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2009-10-12

〔コラム 机の上の空〕 オバマよ、「ノーベル平和賞」を手に、世界の未来を切り拓け!

 僕の前の、机の上には今、陽光が降り注いでいる。南の空の水色の晴れ間から届く、秋の陽射しがまばゆい。
 本当は、いまごろとっくに、砂浜を歩いていたのに……。

 尊敬するロバート・フィスク記者が、オバマに対するノーベル平和賞の授与を手厳しく批判しており(「ノーベル間違いで賞」!――もちろん、意訳だが……)、その記事を読んだら、海岸まで自転車で行く気力が萎えてしまった。

 オバマに授賞が発表された時、わが畏友こと「閑居愚考」氏は、真っ先に「大々的に反対」する論陣を張っていた ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/obama-pledges-action-on-military-as-gay-activists-rally-1801344.html 
 が(多分、あの発表時点で、あれだけのことを言ってのけたのは、「閑居愚考」ブログだけじゃないかしら……)、フィスク氏の筆先は同じように鋭く、その指摘がまた、全てあたっているだけに、なんだか、オバマがかわいそうで――痛々しくて見ていられない気になった。

 フィスク氏の英紙インディペンデントの記事は ⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-obama-man-of-peace-no-just-a-nobel-prize-of-a-mistake-1800928.html

 中東和平の仲介努力に対する、イスラエルのにべもない拒否。アルメニア人大虐殺問題のすっぽかし。アフガンでの躊躇のしまくり。イラクでの武装抵抗勢力の巻き返し……。

 そんな「現実」なのに、「平和賞」を授賞とは……。
 フィスク氏は「オバマは侮辱されたと思ったに違いない」と書いているが、その通りである。オバマは「謙遜」ではなく、「屈辱」の思いで、授賞を受け容れたのだ。

 ブッシュのツケとはいえ、困難と失敗のダイナマイトの山の上で、まあ、これで満足しなさい、とでもいうように、来る12月10日、オスロでの式典で平和賞を首にかけられ、3年後の「大統領選・落選」の日を待つ(?)オバマ。

 フィスク氏は「ミステーク賞」だと書いていたが、僕に言わせれば、「ノーベル罠にはめたで賞」である。いまごろワシントンでは、「戦争の家」に巣食う、共和党のタカ派やネオコンどもが、忍び笑いを漏らしているはずだ。

 「平和の大統領」……?? イランの核開発も阻止できないで……ノーベル賞が笑わせる。アメリカは「強いアメリカ」じゃなければならないのだよ。軍事力にものを言わせなくてはならないのだよ……

 もうひとつ、オバマのことで気になるのは、米軍における「同性愛」の解禁問題(クリントンが、中途半端な「聞くな・言うな」ポリシーを布告して以来、くすぶり続けている)を、なぜか自ら(ほんとうだろうか?)取り上げ、「全面解禁」方針を示したことだ。
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/obama-pledges-action-on-military-as-gay-activists-rally-1801344.html

 この米軍の「同性愛」問題には、クリントン政権が誕生した際、その目が「軍縮」に目が向かないよう、実はペンタゴン及び米国の保守派が仕掛けた「罠」だったという歴史的な経過がある。

 「同性愛解禁」を持ち出せば、必ずや、保守派の反発が生まれ、特に「核」軍縮に反発する、猛烈な、マッチョ的「政治リビドー」が生まれる。
 (ヒロシマの原爆に「おちんちん」、ナガサキには「巨根」というニックネームがついたことを忘れてはならない!)      

 それを承知で、オバマは「解禁」表明に踏み切ったのか?

 しかし、たとえ、知らずに表明したとしても、結果は同じである。「ノーベル墓穴を掘ったで賞」……。

 では、八方塞がりのこの局面を打開する道は、ないのか?
 オバマにはもう、「罠」から脱出する道は、ないのか?

 僕に言わせれば、脱出口は、ある。
 最低ひとつは、ある。

 そう、「平和賞」で追い込まれたオバマが使える武器は、その「平和賞」を使うことだ!!!

 たとえば、12月10日のオスロでの授賞式で、「アフガン和平国際会議」の開催を表明、帰途にカブールに立ち寄り、初のノーベル平和賞受賞現職大統領として、和平の実現を約束し、その足で、ヒロシマを訪れ、「原爆ドーム」の前で、「核のない世界」への夢を語ればよいのだ。

 その時、湧き上がる、世界の人々の拍手、共感の声、流れる涙、平和への祈りは……そうさ、オマバよ、それは君を守り抜くものになるだろう。

 そして、ワシントンに帰り着いたら、アメリカの民衆の名において、賞金を全額、基金として寄付し、「オバマ平和基金」を立ち上げればよいのだ。

 世界の民衆から寄付を募り、それをアフガンやイラク、パレスチナなどの復興にあてる。

 いいか、オバマ。ここは君の――そして世界の――正念場だぞ。
 めげるんじゃない、負けるんじゃない。

 「平和賞」を突破口に、世界の未来を切り拓け!

 世界の人々の前に、平和の陽光を届けよ!

Posted by 大沼安史 at 01:28 午後 3.コラム机の上の空 |

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