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2010-06-30

〔NEWS〕 沖縄タイムス社説 小虫=オキナワを押し潰す怪物「アメリッポン」

 トロントでの日米首脳会談で「辺野古移設」をうたい上げた菅政権に対して、沖縄タイムスが30日、《押し潰される「小の虫」》と題する社説を掲げた。

 「小の虫」とはもちろん沖縄のことである。社説はこう指摘する。
 
 ……アメリッポンという言葉は「アメリカ」と「ニッポン」の合成語で、「対米追従」「対米融合」などを意味するが、アメリッポンという名の怪物が、自分の利益を優先して「小の虫」を押し潰(つぶ)そうとしているようにも見える。

 菅直人よ、勘違いするのではない。「アメリッポン」というの名の「モンスター・ポチ」とは、ほかでもない、君のことだ。
 つくり笑いを浮かべながら、「小の虫」を踏み潰すんじゃない!

⇒ http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-30_7652/

Posted by 大沼安史 at 08:11 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 パリの空の下、セーヌは発電する!

 花のパリを流れるセーヌ川で、「河力発電」が計画されている。
 パリジャン紙が28日に報じた。⇒ http://www.leparisien.fr/paris-75/paris-des-hydroliennes-sous-les-ponts-pour-capter-l-energie-de-la-seine-28-06-2010-979943.php

 ガガリアーノ、トゥールネル、マリー、シャンジュの4つの橋の下に、スクリュー・タービンを2基ずつ据え付ける。
 セーヌはこの4つの橋のところで、流れが速まっているのだそうだ。その水流の勢いを利用する。

 来年(2011年)1月までに発注先を決定し、4月には最初の発電機が設置されるそうだ。

 仙台は日本の水力発電発祥の地。広瀬川の大橋の下あたりに発電機を設置してはいかが?

 仙台の市長さん、アンパンマン施設の建設もいいけど、パリの市役所に見習い、このくらいのこと、考えなさい!

Posted by 大沼安史 at 07:14 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS ニッポン残酷物語〕 この国は、裁判で判決が出ても生活保護の老齢加算廃止を撤回しない国!

 生活保護の老齢加算廃止・減額は生活保護法違反だとした福岡高裁判決を不服として、北九州市が国と協議の上、最高裁に上告した。
 毎日新聞電子版記事 ⇒ http://mainichi.jp/select/today/news/20100625k0000e040099000c.html

 協議した「国」というのは、年金問題で悪名高き厚労省であろう。

 エリート官僚の「天下り=老齢生活保護加算」だけは年収2000万円近い(超える?)規模で抜け目なく、しっかり「支給⇒受給」しているくせに!

 厚労省担当の記者諸君! 生保担当局の歴代局長の天下り先と、お歴々の天下り老齢加算料の一覧表を報道し、生保加算廃止についてコメントを取りなさい!

 

Posted by 大沼安史 at 02:08 午後 | | トラックバック (0)

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 空襲65周年の岡山で「被爆ピアノ」コンサート 「温かな音でした」と、弾いた女子中学生 

 毎日新聞の電子版(6月29日付)、岡山発の記事。⇒ http://mainichi.jp/area/okayama/news/20100629ddlk33040664000c.html

 ヒロシマで被爆したピアノによる演奏会が、「岡山空襲の日」(29日)の前日の28日、岡山市内の山陽女子中学校で開かれたそうだ。

 弾いたのは2年生の児新美恵さん。「普通のピアノと違って温かい音だった」

 被爆ピアノはこの秋、海を渡り、「9・11」の日、ニューヨークで、平和の音を響かせるそうだ。

Posted by 大沼安史 at 01:46 午後 | | トラックバック (0)

〔戦争と平和 NEWS備忘録〕 「朝鮮人特攻隊員」国策映画

 
 東京新聞の山本勇二・論説委員が、コラム《朝鮮人特攻兵描いた『愛と誓い』》で紹介している。電子版6月30日付。
 ⇒ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2010063002000121.html

 映画「ひめゆりの塔」「橋のない川」で知られる今井正監督が一九四五年に朝鮮人監督との共同制作で、「愛と誓い」という国策映画を撮っているというのだ。

 その映画が初公開された。

 「朝鮮に住む一人の日本人青年が特攻隊員になり戦死する。新聞社の見習いだった朝鮮人の若者が遺族の取材をして心を打たれ、自らも「後に続く」と特攻隊に志願する……」ストーリー。

 朝鮮人に「特攻」を強いた神の国・日本帝国!

 しかし――山本氏よれば、今井監督のこの作品には、遺族の「悲しみ」が「抑制された表現」で漂っている、という。

 それは今井正氏の抵抗でもあり、共同制作した朝鮮人監督の思いでもあっただろう。

Posted by 大沼安史 at 01:33 午後 | | トラックバック (1)

〔ビデオNEWS〕 ヴァンダナ・シヴァ女史 G20のトロントで語る

 ヒマラヤ山麓で有機農業を営みながら、新自由主義グローバリゼーション、地球温暖化への反対運動を続けるインドの物理学者、ヴァンダナ・シヴァ女史がG20開催地のトロントで、ビデオインタビューに応じた。
 ⇒ http://www.rabble.ca/rabbletv/program-guide/2010/06/features/dr-vandana-shiva-g820-created-silence-global-majority

 女史はこう痛烈に批判した。「インドのような国々は、しゃぶられ、使いつくされている。なのに不幸なことに、私たちの指導者は、ハッピーな気持ちでいるのだ。(G20という)お金持ちクラブに入れたことで」(ビデオ8分30秒後以降)

 女史はトロントの集会での演説で、「経済の軍事化」について警告を発したそうだ。

Posted by 大沼安史 at 08:55 午前 | | トラックバック (0)

2010-06-29

〔いんさいど世界〕 世界の民衆へ「失政ツケ回し」  G8(20)トロント居直り宣言 

 トロントでの「G20」を伝えるNHKのニュース(電子版)を読んで、唖然とした。 菅首相がなんと、こんな発言をしたというのだ。 ⇒  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100627/t10015385921000.html

 「……一方、菅総理大臣は、金融危機を教訓にアメリカやヨーロッパが積極的に進めようとしている金融規制の強化について、その必要性を認めながらも、実施に当たっては景気が冷え込まないような配慮が必要と指摘しました」

 金融規制はほどほどに、と言ってのけたのだ。日本の新首相、晴れの「世界デビュー・アドバイス」!

 欧米の金融ドラゴンどもは今頃、手を打って喜び、ロンドンやニューヨークの高級レストランあたりで、「ヨシヨシ、よく言った。ポチにしてやるぞ」と、大いに祝杯をあげていることだろう。

 景気が冷え込まないよう配慮しろ、だと?……そのくせ、消費税を10%へ、イッキ倍増した時の「スーパー消費氷河期入り」への不安は、この「カン違い」首相のアタマの中にはないらしい。

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 世界金融危機の最中、ロンドンで前回サミットが開かれたのは、2009年4月初め。

 それから15ヵ月が過ぎたのに、ギリシャを見れば分かるように、経済危機はむしろ深刻化の一途。

 結局、トロントでは、(日本を除き)「参加国は2013年までに財政赤字を半減する」などという、とんでもない「コミュニケ」を発表してお茶を濁すだけの、当事者能力・指導力の欠如ぶりをさらけだした。

 「機会、またも失われる」――英紙ガーディアンの社説は、トロントの無様なありさまを手厳しく批判、「志も公約も低すぎる」と指摘したが、まったくもってその通りである。 ⇒ http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/jun/29/g20-summit-global-economics-editorial

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 トロントではサミットに対する抗議デモが続き、600人近くが逮捕された。
 なぜ、デモ隊は怒りの声を上げたか?

