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2009-07-12

〔コラム 机の上の空〕 オバマが開いた「帰らざる扉」 「奴隷の城」で語られた根源の「悪」、そして「希望」

 CNNのビデオで、オバマ大統領の、ガーナ、「ケープ・コースト・カースル」での短い演説を視聴した。
  ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=jJWiU01y7KY

 「ケープ・コースト・カースル」……「海岸岬の城」。大英帝国が一六六五年から一八〇七年まで、150年間にもわたって、黒人奴隷を閉じ込め、船で積み出したところだ。

 アフリカに父方のルーツを持つ、アメリカの「黒人」大統領、オバマが11日、家族とともに、その場所に立った!
 アフリカの民が奴隷として生きたアメリカから、アフリカの血の流れるオバマが「帰り」、その場所で言葉を述べた!

               ☆

 いつもはクールなオバマが、あのブッヘンバルト同様、違って見えた。 厳しい表情は、悲しそうであり、それ以上に、強かった。

 オバマは強かった。過去と現在の「歴史」の極点で、噴き出した感情を整理し、未来への責務の在り処を指し示した。

 「心揺さぶられる経験です。心揺さぶられる時です。苦痛に満ちたものではありますが、私はこう思います。それは、私たち全員に教えています。こうした悪と闘うために何をなすべきか、を。こうした悪は、悲しいことに今なお、存在しています」

 “Obviously, it’s a moving experience, a moving moment. As painful as it is, I think that it helps to teach all of us that we have to do what we can to fight against the kinds of evils that, sadly, still exist in our world.”

               ☆

 オバマは演説は演説の中で、「城」の「穴倉」(ダンジェオン)の上に「教会」があったことにも触れた。

 ナチスの絶滅収容所のブッヘンバルトと変わらない「純粋の悪(Pure Evil)」と、「教会」という、「善きもの」が、この「城」の中で、共存していたという歴史的な事実!

 これは、重大な問題である。根源的な問題である。

 「悪」を可能ならしめた「善」……オバマは口を噤まずに、ハッキリ、言葉にして語った!

               ☆

 「穴倉」(男女別)には男が1000人、女が300人拘禁され、アメリカやカリブ海へ積み出される日を待った。

 黒人たちは、この「城」の門をくぐると、二度と故郷に戻れなかった。
 この門は、今、「帰らざる扉(The Door of No Return)」と呼ばれている。
  
                              ☆

 オバマが訥々と言葉を語り継ぐビデオ映像の背景(遠景)は、海だった。大西洋の波が繰り返し、昔、ゴールド・コースト(黄金海岸)と呼ばれた海岸に押し寄せている。

 「海岸岬」の周辺は、美しい場所なのだ。美し過ぎるほど美しい。それは黒人作家のリチャード・ライトをも、かつて感嘆させたほどである。

                              ☆

 空前の「悪」は、「善」の認可の下、この美し過ぎる海岸で、起きた。
 

 ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=jJWiU01y7KY

    ケープ・コースト・カースル 説明文&写真 →
     http://www.historycooperative.org/journals/cp/vol-01/no-04/finley/finley-5.shtml
 
    ケープ・コースト・カースルの歴史については →
     http://www.post-gazette.com/pg/09192/983229-82.stm

    ニューヨーク・タイムズの記事 →
     http://www.nytimes.com/2009/07/12/world/africa/12prexy.html?ref=global-home

Posted by 大沼安史 at 07:56 午後 3.コラム机の上の空 |

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