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2009-06-16

〔いんさいど世界〕 100万人が抗議デモ 「イラン・運命の日」&「雨の中のメーク・ラブ」 ロバート・フィスク記者@テヘラン 

 英紙インディペンデントのロバート・フィスク記者がテヘラン入りして、現場からレポートを続けている。

 16日の同紙(電子版)でのレポートのタイトルは「イランの運命の日」。

 前日、15日のデモを目撃したフィスク記者は「それはイランの運命の日であり、勇気の日だった」と書いた。

 フィスク記者は、あのビンラディンとも何回か会って取材している、中東報道の第一人者。その彼がテヘランに入っている! 頼もしい限りだ。

 フィクス記者によれば、「群衆は歌い、叫び、笑い、大統領を“クズ”と呼んでバカにした」そうだ。

 1979年の「イラン革命」以来の大群衆の抗議行動。100万人!

 群衆の勇気は「信じられないほど」だとフィスク記者は言う。
 デモの人々は皆、テヘラン大学で学生が5人、ピストルで無残に撃ち殺されたことを知っており、それを知りながら街頭に出た。

 フィスク記者が15日朝、大学のゲートに行くと、学生たちが泣いていたという。「虐殺だ」と叫んでいたという。

 雨の中、フィスク記者の横を、若いイラン人男性が歩いていた。ペルシャ語の詩を歌いながら。テヘラン大学の学生だった。フィスク記者はその学生に、その歌を訳してくれ、と頼んだ。

 「現代イランの詩人、ソーラブ・セペリの詩です」

 学生の(英)訳はこうだった。

   私たちは雨の中、行かねばならない
   私たちは目を洗わなければならない
   そして私たちは世界を別の目で見なければならない

 現場からのレポートで、詩を紹介するフィスク氏。
 さすがだ。

 テヘラン大学の学生はさらに、フィスク氏にこう続けた。

 「この詩の次の一行は、雨の中での女性とのメークラブ。ちょっとデモには似合わないね」
 その学生と、仲間の2人は笑いながら、頷き合ったのだそうだ。

 雨の中のメーク・ラブ……デモの本質――「自由」を、この一言で見事に描いてみせた、イランの学生たち&フィスク氏。

 やがてテヘランの雨が上がって、デモの群衆の上に陽が降り注いだという。

 運命の女神がイラン民衆に微笑むことを祈る。

⇒  http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-irans-day-of-destiny-1706010.html

Posted by 大沼安史 at 07:54 午後 1.いんさいど世界 |

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