 米国をはじめとする先進各国の政府が銀行(背後の特権層、大企業)を救済するのに税金を注ぎ込むだけで、なんら抜本的な改革に乗り出さないで来たからだ。

 挙句の果ては、「財政赤字の半減」。
 大不況下に財政赤字を(無造作に)減らす道は2つだけ。行政サービスを削減するか、増税するしかない。
 いずれにせよ打撃をこうむるのは、われわれ世界の庶民。

 カナダの女性ジャーナリスト、ナオミ・クラインさんは、今回のG20の結果を見て、自分が学生時代を過ごし、今、そこに住んでいる、彼女のホームタウンであるトロントが、各国政府指導者たちによる「犯行現場」と化してしまったと嘆いていたが、まさにその通り。⇒ http://www.commondreams.org/view/2010/06/28-1

 トロント・サミットは、世界民衆への「失政ツケ回し」を決めた、「焼け太り」を狙う盗っ人どものサミットだった!

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 投機資金(ホットマネー)の奔流にブレーキをかけ、新たな財源とする国際為替取引税など、サミットでは議論のテーブルにも載らなかった。

 そしてそれほど財政を再建したいなら、米国とNATOが続けるアフガンでの戦争に終止符を打つべきだが、そんな話もなし。

 あの「菅直人」なら、トロントでの世界デビュー戦で、一言でも何か、世界の人々の注目を集める提言・苦言をしてくれるものと、すこしは期待していたが、甘かったようだ。

 よりによって、あの「金融規制、ほどほど」発言!

 「ジャンク」な政治家の本質を露呈した「菅直人」を、日本の民衆(有権者)は捨て去らねばならない。
 

Posted by 大沼安史 at 07:51 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 インド・ムンバイ 驚異の激辛愛情弁当 20万食配達ネットワーク

 今月(6月)の「あさから」(筆者が毎週火曜8時半過ぎからナマ出演している、仙台TBC〈東北放送〉ラジオ番組「グッドモーニング」 のコーナー名)のテーマは「お弁当」。

 そこで今日は、インドから「お弁当」の話題を――「ニュースのお弁当」をお届けに上がりました。真心のこもった愛情弁当のお話です。

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 ことしでなんと「120年」にもなるんだそうです。120年も続いているそうです。

 場所はインドの大都市、ムンバイ(昔、ボンベイといった大都市です)。

 そこで1890年に始まった、「愛情お弁当」集配システムが、いまだに続いているんだそうです。

 そう、各家庭のママさんたちがこしらえたお弁当(これを「ティフィン」と言います)を、お昼に、職場とか学校とか、決まった場所に届ける集配システム。

 それもなんと1日20万食! 200食じゃなく、20万食!!!
 それがなんと毎日、きちんきちんと、ドンピシャ・タイミング――「おまちどうさま」モードでデリバリーされているというのですから、これはもう「インド人もびっくり」ですね。

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 「ダバワラ」さんっていう、テフィン(お弁当)の配達人たち、5000人でつくる「ムンバイ弁当配達組合」が毎日、続けている、人類史上空前規模の大作戦。

 それがローテクながら、とんでもない効率と精確さで続いているのです。
 それも、特定の地域に限った、限定デリバリーじゃありません。ボンベイとその郊外をつなぐ、大規模なネットワークなんです。

 お弁当が汽車で通勤(学)するですから!

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 具体的に言わないと、その凄さは伝わらないかも知れませんね。

 配達に使われるのは、円筒形3段重ねの「ダバ」っていう、保温のお弁当箱(ブリキ、スチール製)です。

 これに毎朝午前9時過ぎまでに、お弁当を詰めます。(ナンとかパスタをメーンに、カレーやエジブトマメの炒め物とか、スパイシーな副食がつくのが定番)

 詰め終えたところに、ピンポーンと鳴って、担当の「ダバワラ」さんが現れ、「ダバ」を受け取っていく。

 「ダバワラ」さんたちは絶対に「ヴァン(車)」を使いません。自転車です(その方が早い。近道OK&渋滞フリーです)。自転車に「ダバ」を葡萄の房のように積んで、最寄の郊外駅に向かいます。

 駅で、ボンベイ市内の目的地別に仕分けし、10時ごろの列車に積み込む。そして市内中心部の主要駅で積み下ろし、他の駅から来た「ダバ」も一緒に再仕分けします。そして、また自転車に積んで、おなかをすかせた人々の胃袋へとまっしぐら。

 12時30分前後のドンピシャ・デリバリー。

 食べ終わった「ダバ」もちゃんと回収し、夕方までに各家庭に届けるというのですから、すごいですね。

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 大雨の日も(モンスーンがあります)、洪水の日も、絶対に届ける。

 配達圏は半径45キロ。

 誤配は1600万回に1回という、ほぼ完璧モード。

 これには実は長年、培った、ある工夫があるのだそうです。

 「ダバ」(丸いお弁当箱の)蓋の部分に、赤いペンキで、目的地を数字、英語イニシャルのコードで書き込み、一目で、分かるようにしてある。

 だから、間違った配達は、ほぼゼロ%ですんでいるそうです。

 で、気になる1ヵ月あたりの配達代は150ルピー(約300円)。

 ダバワラさんたちはそれぞれ集金したものから、たった10ルピーを組合に納めるだけ。汽車賃代などを差し引いても、まずまずの暮らしをするだけのものが手元に残る。

 組合はあくまで組合。雇用関係ではないので、ダバワラさんたちはみな、一種の自営業。お互いに助け合って、横のつながり、水平のネットワークの中で生きているのですね。 
 
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 この「愛情弁当」「家庭の味」「おふくろの味」のお弁当デリバリー、もともと、大英帝国のイギリス人たちの需要で始まったものだそうですが、職場や学校に、我が家の「台所発」の「あったか&(たぶん)激辛?ランチ」が届くなんて、すごいことです。

 英国のチャールス皇太子も現地視察して感激し、カミラさんとの結婚式にダバワラさんの代表2人を招待したそうです。

 カミラさんに「家庭の味を大事にしようね」とでも言いたかったのでしょうか!
 
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 インドにもファースト・フードの波が押し寄せているそうですが、ダバワラさんたち、インターネットで注文を受け付けたりして、負けずに頑張っているそうです。

 そしてダバワラさんたちの組合は、必要経費を除いた組合費を、貧しい人々の食糧支援に回している。

 インドの女性物理学者で哲学者のヴァンダナ・シヴァさんは、こういうことこそ、伝統が未来を切り拓く、ローカルな生活に根ざしたエコノミーだと言っていますが、ほんとうにそうですね。

 私たちも「ダバ」を届ける「ダバワラ」さんたちに声援をおくることにしましょう。

⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2008/aug/20/india-travelfoodanddrink

  http://www.guardian.co.uk/world/2002/jun/24/worlddispatch.india

  http://www.independent.co.uk/news/world/asia/the-mumbai-working-lunch-470555.htmlhttp://www.independent.co.uk/news/world/asia/the-mumbai-working-lunch-470555.html

  http://en.wikipedia.org/wiki/Dabbawala

Posted by 大沼安史 at 10:28 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-06-25

〔NEWS〕 ギリシャ政府 エーゲ海の島、売ります!

 財政難に苦しむギリシャ政府がエーゲ海の島の国有地を外資に売却(あるいは長期貸し出し)しようとしている。

 まさに「売国土」――「国土」を売り渡す「政府」って何なんだ!(と書いたとたん、沖縄の米軍基地問題を思い出して、赤面してしまった……)

 エーゲ海南部、キクラデス諸島にある世界的な観光地、ミコノス島の国有地も目下「売り出し中」。

 ロードス島の区画には、ロシアや中国の投資家が関心を示しているそうだ。
 
⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/jun/24/greece-islands-sale-save-economy

Posted by 大沼安史 at 01:03 午後 | | トラックバック (1)

2010-06-22

〔いんさいど世界〕 流血と流油 「抑止力」効かず  崩壊寸前のアメリカ

 沖縄・普天間基地で私たち日本人は、何を現実問題として「認識」させられたか?

