« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »

2009-10-31

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 ハレルヤ

 東京の大学で教えていた頃、ルモンドかなんかで、「レオナード・コーエン」のことを知って取り寄せた彼のCDを、教え子たちと一緒に聴いたことがある。

 教え子たち(女の子たち)の反応は、「暗すぎ! パス!」だった。

 レオナード・コーエン(コーエンはユダヤ人の姓である)の「ハレルヤ」という曲を、イスラエルの歌姫、ヤスミン・レヴィ(Yasmin Levy、レヴィもそう)が歌ったのが、この曲。

 僕はヘブライ語は分からないので、コーエンの英語を歌詞を、下記にあげておいた。

 たぶん、意味としては同じだろう。

 ユダヤ人の、ユダヤ教の悲しみの、願いの、奥深さを感じさせる歌だ。 

  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=0K8M7QGUeo8&feature=related

                * *

   英語歌詞 http://www.azlyrics.com/lyrics/leonardcohen/hallelujah.html

   Wiki http://en.wikipedia.org/wiki/Yasmin_Levy

   英タイムズ http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/music/article6855266.ece

   レオナード・コーエン http://www.dailymotion.com/video/x3rwo0_leonard-cohen-hallelujah_music

Posted by 大沼安史 at 08:48 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕  「怒力」を!

 人はなぜ悲しむか?――不当に、不法に、不条理に、自分の思い・願いに反して、何事か・何者かを失った時、私たちは悲しむのだ。

 その不当さ、不法さ、不条理さの認識の中から、私たちの「怒り」が生まれる。

 悲しんでだけ、いてはいけない。怒らなければ。

 戦時中、自分の夫が、父が、白木の箱に入って無言の帰還を果たした時、遺族たちは、名誉の戦死を遂げた夫と、父を「誇らしく」思う、不条理な心理操作を強いられた。名誉の戦死――ありがたいことだと。

 悲しむことを許されなかった。少なくとも公式の席では。
 「神国=日本」は、兵士の遺族の悲しみを封印した。
 なぜか? それは「怒り」を封印するためだった。

               *

 どうして、こんな、「神の国・軍国ニッポン」の「過去」を思い出したかというと、「軍事世界帝国=アメリカ」の悲しい現実の一面を、ネット反戦放送局、「デモクラシーNOW(DN)」の番組で知ったからだ。
 ⇒ http://www.democracynow.org/2009/10/27/exclusive_parents_of_soldier_who_killed

 最愛の息子を、イラクでの「自死」という形で亡くしたご両親が、DNに登場し、その無念さを語っていたからだ。

 大統領から、未だに、お悔やみの手紙ひとつ、届いていないと。
 自殺した兵士の遺族には、大統領は、お悔やみの手紙は出さないとの決まりがあるからだ。

 白人の父と黒人の母。
 自死した兵士に、どうしてお悔やみの手紙のひとつも出せないのか?……両親の「悲しみ」は、底深い「怒り」に変わっていた。

               *

 「××力」――「ナントカ力」がブームになって久しいが、「怒る力」――すなわち「怒力(ド・りょく)」を推奨する本を、僕はまだ知らない。

 どうして「怒る力」が、称揚されないのか……新たな「力」として、“デビュー”しないのか?

 たぶん、それは、「怒り」が―プリプリ、プンプン、怒るイメージが、マイナスのものと思われている(思い込まされている)せいだろう。

 たしかに、「当り散らし」はよくないが、その怒りがもし、深い悲しみに起動されたものだのだとしたら、どうか?!

 そう、その通り! 悲しみから生まれる「怒り」こそ、大事にしなければならないものだと、僕は思う。

               *
 
 「怒り」――たとえば、わが畏友、小笠原信之は、間もなく上梓する『ペンの自由を貫いて――伝説の記者・須田禎一』(緑風出版、2500円+税)』の「袖文」に、須田氏が「東大生・樺美智子が権力に虐殺された「60年安保」では、<ともあれ事態の収拾を>と呼びかけた在京「七社共同宣言」の事なかれ主義を徹底批判した」と書いているが(予定稿)、ここにあるのは、ジャーナリストである彼の、悲しみであり、怒りである。

 女子大生が殺された悲しみ、警官隊に弾圧させた、安部信三の祖父、岸信介(ニューヨーク・タイムズ紙のティム・ワイナー氏によれば、岸はCIAの犬だった、卑劣な男だ…そういえば、岸に家を貸していた有名な女優さんは、岸が出ていったあと、家に塩を撒いたそうだ……)への怒りもさることながら、ここに――その根底に、あるのは、朝日の笠信太郎によって主導された、あの一九六〇年の日本のマスコミの裏切り、「7社共同宣言」への悲しみであり、怒りである。

 仮に、「7社共同宣言」が、「岸よ、退陣せよ、安保条約を見直せ」の共同宣言であったなら、戦後日本はどう変わっていただろう。

 「ベトナム戦争」も「沖縄」も、別のかたちになっていたかも知れない。

                *

 僕がDNのこの報道を視聴し、今、どうしようもなく、悲しい怒りを覚えるのは、(そう、それをひとつ挙げるとすれば)イラクのサマワに派遣された自衛隊員の中に、帰国後、自死された方が複数いらした、という事実に対してである。

 日本のマスコミは、派遣隊員が、なぜ、自死まで及んだのか、一行、いや一字たりとも報道しなかった。

 時の小泉首相から、お悔やみの手紙が出たかどうかも(出なかったと思うが)報じられなかった。

                *

 マスコミは「悲しみ」と「怒り」を、忘れてはならないのだ。

 そう、仮に樺美智子さんの死に悲しみを感じていれば――彼女の死と、彼女に手をかけた(憎しみの警棒をふるった)弾圧者の悲しみを、感じていれば、あんな「7社共同宣言」にはならなかったはずだ。あんなふうには、書けなかったはずだ。

 そして今――日本の民衆がくぐり抜けている数々の「悲しみ」を思えば、「怒り」の報道が出ないわけがない。

 日本の若きジャーナリストよ、悲しんでほしい、怒ってほしい。そして、なぜ、そうした事態が起きているか、そもそもの原因を突き止めてほしい。

                *

 君たちに最後にひとつ、お願いしたいことがある。

 アメリカでは、軍事費の「削減」問題が、財政再生の鍵を握るものとして議論されているが、日本では、どうして触れられないんだ?

 雫石上空で全日空機を体当たり撃墜し、釣り船を潜水艦がこれまた体当たり轟沈し、さらには「父子船」をイージス艦が撃沈し、挙げ句の果ては、北朝鮮のミサイル発射を「ただ今、発射しました」と「誤報」した、自衛隊=防衛省(だと……、笑わせる)の無駄な「税金食い潰し」を、君たちはどうして問題にしないのだ?

 悲しむ、のだ、怒る、のだ。

 「怒る力」を、僕ら老いぼれた引退世代以上に、現役世代である君たちこそ、持たねばならない。  

Posted by 大沼安史 at 07:53 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2009-10-30

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 Born to lose

 昔、レイ・チャールズで聴いていた歌だ。CDに入っていたのを、繰り返し聴いた。

 失うために生まれた来た?……どういうつもりで書いた歌なんだ、これは――と、思いたくもなる。

 でも、考えれば、誰しも皆、そうであり、そういうものであり、そういうことなのだろう。

 ユーチューブで探したら、ディーン・マーティンが歌っていた。
  
  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=OzlmubBavwE&NR=1

 この人も、いろいろ、あったんだろうな。

  歌詞

 Born to lose, I've lived my life in vain
 Every dream has only brought me pain
 All my life I've always been so blue
 Born to lose and now I'm losing you.

 Born to lose, it seems so hard to bear
 How I long to always have you near
 You've grown tired and now you say we're through
 Born to lose and now I'm losing you.

Posted by 大沼安史 at 08:40 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍を4万人増派? 学校を4万校をつくりなさい! NYTコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏が提言

 ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏が、アフガン問題で、まっとうな主張をしていた。

 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/29/opinion/29kristof.html?_r=1&em

 米軍を4万人増派するのではなく、アフガンに学校を4万校、つくろう、と呼びかけたのだ。

 軍事という破壊を送りこむのではなく、教育という希望を贈ろうというアイデアだ。

 これはすでに本ブログで取り上げたことだが、アフガンでは西側のボランティア団体が地道に学校づくりを進めている。⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2008/07/post_d950.htm
 アフガンの未来をつくる子どもたちに期待をかけているのだ。

 教育によるアフガン再生!――米軍4万人をアフガンに送り込み、数年間、戦争を続ける戦費だけで、アフガンの人々全員に大学院教育を施し、全員を「博士(Phd)」にできる!――と、クリストフ氏は指摘する。

 まったくもってその通り。大賛成だ。

 コラムの中で、クリストフ氏は、パキスタンとバングラデシュを比較している。
 ふたつの国はかつて、ひとつの国(旧・パキスタン)だったが、現在のパキスタン(旧・西パキスタン)にアメリカが「9・11」以降、投入した軍事援助は150億ドルに上る。

 その(現)パキスタンの僻地の女性の識字率は、たった3%。対するバングラデュは、高校では女子が男子を上回る状況だ。

 そう、バングラデュには、あの「グラミン銀行」やBARCがあって、社会的な連帯が草の根から生まれている。
 
 草の根を焼き払い、民衆を殺戮する戦争からは、何も生まれてこないのだ。

 銃弾でなく、チョーク。
 作戦計画書ではなく、教科書。
 陣地ではなく、教室。

 いま、アフガンに必要なのは、平和な学び舎である。

Posted by 大沼安史 at 07:51 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 「戦争の家」の囚人 オバマよ、「平和」の「言葉」を語れ!

  * ジェームズ・キャロル氏がシンポジウムで発言 ・ 「戦争の家」に囚われたオバマ ・ しかし、彼の「言葉」になお希望が……)

 ボストン大学で10月22日、ハワード・ジン氏(歴史学者、反戦運動家、ボストン大学名誉教授)を囲むシンポジウムが開かれた。

   ⇒ http://www.commondreams.org/headline/2009/10/29-4

 僕が訳出して、間もなく下巻を刊行する『戦争の家』の著者、ジェームズ・キャロル氏(作家、ボストン・グローブ紙コラムニスト)も同席して、発言していた。

 ハワード・ジン氏の発言を受け、キャロル氏は、こう語った。

 「オバマ政権がスタートしたのは、『1月だった』……」

 たしかに、オバマが大統領に就任して、ホワイトハウスに入ったのは、ことし、2009年の1月だった。

 しかし、キャロル氏は、より歴史的な視点で、「1月」と言ったのだ。

 すこし間を置いてから、キャロル氏は言った。「1943年の1月から」。

 1943年1月――それは、「戦争の家」というべき、あの五角(ペンタゴン)が生まれ、ロスアラモスでは原爆の開発が始まり、戦争(第二次世界大戦)では、「全面破壊」への衝動が「無条件降伏要求」として解き放たれた、現代史の起点だった。
 そこから、アメリカの絶対的な軍事権力が生まれ、「戦争の家」によるアメリカ政治の「支配」が始まった。

 キャロル氏はつまり、オバマ政権もまた、1943年1月以来の、アメリカの軍事権力の捕囚だと言おうとしたのだ。

 大統領を退任する時、アイゼンハワーが警告した「軍産複合体」は、さらにパワーを増して、「軍縮」を「平和」を押しつぶしている。

 こうした、アメリカの現代史における圧倒的な流れ――「潮流」の存在を指摘したあと、キャロル氏は、この「アメリカ・戦争の家」の「軍事外交」が、「冷戦」終結という平和の機会を蹂躙し、そして今、もうひとつの平和への機会――オバマの登場を脅かしている、と語った。

 それでは、オバマは、そうした「潮流」に最早、逆らいようがないのか?

 キャロル氏はしかし、オバマの「言葉」になお、希望を見ようとしてして、こう続けた。 「言葉こそがすべてだ」と。
 そして、ノーベル平和賞の選考委員会は、それにふさわしい人(オバマ)を受賞者と決めた、それは、オバマに対する、「偉大さへの招待状」である――と語り、オバマに「戦争の家」の囚われ人から脱却するよう求めたのだ。

 僕も、キャロル氏の意見に賛成である。
 そう、「言葉」なのだ。
 アメリカの軍事絶対主義を、圧倒的な軍事力を、超えることができるのは、対抗する武力ではなく、「言葉」なのだ。

 オバマにはその「言葉」を語る力が――意志がまだある……。

 僕もまた、キャロル氏とともに、オバマの「言葉」に、「言葉」による状況の打破に期待をつなぐ一人である。

 オバマは、大統領の「タブー」を破り、アフガン戦死者の遺体を、空軍基地で出迎え、未明から夜明け近くまで、遺族たちと時間を過ごした男だ。

 その場を取材した記者によれば、オバマは遺族の怒り・悲しみに圧倒されていたという。

 オバマよ、語れ! その時の思いを――その時、沈黙の中で、君の心にわきあがったものを、「言葉」にして語るのだ。

 戦死者の無念に応えるためにも、アメリカはアフガンから撤退すると。

 そう「言葉」をして、語らしめよ!
 

Posted by 大沼安史 at 07:03 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2009-10-29

〔ビデオ NEWS〕  パレスチナ女子サッカー・チーム ホーム・デビュー

 パレスチナ(ヨルダン川西岸)のナショナルチームが、初の国際マッチをホームで行なった。
 ニューヨーク・タイムズ(電子版)がビデオつきで報じた。

 ⇒ http://video.nytimes.com/
 (ビデオのウィンドウは、電子版の記事の左下にもあります)

  記事 http://www.nytimes.com/2009/10/29/world/middleeast/29westbank.html?ref=global-home
 
 26日(月曜日)の対戦。場所はエルサレムの北、16キロ未満のアル・ラムの競技場。相手は、ヨルダンのチーム。
 ヨルダン・チームは、パレスチナ国旗のスカーフを首にまいて、「連帯」の意思表示をしたそうだ。

 競技場には、西岸各地から、バスなどで女性のサポーターたちが駆けつけた(ガザからは来なかった。イスラエルがシャッタウト。ガザを支配するハマスが、女子のスポーツに眉を顰めているので……)

 両チームに、それぞれヒジャブ(頭巾)を被ってプレーヤーする選手が加わっていた。敬虔なイスラム信者の選手だ。

 パレスチナ・チームはイスラエルの検問で、練習に集まるのも大変だったそう。
 マネージャーは「ロープで縛られているようなもの。動けません」と、訴えていた。

 それでも、この日は、世界ランク51位のヨルダンを相手に、2-2で引き分けた。

 ビデオのナレーションは、こうコメントした。
 「ここには、敗者は一人もいない」と。 
 

Posted by 大沼安史 at 07:14 午後 | | トラックバック (0)

〔ビデオ NEWS〕  アフガン米軍 密着ビデオ

 英紙ガーディアンが、アフガン米軍の1ヵ月間、密着撮影したビデオを電子版で公開した。 
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/video/2009/oct/28/afghanistan-war-us-strategy

 米陸軍の第501空挺部隊に同行取材したのは、ショーン・スミス氏。

 手製爆弾で立ち往生する米軍車両。

 容疑者として連行される(あとで解放)、アフガンの老人。

 米軍に捜索された集落で、「神よ、この者たちに呪いを」と泣き叫ぶ、アフガンの女性たち。

 米軍車両の中で、「……殺しに来るから殺す……ここが僕の町だったら、こんなひどいこと、耐えられない。クソったれめが」と、語る米兵。

 厭戦気分が画面から伝わってくる。

 これはいったい、なんのための「戦争」なんだ……!! 

 

Posted by 大沼安史 at 07:12 午後 | | トラックバック (0)

〔重要 NEWS〕 オバマ アフガンで死んだ米兵ら  18人の遺体を未明の空軍基地で出迎え 

 オバマ大統領が28日深夜、大統領専用ヘリ、「マリーン1」で、デラウェア州ドーバー空軍基地に飛び、アフガンから無言の帰国を果たした米兵、及び麻薬取締局員、計18人を出迎えた。

 オバマ大統領は29日未明、同空軍基地の教会で行なわれた式に参列。遺族たちともプライベートな時間を持ったという。

 ドーバー基地は、イラク・アフガンからの戦死者の帰還場所。ブッシュは出迎えに出かけたことはない。

 星条旗に覆われた棺。遺族の悲しみ……戦争の帰結に敢えて相対したオバマ。

 オバマよ、それは君がアフガン撤退を決意したからなのか?

  オバマよ、君は「ノーベル平和賞」の賞金を、イラク、アフガンで倒れた兵士たちの子どもの奨学基金にしようと考えているのではないか?

 そうだよな、オバマ!
 

 ⇒ http://www.huffingtonpost.com/2009/10/29/obama-heads-to-dover-air-_n_337930.html

Posted by 大沼安史 at 07:11 午後 | | トラックバック (0)

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 Ashokan Farewell

 今日、BBCラジオ(スコットランド)の音楽番組をネットで聴きながら、ジェームズ・キャロル著、『戦争の家』(下巻)の訳稿(ゲラ)の校正をしていたら、聞いたことのあるバイオリンのメロディーが流れ出し、思わず耳を澄ませた。
 
  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=sx6dxrhqPZY

 この夏、『戦争の家』下巻の翻訳作業中、ユーチューブでチェックした、アメリカのテレビ番組、「南北戦争」(1990年、PBS)のバックに流れていた、一度聞いたら、忘れられない、あのバイオリンだった。

 調べたら、アメリカのミュージシャン、ジェイ・アンガーさんの「アショーカンの別れ」という曲だった。ユーチューブで探したら、あった!

 ビデオの冒頭、アンガーさんが、作曲のいきさつを語っていた。

 アンガーさんたちはアショーカン(ニューヨーク州の景勝の地)で毎年夏、合宿を続けていたのだそうだ。3年目の夏のことだった。現実を離れ、すばらしい仲間たちと、コミュニティーで過ごしたあと、アンガーさんは自宅に戻って、何かを失ったような、切ない思いに囚われたそうだ。

 そうした思いを、スコットランド風の音楽にしようとして、浮かんだのが、この曲の出だしだった。

 泣けてしまったそうだ。作曲してから1ヵ月というもの、涙なしに演奏できなかったそうだ。

 この曲が、PBSテレビの「南北戦争」のバックに使われた理由は――もちろん、その哀切さにある。戦争の無残、死、別れ……。

 しかし、原曲のテーマは、戦争や死ではなく、平和な、人間同士のコミューニティーの思い出である。

 ひと夏の、かけがえのない、「生」の肯定! 別れた人々との、もう二度とはありえない、アショーカンでの日々。 

 だから、この曲は、切ないのだ。だから、この曲は、胸を打つのだ。 

  Jay Ungar さんのプロフィール Wiki⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Ungar 

    曲の由来 Wiki ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Ashokan_Farewell

Posted by 大沼安史 at 07:08 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-28

〔NEWS〕 アフガン麻薬トレード 黒幕のカルザイ大統領の弟にCIAが資金供与 ニューヨーク・タイムズがスクープ暴露報道

 ニューヨーク・タイムズ紙のジェームズ・ライゼン記者が、同僚の記者とともに、またまた大スクープを報じた。

 ブッシュ政権によってアフガニスタンに大統領に据えられた、元西側石油会社役員、カルザイの実弟、アーマド・ワリ・カルザイが、アフガン産の麻薬(それもヘロイン)取引のディーラーであり、しかも、その「弟・カルザイ」が、アメリカCIA(中央情報局)から定期的に資金提供を受けていた、というのだ。

 ライゼン記者は昨年10月、アフガン第二の都市、カンダハルで2004年、現地治安警察が、トレーラー内のコンクリート・ブロックの下から、大量のヘロインを発見、押収したところ、弟・カルザイが電話をかけて来て、手出しするな、と命じた――ことをスクープしたが、今回はさらに踏む込み、その弟・カルザイが、CIAから資金供与を受けている手先だったことを(までは)突き止めた。

 ライゼン記者らは、今回の暴露が、アメリカのアフガン「戦争ストラテジー」に対し、深刻な疑問を提起している、と指摘しているが、こうしたスクープ報道が可能となったのも、ライゼン記者らに対し、オバマ政権内部から――政権内の「ディープスロート」から、何らかの示唆、リーク、情報提供があったからだろう。

 そうしたリークなり情報提供が、オバマ(政権本流=中道左派、もしくはオバマ本人)の「承認(黙認)」の下、なされたとすれば、アフガン戦争の「デスカレーション」(戦線縮小)も在り得るわけで、歓迎すべきことではある。

 で、このライゼン記者らのスクープ記事を、僕なりに読んでの感想だが、どうもオバマ政権の、軍事タカ派・強硬派に対する、リークによる「寸止めの威嚇」のような気がしてならない。

