〔NEWS〕 私のことを、こう思い出してほしい ハワード・ジン氏が「遺言」
亡くなったハワード・ジン氏が、カメラに向かって「私のことをこう思い出してほしい」と、まるで「遺言」のように語るビデオがネットで公開された。
⇒ http://www.commondreams.org/video/2010/01/29-2
問 あなたはどんなふうに思い出されたいですか?
答 そうだね、もしもわたしが思い出されたいとしたら、世界を、戦争を、人権を、平等を、違ったふうに考えることを紹介し、より多くの人がそう考えるようにしたことかな。
それから、権力がこれまで富と兵器を持つ人々の手中にあったことを、しかし権力は究極において民衆自身の手にあり、民衆はそれを使うことができるんだということ、より多くの人に知ってもらえたことだね。歴史のある瞬間に、民衆は自分たちの権力を使ったんだ。南部の黒人たち、自分たちの権力を使ったんだ。婦人解放運動の人々も使った。反戦運動の人々も使った。独裁者を倒したほかの国々の人々も使った。
私は、人々がかつて持たなかった、希望と権力を人々に感じさせた人間として思い出されたいな。
問 あなたの哲学は?
答 私は、そうだね、デモクラティックなソーシャリズム(民主主義的な社会主義)を信じている。経済システムの動機が企業利益ではない社会が必要だと信じている。民衆の福祉、保健、雇用といったものが動機でなくちゃならない。しかし今、支配しているのは、企業利益を動機とする経済システムだ。富の平等がより進んだ社会、そして平和な社会は、その資源を自国の民衆、あるいはよその人々のために使うはずだ。
私はね、戦争を不平や問題の解決手段とはしない世界を信じている。国境が一掃される、と信じている。連中は「グローバリゼーション」という言葉を使っているね。でも彼らはそれを、国境を超えた企業活動の自由という、非常に狭い意味で使ってるんだ。私たちに必要なのはしかし、民衆と物事が国境を超えて結びつく自由だ。
私がいま、(このアメリカという)この監獄国家で語る「社会主義」はね、経済に対して介入を強めるが、市民的自由の剥奪はないものだ。ハリウッドの脚本作家のダルトン・トランボは、とても簡潔な、こんな指摘をしている。彼は言った、(必要なのは)「監獄なき社会主義」だと。
Posted by 大沼安史 at 10:15 午後 | Permalink