 日本の主流メディアによる圧倒的な洗脳ジャーナリズムによって、私たちは、「アメリカ」という国の(「安全保障」問題における)「怖さ」(朝日「主筆」氏による表現)「再学習」させられた――。

 アメリカというご主人さまは、こんなにも強大な国、「我が国」がその「抑止力」に頼っている以上、よもや、ゆめゆめ、逆らってはなりませぬぞ――というのが、この国の主流マスコミの「ご宣託」だった。 

 普天間基地問題をめぐり、駐ワシントンの日本大使が米国務省の「異例の呼び出し」を受け、あたふた駆けつけたという、この国の「大本営報道」が、実は「小役人・日の丸外交官」主導の「やらせ」と判明し、血統正しき無様な「ポチぶり」をあらためて立証したのはお笑い草だったが、ポチどもが懸命に尻尾を振りながらふりまく「強大なアメリカ(軍)」幻想に、私たちはこれ以上、踊らされてはならない。

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 わが敬愛する米国のジャーナリスト、ジェームズ・キャロル氏(拙訳、『戦争の家』(上・下2巻、緑風出版)が、ボストン・グローブ紙に、「崩壊寸前(On the verge of collapse)」というコラムを書いていた。⇒ http://www.boston.com/bostonglobe/editorial_opinion/oped/articles/2010/06/21/on_the_verge_of_collapse/

 ペトレイアス米中央軍司令官が米上院軍事委員会で、アフガン戦争での証言を求められた際、一時的に気を失った(朝飯食べなかったから、と言い訳している……)ことから書き出した、キャロル氏のコラムは、同じその日の下院での、ガルフ湾海底油田原油流出事件での聴聞会にも触れ、こう断じていた。

 「このワシントンでの二つの聴聞会は、アメリカに広がる疲弊と落胆の気分をつかむものだった。アメリカの国民は、さまざな前線における無能に根本的に曝されている……」
 The two Washington hearings captured the widespread American mood of exhaustion and dread. The nation has been drastically confronted with its impotence on multiple fronts……

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 アフガン&ガルフ湾――アメリカ主導のアングロ・サクソン・グローバル軍産石油複合体はまさに、あらゆる戦線で、とんでもない失敗をし続け、私たち人類に・私たちの地球環境に、途方もない出血を、汚染の受難を、強いているのだ。

 普天間基地問題で、私たちが持たされた「強大なアメリカ」のイメージとは裏腹な現実がここにある。

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 先日、ジャパン・タイムズ(電子版)に、「日本人の元米海兵隊員、抑止力の“神話”を批判」という英文記事が載っていた。 ⇒ http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100619f1.html

 今から15年前、沖縄に駐屯したこともある元米海兵隊の日本人、高梨公利さん(38)=東京都、会社員=が、沖縄の人々を交流し、米海兵隊の実像を伝えているという、共同通信配信の英文記事だった。

 普天間基地問題で、日本の政府、御用学者・ジャーナリストらが大合唱し続けた念仏(マントラ)は、海兵隊の(戦争)「抑止力」だった。

 海兵隊員だった高梨氏は、こう言って、このアホどものたわごとを斬って捨てた。

 海兵隊はただいま現在、戦争に従事しているではないか。抑止力があったら、そもそも戦争・戦闘は起きてはない……!!

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 そう、まさしくその通り。
 米海兵隊(米軍)に、抑止力があったなら、戦争・戦闘は起きるはずもないことなのだ。
 
 韓国の哨戒艦も(どこのものかは知らないが)魚雷によって撃沈されることもない。

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 先日、米国の反戦サイトの「デモクラシーNOW」を見ていたら、ノルウェーの平和研究家、ヨハン・ガルトゥングさんがインタビューに登場し、アメリカ帝国は2020年までに崩壊する、と予言していた。⇒ http://www.democracynow.org/2010/6/15/i_love_the_us_republic_and

 ガルトゥングさん(奥さんは日本人)は、ソ連崩壊を予言し、的中させた人。

 そのガルトゥング氏が、10年以内のアメリカの崩壊を明言している……。

 これは冗談で言っていることでない。氏の、学者としてのキャリアのいわば総決算として、そう言い切っているのだ。

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 アフガンでの流血と、メキシコ湾での原油流出。

 米海兵隊(米軍)がなすべきはアフガンの民衆に対する殺戮と破壊のテロルではなく、海底油田の「暴発」という、環境テロの封じ込めであろう。

 アフガンで殺しまくり、その間、メキシコ湾の海底油田は有毒な原油を噴出し続けている……。

 流血と流油――そのどちらも押さえ込むことのできない「アメリカ」。

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 「抑止力」?!――笑わせるんじゃない!

Posted by 大沼安史 at 07:42 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (3)

2010-06-20

〔ビデオNEWS〕 映画「キャタピラー」 沖縄で上映開始

 映画「キャタピラー」の上映が19日、那覇市の桜坂劇場で始まった。

 カンヌ映画祭で銀熊賞を受賞した主演の寺島しのぶさんや若松孝二監督らが舞台あいさつした。

 あいさつの模様を、沖縄タイムズが電子版のビデオで紹介した。
⇒ http://www.okinawatimes.co.jp/gallery/1/

 南アW杯の開幕イベントで、ツツ大司教が、「醜い毛虫(キャタピター)が、いま美しい蝶になった」と、その歴史的な意義を語っていたが、映画「キャタピラー」が沖縄で上映が開始される意味も大きい。

 戦争で手足をもがれた悲劇の毛虫は、沖縄で平和の蝶になって空を舞う……。

Posted by 大沼安史 at 12:23 午後 | | トラックバック (0)

2010-06-19

〔いんさいど世界〕 「米軍ヘリ虐殺ビデオ」をウィキリークスへ漏洩したとされる米陸軍情報アナリスト、ブラッドレイ・マニング氏(22歳)をめぐる「点と線」 誰がこの内部告発の「英雄」を嵌めたのか? フリー記者、グレン・グリーンワルド氏の調査報道レポートから浮かび上がった疑惑

 米国の独立ジャーナリスト、グレン・グリーンワルド(Glenn Greenwald )氏(43歳)は、故I・F・ストーンの不屈のジャーナリスト活動を記念して創設された「イッツィー賞」を受賞した、調査報道の第一人者である。
 憲法問題を専門とする法律家でもあるグリーンワルド氏は、ブッシュ政権の人権侵害を告発した記者としても知られる。
 ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Glenn_Greenwald

 そのグリーンワルド氏が、ネット誌「サロン」に、「この奇妙で重大な、ブラッドレイ・マニング、アドリアン・ラモ、そしてウィキリークスをめぐる事件(The strange and consequential case of Bradley Manning, Adrian Lamo and WikiLeaks)」という題の調査報道レポートを掲げた。⇒ http://www.salon.com/news/opinion/glenn_greenwald/2010/06/18/wikileaks/index.html

 ブラッドレイ・マニング氏とは言うまでもなく、先ごろ「ウィキリークス」が公表し、全世界に衝撃波を広げた、「米軍アパッチヘリ撮影のイラク住民機関砲虐殺ビデオ」を漏洩したとされる、イラク駐留の米陸軍情報アナリスト(特科兵)である。

 グリーンワルド氏のレポートは、このブラッドレイ・マニング氏をめぐる「事件」の真相に迫ったものだ。

 事実を積み上げてゆく厳密さで書かれた氏のレポートを読んで、私(大沼)は「事件」の闇の深さを垣間見ると同時に、調査報道の力というものを膚で感じ、勇気付けられた。

          *****

 弁護士でもあるグリーンワルド氏の記述は、結論を急がない、事実に即した綿密なレポートだが、それだけになおさら、疑惑の闇は深まる。

 氏のレポートが衝く問題の核心は、タイトルにもあるように、ブラッドレイ・マニング(以下、グリーンワルド氏以外、全て敬称略)とアドリアン・ラモ、そしてウィクリークスとの「関係」である。