 「麻薬取引の黒幕であるカルザイの弟にCIAが資金供与」から、「麻薬ディーラーとして悪名高き、CIAがカルザイの弟を使って、アフガンを拠点に麻薬ビジネスしている」までは、あと、ほんの一歩の距離。

 しかし、ライゼン記者らの「スクープ」は、そこまでは踏み込ま(め)なかった。
 ま、ここは、次回(?)の大スクープに向けた「宿題」として、今後の取材活動に期待することにしよう。

 ところで、今回のライゼン記者らの「スクープ」が、それでもなお、衝撃的であるのは、「アフガンの麻薬取引の親玉とCIAのコネクション」が暴露されたことである。

 本ブログで先ごろ紹介した、FBI翻訳官、シベール・エドモンズ氏の宣誓証言は、〔CIAが〕NATO軍機を使って、トルコ・ブリュッセル経由で、アメリカのシカゴとパターソン(ニュージャージー)に麻薬を運び込み、売り捌いていることを告発したものだが、今回のライゼン記者らのスクープは、麻薬の「出所」を確認したもの、と言える。

 ライゼン記者らには、この「アフガン産ヘロイン CIAコネクション 密売ルート」にメスを入れることを期待したい。

 ライゼン記者は、『CIA秘録』という本を書き、岸信介首相とCIA(前身のOSS)との関係を暴露した人だ。

 その関係で、ライゼン記者に、もうひとつお願いしたいのが、CIAが前身のOSS時代から、旧日本軍の対中国「第2次阿片戦争」を見習って、西南アジアを舞台に麻薬ビジネスを手がけ、資金源にしていた事実の発掘と確認である。

 そう、「麻薬のCIA」は今に始まった話ではないのだ。そして、CIAに麻薬の「うまみ」を教えたのは、旧日本軍である……

 ライゼン記者には、こうした「歴史の闇」を切り裂く報道を期待したい(ほんとうなら、日本のマスコミに期待したいところだが……)。

 話を飛躍させてしまった。
 元に戻って、今一度、確認するならば、ライゼン記者らの今回のスクープは、アフガン戦争に終止符を打つ上で、大きなインパクトを持つものだ。 

 大統領選挙の大がかりな不正に続く、「カルザイの弟がヘロイン取引。CIAが資金援助」。

 ここまで暴露されたなら、「カルザイによるデモクラシー」を支援するための「アフガン戦争」――などと、とても言えたものではない。

 オバマ政権内のタカ派(CIA長官をしていゲーツ現・国防長官ら)も、米軍増派の大義名分を立てづらくなった、と思っているだろう。

 楽観はできないが、ライゼン記者らのスクープは、アフガン和平に向け、一定の展望を、たしかに開いた。 

 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/28/world/asia/28intel.html?_r=1&ref=global-home&pagewanted=all

   ライゼン記者 2008年10月の報道 ⇒http://www.nytimes.com/2008/10/05/world/asia/05afghan.html

Posted by 大沼安史 at 09:16 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-27

〔NEWS〕 アフガンでなぜ戦い続けなければならないのか?……米国務省で初の抗議の辞任 元海兵隊大尉、マシュー・ホー氏(36歳)

【訂正】 ホー氏の階級、「大佐」は「大尉」の誤りでした。訂正します。

 なお、小生(大沼)へのメールは、画面左上の「プロフィール」から、お願いします。

 今回の「訂正」は、ある読者の方のご指摘によるものです。

                   ☆   ☆

 米紙ワシントン・ポストによると、米国務省〔日本の外務省にあたる〕の、36歳になる中堅スタッフが、アフガンでの戦争継続に疑問を投げかけ、辞任した。

 元海兵隊大尉で、イラクなどでの戦歴もある、マシュー・ホー氏。
 アフガンでの戦争継続に抗議して辞職する政府職員が、遂に現れた!

 Hoh という名前からすると、ベトナム系のアメリカ人かも知れないがハッキリしない。

 アフガン現地で文民として働いた経験の持ち主だそうだ。

 そのホー氏が、抗議の辞任!

 オバマよ、彼の声を聞け!

    

 ⇒ http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/26/AR2009102603394.html?hpid=topnews

Posted by 大沼安史 at 08:07 午後 | | トラックバック (0)

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 Songbird

 アメリカの歌手、エヴァ・キャシディ(Eva Cassidy)が亡くなったのは、1996年の11月。33歳。早すぎる死、だった。

 彼女が最後のコンサートの最後に歌ったのは、What a Wonderful World だったそうだ。

 そして、この曲……Songbird――歌う鳥。

 僕はこれはほんとに、すごい歌だと思う。

 歌詞にあるように、歌う鳥が人と同じように、「スコア」(譜)を「知っている」(と信じてて歌うことができる)……ということは、それは、僕らの「音楽」もまた、鳥たちの世界に通じる「物理」(あるいは自然)である(と信じ得る)ことを示唆するものだ。

 僕たちが生まれた、その「場所」から(外側からではなく内側から)届き、鳥のように歌うもの――それが音楽であるなら、エヴァ・キャシデーという女性歌手は、生前すでに、その「場所」から、僕たちのために歌っていた!…………そんなふうにも思わせる、彼女の、透明で、切ない歌声だ。

 エヴァ・キャシディーさん、僕は言いたい。こういう歌を、聞かせてくれて、ありがとう!
 
  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=AFFo1pu4q7Q&NR=1&feature=fvwp

   歌詞 (拙訳)

  For you there'll be no crying       あなたのためなら、もう泣くことはない
  For you the sun will be shining      お日様は輝くだけ
  ‘Cause I feel that when I'm with you  だって、あなたと一緒なら
  It's alright, I know it's right         なんでもない、大丈夫だって、私は知っている

  And the songbirds keep singing       そして歌う鳥たちは歌い続ける
  Like they know the score          楽譜を奇跡にように読めるように!
  And I love you, I love you, I love you    だから私はあなたを愛し、愛し、愛している
  Like never before               こんなこと なかった

  To you, I would give the world      あなたのために 世界をあげる      
  To you, I'd never be cold          あなたのために もう寒がらない
  ‘Cause I feel that when I'm with you  だって あなたと一緒なら
  It's alright, I know it's right           平気なんだ 私は大丈夫

  And the songbirds keep singing       そして歌う鳥たちは歌って
  Like they know the score          楽譜を奇跡にように読めるように!
  And I love you, I love you, I love you   だから私はあなたを愛し、愛し、愛している
  Like never before                           こんなこと なかった

  Like never before; like never before.   こんなことなかった なかった

  歌詞 http://www.lyrics007.com/Eva%20Cassidy%20Lyrics/Songbird%20Lyrics.html

   Wiki  http://en.wikipedia.org/wiki/Eva_Cassidy

Posted by 大沼安史 at 07:58 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-26

〔NEWS〕 一人でもやる 歩く 英軍兵士 アフガンでの戦闘を拒否 ロンドンで反戦デモの先頭に

 英軍の兵士、ジョー・グレントンさん(28歳、伍長)が、アフガンでの戦闘に就くことを拒否し、24日、ロンドンで行われた反戦デモの先頭に立った。

 グレイトンさんは、アフガンでの戦闘をすでに経験済みで、戦場に戻り、銃を執ることを拒んだ。
 軍法会議にかけられることを覚悟しての、たった一人の「決起」。そして、反戦デモへの参加。

 ベ平連の小田実さんが言っていた、「一人でもやる」「とにかく歩く」を、一人の英軍兵士がやり出した!

 これは「小さな出来事」ではない。(小さいけれど)大きな第一歩である。「大ニュース」である。(日本のマスコミは取り上げないだろうけれど……)

 グレイトンさんは、「世界最貧国のひとつに戦争をしかけている。私には(戦わない)選択しかない」「兵士だからといって、命令に従っただけと言うことはできない」との声明を発表した。

 トラファルガー広場に向かうデモは数千人規模に達し、ロンドン中心部の交通は麻痺した。 

 ⇒ http://www.commondreams.org/headline/2009/10/24-3

Posted by 大沼安史 at 05:24 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-25

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕   Isn't it a pity

  ガーシュインの歌? ますはラッセル・ワトソンと、ヴィクトリア・ハートの「掛け合い」で。

 What joys un-tasted!

  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=F1a4b8OJs7w

  でも、2人とも若すぎ!

 で、サラ・ヴォーンを!
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=7iHyMfzK-Sk

Posted by 大沼安史 at 08:46 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-24

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 New York State of Mind

 明日(日曜)、行こうかと思っていた墓参りを、済ませて帰ってきた。仙台は明日、大学女子駅伝があって、交通規制があるので、今日のうちに行って来たのだ。往復3時間の自転車での遠距離墓参り。

 帰りに振り返って見上げた、夕方の空が「モネ」だった。ピンクと青。黄昏の光のアンプレシオン。

 自宅にもどり、ほっとして、ウイスキーを飲み出した。飲みながら、ほろ酔い加減で、今、この「歌ブログ」を書いている。

  そう……なぜか、思い出したのだ。
 もう、かなり前のことだが、ニューヨークで、1ヵ月暮らしたことがある。ロビーに、いつも女性が客待ちしている安宿に滞在し、日曜日の朝は、近くの店で、ニューヨーク・タイムズの日曜版を買ったものだ。

 それにしても、当時、ニューヨークの安宿(レストランはなかった)で、僕は何を食べていたのだろう? どこで飲んでいたのだろう? 記憶がない。

 でも、あのタイムズ紙の日曜版の分厚さ(抱えるほどの)だけは憶えている。

 安ホテルの、ネズミの出る部屋に戻って、擦り切れたひとりがけのソファに座り、僕はきっとタイムズを読んだはずだ。

 ニューヨークを後にした日は雨だった。

 グレイハウンドのターミナルまで行って、ボストン行きのチケットを買った。留学生らしき韓国人の若い男の子が、英語が喋れず困っていたので、代わりにチケットを買ってあげた。

 そして……その時、ボストン行きのバスの中で、確かに聴いたのが、この歌。
 
  日本語訳付⇒  http://www.youtube.com/watch?v=bdL-43zlBUE

 ちょうどハドソン川沿いを北上してた時のこと。そしてグレイハウンド。
 あまりにも「出来すぎていたので」憶えているのだ。
 (でも、グレイハウンドって、車内で、ラジオを流していたっけ……席の隣の人がかけていたラジオかも知れない……ああ、もう憶えていない)

 それとも僕は、記憶を捏造しているのだろうか?

 初めて聴いた New York State of Mind だった。
 あれ、これはいい歌だな、と思ったことを憶えている(いや、確かに……。これは記憶の捏造ではない)

 ボストンも雨だった。夕方、YMCAにチェックインし、近くのバーに飲みに行った。

 カウンターに座ると、「日本人?」と話しかけられた。
 酔った中年の白人男性だった。

 「そうだ」というと、分かりやすい英語で、しかしクドクド語り始めた。

 四国のある県の某大学で、英語を教えていたこと。日本人女性と結婚して、別れたこと。

 黙って聞いて、相槌も、返事もしないでいると、悲しそうな目で、しかし礼儀正しく、別れのあいさつをして引き揚げていった。

 バーテンダーの男が言った。日本人が来ると、いつもああなんだ……。

 聞けば、今も独身だという。
 日本人の彼女のことが忘れられないらしい。

 記憶は物事が常にもう一度、起こる場所だが、あの四国の某大学の元英語教師にとって、あのボストンのバーのカウンターは、思い出を何度も甦らすことのできる定位置のひとつなのだろう。

 歌もそうなのだ。ビリー・ジョエルのこの曲を聞くと、僕は雨のハドソン川のバスの窓越しの風景と、ボストンの裏町の、薄暗い安酒場のことを、決まって思い出す。

 こんどボストンに行く時は――いつ行けるか知れないが――ミネアポリスからローガン空港に直行するのではなく――おそらくは最後の旅になるだろうから――ニューヨークからバスで行こうか、と思っている。

 そして、もういちど、あのバーを訪ねる。

 そのカウンターは、僕にとっても、物事がもう一度、起きる場所になることだろう。

 年が年だけに、思い返すことも、それなりに多かろうが、ウイスキーを何杯か飲んで、記憶の再生を続け、終わったら黙って、僕もまた、礼儀正しく、引き揚げることにしよう。

 あの、自分を詩人だと言った男のように。     

  英語の歌詞 http://www.sing365.com/music/lyric.nsf/PrintLyrics?OpenForm&ParentUnid=388BB5E978D09B074825687000242DC5

Posted by 大沼安史 at 08:43 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 小笠原信之著 『ペンの自由を貫いて――伝説の記者・須田禎一』 出版近し!

 畏友・小笠原信之が、4年ぶりに、「全面書き下ろし」の、念願の一作を出す。
 『ペンの自由を貫いて――伝説の記者・須田禎一』(緑風出版)

 須田禎一(すだ・ていいち)……

  僕が1971年に「道新」(北海道新聞)に入社したのも、この人が、60年安保当時の、論説委員・コラムニストとして、「交響するペン」で書きのこしたものがあったからだ。

 けれど入社した、須田さんなき新聞社は違っていた。新人研修のときに早くも、先輩の社員から、「須田禎一? 過去の人だね」と言われ、須田さんが書いていた(たしか、朝日新聞の浜松支局時代の話だったと思う……)、『人が犬を噛むのはニュースではない。犬が人を噛んだ――それがあくまでニュースなのだ』という、まっとうの説を逆転させた、『人が犬を噛んだら、それがニュースだ』式・新聞報道論を聞かされ、唖然としたものだ。

 今思えば、僕がその後、45歳で、小笠原信之のあとを追って「道新」を去ることになる遠因は、1971年にしてすでに、須田さんの存在が、意図的にかどうか知らないが、組織内で消されていたことに遡る。
 (当時、すでに、佐藤栄作の自宅の「寝室」まで入って寝てきた「伝説」の政治記者が、道新の権力者になっていた。その人自体、悪人では決してなかったけれど――社の階段の踊り場で立ち話したことがあった……僕を励ましてくれたな……)

 須田さんという人の評伝を書く――そういう志を立て、意志を貫き通し、遂に書き上げた小笠原と須田さんの「関係」について、(別に聞く必要もないので)聞いたこともないが、小笠原もまた、「須田さん」と同じような目で、「組織ジャーナリズム」(ここでいう「組織」とは、あまり良い意味ではない)の「大本営報道」の現実を見つめ、その限界を見て取り、会社員記者を辞めて、フリーの記者生活に踏み切ったのだろう。

 人は……いや、須田さんのような「記者」は、「交響のペン」をふるおうとして壁に突き当たった時、それを捨てず、「独弦のペン」として、独り書き続け、なお交響を求めるものだ。

 小笠原信之もまた、そういう、交響を願う「独弦のペン」の「記者」の一人である。「須田禎一」を書くのに最もふさわしい、ペンの持ち主だ。
 その彼が須田さんを書いた!……実に喜ばしいことではないか!

 須田さんのペンがもっと早くに交響していれば、日本の政治の、どん底への堕落は、もっともっと早いうちに是正されたはずだ。

 が、僕らには「今」と「これから」しかない。
 御用化したジャーナリズムからの決別と再生!

 盟友・小笠原信之が間もなく出す、この『ペンの自由を貫いて――伝説の記者・須田禎一』(緑風出版)は、とくに「道新」の若い記者諸君に読んでもらいたい。
 新たなる出発の書、指針の書に、間違いなく、なるはずのものだから。

 そして来年は、「60年安保」の50周年――。「1960年」を、戦後ジャナーリズムの観点から捉え返す、現代史の検証の書としても、この『ペンの自由を貫いて――伝説の記者・須田禎一』は、重要な意味を持つに違いない。

 本ブログの読者の一読を乞う。
  
 小笠原信之のブログ「閑居愚考」は⇒ http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nbsn001/   

Posted by 大沼安史 at 01:56 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 アフガンを、平和な、緑の大地に!   オバマよ、「火星人」を止めよ!

 アフガニスタンで昨年11月、「タリバン」に拘束され、ことし7月、脱出に成功して帰還した、ニューヨーク・タイムズ紙、デイビッド・ローズ記者の体験記の連載が終わった。
 ⇒ デイビッド・ローズ 「タリバン捕囚記」 http://www.nytimes.com/2009/10/18/world/asia/18hostage.html
 
 「7ヵ月と10日間」に及ぶ、捕囚生活の記録は、「タリバン」なるものの実態を、内側から伝える、貴重なレポートとなった。

 米軍のミサイル攻撃を至近距離で体験もした。

 アメリカと戦う「タリバン」の「内側」に、拉致されたことで入り込み、彼らの現実に触れ、アメリカから「攻撃される側」にも立たされたローズ記者。

 すでに本ブログで紹介済みのことなので、重複はなるべく避けるが、ローズ記者はその「捕囚記」の中で、私たちの参考になりそうな、大事なことをいくつか書いているので、ここであらためて取り上げ、その意味を考えてみることにしよう。

 僕の印象に残るのは、ことし3月25日、監禁場所の近くで、米軍の無人攻撃機がミサイルを撃ち込んだことを振り返り、ローズ記者が書いた一言。

 ローズ記者はそれを、「空の中の点」――からの攻撃と表現をしていた。「空の中の点」、いつの間にか、遠くの空に「点」が現れ、そこから、ミサイルが飛んで来る……。

 その標的となったのは、2台の車。アラブ人やタリバンの戦士が乗っていた。「命中」!

 米軍(NATO軍)は今、地上戦での劣勢を、こうした「空から攻撃」で巻き返そうとしている。
 アメリカのジャーナリスト、トム・エンゲルハート氏の表現をかりれば、米軍は地上で「タリバン」たちの奇襲ゲリラ攻撃に悩まされながら、その一方で、ハイテクの限りを尽くした、「アフガン、2009年 宇宙戦争」を仕掛けているのだ。

 ここで言う『宇宙戦争』とは、1898年、英国のH・G・ウェルズが書いた、火星人がイギリスを襲う、あの空想小説のことである。

 悲しいほどに、適切なアナロジー。
 アフガンの、あるいは隣接したパキスタンの地上に生きる人々にとって、「空の中の点」から攻撃して来るアメリカ人は、19世紀末のロンドン市民にとっての「火星人」に等しき存在であろう。

 エンゲルハート氏によれば、米軍は「プレデター(肉食動物)」という無人攻撃機に加え、さらに性能を向上した新型機を投入しているそうだ。その新型機の名前が、なんと「リーパー(Reaper)」。「大鎌をふるう死神」のことである。

 そして、「プレデター」も「リーパー」も、米本土、アリゾナやネバダの米軍基地からの遠隔操縦だ。“パイロット”は画面のモニターを見ながら、ミサイルの発射ボタンを押している。

 まるで、竹槍をもった地上の人間に原爆を落とすに等しき所業。そう、「空の中の点」……ヒロシマもナガサキもそうだった。許してはならない。

 ローズ記者は、この無人攻撃機による攻撃の故に、タリバンは(そして、アフガンのふつうの人々も)、ブッシュ以上にオバマを憎んでいる、と書いていたが、現地の地上の実感として、当然である。

 オバマは……そう、戦乱で荒廃した、実りなきアフガンの大地で大鎌を振るう、死神の火星人である。むろん冗談ではない。

 もうひとつ、ローズ記者の「捕囚記」で印象付けられた――というか、教えられたのは、タリバンの「戦士」たちもまた、「教育を受けた」アフガン人であるという事実である。

 つまり彼らは、しっかり教え込まれた(学んだ)連中であるのだ。回し読みする1冊の本で。DVDプレーヤーで見る、自爆テロ実行者の最後の日々を記録したビデオで。
 「殉教するんだ。天国で、甘いジュースも、乙女たちも待っている」
 「死の教育」――まるで、あの「神の国=日本」。

 しかし、僕はここに、「逆転」の可能性を見る。「敵の侵略」「空の中の点」さえなくなれば――つまり、平和が到来すれば、「死の教育」の基盤も消える。もはや、「殉教」も(散華)もクソもないのだから……。

 ローズ記者は、自爆テロを決行するタリバンの男を、ほかの仲間が、気味悪がっていた、というような意味のことを書いていたが、それは“ふつう”のタリバンたちの、本音ではないか?
 とするなら、そこに希望を見ることもできるはずである。戦争が終われば(アメリカが攻撃を止めれば)、平和な日々が戻るなら、タリバンの心にも「正気」が、「平常心」が戻るはず……だと。

 ローズ記者は見張りのタリバンたちと一緒に、ビートルズの She Loves You ……、そう、あの Yeah, yeah, yeah!のあの歌を歌って盛り上がったことを書いているが、「敵性歌」を「敵性語(英語)」で歌えるタリバンなのだ、相互理解、できないはずがない。
 (戦時中、英語の歌を禁止された、われわれ日本人を見よ! 戦後、占領軍が来たとたん、笑顔でブギブギしたではないか!)

