〔イラクから〕 「戦争も殺人も悪である。そのどちらの悪も私は犯してしまった」 終身刑のグリーン上等兵の謝罪声明
イラクで民間人の一家4人をレイプ・殺害した罪で、陪審から終身刑の評決を受けた〔本ブログ既報〕スティーブン・グリーン元陸軍上等兵が28日、連邦裁判所の法廷で、イラク人遺族の見守る前で、「謝罪の声明文」を読み上げた。
AP電で、グリーン元上等兵自身が書いた、その「声明文」のテキストを読んだ。
読んで、ああ、26歳(犯行時、20歳)になる、この若者は苦しみ続けて来たのだなあ、と思った。
「僕にはもう、取り返しはつかないんだ。僕の謝罪は不十分なものにしかならないが、これしかできないんだ……」
軍隊に入るまで、「僕が人を殺すなんて、民間人を故意に殺せるなんて思いもよらなかった」。
「それが、イラクで、ある時点から、イラクの人を、一人の人間として見れなくなってしまった。ひとまとめに、ひとつの悪として、人間以下のものと見るようになった」
「僕は間違っていた」
「戦争も殺人も悪である。そのどちらの悪も私は犯してしまった」
グリーン元上等兵が殺害した一家の男の子たちは生き残った。
その男の子たちに対して、元上等兵はこう言った。
「僕はただ、彼らが僕が犯した悪夢を乗り越え、よき未来に向かって進んで行ってほしいと望むだけだ」と。
グリーン元上等兵は終身刑を終えた先に待つ、「神の審判」を恐れていると言った。
そのくだりを読んで、「神の審判」をもっと恐れなければならないのは、ほかにいる、と思った。
⇒ http://wire.antiwar.com/2009/05/28/statement-of-ex-soldier-steven-dale-green/
Posted by 大沼安史 at 10:02 午後 | Permalink