 なかでも、ブラッドレイ・マニングと、(マニングとネットを通じて話し合い、マニングをFBIに通報するとともに、マニングが送って来たというバグダットの米大使館機密電報26万点をFBIに転送したという)アドリアン・ラモの「関係」が、どうにも腑に落ちない。

 アドリアン・ラモは、2004年にニューヨーク・タイムズのコンピュターシステムに侵入して摘発された元ハッカー。
(マニングとのネット・コミュニケーションを報じた「ワイアド」のケヴィン・ポールソンは、ラモのハッカー仲間で、ハッキングで有罪判決を受けたあと、米政府の協力者になった人物でもある)

 そんなラモと、ブラッドレイ・マニングが一体、どんなふうに「出会い」、コミュニケーションをするまでになったか?――この点が実に不透明なのだ。

 グリーンワルド氏の電話でのインタビューに対して、ラモが語ったところによると(録音テープあり)、①最初に暗号化された文書メールを送って来たのはブラッドレイ・マニング(解読ソフトが旧式のもので解読できなかった、とラモは主張)②そこでブラッドレイ・マニングに対し、AOLのIM(インスタント・メッセンジャー)チャットで話し合おう(チャットし合おう)と、ラモの側から提案した――というのが、そもそもの発端。

 だったはずなのに、ラモはYaHooニューズに対してはこの言明を覆し、ブラッドレイ・マニングの方から、いきなり(アウト・オブ・ブルー)、AOLのIMチャットでコンタクトを取って来た、となぜか主張。

 このように両者のコミュニケーションの「発端」からして実にあいまいであり、たとえ事実が①及び②のいずれかであったとしても、一面識もない2人がどうしてネットで出会い、交信するようになったか、まったくもって不明である――これがグリーンワルド氏の指摘である。

 おまけにグリーンワルド氏によると、ブラッドレイ・マニングがラモと交信を続けた数日間というは、ブラッドレイ・マニングが米当局かた取調べを受けていた最中のこと。

 ここからは、グリーンワルド氏のレポートにない、私(大沼)勝手な想像部分だが、ラモが誰かの差し金でブラッドレイ・マニングにネットを通じて接触、自分は「ジャーナリスト」であると信用させて、当局の取調べに危機感を覚えたブラッドレイ・マニングに手持ちの情報を全て吐き出させた――と考えるのが、ごく自然な推理の帰結だと思うが、いかがなものか?

 そしてラモは、都合の悪い部分を削除したメールでのやりとりを、「ワイアド」のポールソンに通報し、それが今月6日付けのあの「ワイアド」のスクープ報道につながった……。

 ここで、なぜラモはFBIへの通報に加え、「ワイアド」のポールソンへ情報を提供したか、という疑問が湧くが、この点についてグリーンワルド氏は、米当局が「ウィキリークス」の情報提供者逮捕を全世界に印象付ける――つまり、「ウィキリークス」へ内部告発しようものなら、たいへんなことになりますよ、と威嚇するためだったのではないか、と示唆している。

 同氏が指摘するように、その後の《米軍、「ウィキリークス」指導者を追跡》報道を見れば、そこに、威嚇して漏洩を防ごうとする米当局の意図を見ることは、たしかに容易なことである。

 以上をまとめて言ってしまえば、今回のブラッドレイ・マニングの逮捕劇は、元ハッカーを使ったおとり捜査と米当局の漏洩封じを狙ったもの、と言いきってよいものではないか?

          *****

 なぜ、これほどまでに米当局は、「ウィキリークス」つぶしに狂奔しているのか?(「ウィキリークス」をつぶす考えは、「ウィキリークス」に漏洩した米陸軍反諜報センターの報告書で明言されている)

 この点について、グリーンワルド氏は、「ウィキリークス」に対しては政府の「コントロール」が効かない点を挙げている。

 同氏によれば、ニューヨーク・タイムズはブッシュ政権が米国市民に対し令状なしに盗聴を行っていること察知しながら、まる1年も寝かせ(社主、主幹がホワイトハウスに呼びつけられて、ブッシュ再選後に報道)、ワシントン・ポストは、「ウィキリークス」で公開された米軍ヘリ虐殺ビデオを2年前に入手しながら報道しなかった疑いがあるという。

          *****

 閉塞したジャーナリズムを打開する希望は、調査報道と内部告発にあり!

 主流マスコミが御用マスコミと化す中で、グリーンワルド氏らのようなフリーのジャーナリストによる調査報道及び権力者のコントロールに屈しない「ウィキリークス」のような、まっとうな「ネット社会の木鐸」の存在は、世界のデモクラシーにとって死活的に価値を持つものになっている。

  それにしても何とも鮮やかな、グリーンワルド氏の斬り返しよ!
 

Posted by 大沼安史 at 05:14 午後 | | トラックバック (1)

2010-06-18

〔NEWS〕 アイスランドが調査報道を守る「メディア・ヘイブン」に

 アイスランド国会は17日、同国が調査報道で真相報道にあたるジャーナリストを訴訟圧力から守る「メディア・ヘイブン(避難港)」となる法案を圧倒的な賛成多数で可決した。

 権力による報道統制・歪曲が進む中、調査報道の必要性は世界的に高まっているが、調査報道を受ける権力側(大企業など)が「訴訟ツーリズム(お出かけ提訴)」といわれる手法で、ロンドンなどで自在に裁判を提訴。それに対応する裁判費用が巨額なものになることから、英紙ガーディアンのような良心的・進歩的なメディアを苦しめていた。

 アイスランドの今回の決定は、同国にベースを置けば、調査報道する側はそうした不当な圧力から自己防衛できるというもの。

 日本でも調査報道に携わり、真相を暴露したジャーナリストが、権力の圧力で所属する機関から弾圧にさらされる異常事態も起きており、アイスランドを拠点とした取材・報道活動に動くグループも当然、出て来よう。

 日本の独立系(フリー)のジャーナリストたちで、レイキャビークに本拠を置く組織を立ち上げる時かも知れない。 

⇒ http://wire.antiwar.com/2010/06/17/iceland-parliament-votes-for-strong-media-laws/ 

Posted by 大沼安史 at 07:44 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 スーチー女史 65歳  世界への「伝言」は「あなたの自由を使ってください!」 英紙がネットで「写真集」を公開

 ビルマ民主化運動の指導者、スーチー女史が19日、65歳の誕生日を迎える。

 65歳! よくもここまでがんばって来たものだ。

 そんなスーチーさんの、世界への「伝言」を含む、ビルマの別の(男の)民主化運動家の手書きの書簡が国外に持ち出され、その内容が英紙インディペンデントによって報じられた。

 彼女の英語による「伝言」は、以下の通り。

 Please use your liberty to promote ours.

 あなたの自由を私たちの自由のために使ってください。

 世界への伝言 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/aung-san-suu-kyis-desperate-plea-to-the-world-2003669.html

 一方、英紙ガーディアンはスーチー女史の写真集を電子版に掲げた。

   写真集 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/gallery/2010/jun/17/aung-san-suu-kyi-photographs 

 1971年の英国留学の際のパスポートの写真も含まれている。雪の中にたたずむ「おしん」のような写真も
 

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2010-06-17

〔NEWS〕 「オバマは第3期ブッシュ政権」 エルズバーグ博士が独誌との会見で言明

 ダニエル・エルズバーグ博士はドイツのシュピーゲル誌(英語電子版)との会見で、「オバマはいくつかの重要な点でブッシュ政権の3期目以外のなにものでもない」と批判した。
⇒ http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,699677,00.html

 1971年に「ペンタゴン文書」を暴露し、ベトナム戦争の真相を白日の下にさらけ出したエルズバーグ博士だが、79歳になっても、その正義を愛する心に衰えはない。

 博士はさらに、続けてこう言った。
 「オバマは、市民的自由の侵害、憲法違反、中東での戦争で、ブッシュ政権の最悪部分を継続している」

 ついにエルズバーグ博士からも見限られたオバマ! 

