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2009-12-02

〔いんさいど世界〕 アフガン増派・撤退演説をしたオバマ大統領への公開質問状 「そうだ!」と言うんだ! オバマ! 

 親愛なるオバマ大統領

 ウエストポイント(陸軍士官学校)での演説で、アフガン戦争の増派エスカレートと「出口戦略」を明らかにされたあなたに対し、平和を愛する「9条の国」の国民の一人として――そして、あなたをなお信じようとする、同時代を生きる一人として、是非ともあなたに確認したいことがあります。お答え頂ければ幸いです。

 わが敬愛する、お国の映画監督、マイケル・ムーア氏は、あなたに対して事前に公開質問状を送り、「そうではないと言ってくれ!」と、あなたに嘆願しましたね。⇒ http://www.truthdig.com/eartotheground/item/michael_moore_to_obama_say_it_isnt_so_20091130/

 このままでは、君は「戦争大統領」になってしまうんだぞ、と、あなたに対して友情ある説得を試みましたね。3万人増派?……そうじゃないと言ってくれ、と。

 私の公開質問状も、ムーア監督と同趣旨ではありますが、私の質問には、明確な「イエス」で答えてほしい――「そうだ!」と答えてほしい。

 これから私があなたに対して提起する「問い」は、どれも「イエス」で答えられる問いであるはず――。

 しかしそれは、オバマ大統領……あなたが大統領として(政治家として、少なくとも今は)公然とは認めにくいことではある……

 もちろんそれは質問者である私もまた、よく承知のこと。でも……それでも、「イエス」の答えを返してほしい。歴史の証言として、「そうだ!」と言いきってほしい。それが私の願いであります。

 質問を始めます。

 あなたは3万人を増派するが、再来年(2011年)の7月から、撤退を始めると、演説で明言しましたね。

 軍(国防総省)は「4万人増派、2017年までアフガンに駐留」を絶対、譲れないものとしていたはずですが、それにあなたは抵抗した? そうですね。
 あなたが国務省の政策企画局長に抜擢した、スローター女史(プリンストン大学教授)ら、あなたの側近も、抵抗するあなたを支え、守り抜いてくれた?

 (「そうだ!」と言うんだ、オバマ!)

 とくに再来年(2011年)7月からの撤退開始は、あなたが軍部の猛反対を押し切って、決めた?……。そうですね?

 (「そうだ!」と言うんだ、オバマ!)

 あなたは、11月11日の「復員兵士の日」に、アフガン問題を討議する、たしか9回目の国家安全保障会議を開いていますね。そして会議の前に、アーリントン国立墓地に行った。歴代の大統領は、アーリントンの「無名戦士の墓」に献花するのが慣わしなのに――それしかしないのが決まりなのに、あなたはそれ以上のことを――「タブー破り」を敢えてした。アーリントンの第60区画に足を運んだ。イラク・アフガン戦死者の区画に足を運んだ。そして、わずか19歳で、バグダッドで死んだ兵士の墓石に、大統領コインを置いた。あなたは、その時、アフガン戦争もまた、なるべく早期に終えなければならない、と密かに決意したのですね?

 (「そうだ!」と言うんだ、オバマ!)

 で、その日の会議であなたは増派人員では妥協して――と言っても、軍部の要求より1万人少ない、3万人ですが――アフガン駐留期間については、大統領一任を取り付けたのですね?

 (「そうだ!」と言うんだ、オバマ!)

 4万人を3万人に減らすにしても、3万を財政的に可能なリミットであることを示し、NATО同盟国に1万人増援してもらうことで辻褄を合わせて、軍部を説得した……
 地上部隊、つまり陸軍は特に猛反対したはずですが、あなたは押し切った。そして陸軍に花を持たせるために、ウエストポイント(陸軍士官学校)を演説会場に選んだ……
 しかし、それにしても、再来年の「撤退開始」は、あなたの大統領再選に合わせたことでもあるわけですが、そんな「政治戦術」とは別に、あなたはもっと大きな「アナウンス効果」を考えて、「撤退スケジュール=出口戦略」を明言したのですよね?

 (「そうだ! その通りだ!」と言うんだ、オバマ!)

 つまり、大統領として「撤退」を口にしたとたん、「流れ」はもう変えようのないものとして、定まってしまう……。そんなアナウンス効果を狙ったんですね。

 (「そう、その通り!」)

 もしかしたら、再来年から撤退開始のスケジュール、予め軍部の了解を得ないで、演説での発表に持ち込んでのではないですか?
 ゴルバチョフと息を合わせた、あのロナルド・レーガンのように、(勝手に)自分で決めた「科白」を吐いた? そうではありませんか?

 (そう、その通り!)

 以上の質問に対する答えが全て「イエス」だとすると、あなたは大変なリスクを背負って、乗るかそるか、生きるか死ぬか、の果敢な勝負に出たことになります。

 軍部・保守派は、あなたに嵌められたと思って、ますます反撃をエスカレートさせるでしょう。

 ブッシュのような「戦争の大統領」ではなく、「平和の大統領」になってほしい……これが、マイケル・ムーア氏と同じく、私のあなたに対する期待であり、願いであります。

 アーリントン墓地第60区画の墓石の数を、これ以上、増やしてはなりません。アフガンの民衆の生活破壊も、同じように、許されないことです。

 ゴルバチョフを見習いなさい。ゴルバチョフはアフガンにいるソ連軍に撤退命令を出した男です。そして「新思考」の下、ペレストロイカ、すなわち「ソ連帝国」の解体に動いた……。

 オバマ大統領、あなたも非暴力の思想の下、「アメリカ軍事帝国」の解体と、兵営国家化したアメリカの経済社会体制の民生転換に向け、動き出せねばならない。

 オバマ大統領、あなたも知っての通り、あなたの闘いの場はアフガンにあるのではなく、あなたの足元、ワシントンにあるのです。  

 大統領の健康と健闘を祈って。

 あなたの、なおサポーターである
 Y・Oより。

Posted by 大沼安史 at 07:50 午後 1.いんさいど世界 |

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