〔NEWS〕 「イワン雷帝」再拘留でドイツへ送還 ユダヤ人29万人を殺害
戦時中、ポーランド東部のソビボル絶滅収容所の看守としてユダヤ人29万人の殺害に関与したとされるイワン・デムヤンユク容疑者(89歳)が11日、米国オハイオ州から、ドイツのミュンヘンに送還された。
ニューヨーク・タイムズなどが報じた。
同容疑者は「イワン雷帝」として恐れらていた人物で、23年前、いったんイスラエルで裁判にかけられ、死刑を求刑されたが、同容疑者に有利な新証拠が現れ、身柄の拘束を解かれ、米国に帰っていた。
ドイツの検察当局は、今度こそ、訴追するに足る十分な証拠が揃っていると自信を深めている。
デムヤンユク容疑者は高齢で病気を抱えており、裁判になったとしても、尋問に耐えれるかどうかは不明。
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「アジア戦争記録文学邦訳プロジェクト」を提案する
「イワン雷帝」に対する今回の再拘留は、ニュルンベルク裁判以来続いて来たナチス戦犯に対する追及の最終章の幕開けである。
戦後64年、89歳のナチス戦犯を、法の裁きの下に立たせようとする、ドイツという国……。
同じ「元ファシズム国家」なのに、日本とはずいぶん違うものだ。
岸信介のような「A級戦犯」が生き延び、「総理大臣」となって自ら恥じることのない国だから、その孫が調子に乗って、この国は「美しい国」だ、「従軍慰安婦は客観的な事実でない」などと抜かすのも当然である。
ニューヨーク・タイムズで「イワン雷帝」のニュースを知り、ミュンヘンの「南ドイツ新聞」のサイトに入ったら、タイムズ紙以上の、力のこもった報道ぶりだった。電子版の本記には「ビデオ」クリップまでついている。
そこまでやる……なんたる違い!
ドイツではエリ・ヴィーゼルやプリモ・レヴィら絶滅収容所経験のあるユダヤ人たちの記録文学がドイツ語訳で出版されている。
同様に、われわれ日本人が日本語訳で読まねばならない、中国、朝鮮半島などの文献で、未訳のものは、ドイツ以上に多いはずだ。
生存する当事者がほとんどいなくなった現在、日本政府としてできることは――少なくともそのひとつは、遅まきながら、中国など、侵略された側に残る、記録文学など「歴史の証言」の邦訳作業だろう。
過去を直視する「アジア戦争記録文学邦訳プロジェクト」を提案する。
⇒ http://www.nytimes.com/2009/05/13/world/europe/13german.html?hp
Posted by 大沼安史 at 09:52 午後 | Permalink
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イワン雷帝」再拘留でドイツへ送還 ユダヤ人
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