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〔NEWS〕 ウィキリークス アサンジ氏に「生命の危機」 エルズバーグ博士が指摘

 ペンタゴン文書を暴露したダニエル・エルズバーグ博士は17日、米NBCテレビ番組で、米軍のアフガン虐殺ビデオを公開を予告している「ウィキリークス」の指導者、ジュリアン・アンサジ氏について、「これは是非語っておきたいことだが、このところ、この国(アメリカ)では、新しい不吉な状況が生まれている。彼(アサンジ氏)は、身体的にも安全ではない」と語り、同氏が生命の危機に立たされている、と警告を発した。

 以下のビデオ8分20秒以降~ ⇒ http://www.ellsberg.net/archive/daniel-ellsberg-fears-assanges-in-danger

Posted by 大沼安史 at 07:29 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 日本「金と女」で捕鯨集票工作 英紙が調査報道

 英紙サンデー・タイムズ(タイムズ日曜版)は13日、日本が「大規模捕鯨」の継続のため支持を取り付けようとして、国際捕鯨委員会(IWC)に加盟する小国をターゲットに、「現金」と「売春婦」をあてがっている、との調査報道の結果を報じた。
 ⇒ http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7149091.ece

 この買収工作について日本政府は否定しているが、同紙の取材班は工作を受けた国の当局者の「証言」を録画しているとしている、

 タンザニアの当局者の証言によれば、経費全額日本持ちで日本での会議に出席した同国の漁業大臣や役人たちに対し、「いい女たち(グッド・ガールズ)」(コールガール)が提供されたという。。

 また、ギニアの水産当局者は、IWCの開会中、日本はふつう、ギニアの漁業大臣に対し、1日最低1000ドルの「現金」供与を行っている、と証言している。

 事実とすれば国辱もの。日本の愛国ジャナーリズムは事実の究明に総力を挙げねばならない。

Posted by 大沼安史 at 07:07 午後 | | トラックバック (0)

2010-06-16

〔NEWS〕 ウィキリークス指導者 米軍によるアフガン民間人140人殺戮ビデオ入手をメールで確認 国務省機密文書については否定

 デイリー・ビーストのフィリップ・シェノン記者(元ニューヨーク・タイムズ記者)によると、「ウィキリークス」指導者のジュリアン・アサンジ氏は15日、米国内の支持者へのメールで、ウィキリークスがアフガンの米軍ビデオを入手し、公開に向けて準備を進めていることをあらためて明言した。

 米軍アフガン・ビデオについて「ウィキリークス」はこれまでも内部告発者から入手したことを明らかにしていたが、アサンジ氏は今回のメールで、問題のビデオが、昨年5月、米軍がアフガンのガラニ村を攻撃した際の米軍撮影のビデオであることを新たに言明した。

 ガラニ村への攻撃では、子どもや女性を含む、140人のアフガン民間人が犠牲になったという。

 一方、アサンジ氏は米陸軍の情報アナリストが米国務省の機密電報26万点を漏洩したとされる点にも触れ、「ウィキリークス」として提供を受けていはいないと事実を否定した。

⇒ http://www.thedailybeast.com/blogs-and-stories/2010-06-15/wikileaks-founder-has-garani-massacre-video-according-to-new-email/?cid=hp:mainpromo1

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2010-06-14

〔NEWS〕 イスラエル軍 ガザ救援船襲撃 「記録映像」の持ち出しに成功 「デモクラシーNOW」が特報 

 イスラエル軍特殊部隊によるガザ救援船襲撃の模様を船内から(で)実写した「映像」がイ軍の没収を免れ、持ち出された。

 映像は、急襲したイスラエル軍のヘリを捉えているほか、銃弾を浴びて負傷した人々の生々しい姿を映し出している。

 「デモクラシーNOW」が報じた。

 イスラエル右派政権による暴挙を許してはならない。

⇒ http://www.democracynow.org/2010/6/10/exclusive_journalist_smuggles_out_video_of

Posted by 大沼安史 at 06:34 午後 | | トラックバック (1)

2010-06-13

空から歌が聴こえる Just the Other Side of Nowhere

 Mよ、Nowhere 、ここが出発点だろうが……??

 ⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog3/2010/06/just-the-other.html

Posted by 大沼安史 at 06:45 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 W杯南ア大会始まる 平等で・平和な・核兵器のない世界へ、WAKA WAKA!(やれっ、やるのよ!)

 ワカ・ワカ WAKA WAKA――今や世界の合言葉ですね。

 開幕前夜の記念コンサートで、南米コロンビア出身の歌姫、シャキーラさんが歌った、WAKA WAKA。
 アフリカ・カメルーンの言葉で、「やれっ、やるのよ!」と言う意味だそうです。(英訳は、Do,do it!)
 ♪ ワカ・ワカ ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=-qmB4ZZF_uA

  ○○○○○

 ご存知のように、11日、ヨハネスブルグ・ソウェトのスタジアムで開かれたW杯開幕式に、新しい、人種差別なき南アフリカを生み出した反アパルトヘイト(人種隔離政策)運動の指導者、ネルソン・マンデラ氏の姿はありませんでした。

 91歳の高齢をおして出席するはずでしたが、曾孫娘のゼナニさん(13歳)が前夜祭のコンサート帰りに輪禍に遭い、亡くなられたからです。

  ○○○○○

 ゼナニさん――13歳の黒人少女の死のニュースは、南アの人々の心に、そして世界中の人々の心に、あの「ソウェトの悲劇」を思い出させたはずです。

 そう、W杯の前夜祭・当日の開幕式・開幕戦が行われたソウェトのオーランド地区は、34年前の(1976年の)「6月16日」、黒人の少年少女や学生たちが500人以上も、白人治安部隊の銃撃で命を奪われた悲劇の現場だったからです。

  ○○○○○

 南アの白人少数派によるアパルトヘイト支配がなおも続いていたら、今回のW杯はありえませんでした。
 
 アパルトヘイトの頃は、動物園にも「有色人種・アジア人・犬の立ち入り禁止」の札が立っていたのです。

 その「アジア人」の中に、日本人も含まれることは言うまでもありません。

 それをなくした、ANC(アフリカ民族会議)のマンデラ氏らの闘い……。
 南アのもう一人の黒人指導者、ツツ大司教は言いました。「マンデラ氏なしに、これ(W杯)はありえなかった」 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/africa/a-day-of-joy-for-his-people-a-day-of-grief-for-mandela-1998306.html

  ○○○○○

 南アでのW杯開催にはこうした歴史的な背景があるのですが、「アパルトヘイト」の撤廃もさることながら、この「虹の国」は実は「核兵器を開発し、自ら廃棄した世界唯一・最初の国」でもあるのです。

 南アの白人少数派(アフリカーナ)による国民党政権は、アパルトヘイト体制の延命を狙って「核武装」に走った政権でした。

 南アはつまり、「人種差別」と「核」の国だったわけです。

 それがマンデラ氏らの運動によって、今の姿に生まれ変わった。

 唯一の被爆国、日本の私たちが讃えるべきは、「人種隔離の廃棄」だけでなく、「核兵器の廃棄」でもあるのです。

  ○○○○○

 最近、「The Unspoken Alliance (語られざる同盟)」という本が米国で出版され、評判になっています。⇒ http://mondoweiss.net/2010/05/excerpt-from-the-unspoken-alliance-israels-secret-relationship-with-apartheid-south-africa.html

