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2009-10-30

〔コラム 机の上の空〕 「戦争の家」の囚人 オバマよ、「平和」の「言葉」を語れ!

  * ジェームズ・キャロル氏がシンポジウムで発言 ・ 「戦争の家」に囚われたオバマ ・ しかし、彼の「言葉」になお希望が……)

 ボストン大学で10月22日、ハワード・ジン氏(歴史学者、反戦運動家、ボストン大学名誉教授)を囲むシンポジウムが開かれた。

   ⇒ http://www.commondreams.org/headline/2009/10/29-4

 僕が訳出して、間もなく下巻を刊行する『戦争の家』の著者、ジェームズ・キャロル氏(作家、ボストン・グローブ紙コラムニスト)も同席して、発言していた。

 ハワード・ジン氏の発言を受け、キャロル氏は、こう語った。

 「オバマ政権がスタートしたのは、『1月だった』……」

 たしかに、オバマが大統領に就任して、ホワイトハウスに入ったのは、ことし、2009年の1月だった。

 しかし、キャロル氏は、より歴史的な視点で、「1月」と言ったのだ。

 すこし間を置いてから、キャロル氏は言った。「1943年の1月から」。

 1943年1月――それは、「戦争の家」というべき、あの五角(ペンタゴン)が生まれ、ロスアラモスでは原爆の開発が始まり、戦争(第二次世界大戦)では、「全面破壊」への衝動が「無条件降伏要求」として解き放たれた、現代史の起点だった。
 そこから、アメリカの絶対的な軍事権力が生まれ、「戦争の家」によるアメリカ政治の「支配」が始まった。

 キャロル氏はつまり、オバマ政権もまた、1943年1月以来の、アメリカの軍事権力の捕囚だと言おうとしたのだ。

 大統領を退任する時、アイゼンハワーが警告した「軍産複合体」は、さらにパワーを増して、「軍縮」を「平和」を押しつぶしている。

 こうした、アメリカの現代史における圧倒的な流れ――「潮流」の存在を指摘したあと、キャロル氏は、この「アメリカ・戦争の家」の「軍事外交」が、「冷戦」終結という平和の機会を蹂躙し、そして今、もうひとつの平和への機会――オバマの登場を脅かしている、と語った。

 それでは、オバマは、そうした「潮流」に最早、逆らいようがないのか?

 キャロル氏はしかし、オバマの「言葉」になお、希望を見ようとしてして、こう続けた。 「言葉こそがすべてだ」と。
 そして、ノーベル平和賞の選考委員会は、それにふさわしい人(オバマ)を受賞者と決めた、それは、オバマに対する、「偉大さへの招待状」である――と語り、オバマに「戦争の家」の囚われ人から脱却するよう求めたのだ。

 僕も、キャロル氏の意見に賛成である。
 そう、「言葉」なのだ。
 アメリカの軍事絶対主義を、圧倒的な軍事力を、超えることができるのは、対抗する武力ではなく、「言葉」なのだ。

 オバマにはその「言葉」を語る力が――意志がまだある……。

 僕もまた、キャロル氏とともに、オバマの「言葉」に、「言葉」による状況の打破に期待をつなぐ一人である。

 オバマは、大統領の「タブー」を破り、アフガン戦死者の遺体を、空軍基地で出迎え、未明から夜明け近くまで、遺族たちと時間を過ごした男だ。

 その場を取材した記者によれば、オバマは遺族の怒り・悲しみに圧倒されていたという。

 オバマよ、語れ! その時の思いを――その時、沈黙の中で、君の心にわきあがったものを、「言葉」にして語るのだ。

 戦死者の無念に応えるためにも、アメリカはアフガンから撤退すると。

 そう「言葉」をして、語らしめよ!
 

Posted by 大沼安史 at 07:03 午後 3.コラム机の上の空 |

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