 最後にひとつ、これは「捕囚記」の概要ブログでは紹介しなかったことだが、「タリバン」のアジトを脱出、パキスタン軍の基地に逃げ込んだ時、ローズ記者が「見た」あるものに触れておきたい。
 ローズ記者は「それ」を見て、よほど印象に残ったのだろう。だから、一見、何でもないようなことを、敢えて書いていたのだ。

 彼が見たもの――それは、基地の奥の司令部前の芝生の緑だった。「緑の草(グリーン・グラス)」だった。久しぶりに見る「緑」だった!

 僕はこのくだりを読んで、感動した。そして、あの中村哲医師ら、日本のボランティア、「ペシャワールの会」による、アフガンでの井戸掘りの意味を、ようやく理解できたような気がした。

 そう、そうなのだ。
 あの岩山だらけのようなアフガンも、かつては緑豊かな大地だったはず。
 しかしそのアフガンにも、「水」が流れれば「緑」が甦り、「平和な人々の暮らし」も甦る……。

 そう、その通り。
 H・G・ウェルズの『宇宙戦争』は、結局は「火星人」の敗北で幕を閉じるが、この筋書きはアフガンにもあてはまる。いくら「空の中の点」で攻撃しても、地上の憎悪と戦意は高まるばかりで、いずれ、ベトナムの「三の舞」を強いられることは確実だ。

 ならば、オバマよ、君が「ノーベル平和賞」の受賞の前になすべきはひとつ――それはアフガンからの撤退をまず宣言することではないか。地球人の一人として、君は「火星人」をやめ、アフガンに平和をもらたすべきではないのか。

 戦争が終われば、国際社会も、アフガン復興に手を差し伸べることができる。
 井戸を掘り、水を汲み出し、砂漠の大地を、緑の大地に代えることができる。

 オバマよ、君は新聞をちゃんと読む、数少ない米国大統領だそうじゃないか。
 だったら、ローズ記者の「タリバン捕囚記」の、「緑の草」の、あのくだりも読んだはずだね。

 ならば、米兵を戻せ。アフガンをアフガン人に返せ。

 ♪ It's good touch green, green grass of home!

  帰還する米兵だけの歌じゃないぞ。アフガン人も歌う歌だ。

 そう、その通り。
 オバマよ、「ノーベル平和賞」を汚すな! 
 アフガン撤退!

 そうだ、そうなのだ。
 僕らに、We Love You! と歌わさせてくれ!

 ⇒ トム・エンゲルハート http://www.tomdispatch.com/post/175124/are_we_the_martians_of_the_twenty_first_century_

 新刊NEWS NONO頑爺レモン革命 
     大沼 安史著  定価1680円(本体1600円+税)
  ⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/4196.html

 「60年安保」から半世紀を迎える今、平和を、憲法9条をどのように守っていくか。
 「歴史の封印を解き、歴史の真実を見詰め、平和を、9条を守り抜く」異色の政治ファンタジー小説!
 戦後政治最大の謎とされる「M資金」に日本・オランダ混血の美少女NONO(のの)が挑み、 頑爺(がんじぃ)が「9条」を守る「改憲」阻止の闘いに、命の炎を燃やす。 6月15日、夜の国会前・・・イマジン! 「レモン革命」の奇跡が起きる! 卒業式の日の丸・蒸発事件をテーマにした『緑の日の丸』の続編。小田実氏へのオマージュ!

Posted by 大沼安史 at 10:22 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2009-10-23

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 赤いつるばら

  「青いバラ」発売のニュースで思い出した。
 あの歌、今頃、どうしてるんだろうと思って、早速、捜索を開始!

 で、「失われ(かけ)た名曲」、あの歌を、ユーチューブで発掘した。
 梓みちよさんの『赤いつるばら』
 
  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=fl7q9ji5Gl4&feature=related

 どお? すばらしい曲でしょ!

 (編曲が最高! 森岡さんじゃないかしら?)

 歌詞の最初の方の「♪ 微笑み、ひらく」を、僕は「浮かべる」と間違って憶えていた……。

 これは当時の僕の、一番のお気に入り。よく、ハーモニカで吹いていたっけ。

 歌詞の2番あたりから、バックにストリングスが流れて一気に大きく、広がるんだけど、その前のカントリーな素朴さもまた、好いよね。

Posted by 大沼安史 at 07:24 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ニューヨーク・タイムズ記者 「タリバン捕囚記」 エピローグ

 デイビッド・ローズ記者の「タリバン捕囚記」の最終回、「エピローグ」の主なポイントを。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/22/world/asia/22epilogue.html

 脱出に成功、パキスタン軍の基地に逃げ込んで助かったローズ記者と助手のタヒールだったが、タリバンたちのアジトに置き去りにされた、ドライバーのアサドは、どんな目に遭ったか?

 ローズ記者は解放された後、アサドと電話で話をしたという(つまり、アサドは生きていた!)。

 アサドによると、二人が消えたことをタリバンたちが知ったのは、翌朝だった。最初は二人ともトイレか、と思ったという。

 脱走を知ったタリバンはアサドを追及した。何も知らされていないアサドは、鎖につながれ、地下室に17日間、拘束されていた。

 アフガンのアサドのファミリーは、タリバンに解放を要求。アサドは一人になった時、隙を見て逃走、タクシーを拾って、アフガン国境まで逃げ延びた。

 ローズ記者が「どうしてタリバンからカラシニコフをもらったのか」質したところ、「持つよう命令された」と、アサドは答えた。

 アサドもまた、タリバンの言うことを聞いて生き延びようとしたわけだ。

 それと、身代金。

 身代金はニューヨーク・タイムズ、ローズ記者の家族とも、支払っていないそうだ。

 そして、最後に、ローズ記者による重大な指摘をひとつ。

 ローズ記者を拉致したのは、「ハカニス」というタリバンの氏族だが、米政府当局者によれば、この「ハカニス」の行動を、パキスタンの情報部(ISI)は見てみぬふりしているそうだ。

 それどころか、ISIは「ハニカス」、及び他のタリバン・グループに資金・武器援助をしているとの指摘もあるそうだ。

 その「ハニカス」は、いまなお自爆攻撃を続けている……

 ISIはあの「9・11」でも、何らかの関与をしたものと疑いが持たれている組織。
 「イスラムの核の父」カーン博士ともども、アメリカはとんでもない「モンスター」を育ててしまったものだ。 

Posted by 大沼安史 at 05:20 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-22

〔NEWS〕 ニューヨーク・タイムズ記者 「タリバン捕囚記」 第5回 「脱出」

 ニューヨーク・タイムズ、デイビッド・ローズ記者の「タリバン捕囚記」の、さらに続きを。

 連載第5回の見出しは「一本の綱と祈り」――彼と現地助手(アフガン人)、タヒールが、ついに「脱出」に成功するまで。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/22/world/asia/22hostage.html?hp

 脱出決行の日は7月20日。決行予定時刻は午前1時だった。

 パキスタンの北ワジリスタンの中心都市、ミラム・シャー。
 タリバンに拉致され、アフガン、パキスタンを転々と移動、9ヵ所目の拘束場所で、ついに脱出することを決めた。

 拘束したタリバンの「解放に向けて交渉中」という言葉がウソだということが分かったからだ。いつ何時、殺されるか知れない……。

 そして、1本のロープ……。放置されていたのをこっそり回収し、古着などの下に隠しておいた、車の牽引用ロープがあった。

 それを使えば、壁を乗り越えて、15メートル下の通りに逃れることができる……。

 ローズ記者とタヒールは、タリバンの耳を気にしながら、どうやって逃げるか、段取りを話し合った。ある日、戦闘による停電があって、ファンが回わり出した。その音が、二人の密談を消してくれた。

 一緒に捕まった若いアフガン人ドライバーのアサドは、連れていかないことにした。
 信用できない。タリバンたちと仲良くなり、カラシニコフさえ手渡されている。「脱出」を持ちかけたら、タリバンに筒抜けになるのは間違いないことだった。

 その夜は、雑魚寝するタリバンたちを熟睡させる必要があった。
 夜遅くまで、21日の午後11時ごろまで、一緒に将棋のようなゲームをした。

 そして、横になった。

 ローズ記者は心の中で「神さま、おゆるしを」と、2000回、唱えることにした。
 タリバンから、「1日、1000回、唱え続ければ、解放する」と言われて、毎日、続けたことがあった。解放されなかったが、1000回唱えるのに1時間かかることが分かった。

 決行時刻の午前1時まで、あと2時間……2000回。

 打ち合わせ通り、「トイレに」最初に起き出したのは、ローズ記者だった。タヒールを少しつつくと、寝言のような、うめき声を上げた。たしかに、起きていた。

 タリバンたちは熟睡していた。もし、気づかれたたら、「トイレだ」と言えばいい。

 ローズ記者はトイレにしゃがんで待ち続けた。タヒールはなかなか現れない……と、その時、暗闇の中から、幽霊のように片足が現れた。そして、もうひとつの片足が……タヒールだった。

 ロープを垂らした。地上まで届かなかったので、結び直した。まだ足りなかったが、タヒールから先に壁を乗り越え、ロープで脱出した。ローズ記者が続いた。タヒールが残したサンダルをズボンの中に入れて。

 通りには人影はなかった。
 タヒールは涸れ川の河床を歩き出した。踵が痛いと、タヒールは言った。
 遠くまで歩けないかもしれない、と。
 ローズ記者も指に怪我していることに気づいた。二人とも、あのロープで切っていた。

 どこへ逃げる?

 街のメーンゲートは、アラブやチェチェンの戦士が固めているので、そこで捕まったら、一巻の終わりだ。

 「別のゲートがある。そっちに行こう」。タヒールに従い、そっちに向かうことにした。

 歩きながら、ローズ記者はタヒールに何度もアピールした。「このミラム・シャーには、パキスタン軍の基地があるから、そこに行って“投降”しよう」と。

 が、タヒールはウンと言わない。足に怪我しているのに、アフガン国境に向かうつもりらしい……。

 舗装路に出た。ミラム・シャーのメインストリートだった。ガソリンのスタンドがあった。

 突然、通りに面した屋根の上から、軽機関銃を向けられた。

 捕まった!?

 パキスタン軍の基地だった。

 タヒールが現地語で警戒中のパキスタン兵士と話をしている。パシュトン語。「ジャーナリスト」と言っている。

 ジャーナリスト? 髭ぼうぼう、誰がどう見ても、自爆テロの戦士としか見えない、ローズ記者の外見だった。

 挙げ続けた両手が、持ちこたえられなくなった。服をほどけて、腹部に爆薬を巻いていないことを見せようと、タヒールに言った。
 パキスタン兵の許可が出た。ようやく、手を下げることができた。

 タヒールは兵士たちに、困った人は助ける「パシュトンの掟」を持ち出し、説得を試みた。
 いま、上官に連絡しているところだから、「待て」を言われた。

 基地がだめなら、モスクに行くしかない。行かせてくれ――そういうと、地面に腹ばいになるよう命じられた。

 そして――遂に……。

 パキスタンの兵士たちは驚くほど丁重だった。兵士の一人が英語で「ハウアーユー」と言った。。「ハウアーユー?」……ローズ記者は一瞬、答えに詰まった。

 トラックに乗せられ、基地の奥に向かった。
 
 ベッドから起きたばかりのような「上官」は、基地の司令官だった。英語を話した。

 電話をかけたいというと、カードを探してくる、といって待たされた。
 電話のカードが届いた。

 電話番号を紙に書いて渡し、ニューヨークの自宅にかけた。

 留守電に向かって叫んだ。

 すると、妻の母親が出た。社に連絡すること、タヒールの家族をカブールから退去されることなど、必要なこと伝えた。
 通話の最後に、「心配をかけてごめん」と、義母にゆるしを乞うた。

 そして……司令官はローズ記者に、もう一度、自宅に電話をかけることを許してくれた。

 こんどは彼女だった。奥さんのクリスティンが出た。

 これまでずっと考え続けて来た、奇跡が起きた時の言葉を、彼女に言った。

 「これからの人生、君の好きにしていいから」

 彼女は言った。

 「イエス」……「イエス」と。 

Posted by 大沼安史 at 07:03 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「戦争犯罪者」 ブッシュのカナダ講演に抗議デモ

 ジョージ・W・ブッシュ前米大統領が10月20日、カナダ・エドモントンで行った講演会で、数百人が会場の外で抗議集会を開き、「ブッシュは嘘つき 数千人が死んだ」「ブッシュは戦争犯罪人」「カナダはブッシュ(藪)の国ではない」などと叫んで気勢を上げた。

 ブッシュの講演チケット2000枚は完売した。
 講演の中でブッシュは、核開発を進める北朝鮮とイランは、北朝鮮の方が気がかりだ、と語ったという。
 
 ブッシュはカリガリー、トロントでも講演を行い、抗議デモの「歓迎」を受けた。21日にはモントリオールで講演するが、ここでもデモが計画されている。

 ⇒ http://www.commondreams.org/headline/2009/10/21-5

Posted by 大沼安史 at 05:13 午後 | | トラックバック (0)

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 額のなかの写真 Picture in a Frame 

  この「歌ブログ」の原稿をいま、書こうとして、ふと、こんな言葉が浮かんだ。
 「秋天瑠璃(しゅうてん・るり」
 たしか、斎藤史さんの歌集のタイトルだったような?!……。

 仙台はこのところ、素晴らしい秋空が続いている。
 ここ数日、朝、目覚めると、窓の向こうの水色の空に、決まってピンクの白い雲が流れていた。

 その瞬間――その数分間だけ、朝日に染まる、燃えてはいない、焼かれてはいない、静かな、美しいピンク。

 昨日(21日)の朝、あまりにきれいなものだから、ベランダに出て、眺めた。
 机の上で、いつも空に背を向けている、小さな白木のフレームに入った、写真を持って。
 一緒に、見た。

 そして、今日(22日)――いつものように、BBCラジオ(ネット放送)で音楽を聞きながら、仕事を(『戦争の家』下巻のゲラの校正)しているうち、リアン・キャロルという、イギリスの女性歌手(ピアニスト、Liane Carroll)の  I Only Have Eyes For You という、素晴らしい曲に出会った。感動し、ユーチューブで探しているうちに、この「額のなかの写真(Picture in a Frame)」に行き着いた。

 アメリカのトム・ウェイツ(Tom Waits)という人の曲のカバーを、2年前のジャズ・フェスで、生演奏したときのビデオ。
 タイトルを見て、もうそれだけで、聴かずにおれなくなった。

 シンプルで、素朴で、机の上に、あたりまえの小さな、否定できない真実を、ひとつ置くだけで、空がピンクに染まるような、素晴らしい歌だった。 

  Liane Carroll - Picture in a Frame 
  ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=oRNcz23TeUk

   彼女のことは、http://www.lianecarroll.co.uk/

 オリジナルのトム・ウェイツも、あった。
 
  トム・ウェイツ http://www.youtube.com/watch?v=ywT8WXKHTkI

 ああ、なんて歌なんだ!

    トム・ウェイツ Wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%84

  歌詞 http://www.lyricsdomain.com/20/tom_waits/picture_in_a_frame.html

    Picture in a Frame

   Sun come up it was blue and gold  
   Sun come up it was blue and gold
   Sun come up it was blue and gold
   Ever since I put your picture
   In a frame.

   I come calling in my Sunday best
   I come calling in my Sunday best
   I come calling in my Sunday best
   Every since I put your picture
   In a frame

   I'm gonna love you
   Till the wheels come off
   Oh yea

   I love you baby and I always will
   I love you baby and I always will
   I love you baby and I always will
   Ever since I put your picture
   In a frame

   太陽は昇る 青と金で
   写真を置いたその時から
   額の中に

   一番いい服着て、呼んでいる

   幌馬車の旅が終わるまで
 
   いまも いつでも
   写真を置いたその時から
   額の中に   

Posted by 大沼安史 at 12:39 午後 | | トラックバック (1)

2009-10-21

〔NEWS〕 無人攻撃機 ミサイルを発射 デイビッド・ローズ記者 タリバン捕囚記

 引き続き、ニューヨーク・タイムズ紙の、デイビッド・ローズ記者による「タリバン捕囚記」を。
 連載第4回は、米軍の無人攻撃機による、上空からのミサイル攻撃について。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/21/world/asia/21hostage.html?_r=1&hp=&pagewanted=all

 ことし3月25日のこと。ローズ記者らが監禁されている家の、すぐそばへ、米軍の無人攻撃機がミサイルを撃ち込んだそうだ。

 (無人攻撃機は、米本土の米軍基地から、リモート操縦され、カメラの「視覚」でもって視認したターゲットにミサイルを発射している。ローズ記者によれば、タリバンは、この無人攻撃機の攻撃を恐れ、ブッシュ以上にオバマを憎んでいるという)

 ローズ記者は覚悟したそうだ。
 もし、犠牲者の中に、女子どもが含まれていたら、間違いなく、リベンジに遭い、処刑されると。

 そして、こう思ったそうだ。処刑のシーンはビデオ撮影されるだろうから、やがて視聴することになる家族のために、最後まで落ち着いた態度をとろうと。

 監視していたタリバンたちは、ローズ記者にスカーフで顔を隠せ、と言った。上空の無人攻撃機がカメラで識別するから、という言うのだ。

 タリバンたちはこう思い込んでいたのだ。ミサイル攻撃は、ローズ記者を殺すためだと。
 ローズ記者を消してしまえば、同記者を人質にとっている、彼らタリバンの一派、「ハガニス」を英雄にしてくて済む、だからミサイルで狙い撃ちして来た、というロジックだった。

 15分後、攻撃現場に駆けつけたタリバンが戻って来た。ミサイルは車2台を破壊し、乗っていアラブの戦士と地元のタリバン、計7人が死亡した……。

 住民は犠牲にならなかった……。ローズ記者は、復讐を免れたのだった。
 (実は監視のタリバンの一人が、ローズ記者を攻撃現場に連れていって斬首し、そのシーンをビデオに撮ろうと主張、リーダーがこれを却下していた……そうだ)

 無人攻撃機のミサイル攻撃は、誰か手引きしている者がいるのではないか、との疑いが、タリバンやアラブ戦士たちの間にパニックを引き起した。

 ローズ記者は攻撃の数日後、アラブの戦士たちが「通報者」を捕まえて「自白」させ、その場で足を切り落としたあげく、斬首し、みせしめに市場に遺体をさらした――との噂を耳にした。

 タリバンたちはDVD再生装置を持っていてビデオを見ていたが、人気は自爆攻撃志願者の最後の日々を記録したビデオだったそうだ。

 タリバン指導部による、若い戦士たちへのメッセージは、ただひとつ、「死」とは遠くにある運命ではなく、フレンドリーな仲間であり、お前たちのゴールである――。

 監視のタリバンの若者たちは、1冊の本を、みんなで回し読みしてた。殉教の栄光を説いた本だった。一人の若者は、まるで小学生のように、声に出して読んでいたという。

 ああ、まるで、戦前・戦時中の「神の国=日本」!

Posted by 大沼安史 at 06:06 午後 | | トラックバック (1)

2009-10-20

〔NEWS〕 タリバンと歌ったビートルズ          ♪ She Loves You ! NYT ローズ記者 幽囚体験記

 アフガニスタンで取材中、タリバンに拘束され、その後、脱出に成功したニューヨーク・タイムズ紙、デイビッド・ローズ(David Rohde)記者の体験記、連載第3回に、心温まるシーンがあったので、紹介しよう。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/20/world/asia/20hostage.html?_r=1&partner=rss&emc=rss&pagewanted=all 

 冬の夜、夕食後に、タリバンの戦士たちは無聊を慰めるため、パシュトン族の歌を何時間も歌い続けたそうだ。ローズ記者は歌が下手で、パシュトン語の発音もひどかったが、それでもタリバンの戦士たちは、一緒に歌うよう、彼に命じたそうだ。

 いろんなタリバンのバラードを歌ったそうだ。ある夜には、「♪ お前らは原爆を持っている。しかし、俺たちには自殺爆弾がある」という「タリバン・ソング」さえも。

 別の晩には、タリバンの戦士に、アメリカの歌、歌え、と命じられたそうだ。
 ローズ記者はまず、フランク・シナトラの『ニューヨーク、ニューヨーク』を歌って聞かせた。そして、これは田舎の村から出て来た男が、ニューヨークで一旗上げようと必死になり、家族を支えようとする話だ、と説明した。
 そして次に、ローズ記者が歌ったのは、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・トゥー・ラン』。平均的なアメリカ人が、生きるために人生と闘っている歌だと。

 訪ねて来たタリバン司令官の前で歌わされたこともあった。猿芝居の猿のような気がした。司令官たちが、ローズ記者の歌を聴いて、笑い転げていたからだ。

 (そして、いよいよ、心温まるシーンが……)

 戦士たちに快楽主義者と思われるのがいやで、ラブ・ソングは避けていたローズ記者だったが、タリバンたちは実は、ロマンチックな歌が大好きな連中だった。何語でもよかった。

 それじゃあ、ビートルズの『She Loves You』、ひとつ歌ってみるか……。ローズ記者にそんな考えが浮かんだ。奥さんから届いた、赤十字社を通じた手紙で、タリバンたちに最も人気がある曲がそれだと教えられていたからだ。

 “She loves you — yeah, yeah, yeah!!!”――カラシニコフ(軽機関銃)を床に置いて、みんなで合唱した!
  