 著者は、米国の権威誌、フォリーン・アフェアーズのエディターを務める、サーシャ・ポラコウ・サーランスキー(Sasha Polakow-Suransky)氏。

 この本は南アの旧体制とイスラエルの核開発における協力関係を、南アの機密文書を元に暴露したもので、内容の一部を英紙ガーディアンが紹介( ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/may/23/israel-south-africa-nuclear-weapons )するなど、国際的な波紋を広げた労作なのですが、私(大沼)が何よりも驚いたのは、著者のサーシャさんが、私の教育学研究の恩師である、バレリー・ポラコウ氏の息子さんだったことです。

 バレリー・ポラコウ氏はアパルトヘイトの南アから米国に逃れて来た白人の女性教育学者。
 ブラジルの有名な教育学者、故パウロ・フレイレ氏から「学問的な娘」と呼ばれた人です。

 (シカゴ大学出版会から出た彼女の本(『失われゆく子供期』 ⇒ http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%86%E3%81%8F%E5%AD%90%E4%BE%9B%E6%9C%9F%E2%80%95%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%98%BC%E9%96%93%E4%BF%9D%E8%82%B2%E3%81%AE%E5%8D%B1%E6%A9%9F-V%E3%83%BBP%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC/dp/4760602623/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1276389001&sr=8-1
を私は、早大の久米稔先生との共訳で出版しました)

 その息子さんが、母親の国(父親の国でもある)の核開発のことを明るみに出した!

  ○○○○○

 そこで早速、その The Unspoken Alliance を取り寄せ、一読したわけですが、それによると、南アの旧体制は1982年4月に、ヒロシマ型原爆の開発に成功しているのだそうです。(同書152頁)。

 南アの核開発に協力したのはイスラエルで、南アが核開発に成功する8年前の1975年には、ジェリコ・ミサイルに搭載可能な核弾頭(3タイプ)の供与を南ア側に打診したこともあるといいいます。(同書81頁~、南アはこれを購入しませんでした。あまりにも高価なためだったようです)

 南アの旧体制(国民党政権)は最終的に、1990年になって時のデ・クラーク大統領が「廃棄」を決め、翌91年にはNPT条約に加盟するのですが、その当時、南アがどれほど核兵器を保有していたか(一説には核爆弾20発、核砲弾100発以上)、どのように廃棄されたか(イスラエルが引き受けたか?)――は不明のまま。

 いずれにせよ、南アの旧政権がアパルトヘイト支配体制の最終崩壊過程の中で、核廃棄に踏み切ったことは間違いありません。

 そんな南アの核の全史を明るみに出した、バレリーの愛息、サーシャ!
 それも南アW杯の直前に!

  ○○○○○

 核開発した国が核を全廃した例は、もちろん南アが初めてです。旧ソ連のウクライナやカザフなどが、ソ連崩壊後、ロシアに「返還」した例はありますが、核開発国が核をなくした例は他にはありません。

 核廃絶は日本の願いであり、世界の願いです。

 その意味で、南アW杯の開催には、「核廃絶」という世界的なゴールに向けた、試合の開始という歴史的な意味合いが含まれている、と言えるでしょう。

 来年は中東非核会議が開催され、イスラエルの核の問題が取り上げられるはず。

 北朝鮮も、核を廃棄し、平和裏に政権交代した南アの歴史に学ばなければなりません。

 平等で・平和な・核兵器のない世界へ、WAKA WAKA!(やれっ、やるのよ!)の時代が来ているのです。  

Posted by 大沼安史 at 10:11 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2010-06-12

〔NEWS〕 米軍ヘリ、イラク民衆機関砲掃射ビデオ ウィキリークス漏洩の疑いで22歳の米陸軍情報アナリストを逮捕 ペンタゴン 流出情報のさらなるネット公開を恐れ、ウィキリークスの指導者を追跡

 「ウィキリークス」に米軍ヘリによるイラク民衆機関砲掃射ビデオが流出した件で、米軍当局はイラクに駐留する米陸軍情報アナリスト(特科兵)、ブラッドレイ・マニングさん(22歳)を逮捕した。

 ネット・メディアの「ワイアド」がスクープで報じたもので、その後、ワシントン・ポストやBBCも相次いで報道、「内部告発」したとされるマニングさんに対し、世界的な注目が集まっている。

 マニングさんはメリーランド州ポトマックの出身。バグダッドの東65キロにある「ハマー前進作戦基地」に配備されていた。逮捕されたのは半月以上前で、現在、クウェートに身柄を移されている。

 「ワイアド」によると、マニングさんはコンピューターも元ハッカーとのオンラインでの会話で、「ヘリ掃射ビデオ」の漏洩を認めたとされる。

 マニングさんはまた、元ハッカーに対して、機密外交文書が「公開」されたら、ヒラリー・クリントン以下、心臓麻痺を起こすのでは、と語ったとされる。

 「ウィキリークス」は、米軍によるアフガンでの民衆虐殺ビデオの公開を予告しているが、これがマニングさんによる漏洩かは不明。

 一方、ネット・メディア、「デイリー・ビースト」に掲載された、元ニューヨーク・タイムズ記者、フィリップ・シェノン氏のレポートによると、米軍当局(ペンタゴン)は、「ウィキリークス」のさらなる米機密情報の公開を恐れ、「ウィキリークス」主宰者のオーストラリア人、ジュリアン・アサンジ氏の捜索活動を続けている。

 

 ワイアド⇒ http://www.wired.com/threatlevel/2010/06/leak/

 デイリー・ニューズ ⇒  http://www.nydailynews.com/news/world/2010/06/07/2010-06-07_spc_bradley_manning_allegedly_arrested_for_leaking_collateral_murder_helicopter_.html

 ワシントン・ポスト ⇒ http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/06/09/AR2010060906170.html

 インディペンデント ⇒ http://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/news/pentagon-rushes-to-block-release-of-classified-files-on-wikileaks-1998313.html

   ガーディアン ⇒ http://www.guardian.co.uk/media/2010/jun/11/wikileaks-founder-assange-pentagon-manning

 デイリー・ビースト ⇒ http://www.thedailybeast.com/blogs-and-stories/2010-06-10/wikileaks-founder-julian-assange-hunted-by-pentagon-over-massive-leak

Posted by 大沼安史 at 07:49 午後 | | トラックバック (0)

2010-06-02

〔コラム 机の上の空〕 鳩山首相を「退陣」に追い込んだ、お利口なお馬鹿さんたちよ!

 何を隠そう、ぼくは馬鹿である。牛(丑)年生まれのくせに馬鹿である。死ななきゃ治らない「馬・鹿」である。

 お利口さんでなくてよかったと思っている馬鹿である。でも、お利口さんになれたらよかったのに、とも思っている馬鹿である。未練がましく……。

 純血種の馬鹿だから、同類を見分けられる。あ、この人も同じ馬鹿なんだとすぐ分かる。お利口さんも、すぐ分かる。

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 今朝(2日)、朝日新聞を読んで、ああ、お利口さんはやはり違うな、と思った。「本社主筆」船橋洋一氏のコラム「日本@世界」、《「信なくば立たず」の教訓》を読んで、このお利口さんは、ぼくとは別の意味で、つくづく「馬鹿だな」と思った。

 鳩山首相がどこでどうつまずいたか「独自取材」の成果をあげつらい、「今回の危機が、民主党だけでなく国民にとっても安全保障政策の大切さと怖さについての教育的効果をもたらすことになれば、長期的にはマイナスではない」との賜(のたまわ)っている。

 「国民」の一人として、一人の馬鹿なりにぼくは言いたい。船橋氏よ、自分のお利口さの馬鹿さ加減を知りたまえ、と。

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 船橋氏はコラムの冒頭、何処から得た情報か出所を明記せず、ことし4月のワシントンでのオバマと鳩山の「やりとり」を書いている。

 この時、オバマは「わたしがこの問題(沖縄問題)で発言を控えてきたのは(……)あなた〔鳩山〕が『トラスト・ミー』と言ったからです……ただ以上、解決を長引かせるにはいきません……」と言い、鳩山が「5月末までに、この問題を決着させます」と答えたと述べ、これが問題を「待ったなし」にした、と。

 私は馬鹿だから、鳩山首相の発言が、なぜ問題を待ったなしにしたか、分からない。

 オバマだって、「イエス・アイ・キャン」と言ったど、いや、やはり「ノー・アイ・キャント」といい続けた男。

 そんな「ガキ」に、日本の首相が言質をとられる謂われはない!

