中国が1日、英語による24時間国際TV衛星放送、「CNC (China Xinhua News Network Corporation)ワールド」を開始した。ニューヨークのタイムズ広場には、プレスルームが設けるという。

 新華社 ⇒ http://news.xinhuanet.com/english2010/china/2010-07/01/c_13378575.htm
 ニューヨーク・タイムズ ⇒ http://www.nytimes.com/2010/07/02/world/asia/02china.html?_r=1&hp

   ☆ ☆

 日本では「英語」を「ご主人さまのお言葉」としてありがたがる風潮があるが、中国のCNC立ち上げにはもっと、実利・実用的な発想があるような気がする。
 
 以前、デンマークを訪ねた時、一般向けのラジオで、英語とドイツ語のニュースが流れているのを聞いてビックリしたことがある。
 デンマークは自国語、デンマーク語を政府支援の下、死守している国だが、英語やドイツ語も併せて使えるようにしている。中国も同じような発想だろう。

 日本語を「国語」化し、旧・敵性語の「漢字」を制限する一方、イングリッシュを「学校英語」と化し、イングリッシュによる世界との自由なコミュニケーションを防いでいる政府・文科省とは、そもそもスタンスが違うのだ。 

Posted by 大沼安史 at 03:23 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 トロントで大暴れした「暴徒」、実は機動隊員?

 カナダのグローバル・リサーチ研究所は、先のトロントG8・20で、スターバックスの窓を壊し、パトカーの屋根に上って破壊した「暴徒」の新聞報道写真を分析、履いていた特別製の機動隊用靴(ブーツ)から、暴徒を装った「警官」による「やらせ」と断定するレポートを報じた。
  ⇒ http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=19928

 カナダの治安当局は2007年にも同じ手を使って、抗議する市民を貶めた前科がある。

Posted by 大沼安史 at 02:59 午後 | | トラックバック (0)

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 「岡山大空襲を知っていますか」

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 「岡山大空襲を知っていますか」
 毎日新聞の電子版に岡山発のこんな記事が載っていた。

 岡山大空襲:体験もとに創作劇、就実女学校の同窓生14人が上演へ 
⇒ http://mainichi.jp/area/okayama/news/20100622ddlk33040575000c.html

 「岡山大空襲は45年6月29日未明、米軍機B29の編隊が焼夷弾(しょういだん)を投下、市街地は焼け野原となり、1700人以上が犠牲になった」

 記事の結びを読んで、胸が締め付けられた。

 ――出演者は演劇の結びに……若い生徒たちに問いかける。「今から65年前の6月28日、就実2年生の授業が終わり校門で『また明日』と左右に別れた友達が次の日、岡山空襲で焼け死んだ、という事実、みなさん許せますか?」

 

Posted by 大沼安史 at 01:10 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 美しすぎるロシア人女性“スパイ” 寒すぎるFBIのアナクロ“捕り物劇” 「コーポレート・エスピオナージ(企業諜報活動)」を誤認の可能性

 ロシアのメドヴェージェフ大統領が訪米し、ワシントンでオバマ大統領と「差し」でハンバーガーにパクついた直後、「米露ハネムーン」に水を浴びせるように、FBI(連邦捜査局)が、ロシア「スパイ団」摘発という、青天のヘキレキ花火を打ち上げた。

 キプロス島で行方をくらましたクリストファー・メトロスというカナダ人男性(56歳)をリーダーとする(という)「ロシア・スパイ団」11人。

 その中の一人、アンナ・チャップマンさん(28歳)というロシア人女性が「あまりにも美人すぎる」ものだから、アフガン戦争も、メキシコ湾の海底油田大噴出も、そっちのけの大騒ぎになっている。
 アンナ・チャップマンさんのユーチューブ映像 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=isom010hUz8&feature=related

 ####

 で、このアンナ・チャップマンさんだが、「寒い国から来たスパイ」らしからぬド派手な社交人。   

 「フェースブック」には自分の写真を90枚以上もアップ、ネットの自己紹介サイトでも、自分の経歴を包み隠さず(?)紹介し、ロンドンの銀行で働いていた時は「奴隷でした」などと書いている開けっぴろげな女性だ。
 アンナ・チャップマンさん自己PR ⇒ http://www.linkedin.com/in/chapmananna

 そんなアンナさんの実像に迫ったのが、英紙ガーディアン。
  ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jun/30/anna-chapman-russian-spy-ring/print
    http://www.guardian.co.uk/world/2010/jun/30/anna-chapman

 それによると、彼女はケニア大使を務めたロシア人外交官の令嬢で、もともとの名はアンナ・クチェンコ。
 第2次世界大戦中、東部戦線の関が原、スターリングラードの死闘が繰り広げられたそのスターリングラード、改名してヴォルゴグラードの生まれ。

 モスクワの大学での学生時代は「パーティー・アニマル(宴会動物)」として鳴らし(同級生の証言)、「ニルバーナ」の歌を聴き、しわくちゃジーンズ、黒のTシャツのパンカーとして青春を謳歌しまくっていたそうだ。

