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2010-01-21

〔ハイチ NOW〕 ワシントンがハイチ破壊の「震源」だ 地震の前に経済収奪 国を売られたハイチ 「(米軍の)ガンはいらない、ガーゼを送れ」!

 ハイチの震災被災地入りしている「デモクラシーNOW」のキャスター、エイミー・グッドマンさんが20日、地元ハイチの週刊紙、「ハイチ・リベルテ(自由ハイチ)」のキム・アイヴス記者にインタビューし、ハイチの震災被害の背景にある歴史的な問題点に迫っていた。⇒  http://www.democracynow.org/2010/1/20/journalist_kim_ives_on_how_decades

 今回の震災を歴史的な視野からとらえ直した、ハイチという国の現実に踏み込む、深みのあるレポートだった。

 「ほんとうの震源地はワシントン。米国はハイチの基幹産業を売り飛ばし、傀儡政権を据えて、国づくりを阻んで来た」と、厳しく告発するアイヴス記者。オバマ政権は救援で米軍を送り込んだが、米国のハイチ収奪の歴史を糊塗することはできない。

 アイブス記者の指摘で特に驚かされたのは、パパ・ブッシュ以来、2度に及ぶクーデター(1991、2004年)で確立した米国の事実上の支配下、製粉とセメントの国営企業が民間に売却され、すぐさま工場閉鎖となって、以来、小麦もセメントも、米国からの輸入に頼らざるを得ない状況が続いて来たことだ。
 このうち、国営の製粉会社の売却先の民間企業はキッシンジャーが役員に名を連ねた企業だったそうだ。
 そしてハイチは、実は石灰岩の国。セメントの材料に不足しない、本来なら輸出国になれる国なのに、逆に輸入品に頼らざる得ない――ハイチはそんな経済的な不条理を強いられて来たのだ。

 ワシントンを震源とする政治・経済大地震で、ガタガタにされて来たハイチ。
 大統領に選ばれたアイスティード氏(貧民街で活動していた神父)を米国が国外追放したあと、ワシントンによって据えられたプレヴァル政権は、国営の電話会社「テレコ」を今回の震災の1週間前に、ベトナムの企業に売り払ったばかりだった。「テレコ」には最新の通信機器が納品され、いつでも使えるようになっているのに、プレヴァル政権は外国資本への売却を強行した。

 ハイチの国民国家としての「自立」を阻み続けて来た米国。故国を裏切り続けてきたハイチの傀儡政権。ハイチの国家インフラが土台から骨抜きされていたわけで、震災後、統治機能が全面敵に麻痺したのも、当然の成り行きだったわけだ。

 そんな状況の中で、ハイチ民衆は、どう震災に立ち向かっているか?
 アイブス記者は、大地震を生き延びた民衆が自治組織を立ち上げ、犠牲者の捜索、救援物資の分配などに取り組んでいると指摘している。

 突然、救援物資が届いても、地元の民衆組織が対応しているので混乱はないという。外国メディアが叫んでいる「アナーキー状態」はなく、地域のセキュリティーも民衆組織の手で守られているそうだ。

 アイヴス記者によれば、むしろ問題なのはハイチ入りした米軍の存在。
 ポルトオウプラーンスの「総合病院」には、収容された患者に食料などを届けに住民が詰めかけているが、病院前を米海兵隊が占拠し、阻止線を張っているので、中に入ることができないという。

 「海兵隊は英語でわめき散らしている。喜劇的な悲劇だ」と、アイブス記者。「ガン(銃)ではなくガーゼ」(同記者に対する医師の言葉)が必要な事態なのに、武装した米兵がハイチ民衆の前に壁となって立ちはだかっている、この不条理!

 これまたアイブス記者の指摘で分かったことだが、ハイチの人々は1804年、最初で最後の奴隷革命による黒人共和国を創設した、自立心に富む誇り高い人々の末裔だそうだ。そのハイチに米海兵隊が侵攻したのは、1915年のこと。それ以来、ほぼ一貫して、米国は傀儡政権を通じ、ハイチの間接支配を続けて来た。

 ハイチの独裁者を中心にこの国を食い尽くして来たもの――それはインタビューの中でエイミー・グッドマンさんが指摘した、「独裁者がますます富裕になる中で、民衆はますます貧困になる」クレプトプラシー(泥棒政治)!

 アイブス記者が所属する地元の「自由ハイチ」電子版( ⇒ http://www.haiti-liberte.com/ )を覗いたら、フロントに、こんな大見出しをつけていた。

 Haïti ruinée et occupée!

 崩壊し、占領されたハイチ!

 オバマ政権が今度、ハイチの復興に真剣に取り組むというなら、パパ・ブッシュ、クリントン、ムスコ・ブッシュと続いて来た、ハイチに対する収奪政策を反省・謝罪すべきである。 
 

Posted by 大沼安史 at 05:47 午後 |

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