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2009-06-13

〔いんさいど世界 (増補版)〕 ピョンヤンより愛を込めて 金正日の対米プルトニウム・ラブコール

 北朝鮮がまたも「強硬姿勢」を強めた。「3回目の核実験準備」に続き、こんどは「全プルトニウムの兵器化」だそうだ。
 ⇒  http://www.independent.co.uk/news/world/asia/north-korea-says-it-will-weaponize-its-plutonium-1704347.html

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 1945年の「神の国」(日本)と、2009年の「地上の楽園」(北朝鮮)は、民衆の福祉などそっちのけで、独裁者どもが(とその取り巻き)「国体護持」に躍起となった点で共通している。

 「神の国」は「冷戦」の幕開けという「カミカゼ」が吹いて、戦後民主主義の「皮」をかぶることで「国体護持」に成功したが、「地上の楽園」の将軍さまは、3男坊への権力移譲=皇位継承が無事、実現するかどうか――果たして自分たちは生き残れるかどうか、気になって仕方がないようだ。

 で、「瀬戸際政策」のカードを次々に切って、「聖戦遂行!」「撃してしやまん」「欲しがりません、勝つまでは」と国内の引き締めにかかる一方、「国体護持」の確約を求め続けている……。

 北朝鮮の「挑発エスカレーション」の「構図」には、そんな、既視感とやりきれなさが漂う。

 が、それにしても、「国体護持」に躍起な金正日は、なぜ、次から次へと、世界の反発を買う――世界に叩かれっぱなしの「強硬姿勢」を打ち出しているのか?

 逆説的な言い方になるが、答えはひとつ――北朝鮮はアメリカに対して、「対決」という名の「塩」を贈っているのだ。

 つまり、金正日の「核」には、米国への「愛」が込められている。すなわち、「プルトニウム・ラブコール」。

 ではなぜ、「敵に塩」のラブコールを、「北」はアメリカに贈るのか?
 それは、朝鮮半島の軍事緊張が高まれば高まるほど、米国の、中国に対する立場が強まるからだ。

 「世界帝国」として経済的にも破綻した米国は、金融面で中国の協力を引き出すしかないが、イラク・アフガンという重い足枷もあり、ペキンに対して切れる、自前のカードはゼロ。
 そんな時に「北」の将軍さまが、脳卒中にもめげず、暴れまくってくれることは、米国にとって、願ってもない「交渉材料」。実にありがたいことであるわけだ。

 アメリカとしては(その気もないのに)、中国に対して、そんなに言うならいいですよ、北朝鮮の体制存続、認めてあげてもいいですよ……でも、その代わり………と言える――。

 2回目の核実験の際、中国外務省は北朝鮮を「罵る」声明を発表したが、それは子飼いのポチ(将軍さま)が勝手に、オバマ政権に対し「シッポ」を振る……あ、いや、「塩(それもプルトニウムをまぶした!!??)」を贈ったことへの怒りだったはずだ。

 オバマ大統領は今年後半、初の中国訪問を行うことを模索中だと言われる。
 後半とは秋以降という意味だが、北朝鮮の軍事独裁政権にとっても、10月初めは「皇位継承」発表の山場である。

 金正日は、そこらあたりに「終戦の日」を設定、オバマ政権に花を持たせるかたちで、朝鮮半島の「現状維持」を――つまりは、国体維持の護符を、あわよくば米・中・北朝鮮による3ヵ国共同宣言によって勝ち取る戦略でいるのだろう。

 もちろん、米政権もこうした「北」の意図を知っているから、今年後半に向かう政治日程の中で、「第二次朝鮮戦争」カードをちらつかせながら、北朝鮮を適当にあしらいつつ、中国に圧力をかけ、日本をもまた、いいように操ることだろう。

 となると、「米」「北」双方が「賭金」を吊り上げる必要が出るから、小競り合い的なミニ・軍事衝突ぐらいは、ありそうだ。

 (オバマは賢いから、1962年の「キューバ危機」の際のケネディのように、「北朝鮮」を海上封印(seal-off)したとしても、「封鎖」(blockade)という言葉は使わないだろう。たぶん、「隔離(quarantine)」と言い換えるはずである。「封鎖」は「戦争行為」であるからだ)

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 北朝鮮の超瀬戸際政策は「国体」の存続を賭けた、アメリカに対する媚態――醜態である。「核」という名の「ぶって! ぶって!マゾ姫」を、アメリカに押し付け、いいように使ってください、と言っている。

 それは米占領軍に対して、食うに事欠く「大和撫子」たちを集め、早速「特殊慰安所」を開設した、「終戦時」の日本の権力者の姿と、どこか似ている。
  

 

Posted by 大沼安史 at 08:59 午後 1.いんさいど世界 |

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