                *

 ――このくだりを読んで、僕は、ほんとに嬉しくなった。「タリバン」を誤解するなかれ、被害妄想を膨らますなかれ!
 みんな人間なのだ。 
 
 ここに和平の――相互理解の、鍵がある。不信と解いて、話し合いに入る、きっかけとしてのビートルズ!
 “She loves you — yeah, yeah, yeah!!!”

  

Posted by 大沼安史 at 06:35 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-19

〔フォト NEWS〕 フランス農民がプロテスト

 ⇒ http://www.lemonde.fr/economie/portfolio/2009/10/16/las-agriculteurs-bloquent-les-champs-elysees_1254678_3234.html#ens_id=1254664

 ルモンド(16日付)のスライドショーです。パリ・シャンゼリゼに乾草、牛にひかれてサルコジお礼参り?、トラクターデモ、など。

 遅まきながら……記録の意味で。

Posted by 大沼安史 at 04:27 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-18

〔NEWS〕 スラヴォイ・ジジェク 「デモクラシーNOW」に再登場

 ⇒ http://www.democracynow.org/2009/10/15/slovenian_philosopher_slavoj_zizek_on_the

 英語のトランスクリプト付き。
 
 2008年3月のインタビューはこちら ⇒ http://democracynow.jp/submov/20080311-3/

Posted by 大沼安史 at 06:37 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 7ヵ月と10日 タリバンに囚われて ニューヨーク・タイムズ デイビッド・ローズ記者 俘虜記 連載開始

 ニューヨーク・タイムズ(電子版)で、デイビッド・ローズ記者の捕虜体験記の連載が始まった。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/18/world/asia/18hostage.html?_r=1&ref=global-home&pagewanted=all

 6回連載の第1回を読んで、気になった点を、印象に残った点をいくつか抜書き」すると――

 □ ローズ記者を拘束したタリバンたちが、こう言っていたという。

 
 America, Europe and Israel preached democracy, human rights and impartial justice to the Muslim world, they said, but failed to follow those principles themselves.

 JAPANはまだ、入っていない……

 
 □ お前は何人? 正直にアメリカ人と答えると、顔を輝かせて言った。「血のメッセージをオバマに送ることができる」

 □ 自爆テロ志願者、カリ。現実感を喪失している感じ。タリバン仲間にも「おかしい」と言われている……(やはり、度が過ぎている、ということか? ここに打開の可能性があるかも)

 □ パキスタン軍が放棄した検問所はタリバンが運営。「合言葉」で確認。

 ローズ記者はアフガンに関する本を出そうと、カブールの「タリバン司令官」にインタビューに向かったところを、昨年11月10日、拘束された。その「司令官」の名前を出しても、「知らない」とニベもなかったそうだ。

 ローズ記者は結婚したばかり。
 最終的に、同行のアフガン人助手らとともに脱出に成功する。

 「タリバン国」の内側からのレポート。貴重な体験記。

 こういう新聞のルポルタージュを、版権の問題を気にせず、リアルタイムで翻訳できる(許可される)仕組みがあるといいのに……。

Posted by 大沼安史 at 06:23 午後 | | トラックバック (1)

2009-10-17

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 ウイスキーはお好きでしょう

 僕の人生の最高の思い出のひとつは、東京のアイリッシュ・バーの夜の思い出だ。

 ギネスの黒ビールを飲んだあと、いろんな、アイルランド、スコットランドのウイスキーを嘗めて、陶酔した思い出だ。

 鈍感な舌が、孔雀になった!

 (ああ、どうして僕は、幸せを自分から壊すのだろう……)

  連坊のわび住まいで、最近、飲んでいるのは、カティー・サーク。
 (これにはこれで思い出があるので、いつか書くことにしよう)

 先日、「詩を読みながら飲むのは、これに限る」(ホントかな?)というスコッチを知った。

 Lagavulin の16年もの。ディープ&ダークで、ほのかにフルーツケーキと甘い海草の香りがするそう。

 1本、弾んで、ディラン・トーマスでも読みながら、味わってみるか……。 
 

  ⇒  石川さゆりさんと、かわいらしい女性ピアニスト(古田りんずさんの、掛け合い即興演奏と独唱です http://www.youtube.com/watch?v=nbERJN360Zo&feature=related

 この「即興」は、もちろん「やらせ」ではない。
 なぜ、そう思うか、というと、プロのピアニストには、この程度のことは、なんでもないことなのだ。

 実は追加で、たった今、思い出したことだが、僕に、こんな思い出がある。札幌のホテルで、その場で、僕が作曲した譜面を渡ししたら、即興で、すばらしい編曲までして「伴奏」してくれたことを――。

Posted by 大沼安史 at 09:33 午後 | | トラックバック (0)

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 ジェシ・ウィンチェスター Stand By Me

 黒人男性歌手、ベン・E・キングの往年の大ヒット曲を、ことし65歳になる、アメリカ南部出身の白人男性歌手、ジェシ・ウィンチェスターがカバー。

 Jesse Winchester ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=alQu0W58OO0

 なぜ、「65歳」と、年齢を書いたかというと、それはこの人がベトナム戦争世代の人だ、ということだ。徴兵を忌避してカナダに逃れた人だそうだ。

 BBCラジオの音楽番組で聴いて、ユーチューブで探したら、あった!
 Wikiでプロフィルを調べて、そして、この人のオリジナルの一曲、明らかにゴスペルの影響を受けた、「わが心のミシシッピー」をユーチューブで併せ聴いて、この人の「歌」の「原郷」というか、「風景」のようなものがを(勝手に)想像し、少しだけ、分かった気がした。

 戦争に行って人殺しをしないと、この人に決心させた、あの「ブルー・バイユー」と同じ、アメリカ南部、カントリーのサウンドスケープ。
 たぶん、この人は、歌い始めていたから、徴兵を拒否したのだ。徴兵拒否をしたから、歌い続けることができたのだ。

 聴いていると、泣けてくる……。 

  Wiki http://en.wikipedia.org/wiki/Jesse_Winchester

  Ben E. Kingのオリジナル http://www.youtube.com/watch?v=Vbg7YoXiKn0&feature=related

  歌詞 http://www.weddingvendors.com/music/lyrics/b/ben-e-king/stand-by-me/

  「わが心のミシシッピー」 http://www.youtube.com/watch?v=Y_QuFhb1gAU

Posted by 大沼安史 at 06:28 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 悪夢のカリフォルニア 

 「夢のカリフォルニア」が破綻の危機に瀕しています。いや、すでに実質的に破綻しているとの見方も。
 ゴールデン・ステート(黄金の州)、カリフォルニア……ウエストコースト文化の発信地でもあったカリフォルニア。
 それがいまや死に体に……あの若々しい躍動感はどこに行ったのでしょう?

 ことし7月、カリフォルニアの州知事……そう、あのシュワ知事が、州政府機関を月に(さらに)3日、休んで、人件費などを浮かす、と発表しました。
 現金も枯渇し、州の支払いはIOUで、と言いだすありさま。
 IOU―― I Owe You. お金、借りています。つまり、借金証書。

 州政府のスタッフは、サラリーを、このIOUで受け取っているそうです。信じられませんね。

 カリフォルニアは州(ステート)で、アメリカ合州国の一員ですが、州の憲法も、州の最高裁もある、準国家。一つの国と想定して、GDPを算出すると、世界第8位になるんだそうです。
 「G8」のメンバーになれるんですね。

 これまで、まるで「天国」のように思われていた、それだけの「大国」が、どうして、ここまで転落してしまったか?

 1960年代にママズ&パパズが、「夢のカリフォルニア(California Dreamin')」という曲で、アメリカは「冬」だけど、カリフォルニアは違う。あそこは「安全で温ったか」だぜ、と歌った、あのカルフォルニアは、どうして冷え込んでしまったのか?

 「寒いカリフォルニア」の直接の引き鉄を引き、カリフォルニアの人々の夢を奪い、州の財政を破綻させたのは、もちろん、あの「住宅バブル」の破裂。

 カリフォルニアにも、サブプライムな人々(つまり裕福じゃ人たち)がたくさんいて、その「マイホームの夢」が狙われた。どんどん貸し込まれ、バブル崩壊とともに「夢の我が家」から追い出された。
 
 ローンを払えない家族を「マイホーム」から追い出す……これをフォアクロージャーって言うんですが、そのフォアクロージャーに遭ったファミリーが「万」の単位で出た。

 で、なぜローンが払えなくなったか、というと、「失業」もそうですが、なんと言っても「医療費」が大きいんだそうです。

 アメリカには公的医療保険制度がなく、民間の保険に入っていなかったら、まずアウト。入っていても、厳しい「査定」にあって立ち往生するケースが続出、家族の誰かが病気にかかり、家を失うパターンが出来てしまった!

 この8月、ロス郊外のイングルウッドのアリーナで、8日間にわたって無料診療所が臨時開設されたのですが、先着1500人(毎日受付)分の診察券を求めて、前の晩から順番待ちの列が出来た。
 コンサートじゃなくて、診察を受けるために、病人が並んだ。初日には午前3時半で「打ち止め」になった……。

 これを見て、まるで「第3世界だ」と誰かが言ったそうですが、その通りですね。
 ロサンゼルス・タイムズに、診察券をゲットした女性が付き添いのボランティアと抱き合って喜んでいる写真が載っていましたが、とてもGDP世界1の最先進国の姿じゃありません。

 カリフォルニア州には「ヘルシー・ファミリー」という最貧層の子どもたちの医療費を支給する州独自の制度もあったそうですが、財政難でシュワ知事、これも「ターミネート」してしまった。それで100万人の子どもたちがセーフティー・ネットから放り出された。

 で、あのハリウッドの人気者だった知事のシュワちゃん、今や、ブッシュ大統領の最低記録を下回る、超不人気ぶり。

 大学生の数も減り(もう、大学に行けない! 1996年の進学率・43%、2004年・30%)、失業率は増え(12%超、70年ぶり、世界スイカの首都と呼ばれるメンドタという町では、この冬50%を突破する見通し)、税収は細り、州の公債はジャンク一歩手前まで暴落し、レイオフされた教師たちはハンストしているありさま。

 おまけに州政府機関が月3日、休む?……じゃ、刑務所はどうするだ、という問題が浮上したりしてテンヤワンヤの大混乱。ことしの夏など、フォアクロージャーされた郊外の家のプールから蚊が大量発生して、刺されて病院に運び込まれるお年寄りも。

 そのままハリウッドの「映画」になりそうな、とんでもない経済破綻パニック状況になっているのですね。

 「夢のカリフォルニア」じゃなく、「悪夢のカリフォルニア」!

 でも、「対岸の火事」だといって、日本のわれわれが笑っていいともバナシではありません。「対岸の火事」ではなく「対岸の鏡」と見なければならない。

 「霞ヶ関・天下り天国」のおかげで、「日本全国・トバッチリ天下り地獄」に苦しむ、太平洋のこちら側だって、どうなるか分かりません。    
 

 ⇒ ガーディアン カルフォルニア・ルポ http://www.guardian.co.uk/world/2009/oct/04/california-failing-state-debt

   LAT 州財政状況 http://www.latimes.com/news/local/la-me-furlough14-2009oct14,0,7601041.story

   信者の「家」を守る神父 http://edition.cnn.com/2009/LIVING/04/22/foreclosure.priest/index.html#cnnSTCText

   ロシアTV報道 IOUを発行 http://www.youtube.com/watch?v=i8HscRtbths&feature=player_embedded

 
 

Posted by 大沼安史 at 11:22 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-16

〔いんさいど世界〕 イランの女性たちが「人権」求め、100万人署名運動

 暗殺されたロシアの女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんを記念し、彼女がモスクワのアパートのエレベーター内で射殺された命日(10月7日)に贈られる賞がある。

 「アンナ・ポリトコフスカヤ賞」――世界の闘う女性たちを讃え、支援する平和賞だ。

 ブルガリアで民主化運動に取り組んだジャーナリスト、マリアナ・カトザルヴァさんら女性の有志がロンドンで立ち上げたRAWという団体が贈っている。

 RAWは、Reach All Women in War(戦火の下にある、すべての女性に手を差し伸べる)の、イニシャル。
 そう、WAR(戦争)の「反対語」である。

 3周忌のことし、受賞したのは、「平等な人権」を求め、100万人署名運動を続ける、イランの女性たちだった。

 彼女たちのサイトにアクセスして、ほんとうに大変なことをしているのだな、凄い女性たちだな、と思った。

 たとえば、ジェルヴェ・ジャヴァヘリさんという女性が革命裁判所で、「6ヵ月」の判決を受けたという10月12日付の告知。

 昨年、2008年の「6月12日」、テヘランの街頭で、他の8人の女性とともに、「イラン女性連帯の日」の集会に参加しようとして、逮捕された。

 いま、「6月12日」とカッコ付けで日付を強調したが、「100万人署名運動」は2006年のその日、テヘラン市内ハフト・エ・ティール広場で、女性たちが決起したことで始まったものだ。

 女性たちが要求しているのは、「二等市民」として扱われている女性の法的権利・平等の確立だが、その要求事項の最初には、明確にこう書かれている。「社会変革のための協働・協力の推進」――。「幅広い、社会活動家を結びつける触媒になる」と、目的を明記しているのだ。

 なるほど、イラン社会(人口)の半分を占める女性が権利を獲得しようとするのだから、変革が生まれないわけがない。

 だから、「神の国」イラン当局は神経を尖らせ、できれば根絶したいと思っているのだろう。

 では彼女たちは、どんな活動をしているのか?

 ナージド・ミルハジさんという方は、サイトに、こんな体験記を書いていた。

 気晴らしに外出したら、若い女性が一人、「ドロボー、ドロボー」と叫んで、若い男を捕まえていた。車上荒らしを目撃し、現行犯逮捕したのだった。男たちが集まって来た。
 騒ぎが一段落したところで、ナージドさんは早速、「100万人署名運動」を訴え、理解を求めた。男たちの間から、「勇敢な女性だ」「女性だけが勇敢だ」という声が聞こえたからだ。
 が、群衆からは冷たい視線が注がれるばかり。
 その時、ドロボーを捕まえた、若い女性が、ナージドさんに署名を申し出た。そばにいた男性が、ペンを差し出した。
 その場の空気がガラッと変わった。ナージドさんはハンドバッグに署名用紙を2枚しか入れてこなかったことを悔やんだ……。

 僕は「なるほど」と思った。
 あのアハマジャネドの「不正選挙」に抗議する、イランの「緑の革命」の底流には、こうした女性たちの、生活の場での、勇気ある行動の積み重ねがあったのだ!

 「緑の革命」では、抗議デモを行った若者たちが当局に次々び逮捕されたが、女性たちは「自分たちの子どもたちを釈放しなさい」と、共同声明を発表している。

 サイトに登場した女性たちた、皆、それなりの覚悟で自分を曝け出したのだろう。ヴェールを脱いだその顔写真は、彼女たちの希望を、苦悩を、決意を、見る者に、強く訴えかけて来る……。

  

 ⇒  HP http://www.sign4change.info/english/
    ユーチューブのビデオ http://www.youtube.com/watch?v=v7wIXWZ1oWg&feature=player_embedded#

   ガーディアンのビデオ http://www.guardian.co.uk/commentisfree/libertycentral/video/2009/oct/08/million-signatures-campaign-iran-anna-politkovskaya

  ガーディアンへの手紙 http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/07/anna-politkovskaya-award-war-iran

 RAW http://www.rawinwar.org/

  アンナ・ポロトコフスカヤ Wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%A4

 
 ジェルベ・ジャバヘリさん http://www.learningpartnership.org/fr/advocacy/alerts/iranwomenarrests0307

 年表 http://www.learningpartnership.org/fr/advocacy/alerts/iranwomenarrests0307

 新刊NEWS NONO頑爺レモン革命 
     大沼 安史著  定価1680円(本体1600円+税)
  ⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/4196.html

 「60年安保」から半世紀を迎える今、平和を、憲法9条をどのように守っていくか。
 「歴史の封印を解き、歴史の真実を見詰め、平和を、9条を守り抜く」異色の政治ファンタジー小説!
 戦後政治最大の謎とされる「M資金」に日本・オランダ混血の美少女NONO(のの)が挑み、 頑爺(がんじぃ)が「9条」を守る「改憲」阻止の闘いに、命の炎を燃やす。 6月15日、夜の国会前・・・イマジン! 「レモン革命」の奇跡が起きる! 卒業式の日の丸・蒸発事件をテーマにした『緑の日の丸』の続編。小田実氏へのオマージュ!

Posted by 大沼安史 at 06:48 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-15

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 素晴らしくて悲しい 私の国の人よ(Fabuloso e Arrepiante !!! Gente da minha terra )

 このビデオで見て、聴いてしまったら、この女性歌手、ポルトガルのファドの歌姫、Mariza(マリーツァ)の虜になってしまうはずだ。

 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=TeOhPR_0x8E

 アフリカ・モザンヴィークの出身。母方に黒人の血が混じっている。リスボンの下町で育った。

 歌っていて、途中、泣いてしまう彼女!

歌詞(邦訳は拙訳)
 
É meu e vosso este fado     このファドは私とあなたを 
destino que nos amarra      結びつける運命
por mais que seja negado     なんと否定しようと
às cordas de uma guitarra     ギターの糸に縒り合わされた

Sempre que se ouve um gemido  悲しみを聞くたびに
duma guitarra a cantar        ギターの歌の
fica-se logo perdido          我を忘れてる
com vontade de chorar        泣き濡れる憧れに

Ó genta da minha terra      おお、私の国の人よ
agora é que eu percebi       私は今、分かった
esta tristeza que trago        私の中の悲しみは
foi de vós que a recebi         あなたから来たことを

E pareceria ternura                 優しくもなるだろう
se eu me deixasse embalar      私を子守唄にできるなら
era maior a amargura          辛さは大きいけれど
menos triste o meu cantar       私の歌で涙は少しは消えるだろう

Ó genta da minha terra      おお、私の国の人よ

Ó genta da minha terra      おお、私の国の人よ
agora é que eu percebi       私は今、分かった
esta tristeza que trago      私の中の悲しみは
foi de vós que a recebi       あなたから来たことを

Posted by 大沼安史 at 10:10 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 「イワン爺さん」の本が届いた!

