〔イラクから〕 戦争犯罪者 グリーン上等兵 20歳の若者がイラクで民家に押し入り、14歳の少女を暴行 5歳の妹を含む家族4人を殺すまで
米ケンタッキー州パディカの連邦地区裁判所は7日、元米陸軍兵士(上等兵)、スティーブン・グリーン被告を有罪と認定。12人の陪審が11日、死刑を含む量刑判断を行うことになった。
グリーン元上等兵は、24歳になったばかりの若者。被告弁護士は「認定事実は争わない。死刑回避に全力を挙げる」としている。
若者はどんな「罪」を犯して、裁判にかけられたか?
グリーン元上等兵の「犯罪」は2006年3月12日、イラクの首都、バグダッドの南32キロ、マムーディヤの町で行われた。
当時、20歳と10ヵ月のグリーン上等兵は、同じブラヴォー中隊に属する仲間4人とともに、夜、黒装束に着替え、民家に侵入。
グリーン上等兵は民間人であるその家の主人と妻、14歳と5歳の娘の計4人を銃殺。14歳の長女に対しては、殺害する前、暴行を加えた。
上等兵はことし4月に精神的なトラブルで除隊になり、その後、イラクでの犯行が発覚、訴追され、裁判を受けていた。
スティーブン・グリーンとはどんな若者だったのか?
ニューヨーク・タイムズ紙の、イラクで犯罪を犯すまでの軌跡を辿る記事を読むと、苦しい少年時代を送った若者であることが分かる。
両親の離婚、母親との不和、高校中退、ドラッグとアルコール、無職……
そんな若者が陸軍のリクルートに応募したのは、2005年2月、19歳のとき。刑務所を出て、数日後のことだった。
陸軍のチャペルで洗礼を受け、イラクの戦場に。
ブラヴォー中隊が展開したバグダッド南部地区は激戦地で、4ヵ月の間に8人の戦死者が出た。狙撃されたり、路肩爆弾に殺られたり。同じ中隊かはハッキリしないが、拉致され(おそらくは首を)切断される同僚もいたそうだ。
なぜ、グリーン上等兵がイラクの民間人一家を殺したか、動機はいまひとつ、ハッキリしない。しかし、家に押し入り、銃を発射、少女をレイプしたことは事実だ。
しかし、それが復讐心であれ、恐怖心の裏返しであれ、正気の沙汰ではなかったことは疑い得ないことだ。
グリーン上等兵は、してはならないことをしてしまった。
でも、だからといって、今回の事件を、家庭的な問題、非行歴を抱えた若者が罪もない家族を強姦・殺害しただけのこと、ふつうの殺人事件と変わりないから、他の殺人者同様、連邦裁判所において連邦法に則り、裁けばいいだけのことだ……といった視点で見てはならない。
グリーン上等兵は、れっきとした「戦争犯罪者」なのである。
イラク戦争という「戦争」の中で行われた「戦争犯罪」として裁かれなければならない。
本来なら、イラクの現地において、イラク側のイニシアチブで、裁かれなければならないことなのだ。
ブッシュやラムズフェルドらを証人席に立たせて行うべき、「戦争裁判」で裁かれるべきことなのだ。
「A級戦犯」を見逃し、下位の兵士(あるいは指揮官)「個人」に責めを負わせるだけでは済まない。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/05/08/AR2009050800377.html
Posted by 大沼安史 at 07:16 午後 | Permalink

















