〔NEWS〕 タリバンと歌ったビートルズ ♪ She Loves You ! NYT ローズ記者 幽囚体験記
アフガニスタンで取材中、タリバンに拘束され、その後、脱出に成功したニューヨーク・タイムズ紙、デイビッド・ローズ(David Rohde)記者の体験記、連載第3回に、心温まるシーンがあったので、紹介しよう。
⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/20/world/asia/20hostage.html?_r=1&partner=rss&emc=rss&pagewanted=all
冬の夜、夕食後に、タリバンの戦士たちは無聊を慰めるため、パシュトン族の歌を何時間も歌い続けたそうだ。ローズ記者は歌が下手で、パシュトン語の発音もひどかったが、それでもタリバンの戦士たちは、一緒に歌うよう、彼に命じたそうだ。
いろんなタリバンのバラードを歌ったそうだ。ある夜には、「♪ お前らは原爆を持っている。しかし、俺たちには自殺爆弾がある」という「タリバン・ソング」さえも。
別の晩には、タリバンの戦士に、アメリカの歌、歌え、と命じられたそうだ。
ローズ記者はまず、フランク・シナトラの『ニューヨーク、ニューヨーク』を歌って聞かせた。そして、これは田舎の村から出て来た男が、ニューヨークで一旗上げようと必死になり、家族を支えようとする話だ、と説明した。
そして次に、ローズ記者が歌ったのは、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・トゥー・ラン』。平均的なアメリカ人が、生きるために人生と闘っている歌だと。
訪ねて来たタリバン司令官の前で歌わされたこともあった。猿芝居の猿のような気がした。司令官たちが、ローズ記者の歌を聴いて、笑い転げていたからだ。
(そして、いよいよ、心温まるシーンが……)
戦士たちに快楽主義者と思われるのがいやで、ラブ・ソングは避けていたローズ記者だったが、タリバンたちは実は、ロマンチックな歌が大好きな連中だった。何語でもよかった。
それじゃあ、ビートルズの『She Loves You』、ひとつ歌ってみるか……。ローズ記者にそんな考えが浮かんだ。奥さんから届いた、赤十字社を通じた手紙で、タリバンたちに最も人気がある曲がそれだと教えられていたからだ。
“She loves you — yeah, yeah, yeah!!!”――カラシニコフ(軽機関銃)を床に置いて、みんなで合唱した!
*
――このくだりを読んで、僕は、ほんとに嬉しくなった。「タリバン」を誤解するなかれ、被害妄想を膨らますなかれ!
みんな人間なのだ。
ここに和平の――相互理解の、鍵がある。不信と解いて、話し合いに入る、きっかけとしてのビートルズ!
“She loves you — yeah, yeah, yeah!!!”
Posted by 大沼安史 at 06:35 午後 | Permalink

