 郵便受けに今朝、熊本県八代市の版元(八代人文社)から、小さな、トルストイの本が一冊、届いた。
 5年前、熊本の山奥の、もう宮崎県境に近い水上村で、「晴耕雨訳」の、91歳の生涯を終えられた、トルストイの従者、北御門二郎さんが遺された『イワンの馬鹿 三つの寓話 子供のためのお話』。

 この本を――北御門さん訳の「イワンの馬鹿」を、読んでみたいと思い、取り寄せたのだった。〔 ⇒http://www.kitamikado.com/book.html 八代人文社にはファクスで申込むとよい〕

 本の「帯」に、こう書いてあった。

  もしも「イワンの馬鹿」を全世界の学校で、教科書に採用したら、人類は忽ちあの馬鹿げた戦争の呪いから解放されるでしょう。多くの方にこの作品に触れて頂けたら幸いです。

                  *

 私は、北御門二郎さんと澤地久枝さんの対談をまとめた、『トルストイの涙』を読んで以来の、北御門さんのファンだ。

 この小さな本の「解題」に、こうあった。

  でも残念ながら、日本の文部省が『イワンの馬鹿』を教科書として認める日は決して来ないと思う。真に善き書と文部省とは、常に不倶戴天の敵だから。

 同感……とどのつまりはそういうことなんだな、と納得した。

                  * 

 トルストイに従うか、トルストイを笑うか……僕はここに、決定的な、歴史の分岐点があると考える一人だ。そして、その別れ道は、私たちの心の中で――そして、国のたどる運命の中で、常に目の前に、重大な選択を迫るものとして現れ続ける、と考える一人だ。

 北御門二郎さんは、戦前の軍国日本で、トルストイに従った。それこそ命がけで兵役拒否を貫かれた。そして戦後、山村で農作業のかたわら、トルストイの翻訳を続けた。

 文部省は、トルストイを笑い、憎んだ。軍国教育に狂奔し、子どもたちの心の中から、トルストイの平和主義のような思想を根絶する作業に専念した。そして、あれだけ、日本の子どもたちを死なせた(人を殺させた)。そして戦後も教科書検閲などを通して、「平和」を、「歴史」を小馬鹿にする態度をとり続けて来た。
 
 幸徳秋水もトルストイに従って「謀殺」された。トルストイがヤースナヤ・ポリャーナで開いたような学校を日本でも育てようとした大正自由教育も、子どもを大切にしたから、その後の、ナチスばりの、文部省の統制教育によって息の根を止められた。

 こと教育の面に限って日本の近・現代史を振り返ると、文部省はさまざま分岐点で勝ち抜き(国家教育の存続、逆コース……)、戦後もゾンビのごとく生きのびて、今日に至っているのである。

 「9条」を無視し、トルストイの平和の教育を殺し続けて来た文部省……あの、お優しい北御門二郎さんが、「不倶戴天の敵」というキツイ言葉でお怒りになったのは、当然のことだ。

                  *

 トルストイを起点とした、自由と平和の教育(学校)の物語を書きたいと、かねがね思い続けて来た。僕の力にあまる仕事だが、残された人生の時間を使って、なんとか書き上げたいと願っている。

 トルストイの自由学校に始まる流れを、ヨーロッパに追いかける一方(ヤースナヤ・ポリャーナと、バロセロナのフェレルの学校を中心に)、日本の大正自由教育を追い、最後はアメリカに飛んで、サドベリー・バレー校のデモクラティックな教育に、その結晶化された姿を見る――これが今の構想だ。

 そんな仕事の準備を最近始めたのだが、昨日たまたま、僕にとっては「運命」としか言えないことが起きて(知って)驚いた。

 アメリカのボストン近郊にある、サドベリー・バレー校は、トルストイの学校を意識して1960年代に開校した学校だが、19世紀にトルストイと交流があった、アメリカの平和主義者、エイディン・バルウが開いた「ホープデール」というコミュニティーが、なんと、サドベリー校のすぐ側に――それも、ほとんど隣合わせに、今も存続することが分かったのだ。

 暮れかかる別れ道を、トルストイに向かって歩き始めた僕にとっては、勇気付けられる、宝物のような、新たな知識!

                  *

 考えて見れば、八代から届いた、北御門二郎さんのトルストイの本は、あのロシアの、「緑の杖」の大地から、はるばる届いた本なのだ。

 その本に、愛犬と戯れる北御門さんのお写真があって、そこに自分を「イワン爺さん」と紹介する、すこしお道化た説明が添えられていた。

 僕ごときが人間の格という点で北御門さんにかなうはずもないが、僕もまた、何を隠そう、小ズルサ、小利口さを(なるべく、としかいえないけど……)拒否し、笑われながら、馬鹿な選択をし続けて来た一人である。

 アホで間抜けで、物笑いの種になって来た僕ではあるが、トルストイの平和思想と、サドベリー校の創始者、ダニエル・グリーンバーグ博士の教育思想を繋げる物語を書き上げることで、いつか自分を、北御門さんにならって「イワン爺さん」と呼べる日が来ることを願っている。  
  

Posted by 大沼安史 at 07:19 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2009-10-14

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 愛は限りなく

 唐突に、カンツォーネ、1966年の名曲を。

 ジリオラ・チンクエッティさんの、『Dio come ti amo  神様、なんて私は愛しているの』――つまり、「愛は限りなく」。

 高校生の頃だったろうか? 初めてこの曲を聞いた時、僕はその間奏に、圧倒されたことを憶えている。

 蝶々夫人&ホルンの響き。

 ああ、なんて素晴らしい……!!!

    ⇒ 若い頃の彼女 http://www.youtube.com/watch?v=NAEUNjmNL6Q

 でも、今の僕は、成熟した彼女の方が好きだな。

 ホルンじゃなく、アコーデオンだけど、それがまた、とてもいい

    ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=HVoztKsVVcs&feature=related

 脇の机の上に、ウンベルト・エーコの赤いペーパーバック、Il Nome Della Rosa。
 そして、イタリア語の辞書。

 あ~あ、僕はもうジジイで、時間がないのに、どうしたらいいんだ? 
 いまさらイタリア語を、勉強しろ、とでも言うの……?? 
  

     ⇒ イタリア語歌詞 英語対訳つき http://www.diggiloo.net/?1966it

Posted by 大沼安史 at 09:24 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕  究極の反戦歌 “Universal Soldier”…… 北米先住民族の女性シンガー、バフィー・セント・マリーさんが歌って教えてくれたこと

 北米先住民族の女性シンガー、バフィー・セント・マリーさんが、10月12日の米国の祝日、「コロンブスの日」に、反戦平和放送局、「デモクラシーNOW(DN)」の特番に登場し、キャスターのエイミー・グッドマンさんのインタビューに答え、自作の歌を歌った。
 ⇒ http://www.democracynow.org/2009/10/12/democracy_now_special_an_hour_of

 クレー族インディアン。カナダ生まれ、アメリカ育ち。
 激動の1960年代にマサチューセッツのアマーストで学生生活を送り、歌をつくり、歌うようになった。

 番組の冒頭、彼女がピート・のTVショーに出演して歌った、1965年の映像が流れた。

 そこで、彼女が歌ったのは、“My Country ’Tis of Thy People You're Dying”という歌。
  DN(上記リンク)のページには、歌詞も掲載されていた。(’Tis は It is のこと)

  ♪ 民族の言葉を禁じ
  コロンブスがヨーロッパから船出して
  歴史が始まった、とさえ言う……

 「新大陸“発見”」の愚劣な不条理を――「ジェノサイド」を、「人権」のウソを――質した、プロテストソング。痛烈な歌だった。

 特番では彼女の歌を何曲か、流していたが、DNの「消防署スタジオ」内で彼女がライブで歌った、“Universal Soldier”も、痛切な歌だった。

 まさに普遍的な、ユニバーサルな、全世界に、全人類に共通する――それどころか、人間の歴史さえも貫く、真実を在りかを示した歌だった。

 この歌の歌詞もDNのページに載っているので、聞くだけでなく、是非読んでいただきたいのだが、「戦争」というものの覆いを一気に裁断し、そこに潜む単純な真理を取り出した、彼女のセンスの鋭さ、激しさ、力強さには驚かされた。

  ♪ 彼は戦う、カナダのために
    彼は戦う フランスのために
    彼は戦う USAのために
    彼は戦う ロシアのために
    彼は戦う 日本のために
    これで戦争がおわると彼は思う

 「彼」とはもちろん、ユニバーサル・ソルジャー。全世界の無名の兵士。
 「民主主義」のために、「共産主義のために」、「平和」のために戦う、ユニバーサル・ソルジャー。

 「彼」なしに、ヒトラーも、ロシアのツァーリも、ありえなかった。「彼」が敵を殺すことなしに。

 だから、咎められるべきは「彼」。「殺せ」の命令は「彼」が自分に下したもの。戦争が終わらないのは、そのため。

 全世界の兵士、一人ひとりが、「殺さない」決断をすることで、そこに生まれる全世界の平和!

 「反戦」とは、われわれ一人ひとりが「殺す兵士」にならないことだと、彼女は歌い、教えているのだ。

 ユーチューブでのインタビューで、こんな風にも語っていた。
 ⇒ ユーチューブ 冒頭にインタビュー http://www.youtube.com/watch?v=VGWsGyNsw00

 シスコの空港での夜、朝一番のトロント行きの便を待っていた時、負傷した米兵の一団が現れた。その時、彼女はこう思ったそうだ。この兵士たちに責任はあるのか、と。そして次にこう思った。命令した軍の将軍たちに責任はあるのか、と。
 しかし、軍の将軍たちに戦争を命じたのは、政治家だ。
 政治家?……搭乗した旅客機が空港に着陸した時、彼女は「答え」を見つけたそうだ。
 「政治家……ということは……そう、それを選んだ私たちに責任が……」

 「平和」を生み出す責任は、私たち一人ひとりにある、「殺さない」と決めた私たち一人ひとりにあると、全世界の一人ひとりに、ユニバーサルに迫る、究極の反戦歌――それが、ユニバーサル・ソルジャーである!

 バフィー・セント・マリーという名前(本名はビバリー・セント・マリー)の、バフィー(Buffy)の意味を辞書で調べたら、「明るい黄色」のことだった。

 白人たちがインディアンの人種色として一方的に決めた「レッド」ではなく、モンゴロイドの一人である自分自身を意識しての「自称」なのだろうか?

 それとも太陽の色である「黄」(「赤」ではなく! 血の色を太陽の色とする日本!)をイメージしての「自称」だろうか?

 平和のユニバーサル・シンガー、バフィー・セント・マリー!

 日本の「9条」をどう思うか、一度、彼女に聞いてみたいものだ。  

 
 ⇒ 彼女のプロフィルについては、 Wiki  http://en.wikipedia.org/wiki/Buffy_Sainte-Marie

Posted by 大沼安史 at 07:13 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2009-10-13

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 愛するあした & 深夜放送

 前回、伊東ゆかりさんの、知られざるキュートな名曲、『潮風のふたり』を紹介した。
 今回、ぼくが好きな、彼女の歌を、もう2曲、紹介する――といっても、この2曲はよく知られた歌。みなさん、すでにご存知だろうが……。
 
 
  ⇒  愛するあした http://www.youtube.com/watch?v=eW4TlZjr89M&feature=related

    深夜放送 http://www.youtube.com/watch?v=VQfpIRwtmX4&feature=related

 最初の歌、『愛するあした』は……なんと、1969年の歌だ。(信じられないな。これは時代を超えた、奇跡の歌だよね!)
 調べたら、作曲は、ジャズピアニスト、ヘレン・メリルのご指名プレーヤーだった、あの東海林修さん。70年安保、激動の69年に、時代を突き抜ける、こんな、すごい歌をつくっていたんだ、東海林修さんてミュージシャンは。

 次の『深夜放送』は、ラジさんのあの歌とセットで紹介しようと思っていた歌だが、ここは『愛するあした』とペアで。

 作曲は『今は幸せかい』の中村泰士さん。
 納得。

 4拍子の歌なのに、ワルツに聞こえるから不思議だ。

Posted by 大沼安史 at 09:37 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 米軍のグアム集中移転に、先住民族の「チャモル」の人たちが「反対」を表明! 

 グアムの先住民族、「チャモル」の人たちが、沖縄の海兵隊などの移転による、島の米軍要塞化に反対の声を挙げている!

 反対運動のリーダー、ジュリアン・オゴンさん(弁護士)の話を、米国の反戦・平和放送局、「デモクラシーNOW(DN)」で聞いて、問題の深刻さを初めて知った。

 グアムは、戦時中、日本軍が侵攻、島の名前を「大宮島」と改称、その後、米軍に逆上陸され、悲惨な結末を迎えた、ミクロネシアの島である。そう、あの「横井庄一さん」の島!

 そんな過去も忘れ、今や日本人の観光客が群れる観光リゾートとして「脚光」を浴びているグアムだが、ここはもともと、先住民族、チョモロの人たちの島。7万3000人(全人口の37%)が、このマリアナ諸島最大の島(淡路島サイズ)で生活している。

 なぜ、グアムがチャモロの島なのに、ほかに10万人もの「よそ者」(その中には米軍関係者2万人が含まれる)がいるか、いうと、この島が1898年以降、アメリカによって(それ以前はスペイン)支配され、いいように使われて来たからだ。米軍再占拠後は基地の島となり、戦後、周辺海域ではアメリカの核実験が繰り返されて来た。

 そのグアムに沖縄の米海兵隊をはじめ、駐韓米軍などが移駐、単なる(?)基地の島が、超要塞の島と化す……。

 オゴンさんによれば、今後、グアムに移転してくる米軍(家族、労務者)は5万人(沖縄から移転する海兵隊は8000人、その家族は9000人とされている。なんのことはない、グアムの「沖縄化」が進むだけのこと……)。

 こんな途方もないことが行われようとしているのに、先住民族のチョモロの人たちは何の発言権もない!

 「私たちはアメリカの大統領選にも投票できず、連邦議会に対しても代表を送り出していない」のに、アメリカの委任統治の名の下、これだけ勝手なことをされる(ている)わけだ。

 そして、そのアメリカのやりたい放題に、60億ドルもの移転費を提供する日本政府!
 日本もまた共犯者である。

 ネットで調べたら、沖縄・名護の「二見以北10区の会」の人たちが、チャモルの人たちと連帯していることがわかった。

 沖縄の海兵隊がグアムに「出ていけば」それでいいのではない。
 沖縄の米軍は(韓国の米軍は)、米本土に帰ればいい。それでいいのだ。

 オゴンさんはインタビューの中で、オバマの「ノーベル平和賞受賞」を聞いて、「なんて皮肉なこと」と思ったと語っているが、ほんとうにそうだ。

 オバマが……そしてアメリカが今後、取り組まねばならないこと、それは「世界帝国」化したグローバルな軍の展開を、縮小することである。

 米国が軍のグアム移転を中止し、本国へ撤収せよ!
 
  

 ⇒ http://www.democracynow.org/2009/10/9/guam_residents_organize_against_us_plans

   チャモルの人たちの声明 http://www.7genfund.org/current_actions/news-from-the-field/united-nations-2008/united-nations-statements-from-the-pacific/statement-from-the-i-nasion-chamoru/

   グーグル BOOK検索 http://books.google.com/books?id=InCbIsyMV4EC&pg=PA79&lpg=PA79&dq=Chamoru+nation&source=bl&ots=SZVOEkyFI9&sig=p6TbBDaWeN7fVNJQTR9ZUxS2_po&hl=ja&ei=OzHUSoviMNejkAWStKH0DQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=7&ved=0CDEQ6AEwBg#v=onepage&q=Chamoru%20nation&f=false

   二見以北10区 http://kichi-iranai.jp/d_10kumovement/a_news/20070208/20070208.html

   日本軍グアム占領 Wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84_(1941%E5%B9%B4)

   米軍によるグアム奪取 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

   在沖米海兵隊 グアム移転協定可決 琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-143140-storytopic-3.html

   日本政府 移転費用 まず350億円を提供 朝日新聞http://www.asahi.com/politics/update/0711/TKY200907110182.html

Posted by 大沼安史 at 06:33 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-12

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕  潮風のふたり

 弘田三枝子さんの『渚のうわさ』をユーチューブで見つけたついでに、ダメモトで、伊東ゆかりさんの『潮風のふたり』を探してみた。

 あった!

  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=PHFwdzNRhu8&feature=related

 ♪ ドレミーソララソドミー ドドレードレミソミレー……

 『星をみないで』のドーナツ版のB面に入っていた歌だ。

 何度も書くが、僕は学生の頃、東京の内幸町にあった、旧「NHKホール」の楽屋で、伊東ゆかりさんとご一緒したことがある。素人がつくった歌をプロ歌手が歌う、『あなたのメロディー』というテレビ番組の収録で、だ。

 意外と背が低かったけど、写真(画面)通り、可愛らしかった。赤いドレスだった。ああ、僕の歌を、彼女が歌ってくれたらよかったのに……。

 彼女の『星をみないで』は、僕が雑誌の付録のメロ譜を見て、その鯉(いや、恋?)の滝登りみたいな、4拍子目、途中の急上昇に、「おお~、これは~」と驚いたりして、楽譜の書き方のイロハを勉強した教材のような歌だったが、40年以上経った今になって振り返ると、B面のこの歌、『潮風のふたり』の方が、劇的でない分、心になじんで快い。

 あ~あ、また、懐メロ・センチメンタル・ジャーニーを、続けて2曲もしてしまった!

 今日は砂浜で、文鎮にもってこいの小石を見つけたことだし……まあ、いいじゃないか!
 

Posted by 大沼安史 at 08:17 午後 | | トラックバック (0)

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 渚のうわさ

 2時半過ぎ、ひとっ走り、海に出かけた。自転車で――時間を計ったら、ぴったし50分で着いた。

 夕暮れの海を、一度見ておきたかった。いつもの、仙台の海、荒浜(深沼海岸)。

 あの遊泳禁止のピンクの旗は、千切れかけていた。

 引き潮――。波がここまで来ましたよと、砂浜に証拠のように、水の稜線を残している。

 文鎮になりそうな石を見つけた。拾い上げると、底が平らだった。

 臆面もなく、今から40年以上前、学生の頃、好きだった――友人にはとても言えなかった――歌を口ずさむ。
 いいじゃないか、好きな歌なんだから。所詮、ミーハー。今更、威張って、どうする?

 ……老人はすぐ理屈をこね、開き直ろうとする。

 部屋に戻って、ユーチューブで探したら、あった!  
 
  ⇒ 弘田三枝子さん  http://www.youtube.com/watch?v=XsGufzQeUz0

 それから、岡崎友紀さんのカバーも。⇒ http://www.youtube.com/watch?v=HfACCksGhRQ&feature=related

 どお?、こんな、いい歌、あるなんて知らなかったでしょ?

Posted by 大沼安史 at 07:08 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 オバマよ、「ノーベル平和賞」を手に、世界の未来を切り拓け!

 僕の前の、机の上には今、陽光が降り注いでいる。南の空の水色の晴れ間から届く、秋の陽射しがまばゆい。
 本当は、いまごろとっくに、砂浜を歩いていたのに……。

 尊敬するロバート・フィスク記者が、オバマに対するノーベル平和賞の授与を手厳しく批判しており(「ノーベル間違いで賞」!――もちろん、意訳だが……)、その記事を読んだら、海岸まで自転車で行く気力が萎えてしまった。

 オバマに授賞が発表された時、わが畏友こと「閑居愚考」氏は、真っ先に「大々的に反対」する論陣を張っていた ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/obama-pledges-action-on-military-as-gay-activists-rally-1801344.html 
 が(多分、あの発表時点で、あれだけのことを言ってのけたのは、「閑居愚考」ブログだけじゃないかしら……)、フィスク氏の筆先は同じように鋭く、その指摘がまた、全てあたっているだけに、なんだか、オバマがかわいそうで――痛々しくて見ていられない気になった。

 フィスク氏の英紙インディペンデントの記事は ⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-obama-man-of-peace-no-just-a-nobel-prize-of-a-mistake-1800928.html

 中東和平の仲介努力に対する、イスラエルのにべもない拒否。アルメニア人大虐殺問題のすっぽかし。アフガンでの躊躇のしまくり。イラクでの武装抵抗勢力の巻き返し……。

 そんな「現実」なのに、「平和賞」を授賞とは……。
 フィスク氏は「オバマは侮辱されたと思ったに違いない」と書いているが、その通りである。オバマは「謙遜」ではなく、「屈辱」の思いで、授賞を受け容れたのだ。

 ブッシュのツケとはいえ、困難と失敗のダイナマイトの山の上で、まあ、これで満足しなさい、とでもいうように、来る12月10日、オスロでの式典で平和賞を首にかけられ、3年後の「大統領選・落選」の日を待つ(?)オバマ。

 フィスク氏は「ミステーク賞」だと書いていたが、僕に言わせれば、「ノーベル罠にはめたで賞」である。いまごろワシントンでは、「戦争の家」に巣食う、共和党のタカ派やネオコンどもが、忍び笑いを漏らしているはずだ。

 「平和の大統領」……?? イランの核開発も阻止できないで……ノーベル賞が笑わせる。アメリカは「強いアメリカ」じゃなければならないのだよ。軍事力にものを言わせなくてはならないのだよ……

 もうひとつ、オバマのことで気になるのは、米軍における「同性愛」の解禁問題(クリントンが、中途半端な「聞くな・言うな」ポリシーを布告して以来、くすぶり続けている)を、なぜか自ら(ほんとうだろうか?)取り上げ、「全面解禁」方針を示したことだ。
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/obama-pledges-action-on-military-as-gay-activists-rally-1801344.html

 この米軍の「同性愛」問題には、クリントン政権が誕生した際、その目が「軍縮」に目が向かないよう、実はペンタゴン及び米国の保守派が仕掛けた「罠」だったという歴史的な経過がある。

 「同性愛解禁」を持ち出せば、必ずや、保守派の反発が生まれ、特に「核」軍縮に反発する、猛烈な、マッチョ的「政治リビドー」が生まれる。
 (ヒロシマの原爆に「おちんちん」、ナガサキには「巨根」というニックネームがついたことを忘れてはならない!)      

