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2009-11-03

〔いんさいど世界〕 熊さんとロジャース博士の友情物語

 今日はアメリカに棲む、ノースアメリカ・ブッラクベアという熊さん――黒熊さんですね――と、70歳になる、おじいさん熊博士、リン・ロジャースさんの友情物語を。

 最近、イギリスのBBCで、そのドキュメンタリーが放映され、その「トンデモ(よい意味で!)交流ぶり」が話題になり、ニュースにもなって世界を駆けめぐっています。

 で、舞台はアメリカの、中北部、カナダ国境に近い、ミネソタ州北東のノースウッド……つまり、「北の森」。森と湖の、豊かな自然に恵まれたところです。
 
 ロジャース博士は、そこに住み込みで、熊研究を続けている人なんですね。黒熊を研究する白髪のおじいさんです。
 ミネソタのノースウッドに来てから、もう22年になるんだそうです。ミネソタに来る前は、ミシガン州で20年間、熊研究してたといいますから、42年もの研究歴。

 熊はもちろん猛獣ですから、かんたんには近づけません。で、麻酔銃で撃って、電波発信器をとりつけて、生態調査をしていた。

 これってふつうの研究法のようなんですが、ロジャースさんは、それで満足できなかった。

 どうしたか? 仲良くなったんですね。

 仲良くなるといっても、こっちから近づいて行って、いきなりベアハッグ、なんてしてしまったら、一巻の終わり。

 熊さんの大好きな木の実をプレゼントして、ブラック・ベアと信頼関係を築いて行ったんだそうです。

 信頼関係を深めた相手は、現在8歳になる、熊のジューンさん(3児の母です)。

 で、どのくらい親密かというと、たとえばジューンさん、博士の髭面を、舐めまわしてくれるですね。キスしてる、つもりなんでしょうが、すごいですね。

 あと、森の中の木陰で、二人並んで座って、景色を眺めたり。

 その信頼関係たるや絶大なもので、ロージャースが連れて来る人たちも仲間だと思って、絶対に襲わない。

 で、ロジャース博士は「熊の学校」を開いて、野生熊と触れ合う現地学習を続けているそうです。一度、参加してみたいですね。

 ロジャース博士には、もう一頭、ジューンの妹かお姉さんのジュリエットという交流相手がいるのですが、こちらは現在、信頼関係構築中。
 攻撃のするふりをしたり、カメラに左フックを見舞わせたり、まだ「威嚇」行動をしているそうですが、ロジャース博士に言わせれば、「凶暴」なんじゃなく、怖がっているだけなんですね。

 博士によれば、地球で最も危険な動物は人間。熊は100万頭に1頭しか、人間を殺さないけど、人間は18000人に1人、殺人を犯しているそうです。

 うーん、人間が一番、危険……「アフガン」や「イラク」のことを考えると、なんか、納得しちゃいますよね。 
   
 最後にもうひとつ。ロジャース博士の研究で、おもしろいことが分かったので、ご紹介しましょう。

 それは、あの「熊のプーさん」から生まれた、神話、と言うか伝説に関することですが、熊さんってハチミツ大好きってイメージ、僕ら、持ってますよね。

 でも、実際はハチミツ、好きじゃないんだそうです。

 蜂の巣に近づいたら、刺されちゃいますからね。

 ロジャース博士の研究所では――「ワイルド・リサーチ・研究所」というのですが、インターネットでも画像などを公開しています。

 動物好きのみなさん、必見のサイトですね。 
 一度、ごらんになってください。

 中学校の先生たちが――英語や生物の先生たちが、このロジャースさんのサイトを「教材」に「総合学習」の授業をしたら、きっと大人気になるはず。(文科省のみなさんも、学習指導要領違反だなんてケチなこと言わないで、一度、のぞいてくださいね)

 見るだけでも楽しい。とくにジューンの小熊たち、かわいいですよ~!!

  博士の研究所 ⇒ http://www.bearstudy.org/website/

   http://www.guardian.co.uk/environment/2009/oct/27/bearwalker-of-the-northwoods

  

Posted by 大沼安史 at 10:20 午前 1.いんさいど世界 |

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