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2009-07-01

〔コラム 机の上の空〕 国会前 6月15日 

  朝日新聞の「声」欄(6月30日付)に、和歌山県にお住まいの本多立太郎さん、95歳の投書が載っていた。

 「樺さんの思い、受け継ぐ若者」と見出しのついた、本多さんの和歌山からの「便り」は、身をもってこの国の希望の在り処を示す、祈りの矢のような投書だった。

 本多さんは49年前の「6月15日」、国会デモの隊列の末尾にいた。東大生の樺美智子さんが「命を散らした」同じ時間、同じ場所にいた。

 当時、46歳。
 「平和への危機感は増大し」、「ここ30年余、6月15日は紀州の山中から出て行く」のだそうだ。樺さんを悼んで、国会南通用門前で花をささげる。

 本多さんが毎年、その日、その場所に向かうのは、そこに、忘れてはならないものがあるからだろう。失ってはならないものがあるからだろう。

 デモの隊列にあった本多さんは赤ん坊を背負った母親を見かけ、ねぎらいをかけたことを憶えている。「いいえ、だってこの子のためですもの」――母親の声が今でも耳に甦る。

 6月15日の国会前では、若者たちが花をささげている。その姿を見るたび、本多さんは思う。
 「思いはいっそう深く重く受け継がれているのだ」と。

 失われた若い命が新しい世代の若者に希望を託し、花を手向ける若者の姿に、95歳の老人がこの国の希望を垣間見る。
 
 来年は「60年安保」の50周年。
 50回目の「6・15」がめぐって来る。  
 

Posted by 大沼安史 at 08:55 午後 3.コラム机の上の空 |

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