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2009-12-23

〔COP15 NEWS〕 中国は如何に「コペンハーゲン合意」をつぶしたか? 英紙ガーディアン記者が証言記事  「私はその場に居合わせた」

 COP15を現場で取材したガーディアン紙のマーク・ライナス記者が、22日付の同紙(電子版)に、「中国がコペンハーゲンでの協定つぶしをしたことを、私はどうして知ったか? その部屋に、私は居合わせたからだ」との見出しの記事を書き、中国代表団が「合意」を骨抜きにしていくありさまを証言した。

 ライナス記者は18日夜に開始された、ぎりぎりの最終調整の場に、某国の代表団の一員として入り込むことに成功、いわゆる「壁にとまったハエ」として、交渉の成り行きを直接、目のあたりにした。

 ライナス記者によれば、中国の戦略はシンプルなものだった。2週間にわたって公開の場で協議が行われないよう、ブロックし続ける。そして密室協議を、西側諸国が、またも世界の貧困国支援に失敗したものとして印象付ける……。

 この中国戦略が投げたエサに食いついたのが、民間の援助団体、環境保護団体で、「豊かな国の新興国いじめだ」(地球の友インターナショナル)といった先進国非難の大合唱を上げた、とライナス記者は指摘する。

 オバマが加わったその一室での密室協議には、20数ヵ国の首脳をはじめ50~60人が参加したが、オバマの真ん前に座った中国代表は、温首相ではなく、中国外務省の次官クラス。

 その中国高官は協議を中断させては携帯電話で「上司」の指示を仰ぎ、「数字」に対しては悉く、「ノー」を言い続けた。

 「2020年」の中期目標は「可能な限り速やかに」に変わり、「2050年の50%削減目標」もカット、「2050年まで先進国80%削減目標」も、中国の「ノー」で合意できなかった。

 ドイツのメルケル首相など、「私たちは目標さえ立てられないか」と、絶望のあまり両手を投げ出した。
 
 中国はまた、島国など低標高国が求める「1.5度以内」盛り込みにも反対したが、モルジブ大統領の強い抵抗に遭い、実効性のない表現で「合意文書」に盛られることになった。

 ではなぜ、中国はこれほどまでに非妥協的な姿勢を貫いたのか?
 この点についてライナス記者は、中国としては石炭エネルギーに頼らないと経済発展を続けられないので、強硬姿勢を貫いたものとみている。

 一方、アメリカのオバマについてライナス記者は、必死になって合意をまとめようとした、と密室協議の場での積極姿勢については評価している。
 オバマにとって、連邦議会上院の批判をかわすためにも、中国の関与を取り付けるのことは必須のことだったが、温首相に代わって外務省の役人と話し合わねばならないなど、屈辱を味わう結果に終わった、と。

 こうしてライナス記者は「中国が悪い。オバマを意図的に辱め、西側リーダーに非難を背負わせる、とんでもない『合意』を主張し続けた」と結論づけるわけだが、中国の戦略は確かに、批判・非難に値するとしても、「中国だけ」に責任の全てを転嫁することはできない。
 中国が「コペンつぶし」の主犯であるなら、「京都つぶし」に雪崩を打った西側(先進国)もまたその共犯であるだろう。

 非難合戦をするだけでは、「地球ホロコースト」は回避できない。 
 
⇒ http://www.guardian.co.uk/environment/2009/dec/22/copenhagen-climate-change-mark-lynas

Posted by 大沼安史 at 04:05 午後 |

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