〔NEWS〕 『戦争の家』下巻 刊行!
ジェームズ・キャロル著、『戦争の家』の拙訳・下巻が、東京の緑風出版から刊行された。そろそろ書店に並ぶ。
ことし3月31日に出た上巻が668頁。今回の下巻が685頁。
下巻は、4月に東京の大学を辞めてつくった、区切りの時間の中から生まれたもので、感慨もひとしおである。
私は翻訳もジャーナリズムであり得る、と考えている一人だ。翻訳によるジャーナリズムも、なければならない、と考えている一人だ。
同時代において伝達されるべき、「ニューズ」としての翻訳。
私は締め切りに間に合わせようと懸命になっている社会部記者のように、この『戦争の家』という同時代の大河ノンフィクションに立ち向かい、一刻も、一日も早くと、持てる気力と体力のほとんど全てを注ぎ込んだ。
それもこれも、この本を日本語にして日本の読者に伝えたいという、ジャーナリスティックな思いに突き動かされたからである。(たぶん、私はこの翻訳を通して、自分もまた、なおジャーナリストであると自認したかったのだろう!)
なぜ、アメリカの軍事権力が、私たちの同時代にとって問題なのか?――それはオバマの「変節」を見れば一目瞭然のことである。オバマは「戦争の家」の、まさに軍門に屈したのだ。
そしてそれはワシントンにおけるパワーゲームに限ったことではない。「日米関係」を規定するものとして、「戦争の家」は日本社会にも重い影をなげかけているのだ。
その「戦争の家」の正体を暴きだしたのが、ジェームズ・キャロルというジャーナリスト(新聞コラムニスト)であり作家(小説家)であるアメリカ人が渾身の力を振り絞って書いた、この山のような大作である。
私はこの力作から、読み通しただけで立ち去ることはできなかった。逃げるようで卑怯な感じがした。だから、己の力と置かれた状況を顧みず、立ち向かったのだ。翻訳もまたジャーナリズム、翻訳者もまたジャーナリストと自分に言い聞かせながら。
下巻の内容については、すでに「訳者あとがき」の未定稿を、本ブログに先行掲載しているので、お読みになっていただきたい。⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2009/11/post-88f6.html
下巻の校正作業が終わって私は、出版を引き受けてくれた「緑風出版」のT氏に対し、感謝のメールを出した。
この本の出版をよくぞ引き受けてくださった、とお礼を述べ、敬意を表したのである。〔緑風出版HP ⇒ http://www.ryokufu.com/ryokufu-home.html〕
訳出作業中、畏友、小笠原信之〔『ペンの自由を貫いて 伝説の記者 須田禎一』(緑風出版)などの著書があるジャーナリスト〕をはじめ、仙台の出版社「本の森」代表、大内悦男氏ら友人諸氏より、温かい励ましとアドバイスをいただき、ようやくゴールに辿り着くことができた。
ここで改めて、感謝申し上げる。
2009年12月24日
大沼 安史
「本日の一曲」は Wintersong カナダの歌手 サラ・マクラクランの悲しく美しいクリスマスの歌
Posted by 大沼安史 at 02:18 午後 | Permalink


