 それを承知で、オバマは「解禁」表明に踏み切ったのか?

 しかし、たとえ、知らずに表明したとしても、結果は同じである。「ノーベル墓穴を掘ったで賞」……。

 では、八方塞がりのこの局面を打開する道は、ないのか?
 オバマにはもう、「罠」から脱出する道は、ないのか?

 僕に言わせれば、脱出口は、ある。
 最低ひとつは、ある。

 そう、「平和賞」で追い込まれたオバマが使える武器は、その「平和賞」を使うことだ!!!

 たとえば、12月10日のオスロでの授賞式で、「アフガン和平国際会議」の開催を表明、帰途にカブールに立ち寄り、初のノーベル平和賞受賞現職大統領として、和平の実現を約束し、その足で、ヒロシマを訪れ、「原爆ドーム」の前で、「核のない世界」への夢を語ればよいのだ。

 その時、湧き上がる、世界の人々の拍手、共感の声、流れる涙、平和への祈りは……そうさ、オマバよ、それは君を守り抜くものになるだろう。

 そして、ワシントンに帰り着いたら、アメリカの民衆の名において、賞金を全額、基金として寄付し、「オバマ平和基金」を立ち上げればよいのだ。

 世界の民衆から寄付を募り、それをアフガンやイラク、パレスチナなどの復興にあてる。

 いいか、オバマ。ここは君の――そして世界の――正念場だぞ。
 めげるんじゃない、負けるんじゃない。

 「平和賞」を突破口に、世界の未来を切り拓け!

 世界の人々の前に、平和の陽光を届けよ!

Posted by 大沼安史 at 01:28 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「核」と「軍」の掌握を狙う パキスタン軍総司令部襲撃事件 「非核化」 緊急課題に

 パキスタンで起きた武装過激派による軍総司令部襲撃事件で、「イスラムの核」の危険な意味が改めて浮上した。

 武装過激派の司令部襲撃は、単なるリベンジの攻撃ではなかったようだ。
 それは、たとえばルモンド紙の記事を見てもわかる。

 ヒラリー・クリントンが懸念しているのは、パキスタンの核兵器である。

 武装過激派はきっと、陸軍の総司令部を占拠し、兵士に「反乱」を呼びかける一方、核兵器、および核物質の「奪取」を狙ったのだろう。

 アフガンの「タリバン」と連携する国内の武装過激派の戦意=憎悪を鎮めるためにも、アフガンからの米軍の撤退――そう、それは減員ではなく、「撤退」でなければならない――を急がなければならない。

 その一方で、北朝鮮の核開発を支援した(そして、あの「サナエさん」が命がけで、北朝鮮とカーン研究所の秘密を暴こうとした)パキスタンの核サークルを解体し、国内核施設の「封印」と、核兵器の国外移転管理を早急に実施しなければならない。

 (そうでなければ、イスラマバードで北朝鮮関係者に射殺された「サナエさん」は、浮かばれまい)

  ※ サナエ(SANAE)さんについては http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/07/post_98fd.html

    で触れています。

 岡田外相よ、君がパキスタンで考えなければならないのは(話し合わねばならないのは)、パキスタンの「非核化」のことである。  
 

 ⇒ FT http://www.ft.com/cms/s/0/8c31b842-b692-11de-8a28-00144feab49a.html?ftcamp=rss

   ルモンド http://www.lemonde.fr/ameriques/article/2009/10/11/l-arsenal-nucleaire-pakistanais-preoccupe-hillary-clinton_1252426_3222.html   

Posted by 大沼安史 at 11:07 午前 | | トラックバック (0)

2009-10-11

〔NEWS〕 ノーベル平和賞委員会は解散し、ファンド(原資)を国際的な平和団体に委ねよ 米国の良心、歴史家、ハワード・ジン氏が提案

 「米国の良心」ともいうべき、歴史家のハワード・ジン氏が、英紙ガーディアンに、「オバマ、ノーベル平和賞」に関して、『戦争と平和賞』なる一文を寄せていた。
 ⇒ http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2009/oct/09/nobel-peace-prize-war-obama

 大統領選で「オバマ支持」を表明した老歴史学者は、ノーベル平和賞を受賞を聞いて、さずがに心が暗くなったそうだ。

 「ほんとうにショックだった」そうだ。ノーベル平和賞の歴史をたどり、とんでもない面々が、受賞していることに思い至るまでは……。

 そう、あのキッシンジャーまでが、臆面もなく受賞しているのだ!

 しかし、ジン氏は挙げていないが、日本の「政治史の汚点」ともいうべき、「ウソヲつき作」こと、佐藤栄作のような、売国奴さえ「平和賞」に輝いているのだから、オスロの選考委員会の「政治判断」のお粗末さ加減は知れている。

 (僕〔大沼〕としては、たとえばグラミン銀行のユーヌス博士を選んだあたり、同選考委員会の見識を評価するものだが、時々、思い出したようにやる、「政治判断」に基づく授賞はいただけない)

 で、ジン氏のこの寄稿文で、僕が何より、感心したのは、過去の「トンデモ授賞」の事例を踏まえ、オスロの委員会に「退場」を促していることである。

 平和賞のファンド(原資)を、国際的な新選考機関(団体)に譲って、選考をそこに任せなさい、と提案しているのだ。

 大賛成である。

 ところで、ジン氏のように、僕もまた、今回の「オバマ受賞」にショックを受けた一人だが、僕の場合は、「あんた方、『平和賞』でオバマを潰す気か? あんたたち、オバマが「戦争の家」を相手に、どれだけ苦闘しているのか知っているのか? オバマを潰したら、次のアメリカ政権は、ブッシュ以上の超タカ派ファッショ政権になってしまうんだぞ。あんたたち、それを知らずに、授賞を決めたのか」という、選考委員会の「浅はかさ」に対する怒りだった。

 もしも、オスロの委員会が、そう、たとえば50年前に解散し、選考を国際的な平和団体の幹事会にでも委ねていたら、佐藤栄作のような「密約男」が「平和賞」に選ばれる、ブラック・ジョークはあり得なかったろう。

 代わりに、「ベ平連」とか、「小田実」さんが選ばれていたことは確実だ。

 オスロの委員会よ、君たちは「ガーディアン」くらい読んでいるはずだから、わかっているよな。
 ハワード・ジン氏がどれだけの人間か、分かっているよな。

 だったら、ジン氏の言うとおりにしなさい。

 (ついでに、鳩山政権の岡田外相にも一言。岡田さん、「核持ち込み密約」の証拠を揃えて、佐藤栄作の二枚舌を暴き、オスロの委員会に、授賞剥奪を申し出なさい。それが日本人たる私たちの「汚名」を注ぐ、最低限の務めではありませんか!) 

Posted by 大沼安史 at 06:23 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 世界最大の卸売り市場 中国・義鳥(イーウー)で早くもグローバルXマス商戦 中東からの移民、2万人以上を受け入れ 「インド洋海洋戦略」を象徴?

 アメリカの巨大モールがゴーストタウン化し、日本のシャッター商店街がますます錆びつく中、中国・沿海部の港湾都市、「義鳥(イーウー)」はいま、2009年グローバルXマス商戦の最中にあり、「世界の工場」の卸売りセンターとして、活気で沸騰しているそうだ。

 「義鳥(イーウー)」、日本では一般にあまり知られていない地名だが(観光ガイドブックには載っていないが)、貿易関係者の間では「中国ビジネス」のメッカとして知られている。

 漢口の南、100キロにある、浙江省の都市。人口は200万人。

 世界の商売人たちは、この「イーウー」に行って、メイドイン・チャイナの製品を買い付けているという。

 わが愛読の英紙インディペンデントのルポ記事で、その実態を知り、たまげた。
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/chinas-wholesale-market-christmas-starts-here-1799303.html

 400万平方メートルの広大な敷地に、62000軒の卸売り店がひしめき合っているそうだ。売られている品は、32万種類。世界200ヵ国以上に輸出されている。

 で、どんな品物が売られているかだが……文字通り、何から何まで。Xマス商戦用のサンタさんからはじまり、サッカー・ワールドカップ用のテディー・ベア、など何でもあり。

 中国の靴下メーカー5社も直営アウトレットを開いているそうだ。

 で、気になるのは、世界大不況の最中、ここ「義鳥(イーウー)」の景気だが(バロメーターの役割を果たすから……)、昨年の前半はさすがに不景気風が吹き寄せていたが、その後は回復基調。
 
 ある店の縫いぐるみ店の女性経営者は、「日本は不景気だけど、でもピンクパンサーはいつも売れている」なんてホクホク顔――とか。

 (え~、ピンクパンサ~?、ダセー、なんて原宿あたりのギャルならから言いそうだが、世界の「義鳥(イーウー)」の商売人が言ってるのだから、間違いありません!!)

 しかし、「世界の工場=中国」の卸売りセンター=イーウーで驚かされるのは、その万里の長城的ビジネス規模だけではない。

 な、なんと中東の人々が2万人以上、移住して来て、ここに住み着き、働いているそうだ。シリア、イラン、イエメン、エジプト、リビア……イラクからも100人。

 これは凄いこと。いにしえの「長安の春」は、いま「義鳥(イーウー)」において再現されてお~る!

 中華であり続けながら、国際化も進む、中国。しかも、中東勢に対する、この門戸開放政策!

 サウジなど湾岸の産油国が、石油取引から「米ドル」を追放、中国の「元」を中心とした「通貨バスケット」に移行する計画を進めているのも、「義鳥(イーウー)」の動きを見ていれば、よくわかる。

 ひょっとしたら、中国って、東シナ海からインド洋(そしてペルシャ湾)に続く(アフリカまで届く)「大中華共栄圏=インド洋海洋戦略」を採ろうとしているのかも……。

 21世紀はまさに中国の世紀! すごい時代になって来た! 

 

Posted by 大沼安史 at 09:29 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-10

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 オバマに贈る歌 ボブ・ディラン  Born in Time

   オバマよ、この歌を聴け! 君も、もちろん知っているだろう? ボブ・ディランだ。

 オバマよ、俺たちはみんな、この悲惨な戦争の時代、核の時代に生まれ合わせたんじゃないか!

 ♪ この世界という神秘の丘にあって
   時代の運命の霧に包まれ
   お前という希望は、今なお 俺の心の奥深く
   生まれ合わせたあの場所で

 そうだよ、俺たちは、あのベリガン神父のいう「ヒロシマの子」じゃないか!

  ノーベル平和賞を受けたオバマよ、逃げるんじゃない、ヒロシマに来い!

 そして平和の歌を歌え! 
 
  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=DsC8VZvNI1s&feature=related

    歌詞 http://www.cmt.com/lyrics/bob-dylan/born-in-time-unreleased-version-2/21363253/lyrics.jhtml

    非公式訳(拙訳)は、

  生まれ合わせて

   ♪ 孤独な夜
   淡いブルーな星屑の光の中で
   俺はお前を白黒写真のように思う
   俺とお前がそれぞれの夢の中で生まれたあの場所を

   俺は孤独に歩く 足元の揺れる街路を
   心臓の鼓動を聞きながら
   このかつてない激動の暑熱の中で
   生まれ合わせた場所で

   ちょうどその時 お前が去ったと思ったその時 お前は帰ってきた
   ちょうどその時 俺はお前を受け容れようと待っていた

   お前はスムーズで お前はラフで
   お前は十分過ぎて
   おおベイビー 俺はなんでお前に別れたんだ?
   俺はお前をなくした

   上り坂の曲がり道で
   この世のすべてが俺たちの意志の強さを確かめる場所で
   俺がお前を引き寄せた 俺のものを俺は手にした
   生まれ合わせたあの場所で

   ちょうどその時 俺が誰に感謝すべきか分かった時 お前は消えた
   ちょうどその時 炎が光り輝き

   お前は雪 お前は雨
   お前は縞 お前は無地

   おおベイビー まさかお前は二人の暮らしを
   いや、俺が考えていたのか

   この世界という神秘の丘にあって
   時代の運命の霧に包まれ
   お前という希望は、今なお 俺の心の奥深く
   生まれ合わせたあの場所で 

Posted by 大沼安史 at 08:16 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 オバマよ、ノーベル平和賞、おめでとう! それにふさわしこと、しろよな! アフガンから撤退だ。できなければ、平和賞をオスロに返せ! マイケル・ムーア監督が公開書簡(全文 非公式訳)

 金曜日 10月9日、2009年

 親愛なるオバマ大統領閣下

 あなたは「平和の人」であると本日、認められました。なんとすてきなことでしょう。あなたのあの素早い、政権初期のあの言明――あなたは言いましたね。グアンタナモを閉鎖する、イラクから米軍を撤収する、核兵器のない世界を望んでいる、と。
 そしてイランの人々に対しては、1953年に民主的な手続きによって選ばれた政権を転覆したのは、われわれアメリカだと言いましたよね。カイロではイスラム世界に対して、素晴らしい演説をした。「テロに対する戦争」などという意味のない言い方はやめる、拷問も止めると。

 こうしたことで私たちは、そして他の世界の人たちは、それまでの8年間の惨憺たる出来事を考えながら、少しは安全な世の中になったなと感じることができました。政権発足後、早くも8ヵ月――あなたは路線を180度転換し、この国を正気な方向に導いてくださった。

 しかし……。

 あなたがアフガン戦争の8周年、9年目入りの2日目に、受賞することになった「ノーベル平和賞」は、誰にとってもアイロニー(皮肉)でしかありません。
 あなたは今、まさに十字路に立たされているのです。米軍の将軍たちの言うことを聞いて、戦争を拡大することもできます(ただそれは、もうとっくに予告された敗北を喫する結果に終わるだけのことですが)。あるいは逆に、「ブッシュの戦争は終わった」と、宣言することもできます。そしてアフガンから、兵士を帰国されることができる。それこそ、真の「平和の男」がなすべきことではないですか?

 あの、前任の野郎が失敗したこと――9・11で3000人も殺した責任もある犯人、もしくは犯罪者集団を、あなたが捕まえようとすることは、何も間違ったことではありません。しかし、あなたは戦車や兵隊でもって、それをしてはならないのです。あなたは犯罪者を追っている、軍隊と追っかけているのではないのです。ネズミの駆除に〔ノーベルが発明した〕ダイナマイトは使わないでしょう?!

 タリバン問題も別問題です。それはアフガンの人たちが解決すべき問題です。それは私たちアメリカ人が1776年に、フランス人が1789年に、キューバ人が1959年に、ニカラグア人が1979年に、東ベルリンの市民が1989年に為したのと同じことなのです。
 自由を意志する人々が起した革命に、ひとつ確かなことがあります。最終的に人々が自分たちで、自由を実現したということです。他の人たちは支援はできます。しかし、自由は装甲戦闘車両のハムビーのフロントシートから生まれるものではありません。

 アフガニスタンへの介入を今すぐ、止めるべきです。もし止めなければ、あなたにはノーベル平和賞をオスロに返還する以外、道は残されていません。

 あなたの
 マイケル・ムーア

 追伸 あなたに反対する連中は、あなたがこの国に、これだけの善意をもたらしたのに、今朝方いっぱい、あなたを攻撃し続けました。アメリカ人はどうしてこうも人を憎むのでしょう? 

 私はこんな思いにとらわれました。もしも、あなたが今日の午後、癌の治療法を発見したとしますよね。そしたら、あの連中、民間の癌センターがいらなくなるから、あなたは民間の事業活動を破壊している、と非難することでしょう。

 たしかにあなたはノーベル平和賞にふさわしいことを何もしていない、という人たちもい、ます。しかし、私に言わせてもらえば、あなたが憎悪の地雷原にすすんで踏み込み、前の大統領が仕出かした取り返しのつかないダメージを回復しようとしていることは、私だけでなく、数百万人の他の人々が認めていることです。

 それってほんとうに勇敢な行為だと思う。あなたの受賞理由はそこにある。

 全世界がいまアメリカを――あなたと頼っているのです。彼らの願いを却下してはなりません。
 

 ⇒ http://www.commondreams.org/print/48104

Posted by 大沼安史 at 07:18 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 オバマ ノーベル賞受賞コメント(全文)  「行動への呼びかけと受け止める」 非公式訳

 グッド・モーニング!
 実は今朝、これで、目覚めようとは思っていませんでした。
 この知らせを聞いた後、娘のマリアが私のところへ来て、言いました。「パパ、ノーベル平和賞、取ったのね。でも、今日は〔愛犬=ファーストドッグの〕ボーの誕生日よ」
 そして、サラがこう続けました。「それとね、3連休の週末が来るのよ」〔米国も12日の月曜日はコロンブスのアメリカ発見の日で休み〕
 ですから――私は、娘たちの期待に応えなければならないのです……。

 私はノーベル委員会の決定に驚きもし、謙虚な思いに包まれてもおります。ひとつ、ハッキリさせておきたいのは、私自身が何かを達成して受賞したものではないと、私自身、思っていることです。むしろ、世界の全ての人々の切望のための、アメリカのリーダーシップを認めてくださったもの、と思います。

 正直なところ、私はこれまでの、並みいる世界を変革した受賞者の方々と肩を並べられるだけの人間ではない、と感じています。そうした受賞者の皆さんこそ、その勇敢な平和の追求を通して、私を、そして世界の全て人々を鼓舞して来た方々であります。
 
 しかし、私はこのノーベル平和賞が、これまで受賞された男性や女性、そして全てのアメリカ人が築き上げたいと願う、そうした世界を映し出すものであることを知っています。その世界とは、私たちアメリカの建国の礎となった独立宣言や憲法といった文書に命を吹き込むものであります。

 私はまた、ノーベル平和賞の歴史を通して、それがある特定の達成のみを讃えるものではないことも知っています。それは一群の主義・原則に弾みを与えるものとしてもあり続けて来たのです。
 
 それこそ、私がこの賞の受賞を、ある行動への呼びかけとして受け止める理由でもあるのです。その呼びかけは、21世紀における共通の挑戦に立ち向かうよう全ての国の人々に対して行われたものなのです。

 しかし、こうした挑戦は、一人の指導者、一国の国民だけでできるものではありません。だから、私の政権もまた、私たちが求めるべき世界に対し責任を果たすため、新たな時代への参画を築こうと、これまで活動して来たわけです。

 私たちは、核兵器がより多くに国に拡散し、核のホロコーストの恐怖がより多くの人々を危機に曝す世界を容認することはできません。
 
 そこに私たちが、核兵器なき世界を目指し、具体的なステップを踏み出した理由があるのです。あらゆる国々に、原子力を平和利用する権利がある一方、すべての国々に、その平和利用の意図を実地に示す責任があるのです。

 私たちは、気候変動による増大する脅威を容認することもできません。それは私たちが子どもたちに引き渡す世界を永久に損ない、紛争と飢饉の種子を播き、海岸線を破壊し、都市を廃墟としかねないからです。
 
 世界の全ての国々がエネルギーの使い方を変える責任を受け入れ、共有しなければならないのは、そのためです。

 私たちは、互いに相手に対する見方を一方的に定め、違った見方をしていても構わないという態度を許してはなりません。私たちが、信仰、人種、宗教の違いを超え、相互の利益、お互いの尊敬に基づく新しい出発を追求しなければならないのは、このためであります。

 私たちはまた、こんなにも長い間、こんなにも多くの苦痛と苦難を課してきた対立を、自分たちの側から解決しなければなりません。そして、私たちのその努力には、あの最終的な実現――イスラエル人とパレスチナ人全ての、自分自身の国で平和に安全に生きて行く権利に向けた、揺るぎのない関与が含まれなければならないのです。

 私たちは、すべての人々が求める機会と尊厳が、より多くの人々に対して拒否される世界を容認することはできません。機会と尊厳――それは教育を受け、人間的な生活をする能力であります。未来に対し希望を抱くことなく、病気や暴力の恐怖の中で生きていかなくてもいい安全であります。

 私たちは紛争が平和裏に解決され、繁栄が幅広く共有される世界の実現に向け努力する中で、今、私たちが知る世界の現状とも向き合わねばなりません。

 私はまた、ひとつの戦争を終える一方、アメリカの人々と私たちの同盟者を直接、脅威に曝している容赦なき敵と向き合うため、別の戦場で活動することに責任を持つ、国家の最高司令官であります。そして私は、数百万人もの人々に職を求めさせて来た世界経済危機の衝撃にも対処しねければならないと自覚しております。

 これらの懸念こそ、私が日々、アメリカの同胞のために立ち向かっていることであります。

 私たちが直面する課題のいくつかは、私が大統領でいるうちに達成されることはないでしょう。核兵器の廃絶のようなことは、私が生きている間に実現しないかも知れません。

 しかし、ある個人、ある国家だけの力では為し得ないという認識がある限り、これらの挑戦を解決することは可能であります。

 受賞したノ-ベル平和賞は、ただ単に、私の政権の努力に対するものではありません。世界中の人々の勇気ある試みに対するものであります。
 
 私が受賞したこの賞は、正義と尊前を求める、すべての人々によって共有されなければならないのは、そのためです。だからこれは、自分の訴えを聞いてもらう権利のため、殴打と銃弾に直面しながら、静かに通りを歩いた、あの若い女性〔テヘランの女性、ネダさんのこと〕のための賞でもあるのです。デモクラシーへのコミットの放棄を拒絶しているだけで、自宅に監禁されている指導者〔スーチー女史〕のための賞でもあるのです。世界の反対側で生きる大事な人のために、日々、軍務を続け、犠牲を払っている兵士のための賞でもあるのです。平和のために自己の安全と自由、そして時には自分の命さえ犠牲にする、世界中、すべての男女のための賞でもあるのです。
 
 それは常に、アメリカの原則であり続けて来たものであります。それこそ、世界が常にアメリカに目を向けて来た理由であります。そしてそれはまた、私が信ずるに、アメリカがこれからも世界を導いて行く理由でもあるのです。

 サンキュー・ベリー・マッチ。

 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/09/us/politics/09obama-text.html?_r=1&pagewanted=print

 〔訳者・注〕 言わずもがなの注目点を、いくつか。

 ひとつは、オバマが、自分は米軍の「最高司令官」だと言っている点である。

 もうひとつは、核兵器の廃棄がオバマの目の黒いうちは実現しないかも知れない――などと言っていることである。

 オバマは「正直な現実主義者」なので、そうした「現実(性)」を言うのは彼の性向として分かる気もするが、ノーベル委員会が(そして世界の人々が)メダルを贈って彼に願をかけたのは、そんな「現実」を変えてもらいたいからである。

 オバマよ、オスロの「受賞演説」では、米軍の司令官であるアメリカの大統領として、任期中の「核兵器廃絶」を語りたまえ! アフガンからの撤退を語りたまえ!

