〔コラム 机の上の空〕 鳩山首相を「退陣」に追い込んだ、お利口なお馬鹿さんたちよ!
何を隠そう、ぼくは馬鹿である。牛(丑)年生まれのくせに馬鹿である。死ななきゃ治らない「馬・鹿」である。
お利口さんでなくてよかったと思っている馬鹿である。でも、お利口さんになれたらよかったのに、とも思っている馬鹿である。未練がましく……。
純血種の馬鹿だから、同類を見分けられる。あ、この人も同じ馬鹿なんだとすぐ分かる。お利口さんも、すぐ分かる。
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今朝(2日)、朝日新聞を読んで、ああ、お利口さんはやはり違うな、と思った。「本社主筆」船橋洋一氏のコラム「日本@世界」、《「信なくば立たず」の教訓》を読んで、このお利口さんは、ぼくとは別の意味で、つくづく「馬鹿だな」と思った。
鳩山首相がどこでどうつまずいたか「独自取材」の成果をあげつらい、「今回の危機が、民主党だけでなく国民にとっても安全保障政策の大切さと怖さについての教育的効果をもたらすことになれば、長期的にはマイナスではない」との賜(のたまわ)っている。
「国民」の一人として、一人の馬鹿なりにぼくは言いたい。船橋氏よ、自分のお利口さの馬鹿さ加減を知りたまえ、と。
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船橋氏はコラムの冒頭、何処から得た情報か出所を明記せず、ことし4月のワシントンでのオバマと鳩山の「やりとり」を書いている。
この時、オバマは「わたしがこの問題(沖縄問題)で発言を控えてきたのは(……)あなた〔鳩山〕が『トラスト・ミー』と言ったからです……ただ以上、解決を長引かせるにはいきません……」と言い、鳩山が「5月末までに、この問題を決着させます」と答えたと述べ、これが問題を「待ったなし」にした、と。
私は馬鹿だから、鳩山首相の発言が、なぜ問題を待ったなしにしたか、分からない。
オバマだって、「イエス・アイ・キャン」と言ったど、いや、やはり「ノー・アイ・キャント」といい続けた男。
そんな「ガキ」に、日本の首相が言質をとられる謂われはない!
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わが尊敬する英紙インデペンデントのパトリック・コバーン記者(⇒ http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E5%8D%A0%E9%A0%98%E2%80%95%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%A8%E6%8A%B5%E6%8A%97-%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3/dp/4846107078/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1275474232&sr=8-1)が、ガザ支援船に対するイスラエル軍のテロ攻撃を批判した記事で、イスラエルの指導者の、お利口な馬鹿ぶりを、こんなイスラエルの諺を引いて指摘していた。
「あんまり馬鹿なんで、軍の将軍たちも、みんな気付かなかったんだよな」"He was so stupid that even the other generals noticed."
⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/patrick-cockburn-pr-dangerously-distorts-the-israeli-sense-of-reality-1988977.html
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お利口な馬鹿と言えば、先日、テレビの番組に出てきた、○○大学教授の、「日本を誰が守ってくれてると思ってるんだ」発言には、驚いたなあ!
ぼくのような馬鹿と違って、お利口さんは違うんだ!
日々、「我が国の安全保障」のことを考えていらっしゃる!
えらいなあ、すごいなあ。
ぼくは自衛隊のみなさんの、ものすごい訓練ぶりを知っているから、船橋氏や○大教授に、そんなに日本の安全保障が大事なら、あんたら、自衛隊に一兵卒として入って、この国を守ってみたらいかが、と言いたくもなる。
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「信なくば立たず」――その通りである。「ノー・アイ・キャント男」のオバマに言った一言に縛られ、国民に対する公約を、沖縄に対する誓いを、「日米間の信頼関係」を優先して破棄することは、日本の指導者としてはやってならない「信なきこと」である。
そのやってはならないことを「やれ、やれ」と迫った、船橋氏以下、ご立派なお利口さんたち。
君たちがさらした「馬脚」を、ぼくたちのような「馬鹿」は決して見逃さない。
Posted by 大沼安史 at 08:37 午後 3.コラム机の上の空 | Permalink