 大学卒業後、ビジネスの世界に飛び込み、オンラインの不動産サイトを設立(今も継続中)、その後、ロンドンに移って、英国人男性と結婚、ヘッジファンド、銀行を渡り歩いて経験を積んだあと、新たなビジネスチャンスを求め、アメリカに渡ったという、華々しいキャリアの持ち主だ。

 「グレート・ネットワーカー」(「大蜘蛛女」……意訳し過ぎ???)……つまり、人間関係づくりに卓越した女性――これが、彼女を知るビジネスマンの証言である。

 ####

 そんな「美人すぎる」「偉大なネットづくりの名人」のアンナさんが、どうしてFBIに捕まるようなことになったのか?

 ガーディアン紙によれば、アンナさんの方からニューヨークの警察分署に、「通報」しに行って、なぜか御用になってしまったのだ。

 警察分署に出頭する前、アンナさんにFBIの「オトリ捜査官」が「ロシアのエージェント」を装って接近、偽造パスポートの受け渡しに協力するよう求め、スパイ・ネットワークをつくってくれないか、と持ちかけた。

 アンナさんは一応、同意するふりをしたあと、次の「エージェント」との会合をすっぽかし、ニューヨーク市警の第1分署に駆け込んで通報したのだった。

 そう、つまりアンナさんは「美人すぎる冤罪被害者」!

 FBI側の主張によると、アンナさんはことし1月以降、ロシア政府職員と定期的に合い、ロシア大使館員を装ったFBIの「オトリ捜査官」と合ったあと、偽名と架空の住所で携帯電話を購入した(怪しい!)とされているが、ケータイ購入の際、アンナさんはなんと自分の住所を「フェイク・ストリート(Fake Street)99」と記入しているのだ。
 ニューヨーク・タイムズ紙報道
 ⇒ http://www.nytimes.com/2010/06/30/nyregion/30couples.html?_r=1&hp 

  「フェイク・ストリート(Fake Street)99」――そう「偽通り99番地」。フェイク(偽)ですよ、自分から言っているようなもの。
 美空ひばりさんなら「あ~ら、馬鹿ねえ~。私なら、港町13番地って書くわよお」と、きっとあきれて言うような、スパイらしからぬ所業ではあるのだ(う~ん、スパイも「美人すぎる」と、こうなるのかな~……?!)

 ####

 上記のニューヨーク・タイムズ報道によると、「スパイ団」11人の中には「スパイ・カップル」3組が含まれ、ニューヨーク、ボストンの郊外の高級住宅地(サバービア)で暮らしていたそうだが、それだけで「ロシアのスパイ」と断定するのは、ちょっと無理があるよう。

 そのうちの1組、ニュージャージーのヨンカースに住むラザロさん夫妻は、旦那さんが大学で左翼的な発言を繰り返し、奥さんもスペイン語の新聞に米国に批判的なことを書いていた人。

 当局に目をつけられることを自らすすんで仕出かしているわけだから、アメリカ社会にもぐりこんでじっと息を潜め、諜報活動に従事する「スリーパー」的本格派スパイとしては、「失格」というか「愚の骨頂」である。

 ####

 こうなると、このFBIの「ロシア・スパイ団」大捕り物劇、なんだか嘘っぽく感じられるが、FBIによる「プロパガンダ」だと主張しているのは、現在、ドイツ・デュッセルドルフに住む、英国諜報機関、「MI5」の元エージェント、アニー・マションさん。
 彼女にかんするWiki ⇒ ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Annie_Machon

 アニー・マションさんはMI5のカダフィ暗殺未遂事件関与などに抗議し、MI5を辞職した人で、「9・11」の真相究明も求めている、世界的に有名な「ホィッスルブローラー(警告笛吹き人=内部告発者))。

 その彼女が、ロシアの英語国際テレビ放送、RT(ロシア・ツデー)に出演し、
 ①オバマ政権の米ロ接近を望まない米政府内の強硬派の存在②このところ落ち目のFBIの巻き返し――など、さまざまな問題が今回の事件の背景にあると指摘し、FBIによる「でっち上げ」の可能性を示唆したのだ。
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=-wFWXWrY4Rk&feature=related 

 このアニーさんの主張には、あの「9・11」内部告発者の元FBI職員、シベール・エドモンズさんも、きっと頷いているに違いない。

 ####

 こうなると今回の「ロシア・スパイ団」大摘発事件、あの「赤狩り(マッカーシー時代)」「ピースニク狩り」(ベトナム戦争時代)の「栄光と夢よ、もう一度」とばかりに、間抜けなFBIが仕掛けた「一大政治ショー」――との線が濃厚になるが、エリオット・ネス以来のアンタッチャブルな伝統を誇るFBIのために一言、申し添えれば、FBIがこのところ欧米のハイテク・金融業界を中心に激化する「コーポレート・エスピオナージ(企業諜報活動)」を「ロシア政府の諜報活動」と「誤解」し、「美人過ぎるアンナさん」を軸に無理やり「点と線」をつないだ――との筋書きを考えられる。

