〔いんさいど世界〕 ゴールをゲットだ! 人生でも! ニューヨーク ホームレス・サッカー・チームが大活躍
ホームレスたちのサッカー・チームが、ニューヨークで大活躍しているそうだ。
ニューヨーク・タイムズが報じた。
不況の直撃にも負けず、キックバックして自立の道を探る、プレーヤーたち。
彼らにとって、チームとはホームであり、ピッチはまさに人生の夢を甦らす「フィールド・オブ・ドリームズ」であるのだろう。
電子版の記事は、ビデオ付き。見て、読んで、ブログに書かずにはおれなくなった。
レンガ色のユニフォーム、セコハン(お古)シューズ姿の「ストリート・サッカー・NY(ニューヨーク)」の面々が、4月28日、「チェルシー・ピアーズ」という室内サッカー競技場で対戦した相手は、カナダの「ロイヤル銀行」チーム、「ガナーズ」だった。
真新しいユニホーム姿のバンカー・チームは、学位(デグリー)持ちのエリート。
バンカーとホームレスの対戦は、まさに金融不況の加害者と被害者、リッチ対無一文、マンション対ストリート(路上)との対決。現代を一枚の縮図として見せるゲームとなった。
結果は、10対4で――ホームレスの勝ち。ホームレス・チーム(ビデオで見ると、全員が黒人のようだ)が、余裕のバンカー(銀行家)チームを破ったのだ。
「ストリート・サッカー・NY」の本拠は、マンハッタン島に沿って流れる「イースト・リバー」の中島、「ワーズ島」のホームレス・シェルター。
昨年秋、ノースカロライナからニューヨークに引っ越して来た、ローレンス・カンさん(白人、31歳)という元学生サッカーのスター選手が、シェルター内の、埃だらけの体育館を練習場に、チームづくりに取りかかった。
サッカーなどしたこともないホームレスたちが集まったが、最初の練習で大半が脱落、2回目の練習に顔を出したのは6人だけだった。
英語も満足に話せない移民ホームレスが中心で、お互い、名前も知らない状態。パスを出す時、相手を名前で呼ぶところから始めたそうだ。
ナイキ社からジャージーの寄付を受けるなどして練習を続けるうちに、サッカー以外の面でも進歩の兆しが現れた。ケースワーカーに会うのを拒否していたメンバーが話し合いをするようになり、ほかにシェルターを出て家族のもとに帰る者も現れた。
チームのセンターバックを務めるクリスさんは25歳。まだ、シェルターをねぐらにしているが、デパートのカフェで働き始めた。そのクリスさんの弁が、なかなかいい。
「(サッカーとして)ノーマルなところに戻ったと言うつもりはないけど、自分を取り戻したような気がする」
みんなサッカー通じ、自分と自信を掴んでいるのだ。クリスさんらにとって、サッカーは「自分の足で立つための道具」になっている……。
バンカー・チームの「ガナーズ」に勝つまでは、負けてばかりだった。
待望の初勝利は「流れるようなパス」で勝ち取ったもの。その見事なチームプレーぶりに、隣のフィールドから観戦していた人の中から、感嘆の声が上がった。
「パスの出し方さえ知らなかったんだ。お互いを信じることができないところから始めたんだ」と、監督のカンさん。
信頼のパスワークはピッチの上に限らず、ホームレス・プレーヤー一人ひとりが自立を目指す面でも、大きな支えとなるものだろう。
タイムズ紙の記事によれば、アメリカでは2005年に、「ストリート・サッカーUSA」という競技団体が発足、現在、ニューヨークを含む16都市でチームが活動しているそうだ。
また、ホームレスのサッカーはアメリカに限ったことではなく、世界各国に広がっており、ことし9月には「ホームレス・ワールド・カップ」がイタリアのミラノで開かれるそう。(日本からも出場するチームがあるのかしら……)
ストリートから巻き返し、人生のゴールを決めようとするホームレス・プレーヤーたちに、みんなで熱い声援を贈ろう!
⇒ http://www.nytimes.com/2009/05/03/nyregion/03homeless.html?_r=6&hp

