 平和賞に誓って語りたまえ! 

 あの日本の二枚舌首相のような振る舞いは、見たくもない。

                     *  

 新刊NEWS NONO頑爺レモン革命 
     大沼 安史著  定価1680円(本体1600円+税)
  ⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/4196.html

 「60年安保」から半世紀を迎える今、平和を、憲法9条をどのように守っていくか。
 「歴史の封印を解き、歴史の真実を見詰め、平和を、9条を守り抜く」異色の政治ファンタジー小説
 戦後政治最大の謎とされる「M資金」に日本・オランダ混血の美少女NONO(のの)が挑み、 頑爺(がんじぃ)が「9条」を守る「改憲」阻止の闘いに、命の炎を燃やす。 6月15日、夜の国会前・・・イマジン! 「レモン革命」の奇跡が起きる! 卒業式の日の丸・蒸発事件をテーマにした『緑の日の丸』の続編。小田実氏へのオマージュ!

 

Posted by 大沼安史 at 02:41 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 「悲しみを見た男」ゴア・ヴィダル的「オバマ大統領に捧ぐ」

 オバマ大統領がノーベル平和賞に輝いた! そう、輝いた!
 ノーベル平和賞を受賞!

 ノルウェーの選考委員会の人々は、どんな思いで授賞を決めたのだろう。
 「核のない世界を」と言い、旧東欧へのミサイル防衛システム配備計画を撤回したからか?

 それとも、アフ・パク戦争(アフガニスタン・パキスタン戦争)で、米軍部・保守派に「米軍増派」を迫られ、「ノー」と言えなくて追い詰められているオバマに対し、「救いの手」を――決断の「口実」を差し出したつもりだろうか? 平和賞を差し上げます。アフガンから撤退しなさい……。
 
               * * *

 「オバマにノーベル平和賞」と聞いて、アメリカの作家、ゴア・ヴィダルの、ロンドンでの痛烈なオバマ批判を思い出した。(7日付、インディペンデント紙)

 ゴア・ヴィダル、84歳。現代アメリカを代表する最長老の作家。ハリウッド映画の脚本も書き、ケネディとも親交のあった、華麗なる経歴の持ち主。「反戦」の立場を貫いて来た、「左派の作家」。

 ロンドンのホテルのバーで、スコッチを飲みながらの、インディペンデント紙記者との会見だった。車椅子に座って。

               * * *

 ゴア・ヴィダルもまた、オバマが当選した時、人並みに楽観的気分に浸ったのだそうだ。が、それも、今や昔――。

 「無能な男だ。大統領に再選されないだろう。久しぶりに知的な大統領が出たと思ったのに、あの男はダメだ、戦おうとしない。押しつぶされている。誰だってそうかも……。アメリカは狂人の家だから」

 「みんなに好かれたがっている。自分がしなくきゃならないことは、理屈を述べること――それが全てだと思っている。しかし、〔敵の〕共和党は政党じゃない。ヒトラー・ユーゲントのような考え方の連中だ。憎しみでいっぱいなんだ。話し合いなど、できるわけ、ないじゃないか。やるだけ無駄だ。ああいうやつらを扱うには、ビビらせるしかない。オバマはしかし、デリケートすぎる……」

 「オバマはケネディより、倍も知的だ。でもケネディは世の中の現実を知っていた。海軍にいて、魚雷艇を沈められた。しかし、あのガキ(キッド=オバマのこと)は、一発の怒りの銃声も聞いたことがない。軍の将軍どもにハラワタ抜かれている。ウソをつかれて信じている……」

 そんなふうにオバマ批判を続けたあと、一呼吸おいて、「でも朗報がある」と、老作家は言った。
 「アフガニスタンはアメリカ帝国の終着駅になるだろう。それを見ることだけが楽しみだ」
 そういうなり、グラスのスコッチの残りを、ゆっくり飲み干したそうだ。
 
               * * *
 
 ゴア・ヴィダルは、ジョージ・ブッシュがイラク戦争を始めた時、アメリカの世論がイケイケドンドンになっている中で、「あいつは史上最悪の不人気の中でホワイトハウスを去るだろう」と予言し、見事、的中させた。
 「オバマは大統領に再選されることはない」という今回の予言、果たして当たるだろうか?

 オスロの選考委員がどういう理由で、現役の大統領に対し、授賞を決めたか知れないが、今回の任期途中の「平和賞」はオバマにとって「劇薬」すぎると、僕は思う。 

 「平和賞」にふさわしい業績を現状の中で上げるには、よほどの豪腕をふるわなければならないが、アメリカという国は、ゴア・ヴィダルの言うように、軍産複合体が権力をにぎるマッドハウス(Madhouse)なのだ。一筋縄ではいかない軍事国家なのだ。(だから、彼の友人であるケネディも殺された……)

 ああ、「平和賞」を受賞しながら、何もできずに3年後、ワシントンの政治の舞台から追われることになる(?)オバマ!

               * * *

 ゴア・ヴィダルはロンドンのホテルのバーでの会見で、なぜか唐突に、作家仲間のノーマン・メイラーに触れ、こんなエピソードを語っていた。

 あいつは(メイラー)はよく分かりもしないで、「実存的(existential)」という言葉を口癖のように使っていたが、アイリス・マードック(英国の女流作家。元々は哲学者)からその意味を聞かされ、口をアングリさせ、驚いていたぜ、と。

  オバマ批判に続いて、なぜ、「実存的」を持ち出したか、ゴア・ヴィダルの会見記事を最初に読んだ時は分からなかったが、オバマに「平和賞」が出た今、のみこみの遅い僕にも分かるような気がする。

 ゴア・ヴィダルはオバマをクソみそに批判しながら、心のどこかで、こんな風に言いたかったのだ。

 オバマよ、君が「平和の大統領」として名を遺すには、「実存的」に闘うしかないのだ。一個の実存として、状況にアンガージュし、果敢に状況を切り拓くしかないのだ――と。

 そう、ゴア・ヴィダルの君に対する辛辣な批評は、君に対する、最後の呼びかけだった!……

               * * *

 「ゴア・ヴィダル」とは、ロシア語で「悲しみを見てしまった男」の意味だそうだ。

 アメリカの悲劇を見続けて来た作家は、今回の君の受賞の知らせを聞いて、きっとスコッチのグラスを掲げ、君にこう語りかけていることだろう。

 オバマよ、ノーベル平和賞、それでも、おめでとう!
 こうなったからには、平和賞をぶらさげて、ひとりの人間として実存的に闘うんだ!
 いいか、オバマ、状況を切り拓くんだ!
 あのジャック(ケネディのこと)の、やれなかったことを、やるんだ!

 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/gore-vidals-united-states-of-fury-1798601.html

Posted by 大沼安史 at 12:07 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2009-10-09

〔NEWS〕 イラン当局 デモ参加者に死刑判決

 英紙ガーディアン(電子版)によると、イラン当局はアハマディネジャド「再選」に抗議するデモに参加した男性(37歳)に対し、死刑判決を下した。

 先のイラン反政府デモで死刑判決が出たのは初めて。今後、死刑ラッシュが続きかねないとの恐怖心をかき立てている。

 死刑判決を受けたのは、モハマド・レザ・ザマリさんという人物で、海外の王党派組織に属すると「自供」したという。

 反政府デモをして「死刑」!

 かつての日本の「治安維持法」、「大逆事件」を思わせる、残忍さである。

 日本の外務省は、イラン大使を呼びつけて、抗議せよ! 抗議しないなら、せめて「遺憾」の意を伝えよ!
 

 ⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2009/oct/08/mohammad-reza-ali-amani-death

Posted by 大沼安史 at 01:34 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-08

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 鷲と鷹

 ガキの頃、僕は、ペロンコの名人だった。

 ペロンコ……昔の仙台の悪ガキの言葉で、映画館への「もぐり込み(無銭入場)」の意味。

 小学生の僕のペロンコの穴場は、北仙台にあった「北映」。

 ペロンコのやり方は2つ。

 ひとつは、裏のトイレの窓からの忍び込み。
 もうひとつは、正々堂々、切符売り場(の下をくぐり抜けて)を「突破」する真正面攻略。

 で、そんなペロンコで見た映画では忘れられないのが、この『鷲と鷹』。

 「鷲」と「鷹」って、ふたつとも、ものすごい漢字なので、記憶に焼きついてしまったのだろう。

 裕次郎のこの歌も⇒  http://www.youtube.com/watch?v=yexBW9zBO-8

 記憶に残っているけど、でも何より忘れられないのは、浅丘ルリ子さんが、ハムをまるごと一本、まるかじりしているシーン!

 ああ、ぼくもああやって、ハムを腹いっぱい食べてみたいな、とハラをすかしていた僕は、思ったものだ。 

Posted by 大沼安史 at 08:46 午後 | | トラックバック (0)

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 花のように 鳥のように

 何を隠そう、僕は、桂銀淑さんのファンである。あの、生唾にキムチの味が湧く、人生の辛子を存分に味わったようなハスキー・ボイス。
 
 なかでも、この歌。
 悪友、いや阿Q、いや阿久悠さんのこの歌詞。
 ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=nuxT_7JE5zY&feature=related

 「幸せに近い」! す、すごい!

 幸せの「中」にいるなど、願うべくもない僕にとって、「近く」にあればいいのだ、と言うのこの歌詞は、慰めである。

 阿久悠さん、ありがとう!

Posted by 大沼安史 at 07:37 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 石油取引で「ドル外し」報道 藤井財相 「何も知らない」と否定 英紙報道

 英紙インディペンデントのロバート・フィスク記者の、「石油取引で米ドル使用を停止、通貨バスケットへ 秘密協議進む」報道で、サウジなどと話し合いを続けていたと名指しされた日本の藤井・財務大臣は、「何も知らない」と「否定」したそうだ。

 同紙が伝えた。

 フィスク記者の報道で、ゴールド価格は急騰、ドル安が進行している。

 同紙のニューヨーク特電によれば、アメリカは米国債の償還を軽減するため、さらなる「ドル安」を実は望んでいるそうだ。  

 う~ん、となると、アメリカも「黙認」ということか?!

 そして日本は米国債を抱えたまま、「超・円高」へ。

 しかし、これだけの「大変な騒ぎ」を何ひとつ報道しない日本のメディアって何?
 藤井大臣が「知らない」と言った、だけでも、報道してくれよ!
  
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/business/news/dollar-tumbles-on-report-of-its-demise-1798713.html

Posted by 大沼安史 at 07:22 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イランの核科学者 サウジ巡礼中、“蒸発”

  英紙インディペンデント(電子版)が8日に掲載したAP電によると、イランの核科学者、シャーラム・アミリ氏がことし6月、サウジのメッカに巡礼に行ったまま“蒸発”した。

 イラン外務省は、同氏を「イラン市民」とだけして、その“蒸発”に米政府が関与していると非難しているが、同氏の妻によれば、アミリ氏はイラン国内の大学で核テクノロジーの研究に従事している。

 イランの核開発問題は、先ごろ、コムの秘密濃縮施設の存在が明らかになり、イラン政府が査察受け入れを表明するなど、イラン側が「譲歩」する姿勢を見せている。

 アミリ氏の“蒸発”は、これと関係するものかも知れない。

 AP電によれば、2007年にはトルコで、イラン元国防相が「行方不明」になっているという。
 

 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/mystery-as-iran-nuclear-scientist-disappears-1799410.html

Posted by 大沼安史 at 04:56 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 パトリック・コバーン記者   「アフガンで1年以内に勝つ? ナンセンスを言うのではない!」 米軍部の主張を一蹴 

 英紙インディペンデントのパトリック・コバーン記者が8日付の同紙電子版で、アフガン戦争に対する「戦争の家=米国防総省」のスタンスを、「ナンセンスを言うな」と斬り捨ていた。

 米軍当局者が、アフガンで勝つも負けるも、この1年が勝負、などと言い出している――だから、米軍を増派せよ、と脅していることに対し、「バカも休み休み言え」と斬り返していた。

 なぜ、1年で勝てないのか?
 いわゆる「タリバン」がパキスタンの支援を受けている――これがひとつ。

 徹底したゲリラ戦術で、米軍にダメージを与え続けている――これが二番目の理由だ。

 米兵を4万人増派するとどうなるのか? タリバンにとってそれだけ「戦果」が上がることになるだけ。獲物ウジャウジャ、選り取り見取り、である。

 米軍や保守派から、増派を迫られ続けるオバマに対する、コバーン氏の“アドバイス”は、時間はある、焦らないで考えろ!

 コバーン氏がこの記事の中で提示している、アフガン政府治安部隊の待遇改善の必要性、「タリバン」が人口の4割ちょっとを占めるパシュトン族に限られている実態、そしてその「タリバン」に対する、パキスタンの支援――など、いくつかのファクターを、オバマに代わって考え合わせてみても、その何処からも「米軍増派」という「答え」は出て来ない。

 久しぶりに読んだ、コバーン記者の、切れ味のいい解説記事。
 息子さんのご病気にもかかわらず、心挫けず、健筆をふるう氏に、あらためて声援をおくりたい。

 ⇒ http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/patrick-cockburn-to-say-this-war-must-be-won-in-a-year-is-nonsense-1799296.html

Posted by 大沼安史 at 04:32 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-07

〔コラム 机の上の空〕 「光通信」、または西沢潤一先生のこと

 今から12年前のことだ。私は今は亡き、盟友・小池平和(ひらかず)さんと、仙台・川内にある「半導体研究所」に、西沢潤一先生を訪ねた。

 当時、小池さんと私は、仙台に市民出版社「本の森」を、郷土史家ら友人・知人からの出資で、有限会社としてスタートさせたばかり。あたって砕けろ!だった。

 新聞社出身(小池さんは毎日新聞、私は北海道新聞の記者だった)の私たちは、ダメ元(ダメでもともと)精神で、 西沢先生に、本を出してくれないか、と談判に行った。

 拍子抜けしたことを今でも、よく憶えている。
 「いいですよ」――この西沢先生の一言に、小池さんと私は顔を見合わせた。

 わけもわからない、「本の森」などという、出来たばっかりの、名もない出版社の私たちのために、一発返事で協力を約束してくれた。

 その場で早速、出版企画を詰め、半導体研究所を辞去した小池さんと私は、玄関を出るなり快哉を叫んだ。「西沢さんって、なんて人なんだ」と、二人で感心し合った。

 こんなことがあって、私たちの「本の森」は西沢潤一先生の本を相次いで出させていただくことになるのだが、私個人についていえば、こんな思い出がある。

 私は「本の森」を創設した後、上京して教員生活を始めた。その頃、知り合ったミニコミの編集者が、どうしても西沢先生に、上京の際、インタビューしたいと言うので、仲介したことがある。

 私が「そういうことなんですが、先生、インタビューに応じていただけますか」と、おそるおそる、うががいを立てると、これまた一発返事で、OKだった。

 もちろん、無料のインタビュー。その席に私も同席したが、科学的知識ゼロの編集者の、あきれるほど素朴すぎる問いに、いやな顔せず、喫茶店の入口で「時間ですよ」と盛んにジェスチャーを送ってくる科学技術庁の人たちに「もう少し、もう少し」と目で合図しながら、最後まで、根気よく、丁寧に話してくださったのだ。

 ここで私が何を言いたいか、というと、西沢潤一先生とは、そういう人間である、ということだ。
 男気があるというか、真人間であるというか。

 「本の森」で先生の本づくりをさせていただいた頃、私は何度か、半導体研究所に通い、先生にインタビューした。

 中でも印象に残るのが、先生の旧制仙台二中時代の思い出話である。先生の美術部の先輩が、顧問の教師に、どうして戦争に行って死なねばならないのか、その不条理を問いただしたというのだ。

 西沢先生は石原都知事にも好かれ、いろんなところに引っ張り出されているので、まるで「右翼」のようにも思われているが、実は戦争が大嫌いな、平和主義者なのだ。
 武力ではなく、科学技術で生きて行く……これが、西沢先生の言う「創造立国=日本」の意味である。

 2009年ノーベル物理学賞の発表があった。光通信の実用化に向けて、技術的な面で画期的な貢献をした、西沢先生の研究仲間の、チャールズ・カオ博士が受賞することになった。

 私は西沢先生の大ファンだから、「えっ、どうして?」と、ついつい思ってしまったが、先生の朝日新聞でのコメントを読んで納得した。

 「光ファイバーの実用化について絞れば、カオ氏の貢献は大きい。受賞おめでとうと伝えたい」

 業績は業績として、きちんと評価し、そして「おめでとう」と言った西沢先生!

 そう、西沢さんは、そういう人なのだ。カオ博士の受賞に「どうして?」という思いはあるはずだが、西沢先生は「うん、そうだな」と納得すると、年下のライバルにも、心から祝福を贈ることができる人だ。

 仙台の名代のおすし屋さんとか名店に行くと、だいたい必ず、西沢先生の「愚直一徹」の色紙にお目にかかることができる。

 文は人なり……西沢先生って、ほんとうに愚直一徹な、純情な人なのだ。相手の頼みにちゃんと応える。聞かれたら、真剣にアドバイスする。

 先生はもう心の整理をつけていらっしゃる、と思うが、ノーベル賞とはいえ、賞は賞、選ぶのは凡人である。あのトルストイでさえ弾かれ、フランスのなんとかという詩人にもっていかれたのだから。

 でも、世の人々に知ってもらいたいのは、西沢先生の業績は「光通信」にとどまらない、ことだ。たとえば、発光ダイオード。ここでも、ノーベル賞クラスの業績を残している。

 だから、きっと……。

 西沢先生、きっと、あの中村修二氏と共同で、「発光ダイオード」の開発で(中村氏は光の3原色のうち、青を開発。西沢先生はほかの2色を開発)、必ずノーベル賞に選ばれますから、(もし気落ちしているとしたら)気落ちしないでくださいね……。

 そんな余計なことを心の中で語りかけたら、「ワッハッハ」という、あの豪快な笑いが返って来た気がした。

 あの「ワッハッハ」で、またひとつ、思い出した!
 大きな飴玉をポーンと口に入れ、あの子どものような笑顔で、光ファイバーでも、発光ダイオードでもなく、「サイリスタ整流子」について、レクチャーしてくださった西沢先生!

 「このサイリスタ整流子を使えばね、中国で発電したのをね、直流にして日本まで持って来れるんですよ」と目を輝かせて語ってくれた西沢先生!

 仙台の誇り、西沢潤一先生、万歳!

 来年こそ、ノーベル賞……、万歳!  

Posted by 大沼安史 at 08:18 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-06

〔URGENT! 緊急! 重要NEWS〕 2018年までに米ドルでの石油取引停止へ ☆人民元・ユーロ・円・金・湾岸統一通貨による「通貨バスケット」を創設 ロシアも参加へ ☆サウジなど湾岸産油国が中露仏日と秘密交渉 ☆英紙インディペンデントのロバート・フィスク記者がスクープ報道

 中東報道の世界的第一人者、英紙インディペンデントのロバート・フィスク記者が、6日付の同紙(電子版)で、歴史的ともいえる大スクープを放った。

 「ドル崩壊」との主見出しがついたフィスク氏の記事は、湾岸アラブ筋と香港の中国金融筋の双方から裏づけを取って報じたものだ。

 米ドルでの石油取引を停止し、新たに創設する、人民元・ユーロ・円・金(ゴールド)・新設する湾岸統一通貨による「通貨バスケット」による取引に切り替える。 
 
 この問題に関するロシア、中国、日本、ブラジルの各国財務相、中央銀行総裁による秘密協議は、「これから」ではなく「すでに」行われている、という。

 米国はこの秘密協議が行われたことを察知しているが、合意内容までは把握していない。米国は、「忠実な」同盟国であった日本や湾岸アラブ諸国が参加する、この国際的な「陰謀団(カバル)」に対し、闘いを挑むことになるに違いない――とフィスク氏は指摘している。

 米ドルでの取引を停止する時期は、「今後9年以内」=「2018年目標」と想定している。また、中国筋によれば、「通貨バスケット」による取引開始まで、当面のつなぎとして、金(ゴールト)で決済を行う。
 最近の金の世界的な急騰は、こうした動きを背景にしたものとみられる。

 フィスク氏の指摘で気がかりなのは、この動きの中で、米中間の対立・覇権争いが激化するのではないか、との恐れだ。

 しかし、中国金融当局筋は、オバマ政権は国内経済の建て直しに追われ、この問題に手を出すことはない、との見方と示している。
 

  米国が「不参加」を説得できるのは英国くらい。
 協議はすでにかなり煮詰まっており、ロシア(ルーブル)も「通貨バスケット」への参加を表明することになりそうだ。
              

                                    △  △  △

 いよいよ、「ドル凋落」が、現実化して来た。世界基軸通貨の座から引き摺りおろされようとしている「$」!

 米国は「抜け駆け」に走った日本政府を今後、抑えにかかるだろう。「通貨バスケット」から身を引くよう、迫って来るに違いない。

 自民党政権が今なお続いていたなら、確実に米国の言いなりになったはず。しかし、民主党にどれだけの「独立心」があるか、やはり気になる……。

 米国債を買い続けますから、許してください、と言っているうち、日本経済の底が抜け、「通貨バスケット」から排除される、なんてことにならなければよいが……。
   
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/business/news/the-demise-of-the-dollar-1798175.html

Posted by 大沼安史 at 12:53 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-05

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 Blue Bayou

 一週間ほど前、荒浜の海(深沼海岸)に、また出かけた。こんどはママちゃりで。

 あのピンクの旗が、はためいていた。遠くに、海辺の仙台空港に接近する旅客機の影。海の上を、水平な時間が過ぎてゆく。

 防波堤に座って、梨を剥いて食べた。

 さびしいけど、ブルーではない。独りぼっちだけれど。

 この海は、ぼくのブルー・バイユー。
 中学生の頃、ロイ・オービソンのレコード(LPだった)を手に入れ、歌詞カードの「Bayou」の意味を辞書で引いたことを思い出す。
 アメリカ南部の方言で、ベイ(湾)のことだ、と出ていた。(……そう、憶えている)
 
 ユーチューブで、時々、聞いている。
 それにしても、ロイ・オービソンの歌声は、どうしてこうも、悲しそうで、幸せなんだろう? 
 
  ⇒  ロイ・オービソン http://www.youtube.com/watch?v=hh7dQoyPBMg&feature=related

 女性歌手もカバーしている。 

    リンダ・ロンシュタット http://www.youtube.com/watch?v=0w5VdvsVbz8&feature=related

  デボラ・サッソン http://www.youtube.com/watch?v=niGxOz0i16I&feature=related

 とくにデボラ・サッソンの「さび」のソプラノ歌唱を聴くと、ああ、なんて素直で、フツーにドラマチックな歌なんだと、うれし泣きしそうになる。

   I will never be blue, my dream comes true, on Blue Bayou!

 ブルー・バイユー、ふるさとの海。

Posted by 大沼安史 at 11:34 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 アフガンで武装抵抗勢力がまたも米軍部隊を殲滅 米兵8人が戦死――皆殺し……「ワナット村の悲劇」を再現

 アフガニスタンのパキスタン国境に近いヌリスタン州で10月3日夜、武装抵抗勢力が米軍基地を襲い、米兵8人を殺害した。

 2008年のワナット村の悲劇(米兵9人戦死)を再現するもの。

 ニューヨーク・タイムズ紙(5日付)はヌリスタン州知事(アフガン人)の「タリバン」の兵士たちの仕業、との主張を紹介しているが、記事の冒頭のリードの中では、「部族民兵の集団」による攻撃だと明記している。
 (下記の共同の記事では、例によって「タリバンが……」となっている。「タリバン」だ、「アルカイダ」と盛んに言われているが、一般の現地部族であることが多い点に注意!)

 攻撃は同夜、近くのモスク、及び村落から行われた。

 現地の州知事は、米兵と一緒にいたアフガン警察の2人も死亡、(生き残った)アフガン警察官は「タリバン」に拉致された、と言っている。

 ということは、つまり、米兵は皆殺しにあったわけだ!

 同日付のNYTの解説記事はまた、アメリカの保守派のコラムニスト、ジョージ・ウィルまでがアフガンでの戦線縮小を言い出していることに触れていた。

 アフガンの現地もアメリカの後方世論も、いまや敗戦モード!
 
 
 ⇒ 
     NYT http://www.nytimes.com/2009/10/05/world/asia/05afghan.html?_r=2&ref=global-home

      http://www.nytimes.com/2009/10/04/weekinreview/04traub.html?ref=asia

     共同通信の記事 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100401000254.html

Posted by 大沼安史 at 06:58 午後 | | トラックバック (0)

2009-10-03

〔I Love This SONG For Sentimental Reasons 〕 Teach me tonight

 仕事の波に乗り始めたら、イケイケドンドンで聞くのが、この曲。
 エディー・ヒギンズのピアノをリピートで繰り返し聞きながら(いつの間にか、聴くのも忘れて)、原稿を書いている。

 今日も、夕方から、小さな波が机の上に来てくれた。すぐ調子に乗り、CDをかけるところまで行かずに、ひと仕事、終えた。

 土曜の夜。久しぶりにリラックスした今夜は、寝酒代わりに、女性ボーカルで。
 ユーチューブで探したら、「キュートで楽しい」のが2つ、見つかった。
 
  シェリル・ラッド ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=--SXLksoGKg

  ドロシー・コリンズ ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=p6nHYk3uVUE

      歌詞 ⇒ http://www.gahosting.info/hosting-frank-sinatra/hosting-teach-me-tonight.html

 僕は世代的にシェリル・ラッドだけど、ひと世代上のドロシー・コリンズさんもいいな。ちびっ子からスケートを教わっているのが、おかしいよね!
 

Posted by 大沼安史 at 11:10 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 アフガン撤退へ? オバマ コペンハーゲンで米軍現地司令官と緊急会談

 コペンハーゲンでシカゴ五輪PR演説を行ったオバマ大統領が10月2日の演説終了後、コペンハーゲン空港に駐機中の大統領専用機内で、アフガニスタン米軍の最高司令官、スタンレー・マックリスタル将軍と、25分間にわたって会談した。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/03/world/asia/03mcchrystal.html?ref=asia 
  (会談写真は http://www.nytimes.com/imagepages/2009/10/03/world/03mcchrystal.ready.html
 
 マックリスタル将軍はロンドンでの講演の帰途、コペンハーゲンに立ち寄ったものだが、オバマはなぜ、マックリスタ司令官と「会談」し、その模様を「写真」まで公表し、明らかにしたのか?

 同司令官は米軍を新たに「4万人増派」しなければ敗北する、と明言している現地司令官だ。

 4万人を新たに増派(オバマはことし初め、2万1千人を増派している)して、ことしの年末までに、アフガン駐留米軍を10万8千人態勢まで増強するシナリオは、バイデン副大統領らによる、戦線縮小提案と(アルカイダ狩りに作戦を集中)と「対立」するものとされており、オバマがそのどちらに与するか、注目されているわけだが、考えてみれば、どちらも要は「負けない}(それも疑わしいことだが)だけで、「勝てない」ことは明らか。

 となれば、これ以上、泥沼にはまり込むよりは、戦線縮小という撤退への第一歩を踏み出した方が無難のはず。

 そのために、オバマは現地司令官と直接話し合う、そんな「手続き」を踏んだのではないか?――そうとしか、僕には思えないのだが、どうだろう? 甘すぎるかな?

 もしも、米兵を大量増派するというなら、「エアフォース・ワン」内で、ロンドン出張帰りの現地司令官と、五輪PRついでに緊急会談することもあるまい。これまで通り、米軍の総本山=国防総省の意見具申に従い、正式な指揮命令系統の意思決定チャンネルを通して「増派」を命令すれば済むのだから。

 同じタイムズ紙の紙面(電子版、3日付)に、「アフガンで勝てない」方程式(テンプレート)が現地での米軍の戦略を決定付けている、との記事が掲載されていた。
 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/10/03/world/asia/03battle.html?_r=1&ref=global-home

 昨年(2008年)7月、パキスタンに隣接するクナル州ワナット村で、米軍の空挺部隊がアフガンの武装集団200人に攻撃され、9人が戦死する負け戦の戦闘があったが、現地米軍はこの戦闘を詳細に検証し、「勝てない」教訓を実地に学んだそうだ。

 それでもう、これは勝てないと分かったから、マックリスタ司令官も(自分から撤退・縮小を言えないから)、4万人増派などという「無理難題」を、わざわざ持ち出したのではないか?

 アフガンの流れは変わった、アメリカは撤退へ動き出す、と言ってよいかも知れない。   

Posted by 大沼安史 at 06:45 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 完全報道! 2009年 イグ・ノーベル賞 ☆「憲法9条」の平和の真理をビール瓶で証明 ☆原発事故対策で「毒ガスマスク・兼用ブラ」を開発 ☆乳牛に人間と同じように女性の名前をつけて呼ぼう……

 日本の主流メディアのニュース報道は、空間的(紙面的)に、時間的(電波的)な制限があるので、どうしても「つまみ食い」(イイトコ取り)に陥りがち。

 コレに対して、小生のこのコーナーは、つまみ食い・イイトコ取り主義とは無縁の「完全報道」を旨とする! エヘン!

 ……と威張りたいところが、実態と言えば、情けないことに、よく言って――そう、あのミレーの『落ち穂ひろい』。悪く言うなら、ハイエナか、ハゲワシ(最近、頭髪に隙間が生じつつあるので、どちらかと言うと、ハゲワシ……かな?)

 前置きはこのぐらいにして、今週の「ハゲワシ版・ニュースにならない世界の大ニュース・連坊小路風」(*注 小生、仙台の連坊小路で、寂しく暮らしおります……)の「特ダネ」は、あの「イグ・ノーベル賞」。
 そう、あの、愉快・痛快・奇怪(キッカイ)なニセ「ノーベル賞」の2009年・授賞式が、このほど(10月1日)、アメリカのハーバード大学で行われたのであ~る。

 つまみ食い主義の日本のメディアは、すでにご承知の通り、「イグ・ノーベル賞・生物学賞」を受賞した、田口文章・北里大学名誉教授だけを取り上げているが――もちろん、田口博士の「パンダのふんから取り出した菌を使って生ごみの大幅な減量に成功」という業績は大変な学問的成果ではあるのだが、それに負けずとも劣らない、愉快・痛快・奇怪な「世紀の業績」が目白押しなのであ~る!

 まずは、ウシ年生まれの私(*注 60歳)の最(さい)お気に入りは、イギリスのニューキャッスル大学農学部の研究者2人が受賞した「獣医学賞」。

 で、このイギリス人たちが、どんな「世界的な発見」をしたかというと、乳牛のオッパイの出方なんですね。
 乳牛さんに名前をつけて、名前で呼ぶと、名なしの権兵衛ウシより、オッパイが多く出るんだそうです。
 で、どんな名前で呼んでいたかというと、たとえば「デイジー」。
 たぶん、「ハイ、デイジー、ハウアーユー!」とか、「デイジー、グッドナイト!」なんて声かけてたんじゃないですか! たぶん、ウシだって、なんか、感じるところがあって、期待に応えようって気になったんじゃないかな!

 これは日本の牧場でも、パクリOKですよね。
 たとえば、最近、オッパイの出が悪いウシさんに、「フーミン」(*注はナシです)なんて名前をつけ、「フーミン、朝だよ~ん」とか「フーミン、もう寝ようか」なんて声をかけたら、一気にDカップ化して、飼い主をウシウシ、喜ばせたりして。

 「平和賞」もまた凄いんだな。
 な、なんと、あの永世中立・永久平和の国、スイスのベルン大学の研究者たちが、世界の軍縮を加速する――かも知れない、ダ、ダ、「大発見」をした!
 それも、ビール瓶!

 中身の詰まったビール瓶と、空のビール瓶のどっちが、外部からの「攻撃」に強いか、実験で確かめたんです。そしたら、空のビール瓶の方が強かった!

 これって、敵対関係の中では、一国の防衛力の強化は他国の攻撃力の強化に繋がり、開戦の確率を高め、戦争の悲惨さを強めるだけだ、という、あの20世紀の歴史の教訓につながりそうなことですね。(*注 これを僕は「マクナマラの定理」と呼んでいます)

 なんか、日本の憲法「9条」の正しさが、ビール瓶で証明されたような気がするなあ~!(むむ、今晩あたり、受賞おめでとうということで、再開したばかりの禁酒を破り、ひとりビールで乾杯しても、よいかな……ウシシシ)

 そして、「公衆衛生学賞」に輝いた、「毒ガスマスク兼用ブラ」!。
 米国のイリノイ州の女医さんが特許を申請中のもので、ふだんはブラジャーとして着用し、いざ、有毒性のガスが周りに立ちこめ出したら、早速をブラを外し、カップを顔に当てて、有毒ガスから身を守るのだそうです。(下記BBCの記事に図解が出ています)

 ブラだから、カップは2個。残り1個は、近くの人に「提供」できる優れもの!

 この女医さん、どうしてこんなもの、考え出したかというと、この方、ルーツがウクライナなんですね。ウクライナといえば、聖書で「破局」が「予言」されていた「ニガヨモギ」……そう「(ウクライナ語で)チェルノブイリ」。
 あの放射性ガスが拡散した「チェルノブイリ原発」事故から考案したものだそうです。

 う~ん、マジなんですね。ヨード剤(のどを守る)だけでなく、こんなブラも配給しておいたらいいかも知れませんね。

 で、以下、2009年の輝け・イグ・ノーベル賞の他部門を、ごくかいつまんで(これもつまみ食い?)紹介すると……。

 ☆ 医学賞 83歳になるカリフォルニアの医者(男性)が受賞。子どもの頃、お母さんに、指をポキポキ鳴らしているとリューマチになるよと脅かされたことから、実験に着手。これまで60年も左手だけを毎日ポキポキし続け、右手と比べてきたが、違いは見られなかった。「ママ、それって間違いだよね!」

 ☆ 化学賞 メキシコ国立大学の研究者らが受賞。テキーラをダイヤモンド化する技術を開発。もちろん、素面(しらふ)で。

 ☆ 物理学賞 米シンシナティ大学の研究者らが受賞。おなかが大きくなった女性がなぜ、後ろ向きにひっくり返らないか、を物理学的に解明!

 ☆ 数学賞 アフリカのジンバブエ中央銀行の総裁が受賞。1セントから100兆ドルまでの紙幣を発行して、「数に強い国民」を育成!

 ☆ 経済学賞 アイスランドの4つの銀行が受賞。小さな銀行が超大銀行に膨れ上がり、そしてまた縮小できるものか、身をもって証明! 金融ビッグバン&ブラックホール!

 ☆ 文学賞 ジョイスやベケットを生んだ文学の国、アイルランドの警察が受賞。「プラオ・ジャディー」という架空の人物に対して、交通違反の切符を50回以上も切った、ミステリー作を演じたことで。なお、「プラオ・ジャディー」とは、ポーランド人が持つ運転免許証に書かれた言葉で、その意味はポーランド語で、「運転免許証」!

 以上、つまみ食い的な「イグ・ノーベル賞」の「完全報道」でした!

 ⇒ 公式HP http://improbable.com/

 時事電 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009100200376

 LAT http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/la-sci-ignobels2-2009oct02,0,3349450.story

 BBC http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8285380.stm

  ☆

  新刊NEWS NONO頑爺レモン革命 
     大沼 安史著  定価1680円(本体1600円+税)
  ⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/4196.html

 「60年安保」から半世紀を迎える今、平和を、憲法9条をどのように守っていくか。
 「歴史の封印を解き、歴史の真実を見詰め、平和を、9条を守り抜く」異色の政治ファンタジー小説!
 戦後政治最大の謎とされる「M資金」に日本・オランダ混血の美少女NONO(のの)が挑み、 頑爺(がんじぃ)が「9条」を守る「改憲」阻止の闘いに、命の炎を燃やす。 6月15日、夜の国会前・・・イマジン! 「レモン革命」の奇跡が起きる! 卒業式の日の丸・蒸発事件をテーマにした『緑の日の丸』の続編。小田実氏へのオマージュ!

 

Posted by 大沼安史 at 10:37 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-01

〔ビデオ NEWS〕 オバマよ、初心に帰れ! カモ~ン! マイケル・ムーア監督 国保創設で「渇!」

 マイケル・ムーア監督がオバマを叱りつけた。9月29日、ワシントンでの演説で!
 オバマ支持者の声を代弁する痛烈なスピーチだった。
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=VwlsDN-Ilkc&feature=player_embedded#

 アメリカ人の大半が一元化された国保制度の創設を願っている。あんただって、そう言ってただろう?

 なのに、このザマは何なんだ?
 
 最初から、保険会社も加えたパブリック・オプションなんて妥協に出るとは……。

  自分の信じるところから出発しなくてどうする?

 だから、あんたの後ろには誰もついていないんだよ。

 オバマよ、リセットしろ! 初心に帰れ! 
 みんながついているじゃないか!

 あんたが「破局」を引き受けたことはわかる。それもひとつじゃなく、何個も。
 火中の栗を拾ったことは分かる。

 でも、みんな、あんたに期待してがんばったんじゃないか!
 あんたをホワイトハウスに送り込んだ(大統領選に勝った)あと、われわれは「負けた」のか!

 やつら(保険会社)は少数派だ。1日140万ドル、ロビー活動に使って組織しているだけだ。

 目をさませ、オバマ! 原点に帰れ! そこにみんな、いるじゃないか!

 オバマよ! カモ~ン! 
 

 

Posted by 大沼安史 at 07:32 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ミツバチ大量死 原因はネオニコチノイド系農薬!? 英国で「解明ドキュメンタリー映画」が完成

 英紙インディペンデント(電子版)に、ミツバチの大量死の原因を追究したドキュメンタリー映画、『消える蜂たち』が10月に公開される、との記事が出ていた。
  ⇒ http://www.independent.co.uk/environment/nature/new-film-blames-drug-firm-for-plight-of-honey-bees-1795148.html

 『消える蜂たち』が示唆する原因は、ネオニコチノイド系の農薬!
 「ガウチョ」という商品名で販売されているもので、フランスでは養蜂家の抗議で使用が禁止されているが、アメリカをはじめ、その他の国々では広く使われているそうだ。

 その、「その他の国々」に、私たちの「日本」も含まれ、このネオニコチノイド系農薬に疑いの目を向ける養蜂家がいることを、10月1日の朝日新聞(統合版)で知った。

 岩手県の養蜂家、藤原誠太氏が「私の視点」に書いていた。

 この農薬(成長中の作物に散布するのではなく、種子段階で浸す?)、インディペンデント紙はドイツの「バイエル」の製品だと出ていたが(バイエルは因果関係を否定)、日本では「全農」が販売しているそうだ。

 疑いが指摘されている以上、日本の農水省としても、調査ぐらい始めるのが筋だが、藤原氏によれば、(農水省は)「大量死の原因はわからない」と言い続け、被害の実態調査すら行おうとしない――というからあきれる。

 農水省から全農に天下りしてる(?)から、こういうことになるわけ??

 これは新政権の農水行政の試金石になる、重大な問題だ。農業記者諸君の調査報道に期待する!

Posted by 大沼安史 at 06:10 午後 | | トラックバック (0)