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2010-04-09

〔コラム 机の上の空〕 「戦争の家」の道化師 オバマ プラハにサーカス巡業 「核の傘」で「世界」転がし

 アメリカのオバマ大統領が8日、チェコのプラハで、ロシアのメドベージェフ大統領とともに「ニューSTART」なる「核軍縮条約」に調印した。

 調印後、オバマは言った。
 「ニューSTART条約は前を向いた、重要な第一歩だが、長い旅の一歩に過ぎない」
 While the New START treaty is an important first step forward, it is just one step on a longer journey.

 長い旅の重要な第一歩(?)。またも「スタート(始まり)」、片足を踏み出しただけ――2010年の「プラハの春」において、「核の長い冬」はさらに続くことになった。
 悪夢の道はどこまで続くのか。

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 名ばかりの「プラハの春」――。「核軍縮」も名ばかりだった。

 ● 発効から7年以内に両国の戦略核弾頭の「配備」数をそれぞれ「1550」に制限する……

 条約の「柱」であるこの「合意」自体、無意味なものなのだ。
 制限するのはあくまでも「配備」された戦略核弾頭。「未配備」、つまり単なる「備蓄」分は含まれない。

 それに、この「1550」の「数字」の意味!
 「1」は「1」にあらず、「1」は「20」でもあり得る、不思議な算術が採用された。

 この「1=20」とは、ニューヨーク・タイムズ紙が挙げたトリックの一例。米軍のB52爆撃機の搭載核弾頭は20発(14の空中発射型巡航ミサイル、6発の重力爆弾)だが、「ニューSTART」では、これをひとまとめにして「1」とカウントするのだそうだ。⇒ http://www.nytimes.com/2010/03/31/world/europe/31start.html

 何が「核軍縮」! 実態はむしろ、「核軍拡」ではないのか!

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 プラハでの調印後、ロシアのメドベージェフ大統領が行った発言(リマーク)の英訳が、ホワイトハウスの公式HPに一時的に掲載されたが(その後、削除!)、そこにこんな表現があった。

 「われわれは信じている――そして、これこそ、われわれの希望であり立場だが――、この条約は核攻撃力における、質的、あるいは量的な(XXX 聞き取りできず)がないという条件付きでのみ、有効なものであり、運用できるものだと、われわれは信じている」
 We believe -- and this is our hope and position -- we believe that the treaty can be viable and can operate only provided there is no qualitative or quantitative (inaudible) in place in the capabilities ……

 ホワイトハウスがなぜか「聞き取る」(聞き取りたくなかった、かも……)ことができなかった(XXX)の部分に入るべき言葉を、ロシア政府になりかわって補充するなら、たとえば「ごまかし(deceptions)」あたりが最有力候補になるだろう。

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 「新条約」では、核の「運搬手段」を未配備を含め、双方、計「800」に削減することで合意したが、米空軍はすでに「X51 ウエーブ・ライダー」という、とんでもない「新運搬手段」の開発を進め、飛行実験にすでに成功しているのだ。

 マッハ5とも6とも言われる、超・超音速爆撃機。地球のどこへでも1時間以内に到達する、超・高性能。

 「核兵器」(システム)とは「弾頭」と「運搬手段」の結合のことだから、「弾頭」は現状通りでも「運搬手段」が飛躍的に向上すれば、「核兵器」(システム)としての破壊力は一気に強まる。

 メドベージェフが恐れる「質的・量的なXXX」とは、この種のことを指すのだ。

  X51 ⇒ http://www.boeing.com/defense-space/military/waverider/index.html

       http://www.msnbc.msn.com/id/30477653/

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 こうなると、オバマが仕掛け、メドベージェフを合意のテーブルに就かせた、この「ニューSTART」なるもの、その正体はもはや明らか。

 オバマには「核軍縮」など本気で取り組みつもりなどさらさらないのである。「核軍縮」に名をかりた、対イランに対する威嚇。

 英紙ガーディアンなどは、「ニューSTART」の照準は、「イラン」に向けられたものだと言いきっている。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/mar/26/nuclear-weapons-deal-us-russia-iran

 プラハから、テヘランに向け、「ニューSTART」なる「政治ミサイル」を撃ち込んでみせたオバマ!

 それを「核なき世界」への「夢」で覆い隠し、即時核廃絶を願う世界の人々の心を手玉にとったオバマ!

 君はそこまで――米国の軍事権力、すなわち「戦争の家」の魔術師にまで、成り下がってしまったのか?
 まるで、「核の傘」の上で「地球の未来」を弄ぶ、「世界ころがし」の道化ではないか?

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 たったの1年で、これだけの変身。世界の救世主として現れた男の、この墜落ぶり。

 オバマはベストセラーになった自伝に「挫けざる希望(Persistent Hope)」というタイトルをつけていたが、核廃絶の希望を踏みにじりながら、非核の希望を語ることはできない。

 このオバマに対抗するように、「反核の神父」として世界に知られる、アメリカのジョン・ディア神父は、昨年出した自伝に「挫けざる平和(Persistent Peace)」という題を付けていた。

 今、神父が活動するニューメキシコ州は、ヒロシマ・ナガサキの原爆の製造地であり、現在も米国の核開発の最重要拠点になっている、いわば「核の原罪の地」である。

 そのニューメキシコは、オバマが核開発予算の大盤振る舞いをしたものだから、空前の「核の特需」に沸き立っている。

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 2月末の日曜日、ニューメキシコ州ロスアラモス――。雪と雨、雹が降る中、ディア神父ら50人の人々が、原爆誕生の地、ロスアラモス研究所の前で、核廃絶を願って祈りを捧げた。

 プラハでの核のサーカスと、ロスアラモスでの非核の祈り。

 ディア神父は、こう書いている。

 「疑いもなく。私たちの祈りは応えられる。私たちの心の武装は解かれる。そして、いつの日か私たちの武器は解体される。平和の祝福はあの山の雪のように、私たち全てに降り積もることだろう」
 Undoubtedly, our prayers will be answered, our hearts will be disarmed, one day our weapons will be dismantled. And the blessings of peace will fall upon us all like mountain snow.
  ⇒ http://ncronline.org/blogs/road-peace/peace-vigil-los-alamos

 アメリカの「戦争の家」の炉心にあたるロスアラモス。

 オバマが陰で軍事予算を注ぎ込んでいるその場所を、ディア神父は、「地球上で最も邪悪な場所( it is the most evil place on earth )」と言った。 

 
          

Posted by 大沼安史 at 03:38 午後 3.コラム机の上の空 |

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