« 〔NEWS〕 怒りの島、沖縄 「琉球新報」が「鳩山首相は米政府、外務・防衛官僚の言い分を無批判に受け入れるな!」社説 | トップページ | 〔NEWS〕 沖縄タイムズ 社説 「普天間」大迷走 民主党に骨はないのか »

2010-05-06

〔いんさいど世界〕 米軍を沖縄から一掃することは、地球環境を守ることである

 5日付の朝日新聞に、主筆、船橋洋一氏によるコラム「日本@世界」が掲載された。「拝啓 鳩山由紀夫首相」
 
 新聞の主筆が、日本の首相に、友のようなふりして「手紙」を書いている……興味を覚え、読み始めた。

 「ワシントンに来ています」――沖縄の米軍基地問題で「決断」を求める朝日主筆の書き出しは、こうだった。

 思わず、「私も沖縄に来ています」の読み違えかな、と思ったが、やはり、そうだった。「ワシントンに来ています」だった。@(びっくり?)ワシントン!

          @@@@@

 船橋洋一主筆は、さらに、こう言葉を継いでいた。「冬の再来を思わせる肌寒い日が続きましたが、今度は夏の到来のような陽気で、落ち着きません」

 落ち着かない時候の挨拶を、「普天間飛行場の移設問題」につなげ、「これまた落ち着きません」と、問題の在り処を焦点化するための「書き出し」だったが、私には「沖縄米軍」問題を解決するためにも、ワシントンに通い慣れた船橋氏の覚えた、気象に対する「落ち着かない」違和感こそ、根本的な問題だと思えた。

          @@@@@

 私の住む、東北の仙台も5日の日、25・9度を記録する「夏日」だった。5月にもう、夏の暑さ。近くのパン屋さんに行ったら、店の女性が顔中、汗だらけだった。仙台も――船橋氏の言うように、異様に寒かったり、異常に暑かったしている。

 これはなぜか?

 私は気象学者でも何でもないから、専門家の意見を聞くしかないのだが、地球温暖化問題の世界的な権威といっていい、米国のジェームズ・ハンセン博士はこう指摘している。

 温暖化によって極地の雪氷が溶け、零度の真水になって極地の海を覆っている。真水は、高緯度地方の海水より水温が低く、軽いから、塩分の多い、高緯度の海水のように沈下(して、海の表面に南のより温かな海水を呼び込もうと)しない。

 それが高緯度地方の極端な「寒さ」を呼んでいる。
 
 すなわち、異常な「寒さ」は温暖化によるもの。基本は温暖化だから、中緯度地方以南では、北からの「寒さ」に拮抗し合いながら、異常な「暑さ」が生まれている――これが、ハンセン博士の指摘である。

          @@@@@

 ハンセン博士に従えば――あるいは環境保護に立ち向かう世界の環境保護派の人々によれば、朝日主筆の船橋氏がワシントンで感じた、異常な寒暖は、首相への手紙の枕詞に使うような、軽い時候の挨拶ではないのである。

 なぜ、日本を代表するジャーナリストが米国の首都で感じる「異常気象」が、「沖縄米軍基地」とも絡む問題であるのか?

 それはひとつに、米国が世界最大の「温暖化元凶国」であることもさることながら、米国の軍隊――米軍が、実は世界最大の「温暖化元凶組織」であるからだ。

 「エネルギー・ブレティン」誌は、こう端的に指摘する。⇒ http://www.energybulletin.net/node/26194

 「その通り、米軍は完璧に石油中毒になっている。空母、軍艦、地上車両、基地がペンタゴンを世界1の石油消費者にしていることは、驚くべきことではない」

 Yes, the US military is completely addicted to oil. Unsurprisingly, its oil consumption for aircraft, ships, ground vehicles and facilities makes the Pentagon the single largest oil consumer in the world.

          @@@@@

  「エネルギー・ブレティン」によれば、米空軍は2005年9月末現在、5986機の空軍機を、米海軍は2006年の初め、285の艦船と約4000の海軍機(ヘリを含む)を、米陸軍は約28000台の戦車など装甲車両と持ち、米陸軍と海兵隊は14万台の高移動性多目的車両を配備している。(米海兵隊の軍機などは言及されていない)

 これによる、2006年会計年度の米国防総省の石油消費量は、1日あたり32万ガロン。これには日本などの海上給油などはカウントされていないそうだ。

 この2006年度の数字は前年より4万バレル(1日あたり)少ない消費量だが、その後の「アフガン戦争」を考えると、現状はこれをかなり上回るものになっている、と見られる。

          @@@@@

 英国のチャーチル首相はかつて、英国は石油で戦争を勝つことができたといったが、米国も石油で「世界戦争」を戦っているのだ。

 石油を、石油燃料を燃やして、「戦争」を戦い抜いている。

 米軍がたとえば石油消費を半減させるだけで、「地球温暖化」の流れを相当、減殺できることは間違いない。

 沖縄の有力紙、琉球新報によれば、移設問題の焦点の米海兵隊・普天間飛行場には、「十数機の固定翼機と三十数機のヘリコプターが常駐しているとされる」。

 たったこれだけではあるが、とりあえず、地球環境を守るために、ゼロに削減する……すなわち、同基地を移転させるのではなく、閉鎖してしまう。
 そして、世界最悪の温暖化要因である米軍を、さらに縮小してゆく――これこそが実は、最も緊急な問題として求められているものではないか?

          @@@@@

 朝日の船橋主筆は「戦略環境の変化に即した戦略的覚悟が求められる時です」と、首相への「手紙」に書いているが、今、戦略的な覚悟が求められているのは、「戦略環境」ではなく「地球環境」の変化に即した、対応であろう。

 米国の軍産複合体による軍事権力=「戦争の家」の軍事的な暴力に明日はない。「軍事的な安全保障」とは、自己撞着の表現でしかないのである。

 インドの物理学者でエコロジストのヴァンダナ・シヴァ女史の言葉をかりれば、環境保護こそ、私たちの最重要な安全保障であるのだ。(女史の著書、「地球デモクラシー(Earth Democracy)」より)

 「普天間」だけではない、沖縄の全米軍基地を撤去することは、「母なる地球」を救うことにつながる。

 私たちの「エコ」を守るためにも(沖縄のサンゴを、ジュゴンを守るためにも)、米軍を、沖縄から、日本から――そしてこの地球上から、一掃しなければならない。

Posted by 大沼安史 at 06:44 午後 1.いんさいど世界 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔いんさいど世界〕 米軍を沖縄から一掃することは、地球環境を守ることである: