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2009-08-01

〔いんさいど世界〕 小泉ジュニアは米国タカ派の公認ポチ候補?

 小泉純一郎元首相の次男、進次郎氏(28歳)が、米海軍の海軍基地、ヨコスカのお膝元、神奈川11区から、自民党の公認候補として出馬する。

 街頭で交差した、同学年の「よこくめ勝仁」候補の、「握手を」の呼びかけを無視した、ふてぶてしい態度は、どうやら父親譲りのようだが、今、問題にしなければならないのは、そうした「性格」のことではない。
 
 ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=JhFUYwt3kfY
 ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=w645WnLs2t8

 「握手」する・しない、より、もっと重要な問題は、この小泉ジュニアが、米国のタカ派の手元で育てられた、政治的な出自の持ち主であることだ。

 日本のジャーナリズムは、プロモーション中のタレントのように、ジュニアの街頭活動を追うのではなく、この二世、いや三世議員候補の、政治的なバックグラウンドを探る必要がある。

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 小泉進次郎氏の公式HPによれば、コロンビア大学の大学院を修了し、その後、間もなく、「米国戦略国際問題研究所(CSIS)」の「研究員」となったとある。

 ⇒  http://www.jimin.cc/koizumi/  

 問題はこの「CSIS」なる研究所がどういうものか、だが、それはさておき、まずもって確認しておきたいのは、このジュニアがCSISの研究員になった時期について、である。

 氏の公式HPによれば、CSIS入りは、2006年(平成18年)6月。
 
 ということは、つまり、父、純一郎の首相在任中のことだ。(純一郎首相は同年9月26日まで在任)

 父親の七光りがあった、とは思いたくないが、進次郎氏を「研究員」として採用するCSIS側に、日本の現職首相の愛息であるとの認識がなかったわけではあるまい。
 CSISには「対日問題の研究チーム」(ジャパン・チェア)もあるからだ。

 この「2006年6月」は小泉首相の時代であるとともに、もちろん、ブッシュの時代でもあった。
 日米蜜月時代――そのあきれ果てた親密さのクライマックスが、同年7月1日の、パパ小泉のメンフィス訪問だったことは、なお記憶に新しい。

 ブッシュ夫妻も同行した「プレスリーの聖地」への旅に、ジュニア・進次郎氏は同行したのだろうか?

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 ジュニア・進次郎氏のCSIS入りの時代的な背景を確認したところで、次の問題は、「で、CSISって何?」ということになる。

 ジュニアが大学院を修了したコロンビア大学はニューヨークにあるが、CSISはワシントンにある。

 1964年、バーク(海軍提督)とアブシャー(のちのレーガン政権高官)の両氏によって、ジョージタウン大学内の機関として発足、その後、独立して今に至る、ヘリテージなどと並んだ、米国タカ派の代表的な研究所として知られる。

 現在、理事としてキッシンジャーやブレジンスキー(コロンビア大学)、スコウクロフトらが名を連ねているが、私が個人的に注目するのは、CSISの「お抱え学者」として、フレッド・イクレがでんと居座っていることである。

 イクレはレーガン時代に、ワインバーガー国防長官、及び、レーガンに振り付けした、「核の神学者」で、空前の大軍拡のイデオローグだった人物。

 イクレが仕切った、このレーガン時代に、権力の座にありついた連中(ウォルフォウィッツら)が、クリントン時代の空白を経て、再び権力の蜜に群がったのが、息子ブッシュの時代。

 CSISとはつまり、こうした軍事タカ派の中枢シンクタンクであるわけだ。

 ブッシュ=小泉の時代に、ジュニア・進次郎氏がCSIS入りできた背景には、こうした政治的な流れがあったのである。

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 さて、このCSISのジャパン・チェアに就いているのが、マイケル・グリーン氏(ジョージタウン大学助教授)だ。(ジュニア・進次郎氏はどうも、このグリーン氏の下で、日米関係の分析の仕事をしていたようだ)