 なぜ、こう思うかというと、アメリカでは「冷戦」終了後、スパイ関係者が野に下り、「諜報企業」を次々に設立、果ては旧ソ連のKGB関係者まで米国で「起業」している現実があるからだ。

 (ことしになってアメリカで出た、Broker, Trader, Lawyer, Spy: The Secret World of Corporate Espionage(Eamon Javers著)を参照。⇒ http://www.amazon.com/Broker-Trader-Lawyer-Spy-Corporate/dp/0061697206/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1276991364&sr=8-1

 報道によれば、「美人過ぎるアンナさん」は、ことし3月、スタンフォード大学で開かれたテクノロジー・フォーラムに「潜入」していたそうだが、もしかしたら彼女、「コーポレート・エスピオナージ」の企業(ロンドン郊外にも続々と設立されている)に操られた人だったかも知れない。
 (企業諜報機関が「お国のためだ」と「愛国心」をくすぐり、エージェントに仕立て上げるのは常套手段である……)

 ####

 蛇足にもう一個、トンデモ筋書きを――。

 落ち目のFBIが、ワシントン郊外にある民間スパイ会社に「ロシア・スパイ団」事件の「立ち上げ」を依頼、摘発に成功した自作自演(ロシア当局のふりをした何者かによる他作熱演)劇――かも???

 美人過ぎると、ついつい考え過ぎてしまう……!!!???

Posted by 大沼安史 at 10:53 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-07-01

〔ビデオ NEWS〕 「世界正義を叫べ(Shout Out for Global Justice)!」 トロントG8・20反対集会 ビデオ ヴァンダナ・シヴァ女史、「地球デモクラシー」で反撃を呼びかけ 「和太鼓」を叩いて世界世直しを訴えたのは北米在住のアジア女性ドラマーたち 

 「G8・20」の開催に抗議する、「カナダ人評議会」主催の集会、 「世界正義を叫べ(Shout Out for Global Justice)!」が6月25日、トロント市内で開かれた。
 その模様を全収録したビデオを観た。
⇒ http://rabble.ca/rabbletv/program-guide/2010/06/features/watch-shout-out-global-justice

 ナオミ・クラインさんらが次々に演壇に立ち、「G8・20」を批判した。日本の「マスコミ」が全面的に無視した――たぶん、知りもしなかった、この対抗イベント。
 そのステージで発せられたメッセージは、「新自由主義グローバリゼーション」の仮面を引き剥がすに足る、強烈なものだった。

 発言で印象に残ったものを、いくつか紹介すると――。

 AFL-CLOの副会長、レオ・ジェラルドさんは、カナダ政府がトロントでのセキュリティー確保に、失業対策そっちのけで、なんと20億ドルも投じたことに触れ、「彼らは(セキュリティーに陰に)隠れて出て来ない。われわれを見ようともしない。だからわれわれは、デモ行進するのだ」と語った。

 この発言に呼応して、インドの物理学者で農業エコロジー運動の実践家でもあるヴァンダナ・シヴァ女史が言った。

 「G8・20には、こんなに警察が動員される。同じ国家元首が集まる(ニューヨークの)国連本部にはこんなに警官はいない。それはどうしてか?」
 痛烈な皮肉だった。

 米国(米欧)主導のグローバリゼーションの推進機関として、グローバルな搾取と破壊を進め、世界の民衆の総反撃を受けている「G8・20」の実態をあてこする皮肉だった。

 シヴァ女史は、G20の設計者される、アメリカのローレンス・サマーズについて厳しく批判した。サマーズが世銀のシニア・エコノミストだった1997年当時、「第3世界の命は安い。汚染も輸出できる」といった提案を書いていたことを槍玉に挙げたのだ。

 女史はさらに、グローバリゼーションにさらされるインド農業の悲惨が現状に触れ、モンサントの遺伝子操作種子が進出した場所は、インドで農民の自殺が最も多い場所だと告発した。

 シヴァ女史は最後に、「地球デモクラシー(Earth Democracy)」による世界の民衆による総反撃を呼びかけ、迫力あるスピーチを終えた。

 集会では、北米在住のアジア系女性のドラミング・チーム、RAW( Raging Asian Women=怒れるアジアの女性たち)による「和太鼓」の演奏も披露された。

 RAWは、香港からカナダに移住した中国系の人や、日本人女性らによって結成され、米、カナダで演奏活動を続けているチーム。
RAW ⇒ http://www.ragingasianwomen.ca/index2.html

 グローバリゼーションに反対する、怒れる女性たちの和太鼓の響きが、翌日から、平和的な抗議行動に入る人々を励ましたのだ。

 そう、わたしたち日本の「和太鼓」は、反グローバリズムの躍動を刻む響きになった!

 日本のマスコミの諸君、いまからでも遅くはない。この事実を、日本に伝えよ!

Posted by 大沼安史 at 10:31 午前 | | トラックバック (0)