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2010-04-30

〔いんさいど世界〕 ナポレオンが驚いた「平和の天国」 オキナワ

 日系カナダ人女流作家、ジョイ・コガワさんが昨年(2009年)の「ナガサキの日」(8月9日)に、ストックホルムで行ったスピーチが、沖縄の米軍基地問題の本質を暴くものとして、ネットで引用・転載され、反響を呼んでいる。

 カナダ・バンクーバーの「平和哲学センター」のブログ ⇒ http://peacephilosophy.blogspot.com/2010/04/three-deities-speech-by-joy-kogawa.html

 や、米国の市民団体、「ネットワーク・フォア・沖縄」の「連帯メッセージ」 ⇒ http://closethebase.org/2010/04/25/solidarity-statement-from-the-members-of-the-network-for-okinawa/

 が、コガワさんの紹介した、「ナポレオンと沖縄」のエピソードに触れ、沖縄の置かれた「過酷な現在」を告発している。

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 スピーチの関係箇所を、拙訳・原文付きで「再現」すると、こうなる。

 「東洋に、ある小さな島(沖縄のこと)があります。そこでは、世界で最も長寿で、強く平和な人々が住んでいます
 “There is a certain small island in the east, where the world’s longest living and intensely peaceable people live.

 「わたしの兄(あるいは弟)は、キリスト教長老派の司祭として、1990年代の数年間を沖縄で過ごしました。彼は私にこんなことを教えてくれました。1815年のこと、大英帝国の軍艦のバジル・ホール艦長が沖縄の那覇に寄港しました。そしてそこで発見した、あることに驚いたのです。話はさらに続きます。英国への帰還の途中、ホール艦長はセント・ヘレナ島に立ち寄り、流刑中のナポレオンと会話を交わしたのです。
 “My brother, a retired Episcopalian priest, was in Okinawa for a few years in the 1990’s.  He told me that in 1815, Captain Basil Hall of the British navy steamed into Naha, Okinawa and was amazed at what he found.  The story goes, that on his way back to England, he dropped in to the island of St. Helena and had a chat with Napoleon.

 「艦長は『私は平和の島に行って来たところです』と、ナポレオンに告げました。『その島には一人の兵士もおらず、ひとつの武器もないのです』
 “’I have been to an island of peace,’ the captain reported.  ‘The island has no soldiers and no weapons.’

 「ナポレンオンは言いました。『武器がないだって? そんな。でも、剣の二振りや三振りはあるだろうに』
 “’No weapons?  Oh, but there must be a few swords around,’ Napoleon remarked.

 「いえ、ありません。剣は王によって禁じられているのです」
 “’No.  Even the swords have been embargoed by the king.’

 「その時、『ナポレオンは驚いて』こう言ったそうです。「兵士もいなければ、武器も、剣もない。そこはきっと、天国に違いない。
 “Napoleon, we’re told, was astonished. ‘No soldiers, no weapons, no swords! It must be heaven.’

 「この戦乱の続く地球という星の、ほんのひとかけらの地上で、ユニークな平和の文化が育っていたのです。
 “A unique culture of peace had developed in one tiny part of our warring planet…

 「……琉球の人々は従属しない人々だと、日本は結論づけました。兵士なき王国の存続は不可能なことでした。沖縄はたしかに、その平和の歴史とともに、この地球がようやく持つことのできる天国に近い文化を持ち続けて来たのです。たぶん、それゆえ、憎悪の軍事力の特別なターゲットにされて来たのです。
 “…… A disobedient people, Japan concluded.  A kingdom without soldiers was clearly impossible. Okinawa, with its history of peace, must surely have had a culture as close to heaven as this planet has managed. And perhaps therefore a special target for the forces of hate.”

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 ジョイ・コガワさんは1935年6月6日、カナダ・バンクーバーの生まれ。現在、トロントに住む、カナダを代表する日系の作家だ。戦時中、日系人強制収容所に入れられた体験を持つ。 Joy Kogawa Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Joy_Kogawa

 僕は彼女がトロントの地域通貨運動にかかわっていることは知っていたが、今回、「平和哲学センター」のサイト(そこにトロントで、「9条」について語る彼女の写真が載っている)を覗くまで、カナダで「9条」(もちろん、日本国憲法)を守る運動の先頭に立っていることは知らなかった。

 もちろん、彼女がストックホルムで演説で触れた、沖縄(琉球)がナポレオンもビックリの、平和な天国の島だったことも知らずにいた。

 そう、たしかに、ジョイ・コガワさんの言うとおりである。

 平和な沖縄を戦火で破壊し尽くしたもの――それはあの「沖縄戦」であり、今なお冒涜し続けているもの――それは本土政府によって押し付けられた「米軍基地」である。

 付記: ジョイ・コガワさんはいま、「ナガサキ」をテーマにした本をお書きになっているそうだ。僕はコガワさんの代表作、「オバサン」を持ってはいる(部屋のどこかにあるはずだが、発見できない)。少し読んでその英語の描写力に舌を巻いた憶えがある。「ナガサキ」の本が出たら、何はさておき、読んでみるつもりだ。

Posted by 大沼安史 at 06:52 午後 1.いんさいど世界 |

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