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 わが尊敬する英紙インデペンデントのパトリック・コバーン記者(⇒ http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E5%8D%A0%E9%A0%98%E2%80%95%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%A8%E6%8A%B5%E6%8A%97-%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3/dp/4846107078/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1275474232&sr=8-1)が、ガザ支援船に対するイスラエル軍のテロ攻撃を批判した記事で、イスラエルの指導者の、お利口な馬鹿ぶりを、こんなイスラエルの諺を引いて指摘していた。

 「あんまり馬鹿なんで、軍の将軍たちも、みんな気付かなかったんだよな」"He was so stupid that even the other generals noticed."
⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/patrick-cockburn-pr-dangerously-distorts-the-israeli-sense-of-reality-1988977.html

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 お利口な馬鹿と言えば、先日、テレビの番組に出てきた、○○大学教授の、「日本を誰が守ってくれてると思ってるんだ」発言には、驚いたなあ!

 ぼくのような馬鹿と違って、お利口さんは違うんだ!

 日々、「我が国の安全保障」のことを考えていらっしゃる!

 えらいなあ、すごいなあ。

 ぼくは自衛隊のみなさんの、ものすごい訓練ぶりを知っているから、船橋氏や○大教授に、そんなに日本の安全保障が大事なら、あんたら、自衛隊に一兵卒として入って、この国を守ってみたらいかが、と言いたくもなる。 

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 「信なくば立たず」――その通りである。「ノー・アイ・キャント男」のオバマに言った一言に縛られ、国民に対する公約を、沖縄に対する誓いを、「日米間の信頼関係」を優先して破棄することは、日本の指導者としてはやってならない「信なきこと」である。

 そのやってはならないことを「やれ、やれ」と迫った、船橋氏以下、ご立派なお利口さんたち。

 君たちがさらした「馬脚」を、ぼくたちのような「馬鹿」は決して見逃さない。
  
   

Posted by 大沼安史 at 08:37 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2010-06-01

〔コラム 机の上の空〕 汝と我のイスラエル

 ガザ支援船団に対するイスラエル軍特殊部隊の急襲で死者が出た。イスラエル軍兵士の銃弾で、10人も(9人説も)の命が奪われた。

 その「命」の重みを、ネタニヤフ・イスラエル右派政権は、どう考えていることだろう。

 「汝」=あなたの、かけがえのない命を奪ってしまった、申し訳ない、と考えているのか、それとも、お前らの「その」、取るに足らない命を消し去っただけ、と思っているのか?

        ##########

 私の師、米国・ボストン近郊で「サドベリー・バレー」校を主宰するユダヤ系米国人、ダニエル・グリーンバーグ氏(元コロンビア大学・物理学者)の夫人、ハンナさん(同じくユダヤ人、マサチューセッッツ工科大学の元生化学者)から、以前、こんな話をうかがったことがある。

 ハンナさんはエルサレムの育ち。日本でも有名な『汝と我』の哲学者、マルティン・ブーバーは、ハンナさんの縁戚だそうだ。

 「ブーバーは背が低い人で、私たちは彼を、へブライ語で人形(ブバ)と呼んでいました」

        ##########
 
 関連して、もうひとつ。
 ヨルダン川西岸で「インティファーダ」が盛んだった頃、パレスチナ人の視点に立って報道を続けた、イスラエルのユダヤ人ジャーナリストがいた。

 ジョエル・グリーンバーグ氏。(エルサレム・ポスト紙でレポーターを続け、そのパレスチナ人寄りの報道姿勢を理由に解雇された、と聞く)

 ダニエルとハンナさんに聞いたら、親戚だと分かった。

        ##########

 こんな思い出を綴ったのも、他ではない。

 今回のネタニヤフ右派政権の暴挙を、彼らは――ダニエルもハンナも、他の心あるディアスポラのユダヤ人同様、悲しんでいるに違いないからだ。

 こんなことをイスラエルはしてはならない……そう考えているユダヤ人は、きっと多いに違いないのである。

 指揮者・ピアニストのダニエル・バレンボエムも、間違いなく、そういう思いでいるはずだ。

 そのバレンボエムの親友で、大江健三郎氏とも親交のあったパレスチナ人作家、故エドワード・サイード氏も、生きていたら、バレムボエム氏と一緒に、きっと今回のネタニヤフ政権の愚かしい暴力的行為を非難したはずである。

 (ちなみにサイード家のエルサレムの住居跡に戦後、移り住んだのは、ハンナ・グリーンバーグさんの縁戚のマルティン・ブーバーだった!)

        ##########

 これはイスラエル紙、「ハーレツ」の社説に書かれていたことだが、今回のイスラエル軍の、ガザ支援船団に対する奇襲攻撃は、第2次世界大戦後の1947年に起きた、ユダヤ人移民船「エクソダス号」事件のまるで“裏返し”である。

 ナチスに迫害されたヨーロッパを脱出、「約束の地」に向け、海路、入植しようとするユダヤ人を乗せた「エクソダス」号が、英海軍艦艇によって阻止され、死傷者が出た、あのイスラエル建国史に残る事件の、攻守ところを換えた、今回の虐殺事件。

 イスラエルは何時の間にか、「受難の民」から好戦的な「選民」へと変わったしまっていたのだ。

        ##########

 イスラエルは、米国によって戦後、中東における「楔」の役割を負わせられていた。米国があの「カーター・ドクトリン」で、中東に直接介入することを決めるまでは、とくにそうだった。

 イスラエルは米国に、「核武装」することすら認められていたのである。

 が、そのイスラエルの「核」に対して、今、国際的な批判が集中している。

 5月30日付けの英紙ガーディアンは、米主流権力の機関誌、「フォーリン・アフェアーズ」のシニア・エディター、サーシャ・ポラコウ・サーランスキー氏の調査結果を元に、イスラエルが南アに対し、1970年代の半ば、「ジェリコ」ミサイル付きで核兵器の売り込みを図っていた事実を、南アの極秘文書を元に暴露した。

 これはたぶん、米権力の主流が、核を持ったイスラエルを「お荷物」と考え始めている証拠である。

 先のニューヨーク「NPT会議」で、米国もまた賛成の意思表示して、来年、「中東非核化地帯」会議が開かれたことが決まったが、これまたイスラエル包囲網のひとつの現れであるだろう。

 (ちなみに、サーシャ・ポラコウ・サーランスキー氏の母、バレリー氏は、わたし大沼の恩師である。バレリー氏は南アから米国に移り、現在、東ミシガン大学教授を務める教育学者である)

        ##########

 ちょっと唐突な言い方になるが、こうなると米国は、イラク・イランの「石油」を確保できるなら、それと引き換えに、イスラエルの「核」の無力化に踏み切ることもあるのではないか!……

        ##########

 イスラエルの最近の強硬路線は、そうした包囲網の狭まりに反発してのものともいえるが、だからといって、ここ数年来の、狂ったような軍事力の行使は正当化されるものではない。

 イスラエルにとって、死活的に重要なことは、ブーバーの言うように、パレスチナ人を「それ」と見なすのではなく、「汝」と思うことだろう。

 「汝と我」――その対話の中にしか、イスラエルの生きる道はないのではないか!