 ワシントンでは、今や希少動物と化したジャパノロジストの一人として、日本のマスコミの寵児扱いされている、このグリーン氏の最近のCSIS論文が面白い。

 (⇒  http://csis.org/files/publication/090519_platform.pdf )

 なかなか為になる。アメリカの保守派(タカ派)の対日観を理解することができるからだ。

 グリーン氏が同僚のニコラス・スジェツィニー氏とことし5月19日付で、共同発表した、このCSIS論文のタイトルは「政治的な不確実性にもかかわらず、日本はなお軍旗を高く掲げることができる(Despite Political Uncertainty, Japan Can Still Show The Flag.)」。

 こんな「タイトル」を聞かされただけで、日本の「ポチ」イメージが、「米軍旗」を担がされた「のらくろ」イメージに変化してしまうが、そこにはたとえば、ジュニア・進次郎氏のパパ・純一郎元首相について、以下のような記述がある。 

 For those in Washington who benefited from the predictability of the Koizumi years, it is hard not to feel some sympathy for alliance managers facing the current circumstances.

 懐かしき「小泉の歳月」! あの頃はよかったなぁ~! 小泉の下で日本は「予測可能だった」から。それに比べると、いまに日米同盟のマネージャーたちに同情したくもなるよなぁ~!

 と、まあ、大体、こんな意味だが、「予測がついた」とは、日本の「軍旗のらくろ」総大将が、ブッシュと親密で、噛み付かれる心配はなかったということだろう。

 ここで話を元に戻すと、だから、ジュニア・進次郎のCSIS入りは、こうした「予測可能性」のあった、よき時代での出来事であったわけだ。

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 そんなCSIS出身の進次郎氏に、日本のポチ政治家に、CSIS以下、アメリカの軍事タカ派は何を期待しているかは、最早、言うまでもなかろう。

 ここで再び、グリーン氏らの論文を引用して紹介すると、なんと、こんなことまで言い切っているのだ。

 If one looks beyond the political headlines and examines the politics of Japanese security policy more closely, it is striking how many new precedents are being set. Over the past month, the Self Defense Forces (SDF) have demonstrated capabilities and doctrine on missile defense and antipiracy that would have been unthinkable even a few years ago. Meanwhile, officials and scholars are laying the conceptual groundwork and building a strong consensus for new National Defense Program Guidelines (NDPG) that will position the SDF to increase capabilities even further in the years ahead.

 (政権が交代しようと)な~に、大丈夫。もう、ちゃっと仕掛けは、打ってあるから、気にしない、気にしない。先月なんか、日本の自衛隊、ミサイル能力、見せてくれたじゃない! 日本の当局者も学者たちも、ほか、あの日本の「新防衛大綱」、地ならししてくれているしさ。もう、大丈夫! 

 こういうグリーン氏の下で、ジュニア・進次郎氏は鍛えられたのである!(洗脳された!)のである――これこそ、日本のマスコミが追及すべき大問題ではないか。

 あなたはどう思っているの? 軍旗、掲げよ(ショー・ザ・フラッグ)と命令されたら、言われた通りにするの?――と、まずもって問い質すのが筋ではないか?

 握手した・しない、が問題ではない。問題は、ジュニア・進次郎よ、お前はポチなのか――である。お前は、タカの言いなりになって動く、ポチなのか?????

 自民党の防衛族の中には、「敵ミサイル基地攻撃能力を持て」などと狂ったようなことを言い出している連中もいるが、そうした動きを、CSIS研究員だった、ジュニア・進次郎氏よ、君はいったい、どう考えているのか?

   
 小泉進次郎氏よ! 国政選挙に出る以上、君には、握手に応えなくとも、政治的な信条を問う問いには明確に答える義務がある。
 

Posted by 大沼安史 at 10:07 午後 1.いんさいど世界 |

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