        ##########

 ガザ支援船には、「ホロコースト」の生き残りのユダヤ人女性、ヘディー・エプスタインさん(85歳)も乗船しているのだ。

 イスラエルよ、「汝」は今こそ、目を覚ますべきである。

 すべて剣を取るものは剣に滅ぶことを、イスラエルよ、汝は知るべきである。

 イスラエルは、ガザ支援船のガザ入港を認めるイスラエルでなければならない。

Posted by 大沼安史 at 09:26 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ガザ救援船急襲事件 英ガーディアン(電子版)がライブ・ブログ

 英紙ガーディアンが電子版に、イスラエル軍特殊部隊によるガザ救援船急激事件でライブ・ブログを開設した。
⇒ http://www.guardian.co.uk/world/blog/2010/jun/01/israel-flotilla-raid-fallout-live

 同紙はコペンハーゲン環境サミットの際も、会議の模様を刻一刻、伝えるライブ・ブログを開設し、会議そのものに対して、国際世論の影響力を及ぼしている。

 それに続く、今回のライブ・ブログ。
 新聞の電子版ジャーナリズムの未来形を先取りした、新しい報道のあり方と言えるかも知れない。

Posted by 大沼安史 at 06:11 午後 | | トラックバック (2)

〔いんさいど世界〕  世界よ変われ! 「ユーモア政治(党・家)」で

  日本の政治が混迷する中、「ユーモア政治」とでもいうべき新しい政治のスタイルが、氷の国・アイスランドと、南米のコロンビアで登場し、注目を集めています。
 古い殻を破った、新たな政治スタイルが世界的に出現しつつあるのかも知れません。
     ####

 29日の土曜日、アイスランドの首都レイキャビークの市議選――。
 生後半年というホッカホッカ新党、「ベスト党」が35%も得票し、6議席(全議席15議席)を確保、第一党の座に躍り出ました。

 歴史と伝統と誇る保守政党の独立党が34%の得票で5議席、アイルランドの政権党の主力である「社会民主連合」は3議席でした。

 レイキャビークの市民(人口12万人)に氷――いや水を浴びせかけられたかたちの既成政党なわけですが、この「ベスト党」というのが、これまでの政党イメージとはかけ離れた、実にユニークな「パーティー」。

 党首がアイルランドで最も人気の高いコメディアンのヨン・グナールさん。
 「うまく行くものなら何でもやります」をスローガンに掲げ、公約に「レイキャビーク動物園に(われわれと同じく絶滅の危機に立つ?)ホッキョクグマを!」を打ち出すなど、ユーモア・キャンペーンで選挙戦を繰り広げ、金融危機以来、暗いムードに沈む市民たちを励まし、支持を広げることに成功したそうです。

 党首のグナールさんが互選で新市長に選ばれる公算も高く、それを足場にグナールさんが大統領になる可能性も見えているそう。

 グナールさんによれば、「ベスト党」の党是は、アナクロ・シュールリアリズム(時代錯誤の超現実主義)????
 要は「レイキャビークをフレンドリーで、よりナイスでより安全な街にする」ことだそうです。

⇒ http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704382304575276592216165962.html?mod=WSJ_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsTop

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 南米のコロンビアで30日、大統領選が行われたました。
 9人が立候補した激戦で、誰も過半数を得票できず、得票率で首位に立ったサントス前国防相(現大統領の後継候補、と47%得票)と、選挙戦後半に急速に支持を拡大した、元(首都)ボゴタ市長、アンタナス・モックス氏(21%)の2人が6月20日の決戦投票に臨むことになりました。
⇒ http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE1E3E2E29C8DE1E3E2E7E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=ALL

 この大統領選、実は世界的な注目を集める中、行われたものですが、それは2番手のモッカス氏が、これまでにない型破りの候補者だったからです。

 「緑の党」(el Partido Verde)の候補もさることながら、とっても愉快な異色の人物。「政治家」のイメージを一新させる、すごいキャラクターの持ち主。

 バルト海の国、リトアニアからの移民の子として、首都ボゴタに生まれたモッカスさん(「氏」より、「さん」がお似合いだ)、実は元々、フランスで勉強した哲学と数学を専攻する学者さんでした。

 コロンビアのナンバーワン・最高学府、コロンビア国立大学の教授として教鞭をとっていたことも。

 哲学者・数学者、そして大学教授というと、なんかいかめしい感じがしますが、ヒョウキンなところもあるらしく、「おしり丸出し(こらお前たち、ちゃんと注目!)」事件というのを1994年に大学の講堂で起こし、学界を追われた経歴の持ち主。

 このおふざけユーモアで学者生命を失ったモックスさんでしたが、一躍、陽気なコロンビアの庶民の人気者に。

 政治の世界に見事な転進を果たし、首都のボゴタの市長を断続的に2期(1995~97年、2001~03年)務めました。

 このポゴタ市長時代の仕事ぶりが、実に愉快で凄すぎ。

 交通ルールを誰も守らない、大混乱の街・ボゴタ(人口677万人)を、交通マナーがしっかり守られる街に変えてしまった、というのですから……。

 どんなふうにして? 警察官の取り締まりを強化して?

 いや、そうじゃなく、なんと市役所職員扮するパントマイムの道化たちをストリートに登場させ、交差点で、交通ルールを守るよう、マイムで呼びかけたのだ! マナーを守らないドライバーを道化たちがマイムで注意する、パントマイム交通安全運動!

 交通警察官には違反切符(呼び出し状)ではなく、サッカーのような「レッドカード」を支給。

 道路税を払った車の所有者には、親指を下に下げた「だめじゃないか」カード(なぜか緑色)と、親指を上げた「ありがとう」カード(白)を手渡し、街頭でトラブった時、怒鳴りあうのではなく、カードで意思表示し合うシステムも導入。
 その結果、ボゴタでは、白の「ありがとう」カードが圧倒的な比率で見られるようなったそうです。

 こうしたユーモアあふれる交通安全運動だけでなく、市の職員の間で「ハグし合う」運動を広げたのも、モックスさんの業績。

 また、市内の最富裕層に対する「10%のオプショナル税」の提案!

 オプショナルだから、強制ではなく、自由意志による選択なわけですが、マッコスさんの呼びかけに応え、なんと6万人ものリッチな人々がすすんで「10%」余計に税金を払ってくれるようになったそうです。

 ボゴタ市長一期目の1996年1月、モックスさんは自分の結婚式で、すごいイベントをやらかしました。

 なんと結婚式はサーカスの公演。招待客は入場料を支払って参加。新郎・新婦もチケットを買っての入場。

 収益はそっくり、ボゴタのストリートチルドレン支援に回されたそうです。

 このサーカス結婚式でモックスさんは、なんと象の背中に乗って、ベンガル虎たちの檻の中に入ってみせたというから、凄すぎ!

 もうこの時から、コロンビアの民衆の期待を一身に浴びていたモックス氏。

 ことし3月、コロンビアの「緑の党」の党首に選出され、「緑の党」の候補として大統領選に出馬、他の有力政党の候補を押しのけて2位に浮上したわけです。
 決選投票の結果が楽しみですね。

 実はモックスさん、パーキンソン病をおしての出馬!
 マッカスさん、がんばれと、親指を突き上げた「いいね、OKだよ」カードを立てて応援したいものでね。

 モックスさんについては以下の記事を参照。
  ニューヨーク・タイムズ ⇒ http://www.nytimes.com/2010/05/08/world/americas/08colombia.html?scp=1&sq=Antanas%20Mockus&st=cse

 インディペンデント ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/colombia-set-to-elect-the-worlds-first-green-leader-1980495.html

  (結婚式の記事)⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/mayor-with-mostest-hugs-the-limelight-1302760.html

 Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Antanas_Mockus

Posted by 大沼安史 at 12:29 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)